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『MIU404』放送前に観たい! 星野 源の演技力が光る推しの5選

『MIU404』放送前に観たい! 星野 源の演技力が光る推しの5選

俳優、音楽家、文筆家などマルチな才能を発揮している星野 源。「第9回伊丹十三賞」贈呈式で、「芝居の現場に行くと『音楽の人でしょ』と言われ、音楽の現場に行くと『芝居の人でしょ』と言われ、自分の居場所がないとずっと思っていました」と発言するなど、若かりし頃は苦悩もあったようだが、今ではどの分野においても高い評価を受けている。最近では、自身のInstagramアカウントに『うちで踊ろう(Dancing on the inside)』と題した楽曲の弾き語り動画をアップ。多くの芸能人が歌やダンスなどでコラボする動画を公開するなど、日本国内のみならず海外へも広がり、一大ムーブメントを巻き起こしている。

俳優としての活躍もめざましく、ドラマ『コウノドリ』で共演した綾野 剛と再びタッグを組む、警視庁・機動捜査隊を舞台にした新ドラマ『MIU404』(TBS)のスタートを心待ちにする人も多いと思うが、今回は星野の俳優としての顔に着目。過去作の中からおすすめの作品を5つピックアップして紹介する。

文 / 上條真由美


ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』
思わず応援してしまう”ムズキュン男子”

『逃げるは恥だが役に立つ』第6話より ©TBS

星野の代表作といえば”逃げ恥”を思い浮かべる人が多いかもしれない。2016年にTBSで放送された海野つなみの漫画が原作のドラマで、星野は恋愛経験がなく、“プロの独身”を自称するサラリーマンを好演。また同作は、星野が歌う主題歌の『恋』や、楽曲に合わせて新垣結衣をはじめとするキャスト陣が踊る“恋ダンス”も含め、社会現象と言っていいほどの大ヒットとなった。

派遣切りに遭い、津崎平匡(星野)の家で家事代行サービスの仕事を始めた森山みくり(新垣)。ある日、みくりの提案で“雇用主と従業員“として契約結婚をすることになるのだが、ひとつ屋根の下で暮らしているうちに、ふたりの間には本当の恋愛感情が芽生えていく。しかし、恋愛経験がないことをコンプレックスに感じている平匡は、超がつくほどの奥手。みくりの言動や行動にいちいちドギマギし、みくりに惹かれながらも素直に気持ちを伝えることができない。なかなか縮まらないふたりの距離にやきもきしつつ、そんな平匡に、ムズムズ、キュンキュンする視聴者が続出。実際、身近にこういう男性がいたとしてどう思うかはさておき、星野が演じる平匡はとてもかわいらしく、ついつい応援したくなってしまう。

そんな平匡も、ときに大胆な行動をとることがある。6話ではみくりの手を握り、不意打ちのキス! 想定外の出来事すぎて、視聴者は「平匡キュンしすぎて心臓痛い」 「ムズキュン超えてキュン死」と悶絶。「ずっとみくりさんが僕のこと、好きならいいのになって思っていました」という告白にも、「かわいすぎて震えた」など、大きな反響があった。ちなみに、ドラマ内のコミカルなやりとりやリアクションは、ほとんどがアドリブだという。初共演とは思えない、星野と新垣の相性の良さも見どころと言えるだろう。

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映画『箱入り息子の恋』
35歳で初めて恋をした内気な男

©2013「箱入り息子の恋」製作委員会

”逃げ恥”ファンにおすすめしたいのが、映画『箱入り息子の恋』(13)。彼女いない歴=年齢の独身男性が、初めての恋に奮闘するという設定が共通しており、こちらでも存分に“ムズキュン”することができる。

天雫健太郎(星野)は、生真面目で内気な性格が災いし、35年間恋愛経験がない。そんな息子を見かねた両親は見合いをセッティング。健太郎はそこで出会った盲目の女性・今井奈穂子(夏帆)に恋に落ちる。奈穂子の父親に交際を猛反対されつつも、ふたりは黙ってデートを重ね、健太郎は初恋を成就させるべく奔走する。健太郎は奈穂子のこととなると、暴走して突飛な行動をとることもしばしば。その姿はぶざまで滑稽なのだが、あまりのまっすぐさに、不思議と輝いて見えてくる。健太郎は平匡同様、自然と応援したくなるキャラクターだ。

健太郎の初恋は初々しく、デートも公園を散歩したり、並んでジュースを飲んだりと微笑ましい。奈穂子のリクエストで訪れた吉野家では、彼女が左利きであることに気づき、腕がぶつからないようにそっと右側の席に移動するなど、健太郎の相手を思いやる行動にも心が温まる。後半は試練が多く、涙なしでは観られないシーンもあるが、不器用ながらもゆっくりと恋を育んでいくふたりの姿は尊い。観客も「健太郎と奈穂子のピュアさに涙があふれて止まらなかった」「健太郎のダメダメだけどがんばってる姿にキュンとした」と大絶賛だった。健太郎をかっこ悪い部分も含めて魅力的に演じた星野は、映画初主演にして「第37回日本アカデミー賞」新人俳優賞ほか、たくさんの映画賞を受賞した。

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ドラマ『コウノドリ』
笑顔を見せないクールな産婦人科医

©TBS

目を細め、大きな口で“ニッ”と笑う、チャーミングな笑顔が印象的な星野だが、鈴ノ木ユウの漫画を原作にしたドラマ『コウノドリ』(15/TBS)では、その笑顔を封印した。同作は、天才ピアニストという一面を持つ産婦人科医・鴻鳥サクラ(綾野 剛)をはじめ、命が誕生する現場に関わる人たちの奮闘ぶりを描いたヒューマンドラマ。「生まれてきたことの意味」「命を授かる奇跡」と同時に、出産に関するリスクやアクシデント、現在医療現場が直面しているさまざまな社会問題をリアルな描写で丁寧に伝え、毎話多くの視聴者の共感と感動を呼び、好評のうちに放送が終了。2017年には、第2シリーズが放送された。

星野が演じたのは、サクラと同期入局の産婦人科医・四宮春樹。「患者の希望より、患者の命を第一に考えるのが産科医の仕事である」というポリシーを持ち、患者に冷徹に現実を突きつけることも多い。星野は、さまざまな患者と向き合い、仲間たちのあたたかさに触れるうちに変化していく四宮の繊細な心の動きを見事に表現。いつもクールで無表情な四宮が、笑顔を見せたときの破壊力はすさまじく、視聴者は「シノリンがついに笑った」「シノリンの笑顔が見られて胸熱」と大興奮! 撮影現場でモニターを見ていた綾野も思わず、「四宮、かわいいよ!」とグーサインを出したという。感情を抑えた難しい役どころでありながら、星野は自身のラジオ番組で「演じていてすごく楽しい」と語っていた。

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※現在、TBSでは『コウノドリ傑作選』(次回は5月8日(金)放送予定)が放送中

映画『地獄でなぜ悪い』
闘争に巻き込まれた平凡な青年

©2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

ここまで紹介してきた作品とはまた違う、星野のぶっ飛んだ演技を観られるのが、映画『地獄でなぜ悪い』(13)。武藤組の組長・武藤大三(國村 隼)は、娘のミツコ(二階堂ふみ)を主演にした映画製作を決意する。通りすがりの青年・橋本公次(星野)を監督に、スタッフやキャストは手下のヤクザで構成。そこへ映画監督を夢見てきた平田 純(長谷川博己)が現れ、敵対する池上組との抗争を舞台にした全キャスト命がけの撮影を始める。同作は、2011年公開の『冷たい熱帯魚』『恋の罪』で国内の映画賞を総ナメにした鬼才・園 子温監督が、10年以上あたためていた企画の実写化。バイオレンス、アクション、さらに恋愛やユーモアなど、あらゆるジャンルを詰め込んだエンターテインメント作品。また、園監督のラブコールに応え、星野は本作の主題歌も担当して話題となった。

キャスト全員がキレキレの演技を見せるなか、ひときわ輝きを放っている星野。不運にもヤクザの映画撮影を手伝う羽目になってしまった公次を絶妙にダサく、表情豊かに演じた。ヤクザに怯え極限状態に陥った公次は、白目をむき、発狂し、最後は血まみれに。特にミュージシャンとしてのイメージが強かった観客は、その振り切った演技に驚いたようで、「星野 源の印象が180度変わった」「星野 源の演技に度肝を抜かれた」という声が多くあがっていた。体当たりで挑んだ星野は、同作(『箱入り息子の恋』と2作品)で、「第37回日本アカデミー賞」新人俳優賞をはじめ、多くの映画賞を受賞。星野はのちに、「この時期に演技に対しての気づきがあった」と語っており、同作はブレイクの布石となった作品のひとつだと言っていいだろう。

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映画『引っ越し大名!』
大役を押し付けられた引きこもり侍

©2019「引っ越し大名!」製作委員会

映画『地獄でなぜ悪い』の橋本公次もそうだが、ドラマ『プラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~』(17/WOWOW)の吉村貴生、声優を担当したアニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』(17)の先輩など、星野が演じるキャラクターは、トラブルに巻き込まれがちだ。毎回見事なほどにとばっちりを受けており、今日本で”巻き込まれ役”で星野の右に出る俳優はいないのではないかとすら思う。2019年公開の映画『引っ越し大名!』は、そんな星野の真骨頂。幕府から国替え(引っ越し)を命じられた姫路藩主の松平直矩(及川光博)は、「書物好きなら知識があるだろう」と、総責任者に書庫番の片桐春之介(星野)を指名する。国替えの経験などない春之介は突然の大役におじけづくが、仲間や前任者の娘・於蘭(高畑充希)の助けを借りながら、準備を進めていく。

©2019「引っ越し大名!」製作委員会

春之介は、書庫にこもりっきりで人と話すのが苦手な“引きこもり侍”。「総勢1万人、距離600キロ、予算ゼロ」で、藩を丸ごと引っ越しさせるという無理難題を押し付けられた春之介は、「は?」と腑抜け顔。あたふたしたり頭を抱えたりと、はじめはなんとも情けなかったが、立ちはだかる難題に悪戦苦闘しながらも知恵と工夫で乗り越え、たくましく成長していく。観客は「キョドり具合がおもしろくて、何度も爆笑した」「巻き込まれ系な源さん、安定のかわいさだった」と大絶賛。犬童一心監督も、自身のTwitterで「適役だった」と星野のハマりっぷりを評価した。劇中には、NHKの音楽番組『おげんさんといっしょ』で共演経験のある星野と高畑の歌唱シーンがあるほか、及川光博や高橋一生、濱田 岳といった豪華共演者たちとのコミカルな掛け合いも。見どころ満載の1本だ。

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綾野 剛との再タッグ、小栗 旬との初共演作が待機中

©TBS

新ドラマ『MIU404』(TBS)で星野が演じるのは、観察眼と社交力に長けているものの、自分も他人も信用しない理性的な刑事・志摩一未。考えるより身体が先に動いてしまう伊吹 藍(綾野 剛)に振り回されながら、24時間以内の事件解決を目指す。すでに予告動画が公開されているが、ストーリーの展開はもちろん、ふたりの息の合った演技、迫力満点のカーアクションも見どころになりそうだ。

さらに今年、小栗 旬とダブル主演を務める映画『罪の声』も公開予定。原作は、昭和最大の未解決事件をモチーフにした塩田武士の同名小説で、星野が演じるのは、京都でテーラーを営み、幼少時代の自分が事件に関わっていたことを知ってしまう曽根俊也。一方、小栗は同事件の真相を追う新聞記者・阿久津英士を演じる。星野と小栗の初共演ということで、大きな注目が集まっている。今回ピックアップした作品とはまるで違う役どころであるため、俳優・星野 源の新たな一面が見られそうだ。

©2020「罪の声」製作委員会

※配信情報は4月30日時点のもの