マンスリーWebマンガ時評  vol. 8

Review

今からアニメに秒で追いつく! マンガで読む『ソードアート・オンライン』シリーズ

今からアニメに秒で追いつく! マンガで読む『ソードアート・オンライン』シリーズ

超人気の川原 礫『ソードアート・オンライン』(電撃文庫)をアニメ化した最新TVシリーズ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』が7月から放映・配信中だ。もともと作者の個人サイトに掲載されていた原作小説の、最終章にあたる部分の映像化となる。

まだシリーズ未見で「なんか話題だから観てみたい」という人も意外といるのではないかと思う。

けれども今から最新作に追いつくには、アニメだと最初の『ソードアート・オンライン』25話、『ソードアート・オンラインII』24話、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』24話の合計73話も観なければいけない。

それはちょっとハードルが高い、でも盛り上がっているからこの祭りには参加したい! という人にはマンガで追いつくのがオススメだ。

『War of Underworld』のストーリーを理解するのに最低限必要なマンガの巻数は『ソードアート・オンライン アインクラッド』2巻+『ソードアート・オンライン ファントム・バレット』3巻+『ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション』3巻のわずか8冊! がんばれば半日で追いつける。

文 / 飯田一史


まずはすべてのはじまり・アインクラッド編を凝縮した『ソードアート・オンライン アインクラッド』

まず最初に読むべきは中村貯子『ソードアート・オンライン アインクラッド』(電撃コミックス)。原作小説の1・2巻、アニメ版第1期1~12話にあたるアインクラッド編をエピソードを巧く取捨選択してわずか2冊にまとめている。

五感のすべてを体感できるフルダイヴ型VRMMORPG「ソードアート・オンライン」の世界にゲーム開発者・茅場晶彦の手によってプレイヤーたちが閉じ込められ、誰かがゲーム世界そのものである浮遊大陸・アインクラッドに存在する塔の最上階にいるというボスを倒すまでは帰還できない。その「ゲーム内で死ねば現実世界でも死ぬ」というデスゲームを、主人公である「黒の剣士」キリトと、最強ギルド「血盟騎士団」の副団長である「閃光」のアスナたちは攻略できるか? というのがアインクラッド編のあらすじだ。

マンガ版の絵柄は原作のイラストを担当しているabecのものともアニメ版とも異なり少女マンガテイストだが、アクションシーンには力が入っており、迫力がある。

『ソードアート・オンライン アインクラッド』試し読みはこちら
https://www.kadokawa.co.jp/product/311728700000/

次はアリシゼーション編に直接つながる『ソードアート・オンライン ファントム・バレット』!

次に読むなら山田孝太郎『ソードアート・オンライン ファントム・バレット』(電撃コミックスNEXT)全3巻だ。
(この作品の冒頭ではアインクラッド編のダイジェストが描かれているため、とにかく読む巻数を減らしたいという人はここからでもいい)

原作やアニメではゲーム「ソードアート・オンライン」(SAO)を舞台にしたアインクラッド編のあとは「アルヴヘイム・オンライン」(ALO)という別のファンタジー系VRMMORPG(SAOは魔法がないが、ALOは魔法がある)を舞台にしたフェアリィ・ダンス編に入る。しかしフェアリィ・ダンス編は『War of Underworld』で描かれるアリシゼーション編と直接話がつながっているわけではないため、急いで追いつきたいならすっ飛ばしてもかまわない(もちろん、ハマったらあとからでもチェックしてほしいが……)。

『ファントム・バレット』ではキリトが銃でプレイヤー同士が戦うVRMMORPG「ガンゲイル・オンライン」(GGO)に参戦。SAOとは異なり「ゲーム内の死=現実世界の死」ではない普通のVRゲームであるはずのGGO上で発生したとされる「ゲーム上で死んだキャラクターのプレイヤーが現実世界でも死ぬ」という殺人事件の謎を追い、そこで出会ったスナイパーの少女・シノンとともに、犯人と目される「死銃」を捜していく。

『ファントム・バレット』のマンガは絵柄が原作やアニメ版に寄せられているだけでなく、とにかくマンガとしてうまい。線がすっきりしていて絵がきれいなだけでなく、位置関係や距離感の描写が決定的に重要な(そして読者が混乱しないように、かつ緊張感を演出するのが難しい)ガンアクションマンガとして100点。そして設定が多いこの作品を、限られた紙幅で情報を整理して読者に伝えるのも巧みだ。

『ソードアート・オンライン』に限定しなくても、理想的なコミカライズ作品のひとつと言える出色の出来だ。

『ソードアート・オンライン ファントム・バレット』試し読みはこちら
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000001010000_68/

『War of Underworld』の直前を描く『ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション』

そして最後は現在3巻まで刊行されている山田孝太郎『ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション』(電撃コミックスNEXT)。
『ファントム・バレット』と同じ作家によるコミカライズだが、こちらもマンガとして非常に読みやすいものになっている。

アリシゼーション編はファントム・バレット編での事件解決後に、キリトがある出来事によって「アンダーワールド」という仮想世界に入り込み、そこで出会った少年ユージオとともに剣技を鍛え、禁忌を破ったことで連れ去られてしまったユージオの幼なじみ・アリスを奪還することを目指す、という物語だ。

とりあえずこのコミックスの最新3巻まで読んで、TVアニメ第3期の『ソードアート・オンライン アリシゼーション』の10話からあとの15話分を配信なりで観さえすれば、現在放映中のアニメ第4期『War of Underworld』に追いつける。

そのあとはアニメの過去クールを観る、原作小説を読む、『SAO』のほかのマンガに手を出すなどしてどっぷり沼に浸かってもらいたい。

『ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション』試し読みはこちら
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM03200086010000_68/


なお、『SAO』シリーズのマンガはほかにもたくさん刊行されている。
(以下、すべて電撃コミックスNEXTより刊行。リンク先はKADOKAWA「ComicWalker」の試し読みページ)

上記3シリーズ制覇後に読む順番のオススメとしては、ALOが舞台となり、原作・アニメでも描かれる

葉月 翼『ソードアート・オンライン フェアリィ・ダンス』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM03000003010000_68/

葉月 翼『ソードアート・オンライン マザーズ・ロザリオ』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM03000006010000_68/

木谷 椎『ソードアート・オンライン キャリバー』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM09000003010000_68/

を押さえ、アニメ版が好きになったら劇場版アニメのコミカライズである

IsII『劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM19200346010000_68/

に進む。

アインクラッドが舞台の作品をもっと読みたければ、アインクラッド攻略の道筋を第1層から丁寧に掘り下げていく小説『ソードアート・オンライン プログレッシブ』のマンガ版である

比村奇石『ソードアート・オンライン プログレッシブ』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM08000004010000_68/

三吉汐美『ソードアート・オンライン プログレッシブ 泡影のバルカローレ』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM09200388010000_68/

ぷよちゃ『ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM09201417010000_68/

を。

女性キャラが気に入ったなら

猫猫猫『ソードアート・オンライン ガールズ・オプス』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM03000004010000_68/

を。

GGOの世界観が気に入ったなら、『キノの旅』の時雨沢恵一が書いた外伝小説をマンガ化した

たもりただぢ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01100027010000_68/

を。

外伝にまでハマリだしたら、ゲーム版のコミカライズである

緋呂河とも『ソードアート・オンライン ホロウ・リアリゼーション』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01200119010000_68/

を。

短編が読みたい! と思ったら短編集である原作22巻のコミカライズである

べっこうリコ『ソードアート・オンライン キス・アンド・フライ』
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05201520010000_68/

を。(ただしこれはSAO、ALO、GGOの各エピソードを押さえてから読むべきだ)

……と、マンガだけでも無数に選択肢が待っている(このほか4コマギャグマンガや公式アンソロジーもある)。
だからこそ「入り口」を間違えると『SAO』のマンガの世界は「このキャラ誰?」「ここで当然のように語られているエピソードって何のこと?」となってしまうので注意してほしい。

まずは『アインクラッド』→『ファントム・バレット』→『プロジェクト・アリシゼーション』。これで『SAO』入門は間違いナシ!

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