連続テレビ小説『エール』特集  vol. 4

Interview

朝ドラ『エール』で美声を響かせる山崎育三郎と小南満佑子。ミュージカル界を代表する2人の対談を独占取材!

朝ドラ『エール』で美声を響かせる山崎育三郎と小南満佑子。ミュージカル界を代表する2人の対談を独占取材!

窪田正孝演じる主人公・古山裕一と二階堂ふみ演じるヒロイン・音が晴れて夫婦となり、新たな生活が始まった連続テレビ小説=朝ドラ『エール』。裕一はレコード会社専属の作曲家に、音は音楽学校に進学して、ともに多忙な日々をおくる中、新たなキャスト陣の登場も話題に。とりわけ、ミュージカルファンが歓喜しそうなのが、裕一の幼なじみにして音楽学校のプリンス・佐藤久志役の山崎育三郎と、音楽の英才教育を受けてきた「ミス・パーフェクト」こと夏目千鶴子役の小南満佑子という配役。『レ・ミゼラブル』のマリウス役、コゼット役として知られるも、同じ舞台に立ったことのなかった2人が、ついに初共演を果たすのみならず、いきなりデュエットまでしてしまうのだ。

WHAT’s IN? tokyoは、そんな2人の貴重な対談の独占取材に成功! ミュージカル界、そして同じ音大の先輩後輩でもある両者に、和気あいあいと現場での様子を語ってもらった。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 荻原大志


ともにミュージカル育ちなので、デュエットするシーンでは1回目に合わせた時から気持ちよく歌えました。(山崎)

小南さんの演じられる夏目千鶴子が登場して早々に、山崎さん演じる久志とデュエットをする…ミュージカルファンにはたまらない展開が用意されているという(笑)。

小南 ありがとうございます。お茶の間のみなさんが、どんなふうに受け取られたのか気になるところではありますが…。何しろ、映像でのお芝居は『エール』が初めてなもので──。

山崎 僕が言うのも何だけど、何も心配いらないと思うなぁ。僕も、うれしいんですよ。音大の後輩であり、ミュージカルの世界で一緒にがんばってきた仲間でもありますから。彼女は『レ・ミゼラブル』のコゼット役、僕はマリウス役を演じてきましたが、実は共演したことがなかったんです。満佑子ちゃんのお兄さん(ミュージカル俳優の小南竜平)とは同じ舞台に立ったことがあって、その時に楽屋へ挨拶に来てくれたんですけど、まさか舞台ではなく映像の作品でご一緒することになるとは思いもよらなかったですね。ただ、2人で歌うシーンは、ともにミュージカルの世界で培ってきたものがあるので、最初から息が合ったと言いますか……たくさん合同練習をしたわけではなかったんですけど、1回目に合わせた時からスッと気持ちよく歌えました。

小南 先輩からお褒めの言葉をたくさんいただいて、恐縮です(笑)。とにかく、映像作品は今回が初めてなので、右も左もわからない状態で撮影に入ったんですけど、育三郎さんというミュージカルの先輩が現場にいらっしゃることが、とても心強くて。まったく誰も知らないところへポンッと入るよりも、知っている方がいらっしゃるだけでも安心でしたし、休憩時間にもお話をしてくださるなど気づかっていただいたので、楽しく収録に臨ませてもらっています。

連続テレビ小説『エール』より

しかもカメラが一台だけでななくて、マルチアングルで撮影していくじゃないですか。そういうところに対する戸惑いもあったのでしょうか?

小南 そうなんですよ。「わ、こんな近くにカメラが寄ってくるんや!」と思って、最初は慣れなかったこともあって、ちょっとビックリしました(笑)。

山崎 『エール』の現場は、ほかのドラマと比べても特にカメラが多いという印象がありますね。

小南 あ、そうなんですね!

山崎 監督さんによって変わってもくるんですけど、一連で流して(※ワンカット長回しで)撮ることも多いですし。わりとテレビドラマの現場はカットを細かく割って撮る印象がありますが、『エール』は流れで撮る場合の方が多い気がします。でも、舞台を多く経験している僕たちからすると、カットを割らない方が気持ちが入りやすいかなという印象もあって。ともかく、「朝ドラ」という枠は特別な場所だなと思います。僕らミュージカル俳優にとって『レ・ミゼラブル』のキャストに選ばれた、あるいは帝国劇場の舞台に立つ時の緊張感に近い感覚があるので、思いもひとしおといった感じです。

エール 山崎育三郎 WHAT's IN? tokyoインタビュー

『エール』への出演が決まった時、小南さんのご家族や近しい方々からの反応、反響はいつもと違っていました?

小南 (※取材した時点では)まだキャスト情報が解禁になっていないので、実は周りの人たちに全然話していないんですよ。父にもまだ内密にしているぐらいで(笑)。

山崎 お父さんには話してもいいんじゃないかなぁ(笑)。

小南 いえ、父がポロッと外で話してしまいそうな気がして、「ちょっと言わんとこ…」と慎重になっています(笑)。

山崎 「うちの満佑子が“朝ドラ”に出るんですよ!」って(笑)。

小南 はい、迂闊に口を滑らせると怖いので、本当に誰にも言ってないんです。でも、朝ドラはもちろん、テレビドラマの世界は自分と縁遠いものだと思っていたので、出演が決まったとマネージャーさんから聞かされた時は、「これはドッキリだ」と勘ぐってしまって。そのくらいビックリしたんですけど、現場に入ってみると、キャストのみなさんもスタッフの方々もすごく温かく迎えてくださって。「ドラマの現場が初めてなもので、ご迷惑をお掛けするかもしれません」と言う私に、みなさんが細やかなところまで教えてくださるので、すごくありがたいです。

スタジオを見学していて、本当に人情味のある現場だなと我々も思います。一方、山崎さんも朝ドラ初出演になりますが、キャスト発表後の反響は…?

山崎 はい、いろいろな方から「おめでとう!」といった、ありがたい声を掛けていただきました。僕も本格的に連続ドラマにチャレンジしたのが29歳の時、『下町ロケット』という作品でしたが、それまではほとんど舞台の世界で生きてきたので、「テレビの反響というのは、こんなにも大きなものなのか!」と驚いた覚えがあります。ミュージカルに専念していた頃は、劇場がある日比谷〜有楽町界隈では声を掛けていただくことが多かったんですけど、そのエリアを出ると街を歩いていても、あまり気づかれることがなくて(笑)。ところが、『下町ロケット』以後、「真野(賢作)さんだ」と役名で呼ばれることが一気に増えたという…。ただ、映像作品に出ることを決めてから、いつか朝ドラに出演することが目標でもあったので、実現したことを光栄に思いますし、それが音楽を題材にした作品であることがまた、すごくうれしいです。しかも、彼女(小南)をはじめ、ミュージカル仲間が数多く配役されているのも誇らしく思います。

思いのほど、しかと受け止めました。では、それぞれの役についてはいかがでしょう? 山崎さん演じる佐藤久志は「学園のプリンス」との異名がありますが…(笑)。

小南 私はピッタリだなと思います。女学生たちが「あっ、プリンスよ!」と久志さんにときめくシーンの撮影で、育三郎さんのたたずまいがまさしく王子様で、後光が差しているんです。光を集めちゃっている感じが、「さすがプリンス、素敵ッ!」と思いました(笑)。

そこでウインクもしちゃったり(笑)。

山崎 実際の僕はウインクしませんから(笑)!

小南 でも、育三郎さんはあれが様(さま)になるのが、すごいですよね。

山崎 だって、台本に書いてあるから…やるしかないよね。しかも、4連続でウインクするっていう(笑)。パチパチパチパチッって。あれは難しかったなぁ。

それを受けて卒倒する女学生たちを見て、「罪だな、僕という存在が…」とつぶやくシーンですよね(笑)。一方の千鶴子さんもプリマドンナの筆頭候補という“選ばれし者”なキャラですが…。

小南 もともと私がオペラを学んでいたこともありますし、千鶴子と共通する部分がたくさんあったので、音楽に対する考え方や気持ち、ストイックな部分がスッと自分の中に入ってきました。演じやすいと言うと語弊があるかもしれませんが、素直に演じることができたと思っています。

連続テレビ小説『エール』より

二階堂ふみさん演じるヒロイン・古山(関内)音とは対照的なキャラクターとも言えますが、スタンスやニュアンスこそ違えども、表現に対する思いは根底で通じているようにも感じます。そこを踏まえて、お二方には「歌う」という表現について、あらためて語っていただきたく…。

山崎 クラシックを歌ったのが音大に通っていたころ以来で、実に10年以上ぶりだったんです。今回は久志という役を通じて、イタリアの歌曲やオペラのアリアなどを歌わせていただきましたが、懐かしい気持ちと言いますか…初心に戻るような感覚がありました。高校生や大学生の時に抱いていた「しっかりと歌の勉強をしよう」という時期の気持ちを思い出すような──。そういう意味では、僕も満佑子ちゃんと同じように、役と自分が重なる部分がたくさんある気がしています。ウインクはしませんけど(笑)、歌との向き合い方をあらためて考えたり、自分と久志を重ねることによって、クラシック音楽の良さを再認識したり、基礎をちゃんと学んでいたことで久志という役とも出会えたんだなと感じました。

小南 千鶴子のセリフにもありますが、「観客の方々に喜んでもらえるように歌っています」ということを、私自身もいつも考えて歌っていて。でも、音さんの「心で歌っている」という表現に対するスタンスもすごく大事なことだと思うんです。そんなふうに音さんから刺激を受けることで、千鶴子自身も成長しているなと感じますし、私自身も忘れていた気持ちや感情を思い出したり、気づかされることがあったり──育三郎さんがおっしゃったように、まさしく初心に戻ることができた気がします。なので、「歌うことを心から楽しむ」ことを大切にしていきたいなという思いを新たに、音楽を続けていきたいですね。

その音さんを演じていらっしゃる二階堂さんの歌声を耳にされて、お二方はどのように感じられましたか?

小南 本当にすごいなと思いました。ポップスとは違う特殊な発声方法で歌っているので、マスターするのが難しいんですけど、二階堂さんはすごくきれいな声で歌っていらっしゃって。お芝居であることを超えて、純粋に二階堂さんの歌声に感動しました。連日の撮影で大変だったはずですけど、午前中の早い時間の収録でも伸びやかな声が出ていらっしゃいますし、キャリアを積み重ねて裏打ちされた表現力の幅広さを目の当たりにして、すごく勉強させていただきました。

山崎 本当に素敵ですよね。お芝居中は音さんにしか見えないですし、二階堂さんご自身もオープンで飾らない方。カメラがまわっていない時も場をすごく明るくしてくださいますし、すごく周りを見ていて、キャストだけではなくてスタッフの方々にまで気をつかっていらっしゃるんです。それでいて、オペラの歌曲を歌うことに対しても萎縮することなく前向きで。初めてのことに挑戦する時は不安な気持ちが多少なりとも見え隠れするものですが、そういうところは周りに感じさせない──努力家の一面も持っていらっしゃる。心から尊敬できる、人間的な魅力にあふれる女優さんだなと思います。

エール 小南満佑子 WHAT's IN? tokyoインタビュー

窪田正孝さんも「この作品の“顔”は、ふみちゃんだと思っています」と、おっしゃっていました。その窪田さんについては、どんな印象を抱いていらっしゃいますか?

山崎 『下町ロケット』の前にゲスト出演した『THE LAST COP/ラストコップ』で、窪田くんとは初めてご一緒したんですけど、今回はそれ以来の共演です。4〜5年ぶりになりますが、当時からくらべるとすごく大人になっていて。違う俳優さんのように感じられるほど、地に足の着いた雰囲気を身にまとっていると言いますか…「何でも受け止めるから」というスタンスでお芝居をされている印象を受けました。この先、(中村 蒼演じる村野)鉄男も加えた“福島三羽ガラス”として活躍していくことになりますが、3人の関係性をすごく大事にしてくれているのも伝わってきますし、お芝居のことや台本の細かいところについても積極的に監督と相談していて、主演としての現場への臨み方に惚れ惚れしています。まさしく作品全体を引っ張っている存在ですね。

小南 私は窪田さんと一緒になるシーンがないので、スタジオ前室などでお会いした時にご挨拶をするぐらいなんですけど、すごくナチュラルでいらっしゃって、素敵な俳優さんだなと感じています。でも、現場に入っていらっしゃる姿をモニター越しなどで拝見すると、まさしく裕一さんそのものなので、私の中では“音さんの旦那さま”という印象が強いかもしれません。

連続テレビ小説『エール』より

育三郎さんの歌声が朝からテレビを通じて部屋中に響くことで、寝覚めがいい日になるのではないかなと思っています。(小南)

しかしながら、朝から全国のお茶の間にお二方の美声が響くことを考えると、ちょっとワクワクしますね。

山崎 僕が言うのもおこがましいですが、彼女の美声が全国放送で届けられるということに、胸が躍る思いです。みなさん、きっとビックリされるんじゃないですかね。「あの美声の持ち主、何と言う女優さんだ!?」って。

小南 久志さんと千鶴子でデュエットするシーンの段取りでは、育三郎さんが「ここはこんなふうにしてみようか」といった感じで、いろいろとアイデアを出してくださって。ありがたいな、やはり先輩は頼りになるなと思っていたんですけど、カメラがまわって本番が始まる直前に「さあ、これから満佑子ちゃんの美声が日本中に届きます!」と、おっしゃるものだから、一気にプレッシャーを感じてしまって。それこそエールをおくってくださったと思うんですけど、カメラの向こう側にいらっしゃる視聴者の方々の存在を意識したら、それまでは感じていなかったプレッシャーがのしかかってきたという…(笑)。

山崎 何か「これはすごいことになるぞ!」と思ったら、言わずにいられなかったというか(笑)。しかも、本番では実際に歌っていますからね、間違えたり音を外したらNGですし。

小南 そうなんです、生声なので、その緊張感もあいまって…。

山崎 でも、そのぶん迫力が違ってくると思います。朝ドラでオペラを生で歌う女優さん──しかもクラシック畑でずっと育ってきた彼女のような人材が、こういうカタチで視聴者のみなさんに知っていただけることが、僕はすごくうれしくて。

小南 ありがとうございます。最初こそプレッシャーと緊張を感じましたけど、本番は楽しく歌わせていただきました。

山崎 1回きりじゃもったいないから、またどこかで一緒に歌いましょうと話しているんですよ。

小南 私でよければ、ぜひともお願いします。

連続テレビ小説『エール』より

おぉっ! 再共演を心待ちにしています。

小南 私はともかく、育三郎さんの歌声が朝からテレビを通じて部屋中に響くことで、寝覚めがいい日になるんじゃないかと思っていて。それだけでも、すごく贅沢な作品ですよね。

しかも、1回1回の撮影ごとに、みなさんが実際に歌っていらっしゃるという。「本当の音楽を届けるんだ」という心意気が素敵だなと思います。

山崎 僕自身も初めて歌う曲があって。音大に行ったからと言って、歌曲をすべてマスターするわけでもないので、譜読みから音取りしてイタリア語での歌い方を覚えて…と、それこそ音大での試験みたいな感じでもあったので、けっこう緊張しました(笑)。

本番が始まる前、山崎さんがピアノを弾きながら音取りしていらっしゃって。その姿がまた素敵だという…。

小南 育三郎さんはピアノも本当に上手でいらっしゃるんです。音大でも声楽科はそんなピアノが達者じゃなくてもいい、みたいなところがあるんですけど(笑)、育三郎さんは例外でいらっしゃって。

山崎 僕の場合、中3からピアノを始めたから、本当にたいしたことがなくて…。

エール 山崎育三郎 WHAT's IN? tokyoインタビュー

撮影の合間に、ピアノを弾きながら音取りする山崎育三郎。

スタートが遅かったぶん、努力する才能を発揮したとも言えそうですよね。それこそ、『エール』のテーマにも通じてくるような気もしますが…。

山崎 居酒屋でクラシックを歌ってブーイングされた久志が、その後で流行歌を歌うと沸くという展開が少し先の放送であるのですが、僕はそういうところが面白いなと思っていて。自分が音大生だった時も、発声や姿勢、口の開け方だったり、高いソとラの音が出せるようなったとか…そういう会話を日常的に友人たちとしていたんですけど、人に歌を届けるというよりも譜面に書いてあることを忠実に表現する、レッスンで先生に言われたことをきちんと遂行する、といったところに意識が向いてしまっていることが多かったんです。しかも、それに無自覚だったという。けれども、最終的にはお客さまの前に立った時、どれだけ人の心に歌を届けられるかが大切になってくるんですね。もちろん、学んで身につけるべき基礎が大事であることは言うまでもありませんが、人の心に届けるには、響かせるにはどうすればいいのか、久志自身も壁にぶつかる描写があることに、僕はありがたみを感じたんです。学校で勉強してきたことだけでは通用しない瞬間が、世の中に出るとありますけど、そこにぶつかって乗り越えることで人は成長できることを真摯に描いているのが、『エール』の素敵なところだなと思いますね。

小南 千鶴子からすると、音は自分にはないモノを持っている人でもあって。音楽の才能もそうですし、裕一さんというパートナーや愛する家族の存在など、人として充実しているんですよね。そこに関して言うと、千鶴子には足りていないのが実情で…だからこそ無意識に人として憧れを抱いているし、音楽を通じてさまざまな感情が芽生えてくるのだろうなと思います。育三郎さんがおっしゃったように、そういうプロセスを経て役が成長していくのを、お芝居を通じて感じられるのは、すごく素敵だなと私も感じました。

そういう意味で言うと、幼少期から英才教育を受けてきて「ザ・パーフェクト」だった千鶴子さんが感情を露わにするシーンは、ある意味ターニングポイントになるのかもしれないですね。

小南 ト書きでも、千鶴子は「ポーカーフェイス」と記されていて、クールな印象が強いキャラクターなんですけど、音さんといる時は感情がしっかりと表に出るんです。いえ…考え方によっては、表に出せるのかもしれないですね。広い意味で信頼しているのかもしれないな、と自分では思っていたりもします。

連続テレビ小説『エール』より

この後の詳しい展開については伏せますが、第7週以降の『エール』はいろいろなことが動き出していきますよね。その辺りも踏まえて、お二方から「ここに注目!」的なコメントをいただければと思います。

山崎 裕一の幼なじみだった久志が大きくなって再登場しますが、その“プリンス”ぶりが1つの注目点ではないでしょうか、と(笑)。それから、お互いに性格的には正反対な裕一との友情にも注目していただければと思います。先ほど、満佑子ちゃんが「音といる時の千鶴子は感情を素直に出せる」とお話していましたけど、久志からしても裕一といる時こそが本来の自分でいられるのかなと、感じています。ふだんは…特に女性がいるとカッコつけてしまうところがあるんですけど、裕一というピュアな存在を前にすると自然にホッとすると言いますか、カッコつける必要がなくなるんですよね。そういう裕一との関係性も面白く見ていただけると思いますし、いろいろなことが起こっていく中で、久志のキラキラとした面だけはない意外な部分であったり、彼にまつわる物語にも期待していただけますと、うれしいです。

小南 “ミス・パーフェクト”として描かれている千鶴子ですが、『椿姫』のプリマドンナを決めるオーディションをめぐって、音さんから刺激を受けながら成長をしていく姿を見ていただけると、演じた者としては何より幸せです。また、ありがたいことにさまざまな歌曲を歌わせていただいたので、回によって、あるいは曲によっての表現の違いなども感じとっていただけたら、なおのことうれしいですね。

ありがとうございます。ちなみに、この『エール』特集では、みなさんに「思い出の朝ドラ」と「エールをもらった1曲」というのを共通で訊いておりまして。まず「エールをもらった1曲」からお二方に語っていただければと思います。

小南 私は桑田佳祐さんの「明日晴れるかな」です。ドラマ『プロポーズ大作戦』(07/CX)の主題歌だったんですけど、歌詞が本当に素敵で…元気と勇気をもらえるので、今でもしんどかったり、疲れた時には聴いています。桑田さんの曲はどれも素敵で大好きなんですけど、この曲は特に好きで思い入れがあります。

山崎 僕もたくさんあるんですけど…学生時代、留学する前にクラスメートが壮行会を開いてくれて、Kiroroさんの「Best Friend」を合唱してくれたという思い出がありまして。

しかも、朝ドラ『ちゅらさん』(01前期)の主題歌じゃないですか!

山崎 あっ、言われてみればそうですね! その「Best Friend」を目の前で歌ってくれたのと、声を録音して目覚まし音にできる時計をプレゼントしてくれたんですね。クラスメートが「朝だよ、起きて〜!」っていう声を入れてくれて。でも、留学先のホストファミリーの家に着いてから5秒くらいで、その家の小っちゃい子どもに消されてしまいました(笑)。

小南 え〜っ!?

山崎 「あ〜っ、消された…」と思ったんですけど、5歳くらいの子だったので、それはもう仕方がない。声は消えてしまったけど、「Best Friend」たちの心はずっと残っていくんだ…と切り替えました。

エール 小南満佑子 WHAT's IN? tokyoインタビュー

素敵なエピソードをありがとうございます。となると、山崎さんにとっての「思い出の朝ドラ」は、やはり『ちゅらさん』になりますか…?

山崎 そうですね、ミュージカル仲間でもある(高畑)充希がヒロインを務めた『とと姉ちゃん』(16前期)も、彼女が広く存在を知られるきっかけになった作品として印象深いんですが、『ちゅらさん』も同じように(山田)孝之が存在感を示した作品として、思い出深いところがあります。僕は中学生の時、1作だけNHKの『六番目の小夜子』(00)というドラマに出演したことがあるんです。孝之や栗山千明ちゃん、鈴木 杏ちゃんに松本まりかちゃん、勝地 涼…そして僕というメンバーを中心にした学園ミステリーなんですけど。その後、孝之が『ちゅらさん』にレギュラー出演すると聞いて、仲間が出ているからという理由で観始めたんですけど、あの沖縄が舞台だからこその空気感が好きで、ずっと観ていました。

小南 私は『てるてる家族』(03後期)が好きでした。小さな頃からバレエやダンスを習っていたのもあって、踊るシーンが多かったことから観るようになって。あと、(石原さとみ演じる岩田家の四女・冬子が)宝塚(音楽学校)を目指しているストーリーだったので、そこも感情移入するポイントだったような気がします。

ちなみに、朝ドラそのものの視聴習慣というのはありました?

小南 そうですね…小学校くらいまでは、朝の仕度をしている時にテレビがついていて、チャンネルがNHKに合っていて、両親が観ていたというイメージがあります。

山崎 確かに、朝ドラを観ることが習慣になっているご家庭は日本全国、ものすごい数だということですよね。そう考えると…何かちょっとプレッシャーが出てきました(笑)。

エール WHAT's IN? tokyoインタビュー

山崎育三郎

1986年1月18日生まれ。東京都出身。2007年にミュージカル『レ・ミゼラブル』マリウス役で本格デビュー。以降、『エリザベート』『プリシラ』『モーツァルト!』『レディ・ベス』など数々のミュージカル作品に出演。2015年にはドラマ『下町ロケット』(TBS)で一躍注目を浴び、ドラマ『あいの結婚相談所』(17/EX)、『昭和元禄落語心中』(18/NHK)、『おっさんずラブ-in the sky-』(19/EX)、映画『カイジ ファイナルゲーム』(20)などの映像作品にも多く出演している。2020年7月からはドラマ『私たちはどうかしている』(NTV)に出演予定。

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小南満佑子

1996年8月10日生まれ。兵庫県出身。2015年、第6回ジュリアード音楽院声楽オーディションにて最優秀賞を受賞するなど、数多くの声楽コンクールにて入賞。以降、『レ・ミゼラブル』『Endless SHOCK』『ポストマン』『タイタニック』『イノサンmusicale』など数々のミュージカル作品に出演。連続テレビ小説『エール』で映像作品デビューを果たす。

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2020年度前期
連続テレビ小説『エール』

3月30日(月)~9月26日(土)

【毎週月曜日~土曜日】
総合:午前8時00分~8時15分
BSプレミアム・BS4K:午前7時30分~7時45分
総合:午後0時45分~1時00分(再)
※土曜日は一週間の振り返り。

【毎週月曜日~金曜日】
BSプレミアム・BS4K:午後11時00分~11時15分(再)

【毎週土曜日】
BSプレミアム・BS4K:午前9時45分~11時00分(再)
※月曜日~金曜日放送分を一挙放送。

出演:窪田正孝 二階堂ふみ 薬師丸ひろ子 菊池桃子 光石 研 中村 蒼 山崎育三郎 森山直太朗 佐久本 宝 松井玲奈 森 七菜/柴咲コウ 風間杜夫 唐沢寿明 ほか
音楽:瀬川英史
主題歌:GReeeeN「星影のエール」
語り:津田健次郎

オフィシャルサイト
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@asadora_nhk

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