Interview

諏訪部順一「気持ちよく騙されていただきたい」『GREAT PRETENDER』主演コンビ語る…アニメの“記号・テンプレ”を外していく独自の魅力とは?

諏訪部順一「気持ちよく騙されていただきたい」『GREAT PRETENDER』主演コンビ語る…アニメの“記号・テンプレ”を外していく独自の魅力とは?

日本一の天才詐欺師を自称する青年が、ハリウッド・マフィアをも手玉にとるコンフィデンスマンにハメられ、壮大な騙し騙されのコン・ゲームに巻き込まれていく──。従来のTVアニメの枠を超えたスタッフ陣による映像とストーリーで圧倒する痛快クライム・エンタテインメント アニメ『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』。

Netflixで好評配信中、そしてフジテレビ「+Ultra」ほかでも地上波オンエアがスタートした本作について、今回は主人公・枝村真人(愛称・エダマメ)役の小林千晃、そして彼を詐欺に巻き込むフランス人詐欺師=ローラン・ティエリーを演じた諏訪部順一にインタビュー。「とにかく1話だけでも観て、騙されてほしい!」と熱望するふたりが、CASE.1(1話~5話)までのエピソードを中心に作品の魅力を語ってくれた。

取材・文 / 阿部美香 構成 / 柳 雄大 撮影 / 松川 忍
※このインタビューは2020年3月に実施したものです。


演者にとっても、ワクワクする気持ちがラストまでずっと続く作品です(諏訪部)

ローラン・ティエリー(CV:諏訪部順一)、枝村真人(CV:小林千晃)

作品の公式コメントで、諏訪部さんは「いろいろ話すと面白さが薄れると思いますので、とにかく観てのお楽しみ!」とおっしゃっていましたが、実際拝見してみると、スリリングな大どんでん返しの連続で。各キャストさんにとっても、コメントするのがいい意味で難しい作品ですね(笑)。

諏訪部順一 そうですね。ご覧いただく前は、些細なこともネタバレにつながるおそれがあって……(苦笑)。

小林千晃 悩ましいですよね(笑)。

キャストの皆さんにも、あえて先の展開は教えず、1話ずつしか台本が渡されなかったそうですね。

小林 はい。台本は1話分ずつしかもらってなかったです。

オーディションの時には?

小林 それも、ロサンゼルスとかシンガポールとか、世界が舞台になる、ということくらいしか(苦笑)。そこでキャラクター達が何をするのかは、オーディションの段階では何も分からなかったですね。

ただ、1話の冒頭で、僕がやらせてもらっているエダマメ(枝村真人)が吊るされて、「Help me!」と叫ぶセリフはすでにあったので、どんな画になるかは全く分からなかったですけど、「ハリウッドで吊るされるんだな!」ということだけは、想像してました(笑)。

諏訪部 (笑)。オーディションの際にあった資料は、ざっくりとしたキャラクターの設定と作品のあらましだけでした。もろもろ詳細に関しては収録が行われる中で知っていった感じです。

ローランがどういう性質の人間で、どういう背景があるのかは初回に教えていただきましたが、どういう物語が繰り広げられていくのか、先の展開は秘密で(笑)。キャスト陣は次回の台本が届くのを本当に楽しみにしていました。「あれが伏線だったんだね!」とか、スタジオでわいわい話したりして盛り上がりましたね。

GREAT PRETENDER 小林千晃 諏訪部順一 WHAT's IN? tokyoインタビュー

小林千晃、諏訪部順一

ストーリー展開もスピーディーで、騙す側が騙される側に変貌したりと、目を離せないめくるめく展開が魅力な作品です。そういう作品だからこそ、先を分からず演じることはメリットになりますか?

諏訪部 ローランに関して言うと、彼は騙す側の人間なので、演じる自分もあらかじめ詳細を知っていたほうがいいかも?と思わなくはなかったのですが、タネ明かしをするまでは、あくまでもその状況に合わせた、裏の見えない「演技」をしているわけで。だったら、その時々のことさえ理解出来ていれば、的外れな演技をすることはないはずだと。

とはいえ、自分はCASEごとの展開はざっくりと教えてもらっていましたが。しかしエダマメは、視聴者と同じ目線で驚いたりするポジションだったりもするんですよね。騙す側なのに騙される(笑)。

小林 そうなんですよね~。

諏訪部 騙しの装置として使われている感じですね(笑)。

小林 ほんと、歯車の一部なんですよ(笑)。でもそこで、エダマメにしかできないアクションを起こすところが、彼の魅力。僕もほんとにエダマメと同じ目線だったので、エダマメが騙されるたびに僕にも同じ驚きがあって。その感覚をそのままエダマメとして出していく感じだったので、演じやすかったです。

諏訪部 収録期間中は、制作に関わる立場ではありますが、『GREAT PRETENDER』という作品を、純粋にエンタメとして楽しませてもらっている感じでしたね。ワクワクする気持ちがラストまでずっと続く作品でした。

そういった体験を全員でしているからこそのチーム感が、キャスト同士にも生まれたり?

諏訪部 出番がない回があったキャストはその間の展開がみんな気になって、「何がどうなってこうなったの?」と質問しまくりで。説明会が随時行われていました(笑)。

小林 あはは、そうでしたね。前とはまったく別のことが起きていたり、別の場所に行ったりしますからね。

諏訪部 ちょっと目を離すと新たな展開が。オリジナル作品なので、原作などで事前にストーリーを知ることもできない。多くの方に“初見”でお楽しみいただけるというのは、こういうテイストの作品にはおあつらえむきな環境ですね。

シナリオが“記号的”ではなく、人間らしいやり取りが詰まっていると感じます(小林)

実写映画やドラマでは、それこそ本作の脚本を担当された古沢良太作品を筆頭に、大がかりな騙し合いが展開する物語はありますが、アニメでは珍しいタイプのお話ですよね。

小林 そうですね。珍しいと思いますし、本当に古沢さんにしか書けない脚本だと思います。登場するキャラクターも記号的ではなく、人間らしさがたくさんある。映画やドラマを書かれてきた古沢さんならではの人間の描き方だなと思いました。すごく生っぽいというか。それがキャラクターに出ているので、自ずと会話もすごく人間らしいやり取りになっているなと感じましたね。

とくにどういったところに、人間らしさを感じましたか?

小林 なんだろう……人間の嫌らしさだったり、現実味がある恐ろしさですかね。最終章では〇〇〇〇の話に進展しますし……。

諏訪部 おっと、そこはまだ言えないところだね(笑)。

小林 あっ……(笑)!

諏訪部 ネタバレは厳禁ということで。この作品のセリフは言葉運びが軽妙で、会話がとても洒落ています。例えとして適切ではないかもしれませんが、海外ドラマのような雰囲気があるというか。

GREAT PRETENDER 諏訪部順一 WHAT's IN? tokyoインタビュー

小粋な海外ドラマっぽさは、すごく感じますね。

諏訪部 古沢さんが手掛けられた脚本はもとより、独特のタッチや色づかいの背景、お洒落な劇伴なども相まって、『GREAT PRETENDER』は強い個性を持った作品になっていると思います。完成品は、収録時に想像していた以上に面白かったです。

小林 全体のクオリティの高さに驚かされますよね。完成した1話と2話を拝見したとき、「めちゃくちゃクオリティ高いですね!」と監督に言ったら、「これは序盤だからですよ」と笑いながらおっしゃってたんですけど、それが監督の謙遜なのか本音なのか、その時は分からなかったんです(苦笑)。でも、10数話分の完パケを拝見したら、ずっとクオリティが高いままだったので。

諏訪部 少なくとも、自分たちがこの取材を受けている時点で完成済みのCASE.3までは完璧です(笑)。

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