山口洋のSeize the Day/今を生きる  vol. 87

Column

Seize the day / 今を生きる

Seize the day / 今を生きる

第1回:再生の歌は鳴りやまない〜佐野元春「君を連れてゆく」〜から3年7ヵ月。
当たり前のように立っていた足場が崩れるように社会が、時代が、地球が激変するなかで、変わらず「ロックンロールの魔法」について書き下ろしてきた連載もいよいよ最終回。
魔法とは、不可能を可能にするもの。
HEATWAVE山口洋から「今を生きる」一人ひとりへの感謝と祈りのメッセージ。


ロックンロールの素晴らしさ。それはたとえば肉体で思考すること。僕の言葉で言えば、踊りながら「腰で考える」。メンタルが弱っているときはフィジカルがそれを引っ張りあげてくれる。その逆もまたしかり。

そのことをさして、チャーリー・ワッツがキース・リチャーズになんて言ったか? すべての道に通じる至言だ。

「キース、考えると腐る!」。

幼い頃から書くことが好きだった。

頭の中にとめどもなく溢れてくるものを、誰に求められるわけでもなく、綴っている時間が好きだった。

その時間は思いきり空想の世界を彷徨うことができる。雲に乗ってどこかへ出かけていったり、傷ついた誰かのこころの中に潜りこんでみたり。

僕は登校拒否児のはしりで、人とのコミュニケーションが苦手だった。世界と自分を繋いでいたのは、書くことと無想すること。おまけに心臓に疾患があって、小学校に上がるまで運動を禁じられていた。

6歳になって、このままじゃいかんと運動に目覚め、今に至る(はしょりすぎか。笑)。コロナの世でも、スケートボード、左投げ、大型二輪にチャレンジ中。ただのアホとも言うが、フィジカルな思考がメンタリティーにもたらしてくれるものは計りしれない。

ソニー・ミュージックの担当者氏にこのサイトで書かないか、とお誘いを受けたとき、音楽や文学から手渡されたものを、次のジェネレーションに受け渡したいという気持ちがあった。

どちらかというと、世界に馴染めない、居場所を見つけられない人たちの力になりたいという気持ちもあった。僕自身がまさにそうで、エッジの効いた音楽や文学にひどく励まされてきたからだ。

二週に一度やってくる締め切り。よほどのことを除いて、苦しかったことはない。最初は与えられたテーマについて書いていたが、途中からは身の回りにリアルタイムで起きることとも合わせて、自由に書かせてもらった。書くことで頭の中を整理することができた。

過去に受けた衝撃を、今一度振り返ってみると、はっきりと未来への道が見えてくることがある。自分の足跡にきちんと一本の筋道が通っていたことを知ったのも、この原稿のおかげだ。

感謝しかない。

未来を創る唯一の方法は、目の前の一瞬を全力で生きること。コロナ禍は確かに逆境。でも、今やるべきことをしっかりと教えてもくれる。嘆かず、妬まず、たゆまず、笑いを忘れず、自分が今できることを全力でやる。必ず道は見えてくる。あぶり出しのように。

Lifeは壮大な人体実験。不可能だと決めつけない限り、不可能なんてない。

生きることは素晴らしい。たとえ、どんなに辛いことがあったとしても。

前を向いて生きよう。

全部ロックンロールが教えてくれたこと。

Seize the day / 今を生きる。

とっても好きな言葉。by ロバート・フロスト。ずっと、ずっとこころの中にあった。

この原稿たちがすこしでもみなさんの暮らしに彩りを加えたなら、とても嬉しい。

読んでくれて、ほんとうにありがとう!

また何処かの空の下で。多謝&再見。

”感謝をこめて、今を生きる”


著者プロフィール:山口洋(HEATWAVE)

1963年福岡県生まれ。1979年にHEATWAVEを結成。90年、アルバム『柱』でメジャー・デビュー。1995年発表のアルバム『1995』に収録された「満月の夕」は阪神・淡路大震災後に作られた楽曲で、東日本大震災後も、四半世紀を経た現在も、多くのミュージシャンに歌い継がれ、さまざまな場所で人々をいたわり、励ましている。“ミュージシャンズ・ミュージシャン”としてその名を挙げるアーティストとの野外フェスやR&Rイベントへの出演、またアイルランドをはじめ世界的なミュージシャンとの共演も多い。バンド結成40周年となった昨年は、40thツアーとして全国を廻り、スタジオ・アルバムとしては2年ぶりとなる新作『Blink』をリリース(オフィシャルサイト、レコード店、大手通販サイト、配信等で販売中)。ファイナルとなった東京・日本橋三井ホールのステージの音源と映像に加え、フォトブック等をパッケージした『40 Years in a BLINK』を現在特設ストアで発売中。6月20日にはバンド初の試みとしてHEATWAVE無観客生配信ライヴ“Blink”を行い、7月18日には下北沢ERAでソロ・ライヴ「Hello! New World.」を観覧および生配信で行う。2011年東日本大震災直後に始めたプロジェクト“MY LIFE IS MY MESSAGE”は12月に開催延期。なお、延期となったソロ・ライヴを含め今後の動きについては、逐次オフィシャルサイトを参照のこと。

オフィシャルサイト
http://no-regrets.jp/index.html

ライブ情報

山口洋(HEATWAVE) solo live「Hello! New World.」
7月18日(土) 下北沢ERA
※観覧(新型コロナウィルスの感染拡大予防ガイドラインに沿った形式での開催)および生配信で開催
詳細はこちら

MY LIFE IS MY MESSAGE 2020|Brother&Sister→12月に開催延期

6月12日(金)山口洋(HEATWAVE)×矢井田瞳@横浜THUMBS UP(サムズアップ)※SOLD OUT
6月13日(土)山口洋(HEATWAVE)×おおはた雄一×仲井戸”CHABO”麗市@横浜THUMBS UP ※SOLD OUT
<振替公演>
12月9日(水)山口洋(HEATWAVE)×矢井田瞳@横浜THUMBS UP(サムズアップ)
12月10日(木)山口洋(HEATWAVE)×おおはた雄一×仲井戸”CHABO”麗市@横浜THUMBS UP
詳細はこちら(振替公演に来場できない方への払い戻しについてもこちらに)

特設ストア
https://heatwave1979.stores.jp

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