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今こそプレイする好機! 総勢1000名の英雄が繰り広げる歴史ロマン『三國志14』は「おうち時間」にピッタリの超やり込みゲーム

今こそプレイする好機! 総勢1000名の英雄が繰り広げる歴史ロマン『三國志14』は「おうち時間」にピッタリの超やり込みゲーム

中国の三国時代を舞台に、数多の英雄たちを指揮して戦う、コーエーテクモゲームスが送る歴史シミュレーションゲームの人気作『三國志』シリーズ。1作目となる『三國志』の登場から35周年となる2020年の1月16日に、シリーズ最新作『三國志14』がPlayStation®4とPC(Windows®)でリリースされた。

リリース後も、毎月のようにシステムやシナリオのアップデートが繰り返され、進化を続ける『三國志14』の魅力を、発売から約300時間に渡ってプレイしつづけてきたライターがレビュー。外に出る機会が少なくなった今だからこそ、おうち時間でじっくり楽しめる本作の魅力を紹介する。

文 / 斎藤ゆうすけ


歴史上の人物から架空の人物まで『三国志』作品を網羅

これまでコーエーテクモゲームスの『三國志』シリーズをプレイしたことがある人も、小説やゲーム、アニメなどで『三国志』のファンになってこれから『三國志14』をプレイしようと思っている人も、本作について最も気になるのが登場する武将たちだろう。筆者も『三國志』シリーズがリリースされる度にどんな武将が登場するのか、楽しみにしているのだが、本作に登場する武将は総勢1000名と、過去最大だ。

三國志14 WHAT's IN? tokyoレビュー 三國志14 WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲魏の礎を作った乱世の奸雄・曹操に、呉の皇帝となる孫権と、その兄・孫策の父である孫堅、そして蜀を建国する劉備と彼の義兄弟である関羽と張飛……。数多の英雄たちが乱世を駆け抜ける。劉備、関羽、張飛が義兄弟の契りを結ぶ”桃園の誓い”などの名シーンがイベントシーンとして再現されているのも嬉しい

登場する武将は、周倉など架空の人物も登場する『三國志演義』をベースに、『正史』に登場する歴史上の人物はもちろん、劉備(蜀)を主役に据えて彼らが天下統一までする架空戦記小説『反三国志』の登場人物たち、関羽の息子とされる架空の人物・関索が活躍する説話集『花関索伝』の人物などなど、多岐にわたっている。

三國志14 WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲関羽の息子・関索とその妻の鮑三娘。知らない武将が登場しても、列伝を見れば解説が読めるので、『三国志』を学ぶ資料としても活用できる

前作にあたる『三國志13』で登場が見送られた劉備の息子の劉永と劉理など、過去のシリーズで登場したことがあっても、収録を見送られたことがある武将たちも再登場しているので、コアな『三国志』ファンも間違いなく満足できるはずだ。

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再評価された武将たち! 新登場の女性武将に注目

『三國志』シリーズでは新作がリリースされる度に、「武力」「知力」といった武将の能力値も見直されているのも大きな特徴だ。『三国志演義』はもちろん、史実での描写なども考慮され、毎回、絶妙な能力値の設定がなされているのも魅力のひとつとなっている。

これまでのシリーズと同様に、『三國志14』でも「黄巾の乱」「官渡の戦い」「出師の表」など、三国時代の戦いや出来事をテーマにした複数のシナリオ(時期)から、好きなシナリオと勢力(君主)を選んで天下統一を目指すことになる。過去のシリーズでも、採用されていた仕様ではあるが、本作では武将によっては登場するシナリオごとに能力値が変化しているので、武将の能力値の変化をチェックするのも楽しい。

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▲『三国志演義』や史実を元にしたシナリオのほかにも、「もしも、あの時、こうなっていたら」という”歴史のIF”をテーマにした仮想シナリオも複数収録されている

例えば武勇で知られ、ゲームでは知力が低く設定されがちな張飛は、『三國志14』前半のシナリオで知力33と相変わらず低めに設定されているが、彼が知略を見せる後半のシナリオ「漢中争奪戦」では、知力が63にアップしていたりする。武勇一辺倒だった張飛が知略を見せたことに感動した『三国志』ファンにとっては、嬉しい配慮だろう。

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▲初期のシナリオにおける張飛の知力は33。ちなみに、数字が青くなっている能力値は、武器などの「名品」を与えたことによる+効果や、官職を与えることで+された数値を意味している

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▲後半のシナリオ「漢中争奪戦」では張飛の知力が63になっており、漢中の地を巡る戦いにおいて、強大な敵を倒すために知恵を絞って戦ったエピソードがしっかりと反映されている

『三國志14』における武将の能力値に関して語る際、筆者が若干寂しく感じるのは「女性武将」の能力値が全体的に控えめに設定されている点だ。『三國志』シリーズやコーエーテクモゲームスの『真・三國無双』シリーズで人気を博すこととなった呂布の娘・呂玲綺や、『反三国志』に登場する馬超の妹で、後に超雲の嫁になる架空の人物・馬雲リョクなど、『三國志13』と比べると若干、能力が控えめに設定されている。

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▲『三國志13』では部隊を率いる能力の統率が79、武勇を表す武力が88とかなりの猛将だった呂玲綺も、本作では統率69、武力74に。おなじく馬雲リョクも統率78、武力88から統率70、武力73と能力が控えめに設定されている

彼女たち架空の女性武将は、ゲームの設定でシナリオに登場させないこともできるが、史実が好きなファンからは賛否両論の存在でもあるので、あまり高い能力値を設定しすぎるのも難しいところだ。しかし、前作で女性武将を重用していた身としてはどうしても寂しく感じてしまう。そんな中、ひとり気を吐いてくれている女性武将が、『三國志14』に新登場した趙氏貞。彼女は、現在のベトナム付近にあたる交州で呉に対して反乱を起こした女傑だ。その活躍は伝承として伝わるうちに誇張されている部分もあるかもしれないが、実在の人物ということもあり、史実が好きなファンにも受け入れられやすい存在なのではないだろうか。

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▲統率75、武力80と女性武将としては大きな戦力になる趙氏貞。後半のシナリオにおいて在野として登場する彼女だが、どのシナリオでも良いので一度、クリアすることでプレイできるシナリオ『英雄集結』なら交趾の地に城を構える士燮を選択し、探索を行えばすぐに発見できる

リリースから約半年が過ぎ、劉備や呂布など人気の君主でプレイしてきたが、趙氏貞を在野から登用できるなら、地味な弱小君主と見られがちな交州の士燮でプレイしてみたいと思えてきた。

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▲どうしても最初から設定されている能力に納得がいかない場合、有料DLC「史実武将編集」という機能を使うことで能力の変更も可能。武力83に設定されている袁術軍の紀霊将軍だが、筆者は張飛と一騎打ちしたことを評価して、編集機能で武力90に設定してみた

広大な中国を一枚のマップに! 勝利の鍵は補給線

ここまで武将について記載してきたが、肝心のゲームシステムについてもレビューしていく。『三國志14』のゲームシステムを語る上で、外せないのが戦線と兵站(補給線)の概念だろう。『三國志14』は、中国全土を一枚のマップで表現しており、各勢力が支配する土地は、その勢力の色で塗り分けられている。

例えば、敵の勢力を攻める場合、自軍の武将が敵の勢力圏に入ると、自軍武将が進軍したルートを自軍の色へと塗り替えることができ、これにより相手の勢力が得られる収入などを減少させることもできるのだ。相手の勢力圏内に自軍の武将を進軍させ、地域を管理する「府」と呼ばれる土地を占領しつつ、相手の城を落とせば、その都市を自軍のものにできるといった仕組みだ。

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▲筆者の支配領域が灰色で、自軍が攻めている敵の支配領域が藍色。敵の勢力の色を塗り替えながら、城に向かって進軍し、部隊の攻撃により城を破壊するか、城を守る兵士を0にすれば占領することができる

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▲それぞれの城の周囲には複数の府が存在し、自軍が府の上を通ることで占領が可能。府には支配領域(画像の黄色い枠で囲まれた範囲)が設定されており、城を落とさなくても府を占領し、府の内政を担当する武将を配置すれば、その領域も手に入れることができる

ここでポイントとなるのが、兵站(補給線)の概念である。自軍の武将は、自軍の勢力圏(自軍の色で塗られた土地)の上に居ないと、補給を受けることができず、部隊が弱体化してしまう。しかも、補給を受けるにはただ、自軍の色で塗られた土地の上に居れば良いというわけではない。武将が居る土地の勢力圏(自軍の色)が、自軍の都市から繋がっていないと、補給線が切られたことになり、補給を受けられないのである。つまり、自軍の武将と都市の間を敵の武将に横断されて色が分断されてしまうと、補給線が切られて自軍の部隊は一気に弱体化してしまうというわけだ。

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▲赤の勢力(孫権)でプレイ中、自軍の城が青の勢力(曹芳)の武将に攻められているところ。後方の城から自軍の武将を出陣させ、青いラインを分断すれば、敵は補給を受けられずに弱体化する。兵站を切ることを意識して戦えば強大な相手にも勝つことが可能だ

『三国志演義』や史実でも、劣勢から敵の補給線を断つことで逆転するといったエピソードは枚挙にいとまがない。『三國志14』においても、危機的状況から敵の兵站を切ることで大逆転することが可能だ。これにより、シミュレーションゲームの初心者であっても、敵の兵站を切ることを意識すれば、弱小勢力で巨大勢力を倒すこともできる。強力な武将が揃っていても戦力差で押しつぶされやすい初期のシナリオの劉備や、武将も少なく勢力も小さな荊州の4勢力(韓玄、劉度、趙範、金旋)などでのプレイも十分に楽しむことができるのは嬉しい。

簡単操作でシミュレーションゲーム初心者もバトルに集中できる

兵站を切ることを意識すれば、シミュレーションゲーム初心者でも、十分楽しめることを解説したが、『三國志14』は他にもシミュレーションゲーム初心者におすすめしたい要素がある。それは、兵糧や金銭といった収入を得るための内政に関するシステムだ。これまでの『三國志』シリーズでは、様々な内政のシステムが採用され、それはそれで楽しかったのだが、初心者だと「やることが多すぎる」と感じてしまうこともあったようだ。しかし、『三國志14』では、地域(府)ごとに担当官(武将)を配置するだけで、基本的にはオートで都市の収益アップにつながる内政を実行してくれる。兵士の募集や訓練も担当官を配置するだけなので、内政に関してはかなり簡略化されていると言えるだろう。

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▲地域内政は府に担当官を配置するだけなので簡単。武将のもつ個性によって内政の効果が上昇したりと、やりこみ要素を残しつつ、初心者でも難しいことを考えずにプレイできる仕組みに

内政はある程度、簡略化し、一枚マップで各勢力が入り乱れる戦闘をメインにしたことで、前述の兵站の分断や、自都市内に弓櫓や落とし穴などの防衛施設を配置して戦う、いわゆるタワーディフェンス型のゲームのような楽しみ方もできるので、三国時代を舞台にした戦闘を楽しみたいという人にはうってつけの作品に仕上がっている。

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▲弓櫓や石壁などで防備を固めて、敵の進路を塞ぎつつ、兵站を切るのが基本。敵も弓櫓や石壁を設置してくるので、障害物をどう処理するかも重要になってくる

コラボに武将作成も! アップデートとDLCで広がる『三國志14』の世界

発売から約半年間、プレイし続けて嬉しく思ったのは、アップデートが繰り返されていることである。不具合の修正やAIの調整といった、よりゲームとしての完成度が増すアップデートの他にも、新シナリオが追加されたり、コーエーテクモゲームスの『水滸伝』や『信長の野望・大志』、『蒼き狼と白き牝鹿』に登場する武将の実装、『ライザのアトリエ』や『銀河英雄伝説』とのコラボによる武将の実装なども行われている。

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▲コーエーテクモゲームスの人気タイトル『ライザのアトリエ』のライザや、大人気SF小説を原作とするアニメ『銀河英雄伝説』のラインハルトなど、コラボによる武将も実装された

さらに、近々の2020年6月25日には、様々なアップデートが行われる中、Windows®版のみではあるが”武将CG追加ツール”が実装された。この機能は『三國志』シリーズの醍醐味のひとつであるオリジナル武将(新武将)作成時に、キャラクターのグラフィックとして自分で用意した画像が使用できるというもの。自分の写真や似顔絵などを使って自分の分身となる新武将を作成すれば、ライトノベルで人気の異世界転生モノの主人公になった気分で、ゲームを楽しむことができる。新武将は能力値も自由に設定できるので、「せめて異世界(『三国志』の世界)では、強くて頭もよくてイケメンでありたい!」という願望を叶えることもできるのだ。

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▲筆者も自分の似顔絵を用意して新武将を作成。すべてにおいてオールマイティな最強武将を作成してみた

またアップデートでは、さらに『三國志14』を楽しみたいというプレイヤーのための追加シナリオが実装されることもある。有料のDLCで配信される史実シナリオとは異なり、ここだけの面白いシチュエーションのシナリオを遊ぶこともできる。

中でも、筆者が個人的に気に入っているシナリオは、赤壁の戦いの後、曹操が落命し、曹丕、曹彰、曹植、曹熊がそれぞれ独立した勢力となって争うIFシナリオ『曹家分裂』だ。『三國志』シリーズのシナリオは後半に行けば行くほど、どうしても大きな勢力同士のぶつかり合いとなり、それはそれで楽しいのだが、後半のシナリオでも複数の勢力による乱戦を楽しみたい自分にとっては寂しくもある。過去のシリーズでも実装されたことがある『曹家分裂』では、最大勢力である曹家が分裂していることで、複数の勢力による乱戦を楽しむことができ、後半のシナリオでは空白地が少なく、スタート時の勢力が小さくなりがちな新武将でも楽しくプレイすることができるのが嬉しい。

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▲筆者おすすめのシナリオ『曹家分裂』では、209年と比較的、後半のシナリオながら、多くの英雄が入り乱れる乱戦が味わえる

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▲各勢力の色で塗り分けられたシナリオ開始時の勢力図。色が塗られていない白い旗のある箇所が空白地(誰も支配していない城)である。自分で作成した新武将や、コラボ武将を君主にしてプレイする場合は、この空白地の中から支配する地域を選んで遊ぶこととなる

ここまで、約半年間に渡って『三國志14』をプレイし続けてきた筆者が、本作の魅力についてレビューしてきたが、『三國志14』はまだまだ語りつくせぬ魅力に溢れている。特に、これまでにも解説したように弱小勢力で兵站切りを駆使しつつ、強大な勢力に挑む楽しさは、実際にプレイしている様子とあわせてレビューしなくては、魅力は伝わりづらいと思う。そこで、次回は5月末のアップデートで追加された最高難易度の超級にて、あえて弱小勢力を選んでプレイした様子をレビューする。実は筆者も超級でプレイするのは初めてとなるのだが、あえて高難易度でのプレイに挑むことで、シミュレーションゲーム上級者にも本作の魅力をアピールしたい思う。

フォトギャラリー

■タイトル:三國志14
■ジャンル:歴史シミュレーション
■発売元:コーエーテクモゲームス
■発売日:発売中(2020年1月16日)
■対応ハード: PlayStation®4/Windows®(PC)
■価格:
・通常版(パッケージ・ダウンロード) PlayStation®4版9,680円(税込)/Windows®版10,780円(税込)
・TREASURE BOX PlayStation®4版15,180円(税込)/Windows®版16,280円(税込)
・Digital Deluxe Edition(ダウンロード) PlayStation®4版13,899円(税込)/Windows®版14,944円(税込)
■対象年齢:全年齢
■プレイ人数:1人

『三國志14』オフィシャルサイト
https://www.gamecity.ne.jp/sangokushi14/index.html
『三國志14』オフィシャルTwitter
https://twitter.com/sangokushi_kt

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