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シリーズの根底にある「気品」こそがネオロマンス! 幕末の『遙かなる時空の中で5』と大正浪漫の『遙か6』を振り返る!【作品解説その2】

シリーズの根底にある「気品」こそがネオロマンス! 幕末の『遙かなる時空の中で5』と大正浪漫の『遙か6』を振り返る!【作品解説その2】

長い時を越え愛される続ける女性向け恋愛アドベンチャーゲーム「遙かなる時空の中で」シリーズ。6月18日(木)に発売予定のNintendo Switch向け新作『遙かなる時空の中で7』に向けて、これからシリーズに触れる方向けに3回に渡って「遙か」の歴史をまとめる本企画。3回目となる本稿では、シリーズ5作目と6作目について詳しくお届けします。1回目の基礎知識編、2回目のシリーズ1~4の解説もご一緒にどうぞ。皆様の遙かなる時空の旅のお供になれば幸いです。

『遙かなる時空の中で7』が発売する前に、「遙か」シリーズの魅力をおさらいしよう!【基礎知識編】

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2020.04.29

「遙かなる時空の中で」シリーズはどのように女性ファンから支持を受け、進化してきたのか。4作目まで振り返る!【作品解説その1】

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2020.05.22

文 / みかめゆきよみ


現代と異世界を駆け抜ける『遙かなる時空の中で5』

2011年2月24日に発売されたシリーズ第5弾。舞台は日本史でいうところの幕末。主人公の蓮水ゆきは留学先から帰国途中、飛行機事故に巻き込まれ異世界に時空移動してしまいます。PSPにて本編の『遙かなる時空の中で5』と、続編の『遙かなる時空の中で5 風花記』が発売されています。

▲幕末といえば坂本龍馬! 異世界に時空移動してしまった主人公の前に颯爽と現れ危機から救ってくれます

『遙かなる時空の中で5』の八葉たち

▲天の青龍:桐生瞬(CV.寺島拓篤) 主人公の家に拾われ兄弟同然に育てられた幼馴染。保護者代わりでありながら無口で無表情。主人公を守りつつも、必要以上に近づかず、そっけない態度をとる

▲地の青龍:坂本龍馬(CV.鈴村健一) 土佐藩開国派の幕末志士。明るく飄々としており、気が向いた時に主人公の前に現れては主人公を「お嬢」と呼び、気軽に話しかけてくる。人望があり、実力と行動力を備えた人物

▲天の朱雀:チナミ(CV.阿部敦) 水戸藩尊王攘夷派の幕末志士。天狗党の首領格。不遜だが、義理人情に厚く感動屋。恋愛沙汰には疎い。偉大な思想家の父や立派な兄を尊敬している

▲地の朱雀:沖田総司(CV.岡本信彦) 新選組(佐幕派)の一番隊隊長。いつも曖昧な微笑みを浮かべている。自分の意思や感情が欠けていて、上司のに命ならどんな任務でも表情一つ変えずに刀を振るう剣士

▲天の白虎:小松帯刀(CV.立花慎之介) 薩摩藩の家老。尊王佐幕派。理知的で合理性を尊ぶ。融通が利かなそうに見えて、適応力と現状を把握する能力に優れている

▲地の白虎:福地桜智(CV.竹本英史) 佐幕開国派の幕臣。艶やかで気だるげな雰囲気の美丈夫。「夢の屋」という名で情報屋としても知られている。神出鬼没で幕臣でありながら勢力に拘らず情報を提供している

▲天の玄武:アーネスト・サトウ(CV.四反田マイケル) イギリスの外交官兼通訳。開国派。ソフトで穏やかな態度を崩さない、王子様のような青年。外交官としては非常に有能で、どのような嫌味や差別も笑顔でかわすが……?

▲地の玄武:高杉晋作(CV.安元洋貴) 尊王攘夷派である長州藩の過激な一派のリーダー。冷酷で傲岸。堂々とした帝王のような風格がある。どのような危機的状況においても落ち着いており、精神的に成熟している

幕末に活躍する志士が思想や立場を越えて八葉として一堂に会する。まさにドリームチームです。

荒廃した現代と、幕末に似た異世界、2つの世界を行き来する!

これまでは異世界に行きっぱなしでしたが、『5』はゲーム中、何度も現代と異世界の行き来をします。しかし現代はなぜか砂漠が広がる荒廃した大地になっており、主人公と幼馴染以外の人間は消滅しています。

時空の行き来には白龍の神子の主人公が持つ「時空の砂時計」が必要。異世界では行動するたびに砂が落ち、落ち切ると現代に強制的に戻されてしまいます。「時間は無限ではない」そう告げられているようで、一つの行動を起こすにも緊張感が走ります。

▲現代に戻る際には加入中の八葉も一緒に時空移動します。八葉の服装にも注目!

異世界では京、長州、日光が舞台になります。もちろん実際にある地名が登場! 主人公たちは異世界で出会った幕府の宰相・天海(あまみ)の助言に従い、荒廃した現代を元に戻すため奔走します。その中で、のちに八葉になる幕末志士たちと出会い、彼らと行動を共にしながら時代の激流に飲まれていくのです。

▲青龍の加護を受けた2人。正反対の性格です

▲「人物情報」では八葉のレベルや心の結晶の数、神子との絆などを確認することができます。現在同行中であるかもここでチェック

『5』は主人公の章をいったん終わらせると章選択が可能になり、いつでも各章の冒頭からやり直しができるようになります。仲間の「心の結晶」を集めて絆を深めると恋愛ルートが開放されるので、意中の相手のルートが開放されるまで何度もチャレンジしましょう!

武器封印と連携術が戦闘を彩る!

「遙か」シリーズは女性向け恋愛アドベンチャーゲームでありながら奥深い戦闘が特徴。『5』も戦闘システムがかなり本格的です。

そのひとつが「武器封印」。五行(木、火、土、金、水)それぞれの属性には相性があり、弱点属性で倒した敵は「魂」に変化します。これを武器に封印することで、新たな技が使えるようになります。

▲一回の戦闘で封印できる「魂」は1つだけ。武器ごとに封印できる属性も異なります

うまく封印すればキャラクターが持つ本来の属性とは異なる属性の技を持つことができ、次にご紹介する「連鎖術」にも大いに役立ちます。

▲戦いを有利に進めるだけでなく、八葉との絆を感じられる大事な要素。こんな豪華なスチルも見られます!

武器レベルが一定値に達したり、特殊な怨霊を封印したりすると、名前や見た目が異なる新たな武器へと変化します。カッコよくなって封印できる場所も増加、いいこと尽くしです!

次にご紹介するのが技を決まった属性順に繰り出して発動する「連鎖術」。強力な敵全体攻撃なので、うまく使えば敵を1ターンでせん滅させることができます。早く倒せば「速攻」になり、八葉との絆もアップ! 先ほどご紹介した「武器封印」で複数の技をバランスよく覚えさせれば、発動可能な連鎖術のバリエーションが増え戦闘を有利に進めることができます。

▲連鎖術発動時のカットインと専用セリフも見逃せません!

主人公と仲間の絆が深ければ、連鎖術発動時に控えの仲間が追撃を加えてくれることも。追撃技は無属性になるので連鎖術の属性が味方にとって不利だった場合にかなり有効。逆に連鎖術の属性が有利な場合はキャンセルすることもできます。

技のカスタマイズと攻撃コンボの組み立てが強化された『5』。八葉をまとめる神子としての采配が試されますが、狙い通りにコンボが決まった時の爽快感はたまりません。オートバトルに切り替えることもできるので、戦闘が苦手な人も安心です。

戦闘で溜めた五行の力はキャラクターの強化や現代の復興に使うことができます。さらに砂時計の砂も回復するので、戦いは避けて通れないでしょう。少し複雑かもしれませんが、だからこそ仲間との絆をより深く感じられるというもの。志を共にする仲間に信頼を置き戦う、なんとも幕末らしいではありませんか!

倒幕、佐幕、尊王攘夷……立場は違えど、目指すはひとつ

幕末といえば約270年続いた徳川幕府が終わり、新たな世が生まれた動乱期。時代の転換期には犠牲がつきもので、数多の幕末志士がそれぞれの志に従い殉じていきました。国を憂う気持ちは同じなのに敵対し合わなければならない。そんな悲しい時代に時空移動し、「みんなを助けたい」とひたむきに願う主人公の気持ちに心を揺すぶられます。また、当初はまったく打ち解けなかった八葉たちが徐々に一つになっていく様子にも注目です。

『遙かなる時空の中で5』オフィシャルサイト

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