LIVE SHUTTLE  vol. 403

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でんぱ組.inc 約1年ぶりにバンドとともにオンラインライブ。熱くてハッピーな“でんぱ夏祭り”をレポートする。

でんぱ組.inc 約1年ぶりにバンドとともにオンラインライブ。熱くてハッピーな“でんぱ夏祭り”をレポートする。

でんぱ組.incが7月30日(木)に有料配信ライブ『THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE 〜夏祭り編!!〜』を開催した。

でんぱ組は毎年数々の夏フェスへ出演してきたが、今年はコロナ禍で多くのフェスが中止。しかし、でんぱ組の夏のライブを届けたいという思いから、今回生バンドを率いたライブが行われることとなった。

オープニングアクトは、でんぱ組と同じ事務所の後輩グループ、meme tokyo.が務めた。韓国にいるメンバーのSOLIは、オープニングコメントで参加。MEW、ASUKA、RITO、KOROMOの4人は、7月29日にリリースされたばかりの新曲「モラトリアムアクアリウム」、そして「スーサイド ボーダレス」の2曲を披露し、先輩のライブに華を添えた。

でんぱ組のライブは、「プレシャスサマー!」から勢い全開でスタート。古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪のメンバー6人が、同じステージに立ってパフォーマンスするのも久しぶり。さらに約1年ぶりのでんでんバンドとのライブということもあって、6人のテンションはかなり高い。無数のレーザーが飛び交う中、6人は渾身の歌とダンスで見せていく。バンドの4人メンバーは、それぞれが別のスタジオブースから参加。絵的には、基本的にメンバーのパフォーマンスを画面の四方からバックアップする形となっていた。

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バンドのファンキーな演奏に乗って、相沢は「『THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE 〜夏祭り編!!〜』始まりましたよー!」、藤咲は「みなさん、おうちの中は夏祭りモードですか!」、成瀬は「同じアホなら踊らにゃ損損。楽しく歌って踊ってはしゃいで行こう! これぞサマー!」と画面越しの観客を煽っていく。鹿目の「夏祭り妄想デート、一緒にしてくれるかな?」という変化球の煽りを挟んで、根本は「オンラインライブだからって振り落とされるなよー!」、そして古川は「2020年の夏は今しかない! みんなで今日の夏祭り盛り上がっていきましょう!!」と声を上げてファンを盛り上げた。

すでにハイボルテージなメンバーは、「でんぱれーどJAPAN」「NEO JAPONISM」と爆発力満載のナンバーを立て続けに披露して、画面越しのファンとともにヒートアップしていった。

MCタイムに入ると、古川は「こんばんわー! 画面の前で応援してくれてますかー! でんぱ組.inc、勝手に夏祭りやってます!」、相沢は「今年は夏フェスに出れないので、夏フェスみたいなことをしたかったんです」、成瀬は「せっかくの夏だもん、何かバチンとやらんと!」と声を上げる。続けて古川が「でんでんバンドとのライブは、なんと1年ぶりになります。せっかくの夏なんで、みなさんに、熱いライブをお届けしたいです!」と、この日のライブの意気込みを語った。

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ライブに戻ると、「ギラメタスでんぱスターズ」が披露される。でんぱ組は、歌やダンスでの表現はもちろんのこと、豊かな表情も特徴的。この曲では、もはや顔芸に近いくらいのいい表情が連発。さらには、フォーメーションダンスやバンドメンバーまでもが輝いたりと映像のエフェクトも面白い状態になっていた。ピアノロックチューン「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」では、バンドメンバーの演奏カットが丸型になって画面を自在に動いたりと、オンラインの特性を活かしたライブでファンを楽しませていく。

メンバーが縦位置に寝転ぶと、ミッドチューン「星降る引きこもりの夜」が歌唱された。SNSや日々に疲れたときは夜空を見上げよう、自分のペースでいいという優しい思いの詰まった楽曲を、メンバーはアイコンタクトを取りながら歌っていく。そうしたシーンから、彼女たちのチームワークのよさを感じ取ることができた。

“ONE LOVE”のハモりからパーカッシブなサウンドが聴こえてくると「いのちのよろこび」の始まりだ。楽曲の持つ賑やかなお祭り感が、バンド演奏でさらに活き活きと聴こえる。“ウッハヤー”の掛け声、オペラのような声の張りなどミュージカルのような展開は、曲が進むに連れてさらに壮大になっていく。最後は、画面を通じてシンガロングを巻き起こした。

すでにメンバーは汗だく。MCタイムでは、“#でんぱ夏祭り”のツイートがトレンド入りを果たしたことが報告される。ライブができたことも含めて、古川は「それもこれもみんなのおかげです」とファンへの感謝を述べた。

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ライブ後半戦に突入すると、ライブの勢いはさらに増していく。BPM240のでんぱ組史上最速曲「破!to the Future」が披露された。高速ピアノロックチューンを、メンバーはステージを動き回ってパフォーマンス。成瀬の「いっくぞー!」の声から届けられたのは必殺のナンバー「Future Diver」。バンドの演奏によって音の跳ね感がアップし、楽曲の持つ未来への希望感、ポジティブな空気感も倍増して聴こえた。

相沢の伸びやかなボーカルから始まる「ORANGE RIUM」では、家で応援するたくさんのファンの姿が画面に映される。オレンジのサイリウム振る観客の姿ともに、メンバーは大切な思いを胸に前に進んでいく気持ちをしっかりと歌っていく。当たり前にあったライブという空間が今は遠いものになってしまった現状を思うと、かなり心に刺さるものがあった。

歌い終えて涙を流す相沢は、MCで「ファンクラブのみんなに事前に声をかけて、できる限りの方に参加してもらいました。映ってない人や、(ライブに来てくれていた)たくさんの人のことを思い出したら泣いちゃいました」と素直な思いを口にした。

気がつけば早くもライブ本編最後の曲。でんぱの夏祭りだけに、しんみり終わるのは似合わない。古川が「タオルとか家にあるいろんなものを振り回してください。我々にとって、夏フェスは夏の1番の思い出といっても過言ではないです。今年は(夏フェスは)できないけど、でもやりたいということで、この曲を最後に歌いたいです」と語って「おつかれサマー!」が披露された。ラテンフレイバーのアップチューンで、メンバーも画面越しのファンもタオルを回して盛り上がる。明るくハッピーな空気を作り上げて、ライブ本編は終了となった。

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ファンのアンコールコメントに応えてステージに戻ったメンバーは、グッドポップチューン「ユメ射す明日へ」を歌唱。明日はもっと素敵になる、今を諦めないでという温かく力強い歌詞がファンの心をグッとつかんでいった。

ここで、でんぱ組からファンへのうれしいお知らせとして、11月16日に次なるライブ『THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE FINAL!!〜ねぇ聞いて?宇宙を救うのはきっと……〜』の開催が告げられた。11月16日は、2011年にシングル「Future Diver」が発売されて9周年の記念日。この日限りのファーストアルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』の再現ライブが実施されるというのだ。

うれしい発表をファンに伝えた彼女たちは、勢いたっぷりのロックチューン「アイノカタチ」を歌唱する。様々な愛の形を肯定する歌詞が画面に映り、メンバーはファンとともに指でLポーズを作って歌を合唱してライブを熱くする。最後は6人が全員で肩を組んで曲を締めくくった。

いよいよ最後の曲…という瞬間に急にハッピーバースデーが演奏され、8月2日に誕生日を迎える相沢をサプライズでお祝い。meme tokyo.のメンバーがケーキを持って登場すると、笑顔の相沢はケーキを前にエアーロウソク消しを行なった。相沢は「まさか本番で来ると思ってなくて油断してました」と今度は感激の涙を流す。続けて「2020年いろいろ大変ですけど、周りで助けてくれるみんなと、(ライブを)見に来てくれるみんなのおかげでなんとかかんとかやっております。そんなみんなにいっぱい幸せが来るように、恩返しができるように、これからもがんばります」と、自分を支えてくれる人への感謝を伝えた。

ハッピーな空気に包まれる中、古川は次のライブの発表についてを振り返る。「ほんとは、今日は11月のライブの発表をする予定じゃなかったんですよ。でも、みんなにうれしいお知らせをしたくて、無理言ってちょっと前倒しで発表させていただきました。今、なかなかライブができない状況じゃないですか。今日も、見てくれてるみんなの応援とか力がないと成立しないんです。だから、ほんとにほんとに、見てくれてるみなさん、いつも応援してくださってるみなさん、ありがとうございます!」と、ライブができる喜びとファンへの気持ちを語った。

仕切り直しで、最後の曲「愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」が歌唱される。疾走感溢れる楽曲に合わせて、5人が踊る周りを成瀬がマラソンする振りや、根本を上に抱える振りなどユニークな場面が続く。曲のラストに向かってメンバーはますますブチ上がり、渾身の歌とダンスで見せていく。「お前ら愛してるー!」の声を上げるなどエモさも上昇した。最後は生バンドのライブらしく、全員で「せーの!」でジャンプしてライブはフィニッシュとなった。

でんぱ組が5月に行なった初オンラインライブでは、6人が別々のブースで歌唱し映像のエフェクトを加えて画面越しのファンを楽しませるという新たな切り口のライブを見せてくれた。今回は、6人が同じステージでパフォーマンスし、バンドメンバーが普段とはまた違った形で参加するという、コロナ禍の新しいライブスタイルで楽しませてくれた。難しい状況に悲観することなく、面白いアイディアを次々投下して行くでんぱ組の存在はかなり頼もしい。まさに、まだまだ前進していくでんぱ組.incの次なる展開に期待が高まるライブだった。

文 / 土屋恵介 ライブ撮影 / チェリーマン

でんぱ組.inc「THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE 〜夏祭り編!!〜 」
2020年7月30日

セットリスト

1.プレシャスサマー!
2.でんぱれーどJAPAN
3.NEO JAPONISM
4.ギラメタスでんぱスターズ
5.おやすみポラリスさよならパラレルワールド
6.星降る引きこもりの夜
7.いのちのよろこび
8.破!to the Future
9.Future Diver
10.ORANGE RIUM
11.おつかれサマー!
EC
12.ユメ射す明日へ
13.アイノカタチ
14.愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ
※でんでんバンド(G:板垣祐介、Ba:山田裕之、Dr:松原”マツキチ”寛、Key村山☆潤)Visual direction/Lighting /Laser/VJ:huez

ライブ情報

「THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE FINAL!!〜ねぇ聞いて?宇宙を救うのはきっと……〜」開催決定!!!

11月16日(月)19:00 ONLINE!!
詳細はオフィシャルサイトにて

でんぱ組.inc

古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪、の6人組ユニットで、ディアステージに所属し、様々な活動を展開。メンバーはもともと、アニメ・漫画・ゲームなど、自分の趣味に特化したコアなオタクでもある!
また、東京コレクションやミキオサカベをはじめとして、様々なクリエイターとのコラボレーションを活発に展開し、国内のみならず海外からも注目を集め、台北やジャカルタでのファッションイベントにも参加。さらに、2013年にはJAPAN EXPOに日本代表として出演。2014年度は東アジア文化都市2014横浜親善大使を務めた。TOY’S FACTORYの新レーベルMEME TOKYOに所属。マイナスからのスタートなめんな!というキャッチフレーズで話題になり2014年5月には日本武道館で1万人動員、2015年2月に国立競技場代々木第一体育館2days単独公演を大成功させた。シングル「あした地球がこなごなになっても」でミュージックチャート1位を獲得。2015年はワールドツアーも敢行。MTV「ワールド・ワイド・アクト賞」の日本部門「ベスト・ジャパン・アクト」のウィナーに。2016年12月21日にはベストアルバム『WWDBEST 〜電波良好!〜』をリリース。2017年1月に、アリーナツアー「幕神アリーナツアー2017 電波良好Wi-Fi完備!」6公演を開催、二度目となる日本武道館公演も行う。8月に、最上もが脱退。2017年12月30日「JOYSOUND presentsねぇもう一回きいて?宇宙を救うのはやっぱり、でんぱ組.inc!」大阪城ホール公演で、鹿目凛、根本凪が加入し、2018年4月4日に7人体制となって初のシングル「おやすみポラリスさよならパラレルワールド/ギラメタスでんぱスターズ」をリリース。2019年1月1日に7人体制初のアルバム『ワレワレハデンパグミインクダ』をリリース。1月6日と7日で日本武道館公演2days(二日間で約2万人動員)を開催。1月7日『でんぱ組.inc コスモツアー2019 in 日本武道館 夢眠ねむ卒業公演 ~新たなる旅立ち~』で夢眠ねむはでんぱ組.incから卒業。現体制初のアルバム『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』を、2020年4月15日にリリースした。

オフィシャルサイト
https://dempagumi.tokyo

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