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星野源 世界的DJマーク・ロンソンからオファー。日本人アーティストとして唯一参加した「Love Lockdown:Video Mixtape」の豪華さ

星野源 世界的DJマーク・ロンソンからオファー。日本人アーティストとして唯一参加した「Love Lockdown:Video Mixtape」の豪華さ

日本時間5月2日(土)午前7時、マーク・ロンソンが自身のYouTubeチャンネルで「Love Lockdown:Video Mixtape」を公開した。ダリル・ホール、ディスクロージャー、テーム・インパラ、マイリー・サイラス、デュア・リパといったビッグネームが名を連ねるなか、星野源が日本人アーティストとして唯一参加し、「Week End」を披露した。


新型コロナウィルスによって過酷な状況に晒されている現在、世界中のアーティストがYouTube、SNSなどを通して、人々を鼓舞し、勇気づけるメッセージや音楽を届けている。その代表が4月19日(日)に行われた「ONE WORLD TOGETHER」(主催/WHO、Global Citizen)。レディガガのキュレートによる同イベントには、ザ・ローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ、ジェニファー・ロペスなどが参加。医療事業者などへの支援目的で1億2790万ドルの支援金が集まり、大きな成果を上げた。

日本では、星野源がInstagramで発表した「うちで踊ろう」が話題を集めた。「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけに対し、三浦大知、バナナマン、高畑充希、石田ゆり子、亀田誠治などがコラボ動画を公開。“心を躍らせよう”というメッセージも広く浸透し、いまや社会現象となっている。

そんななか、世界的DJ/プロデューサーであるマーク・ロンソンが日本時間5月2日(土)、自身のYouTubeチャンネルで「Love Lockdown:Video Mixtape」を公開した。ダリル・ホール、ディスクロージャー、テーマ・インパラ、マイリー・サイラス、デュア・リパといったトップアーティストが名を連ねるなか、日本人として唯一参加したのが、星野源だ。

マーク・ロンソンと星野は、昨年開催された星野のワールドツアー「星野源“POP VIRUS”World Tour」のニューヨーク公演、横浜公演で共演。アンコールで演奏された「Week End」でマーク・ロンソンがギターで参加するなど、以前から深い交流がある。今回の出演も、マーク自身からのオファーによるもの。今回の「Love Lockdown:Video Mixtape」におけるYouTube上でのセッションからも、両者の音楽的なつながりを感じ取ることができた。

「Love Lockdown:Video Mixtape」は日本時間5月2日(土)7時からスタート。マーク・ロンソンのDJプレイに導かれ、まずはAfro B「Drogba(Joanna)」、リル・ジョン「Turn Down for What」などのヒップホップ・ナンバーが放たれる。

前半のハイライトは、現在の音楽シーンを代表する女性シンガーたちの豪華な共演だった。マイリー・サイラスが歌った「Nothing Breaks Like A Heart」(Mark Ronson ft. Miley Cyrus)、リッキ・リーの官能的な歌声が響いた「Late Night Feelings」(Mark Ronson ft.Lykke Li)、そして、デュア・リパの歌唱による美メロ・ポップソング「Electricity」(ft.Diplo & Mark Ronson)。世界的ヒットチューンをマーク自身がリアルタイムでつなぐシーンが写し誰、世界中の音楽ファンが絶賛のコメントを送った。

The Black Madonna、PEGGY GOUと女性DJのプレイが続いた後は、事前にアナウンスされていなかったカニエ・ウェストの「Love Lockdown」のMVが映し出された。2008年に発表されたこの曲は、“恋愛に終止符を打つ”をテーマにしたナンバーだが、“失いたくないものがある”“だから一歩を踏み出さなきゃ”というメッセージは、現在の世界の状況とも完全にリンクしていた。

もう一人のレジェンド、ダリル・ホールは1984年のヒットチューン「Out Of Touch」(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)を披露。シンセ・ポップとディスコが融合したこの曲もまた、2020年のトレンドと合致。マークのDJミックスも加わり、現代的なダンストラックとして機能していたと思う。

スウェーデンのシンガーソングライター・ロビンが「Dancing On My Own」で激しく踊りまくり、A-TRAKが凄腕のDJテクニックを見せつけた後、ついに星野源が登場! マイクの前に立ち、一人だけで楽しそうに「Week End」を歌う姿に、YouTubeのコメント欄も「素敵!」「待ってた!」とヒートアップ。途中でマグカップを手に取ったり、踊ってるときに後ろに貼ってあるポスターが落ちたりと、“うちのなかで自由に楽しんでる”という雰囲気がたっぷりと伝わってきた。

アルバム『YELLOW DANCER』に収録された「Week End」は、00年代のネオソウル、ディスコ・リバイバルの流れを汲むサウンドと歌謡的なメロディがひとつになったダンスナンバー。豊かな低音を活かした音響、そして、和的なテイストを含んだ歌は、海外のアーティストの楽曲のなかにあっても、際立った個性を発揮していた。また、「今を踊る すべての人に捧ぐ」「目が覚めたら すべてを連れて/未来を今 変える」というフレーズも印象的。楽曲が発表されたのは2015年だが、「Week End」の歌詞は、都市を封鎖するロックダウン(日本は“自粛要請”)を余儀なくされている現状、そして、この過酷な状況を生き抜こうとする人々の心情とも重なっていたと思う。

M.O.P.&BUSTA RHYMES、D-NICEなどのヒップホップを挟み、ネイト・ルイスの世界的アンセム「We Are Young」(FUN.)から後半へ。いまや世界のトップバンドになったテーム・インパラの が「Bordeline」(最新アルバム『The Slow Rush』収録)を自撮りの映像でパフォーマンスし、YouTuberからシンガーへと華麗に転身したトロイ・シヴァンがヒット曲「My My My!」をプレイ。さらにオーストラリア出身のシンガー/ラッパーのモールラットが「Charlie」を(パスタを食べながら)披露した。言うまでもなく、ここだけでしか観られない映像ばかりだ。

映画『ジュラシック・パーク』のアラン・グラント博士役で知られる俳優のサム・ニールが「Uptown Funk ft.Bruno Mars」をウクレレでカバーした映像に続き、マーク・ロンソンがこのヒット曲を新たなリミックスで披露。最後はディスクロージャーが「White Noise」「Holding on」「Ecstacy」といったアンセムをつなぎ、「Love Lockdown:Video Mixtape」はエンディングを迎えた。

マーク・ロンソンの呼びかけにより、世界中のトップアーティストが音楽をつないだ「Love Lockdown:Video Mixtape」。未来が全く見通せない状況において、アーティストは何ができるか? 音楽が人々に与えられるものは何か? ダイバーシティ(多様性)を感じさせながら、音楽を通して多くの人々が通じ合えたこのプロジェクトにはまちがいなく、その“答え”の一つだったと思う。

文 / 森朋之

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オフィシャルサイト
https://www.hoshinogen.com