続・ 初夏のVTuber講習〜押さえるべき10組を紹介  vol. 8

Review

天神子兎音 前代未聞の“神様系VTuber”であり“歌うまVTuber”。ロックシンガー・kotoneとしても進化中!

天神子兎音 前代未聞の“神様系VTuber”であり“歌うまVTuber”。ロックシンガー・kotoneとしても進化中!

魅力的なコンテンツを発信し続けるVTuber(バーチャルYouTuber=3DCGのキャラクターによるYouTuber)は、いまや日本のエンターテインメントに不可欠な存在。今年ついに1万人を超えたVTuberのなかから、精力的に音楽活動を行っている“アーティスト”を紹介します。“VTuberの音楽活動って、どんなことやってるの?”というビギナー方も大丈夫。優れたシンガー、クリエイターが集結しているバーチャル・アーティストの世界へようこそ!


元は、約500年前から京都で祀られていた由緒正しき神社の神様。家内安全から合格祈願まで、多くの人間を助けてきたが、200年余りの昼寝から目覚めると、神社はすでになく、信者もいなくなっていた。神社の再建に乗り出した彼女は、人間たちがアニメやゲーム、アイドルなどに夢中になっていることを突き止め、自らのその世界に飛び込むことを決意。「ウチは神様からVTuberに鞍替えする!」と宣言し、2018年4月27日にデビューを飾ったのが、“天神子兎音(てんじん・ことね)”。前代未聞の“神様系VTuber”だ。

エンターテインメントの神様を目指しているだけあって、動画コンテンツもゲーム実況、ラジオから「【二重ドッキリ】激辛ペヤングと見せかけて普通のペヤングと見せかけて本当に辛いのはお茶【MAXEND】」(2018/11/06)といった(体を張った)オモシロ動画まで、バラエティ豊か。和のテイストを取り入れたビジュアルとカワイイ関西弁、ファンを「ポンコツ信者の諸君!」と呼び、ファンからは「噛み様」(トークのときによく“噛む”ため)と呼ばれるフレンドリーな雰囲気も含めて、順調にチャンネル登録者数を伸ばした(現在25万人超え!)。また、2019年3月には千代田区観光アンバサダーに就任。秋葉原を中心に、千代田区のゲームショップや飲食店などを紹介する動画も配信している。

特に彼女が力を入れているのが、歌ってみた動画。なかでもボカロP系楽曲のカバーは絶大な支持を得ている。現時点でもっとも再生回数が多いのが、「ロキ/みきとP【天神子兎音Cover】」(2018/08/31)。高速のビート、起伏に富んだメロディをナチュラルに捉え、幅広い表現力——可憐でキュートな声から凄みを効かせた声までーーを響かせるこのカバー動画は、260万回以上の再生数を記録。“歌うまVTuber”として広く認識された。

さらに「ベノム/かいりきベア【kotone(天神子兎音)Cover】」(2019/11/29)、「ゴーストルール/DECO*27【天神子兎音Cover】」(2018/11/16)、YuNiとのコラボ「クノイチでも恋がしたい/みきとP」(2018/11/09)、「only my railgun/fripSide(天神子兎音Cover)」(2018/11/30)、なども100万再生を突破。エッジの効いたロックチューンから華やかなエレクトロまで幅広いテイストの楽曲を歌い、シンガーとしてのセンスを磨いていった。

初めてのオリジナル曲は、2018年7月27日に公開された「フーアーユーなんて言わないで」。”ポンコツなんて言わないでよ”“これこそが あたしのリアル”というフレーズとともにスタートダッシュを決めるこの曲は、“アニメやゲームを愛し、インターネットを介して世界に飛び出す”という天神子兎音のスタイルをそのまま反映したロックナンバー。“子・兎・音! 子兎音様!”というコーラスも盛り上がる「フーアーユーなんて言わないで」のMVは160万回以上再生され、ファンの支持も絶大だ。

さらに2019年5月24日には、LiSA、ベイビーレイズJAPANなどの楽曲を手がける堀江晶太が作詞・作曲した「アンダーワールドウタウタイ」をリリース。ヘビィかつダイナミックなバンドサウンドとともに“こんな世界に媚びてらえるかよ”というメッセージを放つこの曲で彼女は、“ロックシンガー・kotone”のイメージを強烈に印象づけた。

3曲目のオリジナル曲「かごめ」(2019/11/15)は、アニメ系の楽曲を数多く手がける出口遼が作詞・作曲を担当したナンバー。凄まじい疾走感に溢れたサウンド、切なさ、力強さを抱えながらドラマティックに展開するメロディからは、ボーカリストとしての進化を引き出している。“同調圧力に屈せず、本当の自分を貫く”という意思を込めた歌詞も、彼女のエモーショナルな歌声にピッタリだ。

そして今年6月6日には最新曲「Erase」が発表された。前作「かごめ」と同じく出口遼が手がけたこの曲で彼女は、重厚さを増したサウンドとともに<欲しがった未来だって 仕様がないんだって / だって だって だって 言い訳するの?>というフレーズを響かせている。「MVの完成度も高いし、子兎音様の歌声と曲調がマッチしてるし最高かよ…!」「可愛いの中に力強さとかっこよさが合わさった歌声がめっちゃいい…」とファンからも既に多くの絶賛コメントが寄せられている。4曲のオリジナル曲によって天神子兎音は、“ヘビィロックを取り入れたサウンド”“かわいさと強さを共存させたボーカル”“メッセージ性の強い歌詞”というスタイルを確立したようだ。

2019年4月には、ミライアカリ、花譜、かしこまりなどと一緒にイベント「バーチャルさんがいっぱいSPECIAL VIRTUALIVE DAY2」、8月には燦鳥ノム、樋口楓などともに「史上最大バーチャルフェスライブ!〜Vサマ! -VIRTUAL SUMMER FEST-」に出演。2020年後半以降もぜひ、音楽活動を発展させてほしい。

文 / 森朋之

天神 子兎音 Tenjin Kotone – YouTube

天神子兎音の作品はこちらへ。

オフィシャルサイト
https://kotone-tenjin.com/

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