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古川 毅、田中洸希、吉澤要人らが繰り広げる新たな物語。開幕した「FAKE MOTION -卓球の王将-」オンライン舞台(朗読劇)より「エビ高」インタビュー&レポート

古川 毅、田中洸希、吉澤要人らが繰り広げる新たな物語。開幕した「FAKE MOTION -卓球の王将-」オンライン舞台(朗読劇)より「エビ高」インタビュー&レポート

EBiDAN ×まふまふ×おげれつたなかの超豪華布陣による新プロジェクト『FAKE MOTION -卓球の王将-』。
空前の卓球ブームにより“卓球戦国時代”と化した東京を舞台に、激しいピンポンバトルを繰り広げる高校生たちの熱い戦いや友情を描いた本作は、テレビドラマ、漫画、音楽、舞台、SNSなど様々なメディアに展開し、エンタメシーンを侵略中だ。
そんななか、7月12日(日)、18日(土)、19日(日)の3日にわたり、オンライン舞台(朗読劇)が生配信(※薩川大学付属渋谷高校は収録映像の配信)。恵比寿長門学園(通称エビ高)、薩川大学付属渋谷高校、都立八王子南工業高校の3校のアナザーストーリーが、朗読劇となって描かれる。
そこで今回は、7月12日(日)に配信されたエビ高に注目。登場するのは、エースの桂 光太郎こと通称コウ様(古川 毅)、井上紋太こと通称モンキー(田中洸希)、伊藤俊介こと通称トビー(吉澤要人)に、新キャラクターの佐々木(小原滉平)の4人だ。朗読劇という形式のオンライン舞台で、どんな演技対決を見せてくれたのだろうか。
「第1部」の上演の模様とともに、上演を終えたばかりの古川、田中、吉澤にインタビュー。3人のまっさらな気持ちを聞かせてもらった。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 守谷美峰


熱い男の友情とピンポンバトルは、朗読劇でも健在!

<オンライン舞台(朗読劇)恵比寿長門学園レポート>

ドラマ『FAKE MOTION -卓球の王将-』(以下、『FAKE MOTION』)で描かれてきたのは、男の友情だった。高杉 律ことリッツ(佐野勇斗)とコウ様のすれ違いながらもお互いを強く信じ合う心。松陰久志(北村匠海)と島津 晃(小笠原海)の過去に秘められた絆。近藤勇美こと通称マザー(森崎ウィン)率いる都立八王子南工業高校の家族のような連帯。そして、⻄郷吉之助(草川拓弥)と大久保利一(福田佑亮)の天才と努力家という正反対の間柄だからこそ芽生えるリスペクト。

卓球の勝敗で優劣を決める“卓球戦国時代”という異色の設定ながら、各話クライマックスになるとグッと胸を熱くさせられていたのは、『FAKE MOTION』が男の友情をストレートに描き切ってくれたからだ。

そんな『FAKE MOTION』の魅力は、オンライン舞台に場を移しても変わらない。今回焦点が当たるのは、モンキーとトビー。アルバイト先の卓球バーでモンキーが不良にカツアゲをされているのを目撃してしまったトビー。その不良の正体は、モンキーの中学時代の先輩であり、不良集団と悪名高い野良卓球チーム「中目黒ジャックス」の佐々木だった。

親友のモンキーを守るために強くなりたい。そう決意したトビーは、ギフテッドを開眼させるべくコウ様とトレーニングに励む。しかし、そんなトビーの思惑を知らないモンキーは、ハードなトレーニングに励むトビーを見て、自分を出し抜こうとしているのではないかと疑心暗鬼に陥ってしまい……というのが大まかなストーリー。

連ドラでもモンキーとトビーが仲良くリッツたちを応援している姿が印象的だったが、これだけふたりにスポットライトが当たるのはオンライン舞台ならではの見どころ。ドラマでは描き切れなかったモンキーとトビーの側面が次々と明らかになるので、ファンならば逃さず押さえておきたい1本だ。

あの火花散る卓球対決を、舞台、しかも朗読劇でどのように再現するのかが最大の注目ポイントだったが、そこは俳優の熱量勝負。観客も誰もいない空間で、台本を手に持った状態で、高速のラリーや会心のスマッシュを表現するのは困難のように思われたけれど、小細工なしで真っ向からぶつかってくる俳優のストレートな演技に、胸の湧く想いがした。

朗読劇と聞くと静謐なイメージを持つ人もいるかもしれないが、決してそんなことはなく、笑って最後はエモい気持ちになれる王道のスポーツ青春ドラマ。舞台を見慣れていない人にも馴染みやすく、その場でコメントも送れるので、配信ライブを観るような感覚で楽しめる。それでいて生ならではのスリリングな緊張感も味わえるのが、このオンライン舞台の魅力だろう。

田中洸希演じるモンキーは、連ドラではノリのいいYouTuberという印象だったが、オンライン舞台では、佐々木に対する弱腰な面や、トビーへの猜疑心で揺れる複雑な表情、仲間を想い決断をする男らしさなどいろんな顔を見せてくれた。演じる田中は、10代の少年らしい愛らしさに加え、ちょっとヤンチャな雰囲気もまとっている。そんな田中洸希自身のキャラクターがモンキーに重なって、連ドラ以上に立体感のある人物像になっていたと思う。

演技面では、ちょっとしたひと言の緩急がうまく、モンキーのひと言で笑いが生まれる場面も多々。相手のボケを拾ったワンフレーズなど、間の取り方、力の抜き方が絶妙で、コミックリリーフ的な役割を果たせるところは、今後、俳優としての大きな武器となりそう。

吉澤要人演じるトビーは、連ドラからさらにキャラクターの魅力がアップ。連ドラでは消え入るような声と線の細さが印象的だったけれど、オンライン舞台ではモンキーを想うがために猪突猛進に突き進む愛すべき人物に。いかにもか弱そうなビジュアルで筋トレに励む姿はとってもチャーミング。しかも、トビーの愛称の由来など、「そうだったの?」という新情報が次々と明らかになって、中盤はまさに独壇場。おいしいところをたっぷりかっさらっていった。

吉澤の演技は実直そのもの。その素朴さがそのままトビーの魅力になっている。連ドラのときから大きな丸メガネの似合うビジュアルが様になっていたが、吉澤といえばEBiDANの新兵器「原因は自分にある。」の一員であり、ステージ上では女性ファンを熱狂させる存在。そんなアイドルオーラをいっさい消した役への入り込み具合は、今後俳優として大きく“化ける”可能性を感じさせてくれた。

小原滉平演じる佐々木はこのオンライン舞台から参戦した新キャラクター。ヒールらしい雰囲気をガンガンに放ち、物語の盛り上げ役を買って出た。いかにもヤンキーらしいビジュアルと粗暴な口調もさることながら、特に印象的だったのは目。その目に宿るギラギラとした光は、佐々木の凶暴さと同時に、孤独も内包させていた。

演じる小原滉平のフィルモグラフィーをチェックすると、昨年話題を呼んだドラマ『だから私は推しました』(NHK総合)と映画『午前0時、キスしに来てよ』などに出演しているが、俳優としてはまさにこれから。そういう意味では、連ドラからすでに出来上がったチームの空気にしっかり爪痕を残すことができたのは、見事のひと言。今後の出演作に期待したい。

そして、古川 毅演じるコウ様は、作品を支えるメインキャラクターのひとり。連ドラのときはクールで素直になれない性格が、体温の低そうな古川 毅にぴったりで、リッツとコウ様のぶつかり合いがドラマの大きなカタルシスとなっていた。

そんな大役を務め上げた古川は、このオンライン舞台では一歩引いた立場からモンキーやトビーを支えるポジションに。古川自身、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(共に日本テレビ系)、『ねぇ先生、知らないの?』(毎日放送)に映画『犬鳴村』などここ数年俳優としての活躍が目覚ましく、そんな一日之長を活かすような佇まいが印象的だった。

その一方で、トビーにトレーニングを課すシーンでは思わぬ“キャラ崩壊”も。「あのコウ様にこんな一面が?」と思わずニヤニヤしてしまうので、このあたりはぜひその目で確かめて欲しい。あと、ものすごく足が綺麗なので、これもぜひその目で確かめて欲しい(重要)。

ほかにもエビ高卓球部二軍メンバーの思いがけない後日談など「そんなことになってるの?」というツッコミどころを随所に用意しているのも『FAKE MOTION』らしい仕掛け。めちゃくちゃ熱いストーリーなのに、なんだか面白い『FAKE MOTION』ワールドはオンライン舞台でも健在だ。エビ高だけでなく、薩川、八王子のアナザーストーリーも用意されているので、ぜひ全編コンプリートして“フェクモマスター”の天下をとって欲しい。

※舞台写真は公演本番のもの。リハーサル等ではフェイスシールドを着用するなどコロナ感染症対策のガイドラインを遵守して行われました。

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