映画『弱虫ペダル』特集  vol. 2

Interview

坂東龍汰によって“可愛さ”がプラスされた、映画『弱虫ペダル』の鳴子章吉

坂東龍汰によって“可愛さ”がプラスされた、映画『弱虫ペダル』の鳴子章吉

『春子の人形』では時代に翻弄されながらも真っ直ぐに生きる青年を、『十二人の死にたい子どもたち』では根は優しい不良少年を、『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』では話すのが不自由な精神疾患の患者を演じた坂東龍汰。新たな作品に出演するたびに役者としての幅を広げてゆく彼は、堤 幸彦の言葉を借りれば「変幻自在の俳優」なのだろう。

そんな坂東が『弱虫ペダル』の鳴子章吉を演じると聞いたときにはさすがに驚いた。ツンと立った赤い髪の毛、派手好き、関西弁、イケイケ──そんな鳴子の要素が、役者・坂東龍汰に抱くイメージのなかにひとつも見い出せなかったからだ。彼自身も「一瞬耳を疑った」と言うが、実は鳴子の元気なところは本来の性格に近いそう。そこに“可愛さ”をプラスしたのが映画『弱虫ペダル』の鳴子章吉だと言うのだから、注目せずにはいられない。

取材・文 / とみたまい 撮影 / 増永彩子


芝居だけでなく、自転車&関西弁のスキルも求められ「つねに神経を尖らせていた」

弱虫ペダル 坂東龍汰 WHAT's IN? tokyoインタビュー

まずは、映画『弱虫ペダル』出演が決まった際の心境について教えてください。

もちろん原作のことも知っていたので、「え!? 鳴子章吉……って、あの鳴子章吉だよね?」と(笑)、一瞬ちょっと耳を疑うような感じでしたけど、めちゃくちゃ嬉しかったですね。漫画を実写化した映画に出させていただくのは初めてだったので、楽しみな反面、「どうやって役作りをしていこう?」とか「いままでと違うアプローチをしなきゃいけないんだろうな」といった不安も少しはありましたが、漫画もアニメも見て、ワクワク感が止まらなかったです。

原作やアニメをどの程度参考にして役作りをしていったのでしょうか?

とにかく元気で、アツくて、負けず嫌い。でもすごく優しいっていう彼の性格は、原作やアニメから学べるものがたくさんありました。それを踏まえて、映画では生身の人間が演じるので……原作の要素も取り入れながら、自分の見つけた鳴子章吉像を演じられたらいいなと思って役作りをしていきました。

先ほど「いままでとは違うアプローチ」とおっしゃいましたが、一番違った部分はどこでしょうか?

テンションが高い役を演じたことがあんまりなかったので、そこが大きく違ったと思います。普段の僕は結構テンションが高いので(笑)、「自分のテンションの高さをそのまま活かせるかな?」って、楽しみでしたね。でもやっぱり、鳴子章吉っていう決められたイメージが絶対的にあったので、そこをしっかり落とし込みながら、新しいものを作っていく作業というのは、ゼロから自分で想像していくのとはまた違った楽しさがありました。

映画でしか見られない鳴子章吉になったということですね。

そうだと思います。

特にどんなところでしょうか?

見てくださる方それぞれに感じてもらえるとは思うんですけど……可愛さですかね?(笑)元々の鳴子章吉像に、新しく可愛さが加わったかもしれないです。犬っぽいというか(笑)。そこを見ていただければと思います。

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お芝居で関西弁を喋るのは今回が初めてとのことですが?

そうですね。僕は北海道出身なので、関西弁にあんまり馴染みがなかったんです。でも、僕が間違った発音をしたら(永瀬)廉くんが毎回直してくれたので、すごく助かりました。自転車に乗るとわけがわからないテンションになるし(笑)、息遣いとかも入ってくるので「ちゃんと関西弁を使えてるかな?」って心配でしたが……何も考えずに無心で発したセリフも「意外とちゃんと関西弁のイントネーションになっていたな」と、僕自身ビックリしました(笑)。

そう考えると、今回はお芝居に加えて、関西弁や自転車といった要素もあって、いろんなことを同時にやらなければならなかったんですね。

そうなんですよ! 本当にもう……ずーっと車を運転してる、みたいな感じで(笑)。つねに神経を尖らせながらお芝居をしないといけなかったので、体力は使いましたね。肉体的な体力もそうですが……ケガしちゃいけない、人にぶつからない、距離をしっかり保つといった“考える体力”も使ったと思います。いままで経験したことのない自転車競技というものに取り組んだので、それをリアルに表現するのはすごく難しかったですが、そのぶん楽しかったです。

永瀬 廉とふたりで演技論を語り合った3時間

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永瀬 廉さんが演じる小野田坂道、伊藤健太郎さんが演じる今泉俊輔の印象はいかがでしたか?

廉くんの坂道は、もう坂道でしかなくて(笑)。撮影で待機してるときは永瀬 廉くんなんですけど、演じてるときはザ・坂道。そのまんまって感じでした。健太郎くんもそうですね。廉くんの小野田と健太郎くんの今泉がいたから、自然と僕の鳴子がその世界に飛び出てきた感じがします。

小野田、今泉、鳴子の3人のバランスがすごく良くて、それはそのまま演じている僕たちの間でも保たれている感じがしました。僕は普段から結構オシャベリなので(笑)、鳴子にも重なるところがあったりして、ふたりといるのがすごく心地よかったです。

永瀬さんは坂東さんのことを「鳴子に似ている気がする。むしろ、鳴子くんより坂東くんのほうが元気」とおっしゃっていて……。

ははははは!(手を叩いて笑う)

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でも、「役者についてすごく考えている」とのことでした。永瀬さんと一緒にいるときに、坂東さんが演技についてアツく語っていたそうで。

え!? 廉くんも”一緒に”話したんですよ。ふたりでホテルのベッドで寝っ転がりながら、なぜか3時間ぐらい演技論を語るっていう(笑)。美味しいゴハンを食べた後でお互いに超機嫌が良くて、普段は絶対にそんな話はしないんですけど……なんかアツくなっちゃったんですよね、たぶん。廉くんも自分の意見をしっかりと話してましたよ!? 僕だけ3時間も話し続けてたら、追い出されてますからね(笑)。でも本当に楽しかったなぁ……。

どんなことをお話しされたのでしょうか?

お互いに「こういう役者になりたいよね」っていう野望を話したり、「あの人演技上手いよね、何であんなに上手いんだろう?」とか、「あの作品よかったよね」みたいな感じの話でした。あんまり詳しくは言えないんですけど……ふふふ。秘密ということでお願いします(笑)。

そうやって語り合ったことで、永瀬さんの印象は変わりましたか?

そうですね。「すっごくお芝居が好きなんだな」と思いました。現場でそういった深い話をすることはないので、初めて廉くんの演技への思いを知って、僕も刺激を受けました。まだ撮影の序盤のときにそういった話ができたので、「これから続く撮影も一緒に頑張ろう!」っていう気持ちになりました。その後もゴハンに一緒に行きましたが、アツい話はその一度だけでしたね(笑)。でも、語り合ったあの時間をきっかけに、ぐっと距離が近くなって、打ち解けられたような気がします。

三木康一郎監督と作品を初めてご一緒された感想はいかがでしょうか? 鳴子が冬の海で悔しさを爆発させるシーンは、かなりのテイクを重ねたとのことでしたが。

そうなんです(笑)。海のシーンをはじめ、テイクを何度も重ねるシーンが多かったです。監督はすごく優しいんですが、指摘するところはしっかり厳しく指摘してくださるので、すぐにお芝居を変えることができました。いただく指示が明確なので、あんまり悩まずに変えられるんですよね。そういう意味でも演技がすごくやりやすかったです。ロジカルに説明していただいたので、納得することができました。本当にストイックな方だなと思いました。

自分の強みは「いろんなことに興味を持って、流されていくところ」

弱虫ペダル 坂東龍汰 WHAT's IN? tokyoインタビュー

新型コロナウイルスの影響で『弱虫べダル』の撮影も中断を余儀なくされました。自粛期間はどのような心境で過ごしていたのでしょうか?

「現場に行きたいな」って、心の底から思いました。撮影が大変なときは「しんどいな」って思うことも……たま~にあるんですが(笑)、「やっぱり現場に居たいな」って、ずーっと思っていましたね。現場でお芝居ができるっていうのは、決して当たり前のことじゃなくて、本当に幸せなことなんだって。現場でお芝居ができるありがたみや楽しさを、改めて実感しました。

自粛期間はご自宅で何をされていたのでしょうか?

映画を見ている時間も多かったんですけど……「自分って何なんだろう?」みたいなことを考えたりしていました。結局、自分が自分のことを一番知らないんだなって思って、“何でだろうゲーム”をひとりでやっていました……あ、これは自分で勝手に名付けたゲームなんですけど(笑)。

(笑)。例えばどんなことを考えていたのでしょうか?

何で自分ってこうなんだろう? 何であの人にああいうことを言っちゃったんだろう? 何で仲良くなってくれたんだろう? 何で嫌われちゃったんだろう? とかって、自分に問いかけるゲームをずっとやっていました。時間が有り余ってたので(笑)。

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『弱虫ペダル』に出演されて、新しいことにいろいろと挑戦されたと思いますが、役者として得たものは何だったでしょうか?

いままで演じてきた役は、本来の自分とはちょっと違うところが多かったんですよね。でも、今回のような明るくて元気な役は自分と重なる部分が多くて、そういった役を初めてできたことで……新しい領域というか、自分の役の幅みたいなものは確実に広がったと思います。いままで僕を応援して見続けてくださった方々は特に、これまでとは違う坂東龍汰のお芝居が見られるんじゃないかなと思います。

今後こういった役もどんどんやっていきたいと思いましたし、同年代のキャストのみなさんと(自転車の)トレーニングから一緒に取り組めるような作品に出会えて嬉しかったし、自転車競技の楽しさを知ることもできたし……それに、みんなと一緒にもう一度青春を体験することができたので、この貴重な体験を活かして、今後こういった青春映画にもたくさん出てみたいと思いました。

作品ごとに毎回“新たな坂東龍汰”が見られますね。

本当に恵まれているなって、僕自身もすごく思います。毎回違ったタイプの面白い役をいただいて、みなさんにいろんな坂東龍汰をお見せできる機会があるっていうのは、本当に嬉しいですよね。今後もどんな役でもやっていきたいし、果敢に攻めていきたいですね。

そうやっていろんな役を演じているなか、現時点で役者としての強みを挙げるならば?

なんだろうなぁ? いい意味で“流されやすい”のかもしれないです。いろんなものに影響を受けやすいというか、何でも興味があるというか。興味を持ったらとことん突き詰めたくなる性格なので、そういったインプットの楽しさを、つねに求め続けているのかなと思います。

前とはタイプの違う役がきたときに、違うからこその面白みにワクワクするというか……自分で自分の強みを分析するのって、なんか恥ずかしいですよね(突然照れる坂東さん)。ははは! 恥ずかしいですけど、いろんなことに興味を持って流されていくっていうのが、僕は得意なのかもしれないです。


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坂東龍汰

1997年、北海道生まれ。2017年に俳優デビュー。主な出演作に、映画『十二人の死にたい子どもたち』(19)『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(19)『犬鳴村』(20)などがある。現在出演映画『#ハンド全力』が公開中。映画『スパイの妻』(10月16日公開予定)、『峠 最後のサムライ』(2020年公開予定)が控える。

オフィシャルサイト
http://dongyu.co.jp/profile/ryotabando/

オフィシャルTwitter
@bando_ryota

フォトギャラリー

映画『弱虫ペダル』

8月14日(金)全国公開

主演:永瀬 廉(King & Prince)

出演:伊藤健太郎、橋本環奈、坂東龍汰、栁 俊太郎、菅原 健、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)竜星 涼 / 皆川猿時
原作:渡辺 航『弱虫ペダル』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:三木康一郎
脚本:板谷里乃・三木康一郎
主題歌:King & Prince「Key of Heart」(Johnnys’ Universe)
配給:松竹

オフィシャルサイト
https://movies.shochiku.co.jp/yowapeda-eiga/

©2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 ©渡辺航(秋田書店)2008

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