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国盗りシミュレーションに新たな雄が参戦! 『ブリガンダイン ルーナジア戦記』はクリアー後のやり込み要素まで充実

国盗りシミュレーションに新たな雄が参戦! 『ブリガンダイン ルーナジア戦記』はクリアー後のやり込み要素まで充実

筆者は国盗りシミュレーションが大好きだ。これまで『信長の野望』『三國志』『ギレンの野望』など、いろいろな作品をプレイしてきた。なぜ飽きずにプレイしているのか。シリーズごとに異なる魅力はあるにせよ、以下の3つのポイントにハマっていると結論づけた。

・戦力が整っていない序盤を乗り切って他国と差をつける
・ベストな編成を考えてオートプレイで他国を蹂躙する
・滅亡寸前の敵国を尻目に戦力をとことん強化する

異論は認めるが、それぞれのポイントをクリアーすべく試行錯誤しているときや、見事達成したときに、筆者は得も言われぬ充実感を感じるのだ。最近プレイした『ブリガンダイン ルーナジア戦記』の虜になったのも、3つのポイントを楽しみながらプレイすることができたからだと思う。本作は、ハピネットが2020年6月25日にNintendo Switchでリリースされた、国盗りシミュレーション。剣と魔法の世界“ルーナジア大陸”を舞台に、6つの勢力が覇権を争う壮大なストーリーを体験できる。本作をやり込んで感じた魅力を、ライターのジャイアント黒田が国盗りシミュレーションにハマる3つの理由に照らし合わせながら紹介しよう。

文 / ジャイアント黒田


正義や思想が異なる6つの勢力が対立するルーナジア大陸

メインモードの“ルーナジア戦記”は、6つの勢力の中からいずれかを選び、ルーナジア大陸の統一を目指すのが目的だ。選べる勢力は、ノーザリオ王国、ガイ・ムール共和国、シノビ族、グスタファ神聖帝国、マナ・サリージア法王国、ミレルバ諸島連邦の6つ。それぞれ君主が異なるほか、ゲーム開始時の拠点や騎士、モンスター、保有マナの数も違う。プレイヤーは選んだ勢力の君主となり、配下の騎士やモンスターで部隊を編成。他国の拠点を奪いながら、決められた期間の中で大陸統一を成し遂げるとクリアーできる(難易度によっては期間を無制限にすることも可能)。ノーザリオ王国は正義、ガイ・ムール共和国は誇りというように、6つの勢力は掲げる思想や大義がバラバラ。それぞれストーリーが用意されており、同じ出来事でも勢力が変わると見えかたが変化するので、異なる勢力でプレイしても新鮮な気持ちで遊べる作りになっている。

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▲最初の勢力選択時、初期の戦力を比較できる。といっても、それほど大きな差があるわけではないので、ストーリーや君主が気になる勢力を選ぶといい

国盗りシミュレーションを遊ぶ場合、いい意味で頭を悩ませるのが最初の国選び。『信長の野望』や『三國志』『ギレンの野望』など原作があるものは、最初は好きな勢力で始めると決めているのだが、ストーリーや舞台がオリジナルの本作はそういうわけにはいかない。勢力の情報を見比べる中で、ふだんプレイする作品は女性の君主が少ない点にふと気づく。せっかくだから女性が君主の勢力にしようとガイ・ムール共和国、シノビ族、ミレルバ諸島連邦の3つに候補を絞り、10分ほど思案してエルザ・ウザーラが君主を務めるガイ・ムール共和国に決めた。

結論から言うと、この勢力選びは大正解! 国を護るために戦うエルザは、自然と応援したくなるいい君主だったし、彼女を支える配下のキャラクターもいい味を出していた。とくにお気に入りだったのは、エルザに強い対抗心を持つ騎士のカイン。最初は、何かにつけてエルザに突っかかってくるイヤなヤツかと思っていたら、重度のモンスターオタクであることが発覚。珍しいモンスターを見かけるたび、興奮するカインの姿に癒やされた。よく知りもせずに嫌ってごめん、カイン。いや、カインさん。

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▲戦闘前に、特定のキャラクターのどうしの掛け合いが用意されているのもうれしい。君主と君主、過去に因縁があった者たちなど、組み合わせはバラエティ豊か。カインは、ある騎士のキャラクターをモンスターと勘違いする掛け合いも楽しめる

国盗りシミュレーションの場合、一般的に隣接する勢力が多い勢力ほど前線を維持するのが難しく、難度が高い傾向にある。ガイ・ムール共和国は、3つの勢力と隣り合っており、ゲームの難度はまずまずといった印象。いずれにせよ、モタモタしていると敵勢力も戦力を増して攻めにくくなるので、先手必勝がセオリーだろう。ここで、最初に挙げたポイントの“戦力が整っていない序盤を乗り切って他国と差をつける”の話につながるのだが、初期の戦力をやり繰りし、電撃的に勢力を拡大できるとじつに気分爽快だ。とくに本作の場合は、拠点によって召喚できるモンスターが異なるのもミソ。他国の拠点でも、“召喚情報”からモンスターを確認できるので、つぎはどの拠点を攻めるのか、領土を広げるうえでひとつの指針となったし、新しいモンスターを仲間にしたいとはやる気持ちは侵攻のモチベーションになった。

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▲モンスターは、マナと呼ばれるポイントを使って召喚可能。保持できるモンスターの数や使えるマナには限りがあるため、とくにマナの乏しい序盤は、どのモンスターを仲間するかも攻略のカギを握る

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▲ちなみに、筆者は北のノーザリオ王国を最初のターゲットに決定。プレイを始めた年に同勢力を滅亡させることに成功し、序盤はまずまずのすべりだしか

戦闘は自分で操作するもよし、AIに任せるもよし

大陸の統一を目指す戦いは、編成フェイズと攻撃フェイズに別れており、ふたつのフェイズが終了するとゲーム内の時間が1節(ターン)進行。24節経つと1年が経過するのだが、難易度がノーマル以上の場合、制限時間内に大陸を統一必要がある(ノーマルの場合は5年、ハードの場合は2年半)。編成フェイズでは、今後の戦いに備えて部隊を編成できるほか、拠点ごとに用意されたクエストにチャレンジできる。クエストは大きく分けて、装備品やアイテム、新たな仲間が見つかるものと、経験値を得られるものに分類可能。前者のクエストでは、運がよければレアリティの高い貴重なアイテムが見つかることも。また、後者のクエストに通えば戦闘に参加せずともレベルをカンストまで育てられる。侵攻の合間のちょっとした育成はもちろん、最強の部隊を目指すやり込み要素として楽しめる作りになっているのだ。

▲プレイヤーが操作できるユニットは、騎士とモンスターに大別できる。騎士はモンスターを率いて戦うリーダーで、騎士の統魔力の中でモンスターを編成可能。強力なモンスターほど統魔コストが高くなっている

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▲クエスト選択時は成功報酬のアイコンや期待度のバーに注目。これらの情報で手に入るアイテムの種類や、レアリティが高いアイテムの入手のしやすさなどをチェックできる

攻撃フェイズで他国の拠点に攻め込んだり、逆に自国の拠点を攻められたりすると、ターン制のシミュレーションバトルがスタート。戦闘には、勢力ごとに最大3つの部隊が参加でき、レベルの高い部隊から敵味方関係なく行動していく。すべての部隊が行動すると、そのターンが終了。制限ターン以内に敵部隊を全滅させたり、拠点を防衛したりできればバトルに勝利でき、自国が攻め込んだときはその拠点が自国のものとなる。

戦闘では、地形効果や属性の力関係が非常に重要。地形によってユニットの移動力や攻撃の命中率が変化するほか、弱点属性を突くことで戦闘を有利に進められる。また、本作独自の要素として、モンスターを率いる騎士には指揮範囲が設定されており、モンスターはこの範囲の外に出ると能力が下がってしまう。そのため、各部隊は騎士を中心に進軍させるのがセオリーだ。さらに、敵の騎士を倒すと、同じ部隊のモンスターが撤退するのも本作ならでは。騎士を優先的に狙って撃破できれば、モンスターを倒す手間が省けるぶん、戦力を温存しながら戦える。

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▲騎士やモンスターは、多彩な技や魔法を使用可能。レベルを上げて、ナイトからパラディンといった上位のクラスにチェンジさせることで、使える技や魔法は増えていく。特定のクラスの騎士やモンスターには複数のクラスチェンジ先が設けられており、自分の好きなクラスに変えられるのもうれしい

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▲シミュレーションゲームにはおなじみのZOC(Zone of Control)のシステムも健在。本作では、ユニットの周囲6つのヘクスをZOCと呼び、ユニットの移動力に影響する。さらに、敵ユニットを複数の味方のZOCで囲めば包囲が発生。包囲された敵ユニットに対し、味方は命中率やクリティカル率がアップしてダメージを与えやすくなる

敵との戦力が同等、場合によっては味方のほうが低いこともある序盤は、自分で操作しながら勝利を重ねて拠点を拡大していくものの、主力部隊の戦力が整ってくると、オートプレイの機能に頼ってAI任せにすることが多い。それが、ふたつ目のポイントの“ベストな編成を考えてオートプレイで他国を蹂躙する”につながる。編成フェイズでお膳立てした自慢の部隊が、みずから操作しなくても勝利を勝ち取ってくる……。完勝したときの気分は、まさに名軍師といったところ!

戦闘不能になったときのペナルティは存在するが、たとえ味方に被害が出ても、本作は戦力を立て直しやすいのもうれしい。戦闘不能になった騎士は1節運用できないが、その次の節には戦線に復帰。モンスターは倒されると死亡扱いになるが、アイテムのリバイブストーンを使えば生き返らせることができるのだ。もちろん、自分で操作をするのも楽しいので、敵国にトドメを指す重要な決戦などは、自分で指揮して勝利を掴むようにしている。だが、国盗りシミュレーションを長く、深く楽しむためには、オートプレイ機能は不可欠なシステムだろう。

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▲本作はプレイ速度をアップさせる倍速機能も搭載。オートプレイ機能とセットで活用することで、戦闘がサクサク進む

最後の敵国を追い込んでもやることが盛りだくさん!

自国が拡大していくと、放置している敵国に攻め込まれることもあるものの、オートプレイで蹂躙できる強さになっていれば、たいていの場合はすぐにやり返せるというもの。ガイ・ムール共和国のエルザとして戦い始めて約3年。ついに最後の敵国、大陸南部のミレルバ諸島連邦を追い詰めた。ここまでくれば、生かすも殺すも筆者の自由だ。敵国を追い込んでからのお楽しみが、最後のポイント“滅亡寸前の敵国を尻目に戦力をとことん強化する”である。

本作には、先ほど紹介したクエストのおかげで、戦闘を行わずとも騎士やモンスターを最大レベルまで育成できる。また、クエストによって強力な装備品が手に入るのも魅力。難易度ノーマルでプレイしていたので、制限時間はあるものの、そこまでは味方を強化できる! はずだった。制限時間が目前に迫り、ミレルバ諸島連邦を倒したところでうれしい誤算が。なんと新たな敵が登場し、制限時間なしでプレイできるようになったのだ。

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▲783年21節。ミンツという拠点に追い込まれたミレルバ諸島連邦は虫の息。滅ぼすのは簡単だから、ここから敵の侵攻を気にすることなく、味方を強化するのが筆者の楽しみ

夢中になって育成を継続し、気づいたときにはゲーム内時間は793年23節に……(ゲーム開始時は781年1節なので、288節が経過)。仲間にしたすべての騎士のレベルをカンスト(Lv30)させることに成功し、モンスターも強い個体を厳選したお気に入りのパーティーを編成できた。当然ながら、新たに出現した敵とのバトルも楽勝。オートプレイに頼ったぶん、思わぬ犠牲が出てしまったが、ラスボスも味方任せで撃破することができた。完全攻略と言っても差し支えないできに大満足。得も言われぬ達成感と充実感を味わえるから、国盗りシミュレーションは止められない!

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▲ラスボス戦直前のエルザの能力がこちら。高レアリティの装備を身にまとい、ステータスを増やすドーピング系のアイテムで能力は底上げ済み。同じレアリィの装備を身につけることでボーナスが得られるのもうれしい

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▲モンスターは同じ種類でも能力値に個体差があるほか、マナの奇跡と呼ばれる個体は、とくに身体能力が優れている。名前の横のアイコンが、マナの奇跡の目印。お気に入りのモンスターは厳選して育成する楽しみも!

ルーナジア大陸の戦いは一度クリアーしただけでは終わらない

本作は育成以外のやり込み要素も満載。歴史の追憶という図鑑機能が用意されていて、メインモードで体験したストーリーやイベントを見返せるほか、仲間にした騎士やモンスターを閲覧したり、2Dスチルや音楽を楽しんだりすることもできる。そもそも6つの勢力が用意されており、先述した通り異なるストーリーが展開されるので、6周は楽しめるのだ。

メインモードクリアー後に、チャレンジモード“異説の章”に挑めるのも魅力。これはひとりの君主と配下の騎士9人を自由に選び、大陸の統一を目指すモードで、一定の節ごとに達成すべき勝利条件が設けられている。この勝利条件を達成できないと、その時点で即ゲームオーバーに! メインモードよりも難度が高いが、国盗りシミュレーションのファンならやりごたえは十分。かくゆう筆者も、エルザと最後まで悩んだシノビ族のタリアを新たな君主に選び、チャレンジモードの戦いに一喜一憂しながら楽しんでいる。筆者と同じ、国盗りシミュレーション好きはもちろん、豪華クリエイター(シナリオは『ファイナルファンタジー』シリーズの寺田憲史氏、キャラクターデザインは『三国志大戦』の風間雷太氏、音楽は『ディスガイア』シリーズの佐藤天平氏が担当)が手掛ける緻密な設定やそれをベースにしたストーリー、美麗なデザインのキャラクターも非常に魅力的なので、興味のある方は、ルーナジア大陸の戦いに身を投じてほしい。

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▲異説の章で最初に選べる騎士は、メインモードで仲間にしたことがあるキャラクターのみ。いろいろな勢力でメインモードをクリアーしていれば、選べる騎士が増える仕組みだ

フォトギャラリー

■タイトル:ブリガンダイン ルーナジア戦記
■ジャンル:ファンタジーウォーシミュレーション
■発売元:ハピネット
■発売日:発売中(2020年6月25日)
■対応ハード:Nintendo Switch™️
■価格:
・パッケージ版/ダウンロード版 7,200円+税
・Limited Edition 11,800円+税
■対象年齢:15歳以上
■プレイ人数:1人

『ブリガンダイン ルーナジア戦記』オフィシャルサイト
https://brigandine.happinet-games.com/
『ブリガンダイン ルーナジア戦記』オフィシャルTwitter
@BRIGANDINE_LoR

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