Report

崎山つばさ、安井謙太郎、陳内 将らが魅せる芝居の真髄。舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』上演中!

崎山つばさ、安井謙太郎、陳内 将らが魅せる芝居の真髄。舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』上演中!

東映ムビ×ステ 舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』が7月23日(木・祝)池袋・サンシャイン劇場で開幕した。
映画と舞台を連動させる新時代エンターテインメント【東映ムビ×ステ】の第2弾。公開中の映画『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』から続くストーリーとして、崎山つばさ演じる侠客・庄司新之助を主人公とした新たな事件が描かれる。
初日公演直前に行われたゲネプロと囲み取材の模様をレポート。囲み取材では崎山つばさ、安井謙太郎(7ORDER)、陳内 将、脚本・演出の毛利亘宏(少年社中)が登壇。この時世の中で舞台を上演することへの想いを語った。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


もっと『死神遣いの事件帖』を知りたくなるような世界観

『死神遣いの事件帖』は、死神と“契約”することで自分の寿命の一部と引き換えに不思議な能力を使うことができる“死神遣い”と、その相棒である“死神”が遭遇する事件をめぐる物語。
江戸時代を舞台に、華やかな衣裳に身を包んだ個性的な登場人物たちが暴れまわる活劇であると同時に、シリアスな展開を加えた人情劇でもある。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

絶賛公開中の映画『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』は、“死神遣い”の久坂幻士郎(鈴木拡樹)が、江戸で発生した連続殺人事件の謎に挑んでいくストーリーだった。
舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』は、映画の脚本を務めた須藤泰司を原案に据え、毛利亘宏(少年社中)が脚本・演出を担当。
吉原遊廓の惣名主を父にもつ侠客の頭・庄司新之助(崎山つばさ)を主人公に、幻士郎と契約していた死神・十蘭(安井謙太郎)ほか、映画にも登場していた面々のその後をダイナミックに描き出す。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

まずはゲネプロの模様をレポートする。

舞台の始まりは、映画から1年後。
庄司新之助ら侠客たちは新たに「鬼八(おにはち)一家」を名乗り、悪人たちから民を助けるために江戸の町を奔走していた。
死神・十蘭は、新之助と契約するわけでもなく、それでも窮地に陥った際は手助けをしてやりながらともに過ごしている。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

そんな新之助の元に、お菊(伊藤優衣)という町娘から新たな依頼が舞い込む。
依頼を追いかけ、新之助がかつて身を寄せていた羅厳親分(山崎銀之丞)の所帯を尋ねると、そこでは天元(谷口賢志)という謎の男が用心棒を務めていた。
天元は死神・メメント(輝馬)とヴァニタス(エリザベス・マリー)を引き連れており、さらに十蘭の宿敵ともいえる死神・百目鬼(陳内 将)の姿もあった。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

動揺する十蘭をよそに、新之助のことを恨む新侠客・喜三郎(櫻井圭登)も登場して、事態は混乱。様々な人間・死神たちの思惑が絡み合うなか、新之助は死神にまつわる大きな陰謀に巻き込まれていく……。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

オープニングから軽快なダンスと気迫の殺陣が盛り込まれており、“舞台”の勢いが迸る。久々に劇場へ足を運んだ人は、どこか懐かしいような、「コレ、この感じ!」と嬉しくなるような高揚感を味わえるだろう。

“時代劇”としての殺陣に“死神”という幻想的な要素が加わり、よりダイナミックな表現が可能となった映像や演出がたっぷり。左右と後方に敷かれた障子の枠組みは可動式となっており、仕切りとして活用されるほか、ときにはスクリーンとなって迫力を増幅させる。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

“侠客”としての気っ風を感じさせる新之助の魅力も冒頭から全開。新之助を演じる崎山つばさの華とおおらかな色気が役柄にぴたりとハマっており、一家を率いるにふさわしい貫禄も漂っている。

新之助が「鬼八一家」の権左(松浦 司)、義助(松本寛也)、伝吉(北川尚弥)と繰り広げるやりとりは人情味に溢れており、彼らが意気込む場面には爽やかな痛快感があった。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

死神・十蘭は、新之助に対して「やれやれ」と溜め息をつきながらも世話を焼く。達観しているようでいて、どこか幼さを拭えない雰囲気を備えており、安井謙太郎のピュアさとマッチ。
一方で見せ場となるダンスシーンではしなやかな艶を見せ、天元や百目鬼に翻弄される場面では繊細な揺らぎの演技で物語の展開を担うなど、多くの見どころを作り出した。

天元とメメント、ヴァニタスが本作の“異色”さを引き立て、山崎銀之丞の演じる羅厳が“時代劇”に厚みを加えて、見応えある芝居に仕上げている。お菊と喜三郎が明かす真相も、クライマックスまで見逃せない。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

そして映画から物語を引き継ぐ役目を担っていたのが、陳内 将の演じる百目鬼。彼の持つ落ち着きが、深堀りされた設定に説得力を与えていた。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

こうして物語が“映画”から“舞台”に渡ることで、深みを持つ登場人物の魅力を一層知ると、崎山が囲み取材で語ったように“『死神遣いの事件帖』の広がり”にも期待したくなってしまう。

舞台観劇の満足感と同時に、もっと『死神遣いの事件帖』を知りたくなるような世界観を持つ作品だ。

演じることの意味が凝縮された舞台

この後は、囲み取材の模様をお届けする。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

囲み取材には、崎山つばさ、安井謙太郎(7ORDER)、陳内 将、脚本・演出の毛利亘宏(少年社中)が登壇。感染拡大防止対策のため、慎重な稽古期間を過ごしてから迎える本番に対して、それぞれが熱い想いを語った。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

崎山つばさ

庄司新之助 役・崎山つばさは「何が何でも舞台の幕を開けたいという思いで稽古に臨んでいました」と第一声から力を込める。
「いろんなニュースが飛び交って不安な部分もありましたが、感染対策をしっかりして、稽古場での過ごし方、劇場に入ってからの過ごし方も徹底して……。そして、こうして今ゲネプロを迎えて、初日を迎えられることがどれだけ嬉しいことかを身にしみて感じております」と感慨深くコメント。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

続けて「このご時世の中で、演じることの意味が凝縮された舞台だと思います。生きるということがどれだけ大切かをあらためて感じてもらえる作品になっています」と見どころを語ったほか、久々の舞台に「なんだか初舞台を踏むような感覚になっています」と照れ笑いを浮かべた。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

安井謙太郎

十蘭 役・安井謙太郎(7ORDER)は、「座長をはじめカンパニーでひとつになって、しっかりと作品を届けていこうと思います。映画と舞台の連動ということで、ふたつ合わさって完成する作品ではないかとも思っています。僕らで作品を盛り上げて、ムビ×ステ第3弾につなげられるように頑張ります!」と爽やかに意気込み。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

十蘭というキャラクターが「映画とはだいぶキャラクターが変わるというか、深堀りされている」と明かしたほか、本作では殺陣に初挑戦したことを告白。「人生で初めて剣を持って舞台に立ちます!」と、にこやかなアピールに加えて「大先輩のおふたりに迷惑をかけています。ありがとうございます!」と宣言。崎山と陳内に頭を下げたが、ふたりは「いやいや」と、そんな安井を微笑ましく見守っていた。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

陳内 将

百目鬼役・陳内 将は「スタッフさんたちが消毒や換気、稽古時間にも配慮して、万全な環境を作ってくださっていました。その中でも密度の濃い……今、“密”という言葉はあまり良くないですかね(苦笑)。濃度の濃い稽古をしてきましたので、お客さんに喜んでもらえる作品に仕上がっていると思っています」と自信を覗かせる。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

見どころには「映画の設定が、舞台ではどのようなものになるのかに注目していただければ」と含みを持たせつつ、「お客様が舞台に行けなかったりと悲しい日々が続きましたが、そのぶん、“舞台”って、“演劇”っていいなと感じられる作品を届けられたらと思っています」と微笑んだ。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

毛利亘宏

脚本・演出の毛利亘宏は「やっと劇場に帰ってこれました!」と安堵の表情。
「当たり前のようにお芝居していたので、劇場で舞台ができないことがとてもつらい日々でした。今日、このメンバーで戻ってくることができて本当に幸せに思っています。圧縮した稽古時間でしたが、全員の素晴らしい集中力と演技があって成り立った作品です。当初予定していた1幕構成から換気のために2幕構成へと変更しましたが、それが芝居としてもさらに面白い効果を生んだと思っています。映画にも負けない、映画を継いで完成する“ムビ×ステ”のステージをどうぞご覧くださいませ!」とアピールした。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

最後は、崎山が「映画では鈴木拡樹くんが主演で、そこからバトンを受け取り、舞台で主演として堂々と演じなければならないなという思いがあります。今回はムビ×ステ第2弾ですが、第1弾からのつながりを感じつつ、第3弾、あるいは『死神遣いの事件帖』の続編だったりという、いろんな可能性を発信できるようにしていきたい! 僕らは僕らのやり方で、僕らの演劇を届けることがすべてだと思っています。そのために1日でも多くの公演ができるように努めてまいりますので、ぜひとも応援のほどよろしくお願いいたします!」と強い意気込みを語り、囲み取材を締め括った。

稽古中だけでなく引き続きの対策や配慮を必要とする舞台の上演。自然と真剣な表情が多くなったが、途中で陳内が「あ、ピアス忘れました!」と気がついてアタフタ。皆からとびきりの笑顔を引き出す、ほんわかとしたひと時も見られた。

死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲- WHAT's IN? tokyoレポート

本作は8月2日(日)までサンシャイン劇場にて上演され、8月5日(水)~9日(日)、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、8月13日(木)福岡・福岡サンパレス、8月15日(土)広島・上野学園ホールと、4都市にて上演予定。

東映ムビ×ステ 舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』

©︎2020 toei-movie-st

2020年7月・8月 東京・大阪・福岡・広島 4都市にて上演
東京公演:2020年7月23日(木・祝)~8月2日(日)サンシャイン劇場
大阪公演:2020年8月5日(水)~8月9日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
福岡公演:2020年8月13日(木)福岡サンパレス
広島公演:2020年8月15日(土)上野学園ホール

原案:須藤泰司
脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)

出演:
庄司新之助 役:崎山つばさ

十蘭 役:安井謙太郎(7ORDER)

百目鬼 役:陳内 将

権左 役:松浦 司
義助 役:松本寛也
伝吉 役:北川尚弥

喜三郎 役:櫻井圭登
お菊 役:伊藤優衣
保科正之 役:田邉幸太郎

メメント 役:輝馬
ヴァニタス 役:エリザベス・マリー

天元 役:谷口賢志

羅厳 役:山崎銀之丞

アンサンブル:
川本裕之、橋本由希子、平井琴望、杉山諒二、宮川康裕、前田りょうが

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@toei_movie_st)

東映ムビ×ステ 映画『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』

©︎2020 toei-movie-st

2020年6月12日(金)〜公開

脚本:須藤泰司
監督:柴﨑貴行

出演:
鈴木拡樹
安井謙太郎 崎山つばさ/鈴木絢音(乃木坂46)
押田 岳 松浦 司 松本寛也 北川尚弥
高田里穂 萩野 崇 陳内 将
山口馬木也 堀内正美 高田聖子

オフィシャルサイト