連続テレビ小説『エール』特集  vol. 2

Interview

『エール』の空気を変えた“川俣銀行パート”。相島一之&松尾 諭&望月 歩が現場の雰囲気を明かす!

『エール』の空気を変えた“川俣銀行パート”。相島一之&松尾 諭&望月 歩が現場の雰囲気を明かす!

連続テレビ小説=朝ドラ『エール』は、窪田正孝演じる主人公・古山裕一が実家の窮地を救うために音楽家への道を諦め、失意の中、伯父の経営する川俣銀行に勤め始めるが…この職場が何ともおかしな雰囲気で、コントさながらのシーンが続出。心なしか、裕一にも笑顔が戻ったようにも見える。このコミカルな空気感をつくりだしているのが、支店長・落合吾郎役の相島一之、行員歴15年の鈴木廉平役の松尾 諭、事務の菊池昌子役の堀内敬子、そして行員歴2年の松坂寛太役の望月 歩の4人だ。『エール』特集・第2回は「川俣銀行パート」から相島、松尾、望月のトリオが登場。自然体でのクロストークは期待以上の“採れ高”で、終始笑いの絶えない取材になったのだった。

取材・文 / 平田真人


4人の間ではイイ感じに芝居のラリーができるので、アイデアが生まれると素速く呼応できたんです。(相島)

裕一役の窪田正孝さんをはじめ、スタッフ陣からも「面白すぎる!」と好評の川俣銀行のみなさんに、ざっくばらんに語り合っていただけばと思いまして。

松尾 それはありがたいんですけど、僕ら「自分たちって面白いでしょー?」っていう話はできませんよ(笑)。ねえ?(と、相島と望月に訊く)

相島 う〜ん…何だろうねぇ。とりあえず『西遊記』で言うと、僕は孫悟空かな?

松尾 え、なんで『西遊記』なんですか? ていうか、『西遊記』で言ったら、相島さんは馬っていう方が…(笑)。

相島 アハハハハ!

松尾 これは僕の感覚かもしれないですけど、堀内(敬子=事務の菊池昌子役)さんも含めて4人で1つみたいなところがあるんじゃないかなって。最近で言うところの“ONE TEAM”ですか? だから、個々にどうするというよりも、周りのみなさんのグルーヴを大事にしていた気がしますね。しかも、相島さんが引っ張っていってくださったので、僕は何も考えずに…ね?

相島 何をおっしゃいますか。でも、それは松尾くんの言うとおりで、一応それぞれのキャラクター付けはあったにしても、現場では“出たトコ勝負”みたいな感じもあってね。4人の間ではイイ感じに(芝居の)ラリーができるので、「こういう感じのことをやりたいな」というアイデアが生まれると、「じゃあ、そうしましょう」っていう…“あうん”じゃないけど、素速く呼応できたんですよ。そこはお芝居していて、すごく心地よかったですね。で、松尾くんは…鈴木廉平という役をどんな人だと思ってるの?

松尾 ひとことで言うなら、バカです!

相島 信じられないよ、だって仮にも銀行ですよ。一円足りないだけでも残業になっちゃうようなおカタい職業のはずなのに、しかも大正時代と言ってもですよ…仕事中にトランプみたいなことをしてたりするんですから(笑)。

松尾 ありえないですよね(笑)。でも、ちょっと見方を変えると、とても平和な人たちだっていう解釈ができるんじゃないかと。思いやりもありますし、いい意味でバカなところもあるし…。真面目なところがそんなにないんですけど、福島の心優しき人たち──福島を代表した“ONE TEAM”です!

相島 台本の描かれ方も素敵でね。裕一くんがすごく落ち込んで、音楽の道も諦めて、しょーもない感じでおカタい銀行みたいなところへ来ちゃったのかな…と思いきや! 意外や意外、そこの人たちはみんな明るいキャラクターでしたっていう。あの展開は素晴らしいなと思った。

松尾 頭取(=風間杜夫演じる裕一の伯父・権藤茂兵衛)があんなに怖い感じの人なのに(笑)。

相島 ね、よくやってるなって(笑)。その描かれ方が面白いなと思います。(望月に)そうじゃない?

望月 そうですね…現場でもいつもこんな感じでした(笑)。お三方(相島・松尾・堀内)がバーッとしているときに僕に振ってくださって、それをワーッとして、という感じです。

松尾 でもね、この若手アタッカーのキレ味が素晴らしくてね。

相島 僕もビックリしました。モッチー(=望月)とは初めてだったけど、本当に芝居ができる! あれ、何歳だっけ?

望月 19歳です。

相島 19歳だって。(松尾に)どうする?

松尾 つぶしましょう(笑)。

相島 つぶしちゃダメでしょう(笑)。彼は本当に素敵でね、見事にトボケてるんですよ。トボケるって結構、大事なんです、お芝居において。コメディーは特にトボケられるかどうかみたいなところがあるんですけど、とてもチャーミングにできるからね。

松尾 しかも、しっかりとトボケた芝居をするっていう。あんまり褒めたくないんですけどね(笑)。僕はモッチーと共演するのは2回目なんですけど、ウケを狙いにいくんじゃなくて、しっかり真面目にトボケた芝居をするから、すごく面白くて。そのキレ味がいいものですから、僕は陰で「ジャックナイフ」って呼んでるんですけどね。

望月 ふふふ、ジャックナイフ(笑)。

相島 本当に見事。いいところでスコンとトボケるんですけど、ちゃんとハマるんですよ。ウケ狙いじゃないんだよね。「ギャグやります!」じゃなくて芝居でトボケるから、ちょっとオジサン、君のこと好きになっちゃうぞ〜っていう感じ(笑)。

松尾 でも、内心俺らのことをバカにしてるんじゃないの?

相島 えっ、バカにしてたの、モッチー!?

望月 いやいやいや、そんなことないです! 今日こんな感じの取材になるとは思っていなかったので、ちょっと…すごく汗かいてます(笑)。

連続テレビ小説『エール』より

しかも、望月さんは実年齢よりも歳上の役なんですよね。

望月 実際の自分よりも歳上の役というのが今までなくて…ちょっと不思議な感じでした。飲み会のシーンとかも、僕自身は見てきた範囲から想像するしかなかったので、そういうところは難しかったです。

松尾 なるほどなぁ、わかる!

望月 えっ?

松尾 えっ?

望月 …どうしたらいいんですか、僕(笑)。

松尾 ゴメン、ついつい喋りたくなっちゃうんだよ(笑)。で、モッチーの演じた松坂(寛太)くんはどんな人?

望月 僕の中で思っていたのは、「ここではないどこかで何かになりたい人」っていうことです。そのためにちょっとだけ媚びを売ったりする、というふうに演じていました。ひと言で言うのは難しいんですけど…。

松尾 いいじゃん、「媚びキャラ」で。

望月 それだとイヤなヤツみたいじゃないですか(笑)。

松尾 だな(笑)。落合支店長はどんな人なんですかね?

相島 何だろうねぇ。年長者ということもあって、おバカな人たちを俯瞰しているんだけど、自分もしっかりおバカだったっていうところなんでしょうけどね(笑)。どう思う?

松尾 落合さんですか? ひと言で言うなら、ジジイですかねぇ(笑)。

望月 いや、僕からすると「おじいちゃん」っていう感じでした。

相島 丁寧に言い換えただけじゃないか(笑)!

松尾 でも、まさしくこういうやりとりですよね、川俣銀行の楽しさって。自分でどうこう考えなくても、みんなで勝手に芝居が進んでいくから、大船に乗った感じがしていて。まあ、誰が船頭かわからないというか、その時々で船頭が変わるんですけど、誰かが「こうしようか」とわざわざ言わなくても同じ方向を見てパッとできる…クルーっていう言葉を使うとちょっとカッコつける感じになるけど(笑)、まさにクルーだったな、と。あれ、ちょっと素敵じゃない? いやぁ、もう結構喋ったかな…。

いやいやいや! 窪田さんも「川俣銀行パート」を撮っている期間が本当に楽しかったとおっしゃっていたのが、今わかった気がしました。

松尾 でも、どうなんですかね。ほかのシーンが楽しくなかったのかなぁ?

相島 そうとは言ってないでしょ!

それこそ、川俣銀行のみなさんのグルーヴに巻き込まれていくのが楽しかったそうです。

松尾 なるほど。確かにスタッフのみなさんも面白がってくれて。僕たちのシーンにいなかったスタッフさんが、「いいなぁ、楽しかったんだって?」と言ってくださったみたいで。

相島 やっぱりメンバーが良かったですよ。あと、監督たちも楽しんでくれて。「え、そこまでやるんですか?」みたいな…コントに近いような演出もあって。「じゃあ、やりましょうか!」っていうふうに、うれしくなっちゃうんですよ。で、見ているスタッフさんたちもクスクス笑ってくれたりすると、調子に乗っちゃうからねぇ(笑)。でも、真面目な話をすると、物語が進んでいくと時代は戦争へと向かっていくわけじゃないですか。その前の大正デモクラシーの自由な空気──おそらく当時は日本中が明るかったんだと思うんですよ。新しい思想が入ってきて、これからどんどん変わっていくんじゃないのかって。そういう明るさとか楽しさっていう時代の気分も、川俣銀行のシーンには投影されているのかなと。

連続テレビ小説『エール』より

「朝ご飯中の視聴者が笑っちゃうシーンにしたい」と言う監督に、「味噌汁が吹き出すくらい笑わせます!」と返しました。(松尾)

なるほど。あの…台本を読んでいても川俣銀行のみなさんのやりとりというのは、何となくイメージできていたんですけど、実際のお芝居を見てみたら、さらに盛り上がっていて(笑)。

松尾 方言があるから、大変なはずなんですけどね。でも、盛り上がるという(笑)。

相島 本当に楽しくてね。もっとたくさん出たかったなぁ…と、現場でも4人で言っていたりして。

松尾 僕がプロデューサーに真面目な顔をして提案していたのが、「裕一と音が東京に拠点を移したところで、東京の銀行とかお店に、僕らがまた違う役で登場するっていうのはどうですか? そんなの前代未聞でしょ!?」と(笑)。

相島 セリフも福島弁じゃなくてね。だから、役としては別人なの。

松尾 で、裕一が「どこかで見たような人たちだなぁ」みたいに言う。

相島 「あれ、福島に親戚いませんか?」「いや、いないよ」ってね。

松尾 ばっちり標準語で。でも、スカしているけど、やっぱりおバカだっていう(笑)。これはナイスアイデアじゃないかなと。僕がプロデューサーだったら飛びつく話なんですけど…。

相島 受け流されたね(笑)。

松尾 いや、僕は上層部の批判はしませんから!

話を変えましょう(笑)。望月さんは大先輩方との共演に対して、どんなことを思っていらっしゃったんですか?

望月 純粋にめちゃめちゃ楽しかったです。お芝居していて楽しいと感じていたので、現場にいる時間がすごく幸せでした。

松尾 昼ご飯にも行ったし。あと、一度みんなで夜ご飯にも、ね?

相島 「川俣銀行パート」を撮り終わったタイミングで、ウチの近所で夕食会をしたんですよ。

松尾 相島さんのご家族もいらっしゃって。

相島 ウチの子どもたちも来て。あれは楽しかったね。

松尾 堀内さんも川俣銀行のみんなで夜ご飯に行く前提で、あの日は電車でいらっしゃって。で、相島さんの車にみんな乗って、お家のそばのお店へ行って。

相島 そうだ。僕も一緒に飲めるようにって、ウチの近所のお店でって、気を回してくれたんですよ。

松尾 美味しかったですよ、相島さんご夫婦のママ友さんのお店で。牡蠣が美味かったなぁ。

こういう感じで、基本は相島さんと松尾さんが盛り上がるのを、望月さんは聞いているという図式なんでしょうか?

望月 僕は人の話を聞いているのが好きなんですよ。

松尾 俺も。

望月 えっ?

松尾 ゴメン、黙るわ(笑)。

ちなみに、望月さんの「ジャックナイフ」ぶりというのは、お芝居に関してだけなんでしょうか?

松尾 芝居以外では、なまくら包丁みたいなところがあって(笑)。

望月 僕、しゃべるの下手なんですよ。

松尾 そのかわり、芝居ではキレッキレですから。いつの間にか斬られてる、みたいな。だから、カメラも撮れてなかったもんね?

相島 それ、ダメなやつじゃん。いい加減なことばっかり言って(笑)。

松尾 すみません、いい加減なこと言いました!

しかし、惜しいというか…もっとみなさんのシーンを見たいです。

相島 それ、ぜひ書いておいてください。Twitter上で盛り上がったりしたら、万が一もありますから! 

松尾 言霊です。

相島 朝ドラの放送時間って、全国のみなさんが朝ご飯を召し上がっているときじゃないですか。なので、僕らの合い言葉は「見てくださるみなさんに、味噌汁を吹かせよう」でした。それをスローガンにがんばっていたんですけど、よく考えたら力を入れる方向性が違うぞっていう。

松尾 それはあれですよ、監督が「視聴者の方がご飯を食べながらも、笑っちゃうようなシーンにしたい」っておっしゃったから、「じゃあ、味噌汁も吹き出しちゃうくらい笑わせます!」って。だから、それは僕の手柄です!

相島 手柄って何だ、手柄って(笑)。でもね、その心がけはとても素敵だなと思うんですよ。コメディーって難しくって、しかも朝ドラでそれをやるっていう。僕らとしては、自分たちのシーンではちょっと攻めたことができた気がしているんですけど、それは視聴者のみなさんに判断していただくとして…でも、松尾くんの考えた「味噌汁を吹かす」というスローガンは、僕個人としてはすごく好きなんです。だから、本気で吹かせようとして演じていました。

松尾 いや、実を言うと相島さんに言われるまで自分で言ったことを忘れていました(笑)。

相島 何だってー(笑)!

連続テレビ小説『エール』より

『エール』は“初めて出演した朝ドラ”として、ずっと自分の中に残っていくと思います。(望月)

ストーリー的な話をしますと、川俣銀行のみなさんは裕一と音の今後において、実は重要な役割を担っていたりもするんですよね。

相島 そうなんですよ!

松尾 元々は違う女の子(堀田真由演じるダンスホールの踊り子・志津)とくっつけようとしていたんですけどね(笑)。

(笑)。その主人公とヒロイン、引いては窪田さんと二階堂ふみさんについてのお話も、お聞かせいただければと思います。

相島 僕たち、実は裕一くんと音ちゃんが一緒にいるところをちゃんと見ていなくてね。

松尾 でも、ポスターのキービジュアルを見ていると、ちょっと幸せな気分になります。

相島 夫婦像としては、すごく素敵だなと思います。いい雰囲気で。僕らは悩んでいる裕一くんを見ることが多かったから。なあ、モッチー?

望月 あ、はい…ちょっと今、電源がオフになってました(笑)。

松尾 今、何か別のことを考えただろう?

望月 違うんですよ! インタビューってこんなユルい感じなんだなぁ、と思って。

松尾 違うよ。今日が特殊だからね。こんなインタビューはたぶん、ほかではないから(笑)。で、モッチーから見た裕一と音ちゃんは、どうなの?

望月 そうですね…ポスターを見たときに、自分が知らない裕一さんがいたから、ちょっと寂しくなりました。何か遠くに行っちゃったような気がして…。

松尾 二階堂さんは…個人的に、好きです。

相島 何だよ、それ。松尾くんの思いを言ってるだけじゃないか。いや、僕も個人的に好きですけど(笑)。

となると、望月さんも…?

望月 はい、好きです。

松尾 いやいや、僕が一番好きです!

そこで競わないでください(笑)。窪田さんについては、いかがですか?

松尾 ん…まぁ、好きですよ。

棒読みじゃないですか(笑)。

松尾 どっちかと言ったら二階堂さんの方が好きですけど、窪田くんも好きです。でも、窪田くんもそうですけど、現場で見た限り二階堂さんも周りをよく見ていて、気づかいの人だなあと思いました。しかも、自然に距離を詰めてくれると言うのかな。それが誰に対しても一緒というのが素敵なんですよ。

相島 オープンだよね、彼女は。いろいろなタイプの俳優さんや女優さんがいらっしゃるけど、二階堂さんはものすごくオープンマインド。だから、スッと距離が近づくんだと思います。

松尾 そのオープンさが、裕一を支えているようにも見えてくるから不思議なんです。役と実像が重なるというか。まあ、個人的に好きだから、そう見えるのかもしれないですけど(笑)。

相島 そこ、さっきからずいぶん強調するなぁ(笑)。

松尾 いや、こういうことは言っておいた方がいいかなって。でも、ご本人の人柄もあるから、裕一と音の夫婦が素敵に見えてくるんだろうな、と。真面目なこと言っちゃった!

相島 良いんだよ、真面目で(笑)。

松尾 モッチーは、窪田くんのことをライバル視してなかったっけ?

望月 それ、役柄上じゃないですか(笑)。僕は窪田さんとご一緒できて本当に幸せでしたよ!

松尾 本当か〜?

相島 (松尾に)悪いヤツだなぁ。そうやって若い子をからかっちゃダメよ。モッチー、続けなさい。

望月 そうですね…自分が見てきた窪田さんって、ちょっと怖い役柄が多かったんですけど、ご本人は全然そうじゃなかったので安心しました(笑)。

相島 窪田くんって、すごくキャパシティーが広いので、僕らが台本から芝居を多少飛躍させたとしても、しっかり受け止めてくれるんですよね。「それ、面白いですね」と言って、乗っかってきてくれるんですけど、それは許容範囲が広いからこそだと思うんです。

松尾 反射神経もいいんですよ。芝居の上での。

相島 あと面白いなと思ったのが、酔っ払った裕一がハダカ踊りをするシーンが台本ではあったんですけど、本番では単に酔って踊るシーンになっていたんですよ。で、スタッフさんに、「あれ、ハダカ踊りやらないの? もったいない」と言ったら、「窪田さんの腹筋が割れていて、裕一っぽくないから着衣になりました」って。

松尾 僕はそういうシーンがいつ来ても大丈夫なように、ちょっとグズッとした身体をキープしてるんですけどね!

相島 松尾くんの話はいいから(笑)。でも、窪田くん自身は、そのストイックさを感じさせないフワッとした雰囲気なんですよ。そこが素敵ですよね。

連続テレビ小説『エール』より

適確な窪田さん評、ありがとうございます。では、みなさんの「思い出の朝ドラ」をそれぞれ挙げていただけるでしょうか?

松尾 僕からすると悩ましいですね…。『あまちゃん』(13前期)って言いたいところだけど…。出演させていただいた朝ドラ全部挙げたいところですが…『わろてんか』(17後期)を。いや、でも『ひよっこ』(17前期)も…う〜ん、ちょっと考えます。相島さん、お先にどうぞ。

相島 子どものころから朝ドラを家族で見ていて、うちの祖母さんが耳が遠かったので補聴器を使っていたんですけど、朝ドラの時間になるとテレビの真ん前に鎮座して集中して見ていたんです。そうしていたのは、朝ドラだけなんですよ。毎朝、楽しみにしていて。それをすごく覚えています。で、僕にとって忘れられない朝ドラは…初めて出演した『春よ、来い』(94-95)ですね。テレビドラマそのものにしっかり取り組んだ初めての作品でもあるので、すごくよく覚えています。それと『純情きらり』(06前期)。すごく良い作品で、面白い役(ヒロイン・桜子が東京で下宿するマロニエ荘の住人で売れない画家の花岡八州治)をいただけたこともあって、思い出深いですね。え、松尾くんは朝ドラに何作出てるの?

松尾 『エール』で4作目です。

相島 でも、結構続けて出ているよね? 僕なんか何年ぶりだろう?

松尾 受信料を払い始めたからですかね(笑)。いや、冗談ですけどね! 思い出深い作品か…出ていた作品に関してはどれも思い出深いので、見ていた朝ドラで言うと、やっぱり『あまちゃん』ですね。とにかく面白かった。

相島 僕も『あまちゃん』大好きなんだよね。

松尾 オープニングの大友(良英)さんの音楽も良かったし、すべてが絶妙だったなあ、と。1人の視聴者としてまっさらな目で見ることができたというのも、大きいですね。

望月 自分も『あまちゃん』の頃から朝ドラを見始めたんですけど、『ひよっこ』だったり『わろてんか』も…知り合いが出ていたりするので、見ていたという感じでした。今回、『エール』のお話をいただいて、台本を読んでみると、1話15分間という尺の中にギュッと物語が詰められているのが、すごく新鮮だったんですよ。なので…今のところ、自分にとって一番思い入れが強い朝ドラということであれば、やっぱり『エール』です。

松尾 チッ(悔しそうに舌打ちする)。

望月 え〜っ、ダメですか!?

松尾 これですよ、これ! 今、ジャックナイフの片りんを見せました! あ〜、モッチーにいいこと言われた〜悔しい〜!

相島 いいじゃない、僕らが前フリになって、モッチーがちゃんと決める。素晴らしいじゃない(笑)。

いやいや、おみそれしました! これがジャックナイフかと(笑)。

望月 相島さんもおっしゃっていましたけど、やっぱり初めて出演した朝ドラなので、この先もずっと残っていくと思いますし…また呼んでもらえるようにがんばります。

松尾 チッ…いや、いい心がけだ!

(笑)。では、最後の質問です。みなさんにとって「エールをもらった」1曲を、それぞれ挙げていただけるでしょうか。

松尾 これも悩ましいなぁ…。さだまさしさんの「関白宣言」と「関白失脚」をワンセットにしてもいいですか? 僕も結婚していますけど、世間の旦那さんへの賛歌にも聴こえるんですよ。「よしっ、がんばろう!」という感じではないですけど、カラオケに行って嫁の前で歌うと、感動してくれたりもするので…(笑)。皮肉もきいているんですけど、世間の旦那さんたちの気持ちを代弁している感じがありつつ、「関白宣言」は「がんばろう」という感じに、「関白失脚」では「がんばれっ」という気持ちになるので、選ばせてもらいました。こんな感じでいいですか?

まさしく、です! では、お二方もお願いします。

相島 確かに難しい質問だよね。自分の中の1曲ということで考えると、エリック・クラプトン…デレク・アンド・ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」かな。一番最初に聴いたのは中学ぐらいのときでしたが、高校に入って初めて買ったLPのアルバムが『いとしのレイラ』でした。あの曲があったから、10代の僕は救われたというところがあるんです。結構悩んでいたり、暗かったりしてふさぎ込んだ時期があったんですけど、「いとしのレイラ」のメロディーが僕に活力を与えてくれた…という感じです。

望月 1曲というのが難しいですね。自分は…THE イナズマ戦隊の「応援歌」という歌から一番エールをもらえます。映画『ソロモンの偽証』(15)のオーディションで歌ったんですよ。いきなり、「これをオーディションで歌いなさい」という指示があって音源がおくられてきたんですけど、いざ会場に行ってみたら、「君には、今からここで自殺をするんだけど、飛び降りる前にふと思い出して『応援歌』を歌う、という芝居をやってみてほしい」と言われて(※結果的に、望月は物語のカギを握る柏木卓也役に選ばれる)。そのときのことが、ずっと胸に刻まれているんですよ。この芝居の世界で大きく踏み出せた作品でもありますし、自分の生活の中でも「応援歌」になっているので、まさしくエールをもらっているんだろうなって思います。

松尾 うわ〜、出た! ジャックナイフだよ〜(笑)。

相島一之

1961年生まれ。1987年に劇団「東京サンシャインボーイズ」に入団し、『罠』(94)までの全作品に出演。近年の主な出演作には、【映画】『台風家族』(19)、『3人の信長』(19)【ドラマ】『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(19/NTV)、『頭取 野崎修平』(20/WOWOW)【舞台】『フランケンシュタイン』(20)、『大地』(20)などがある。

オフィシャルサイト
http://www.mh-fujiga.com/artist/aijimakazuyuki.html

オフィシャルTwitter
@aijima_kazuyuki

松尾 諭

1975年生まれ。2000年に映画『忘れられぬ人々』で俳優デビュー。近年の主な出演作には、【映画】『五億円のじんせい』(19)【ドラマ】『螢草 菜々の剣』(19/NHK)、『エ・キ・ス・ト・ラ!!!』(20/KTV)、『相棒 season18』(20/EX)、『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』(20/CX)【舞台】『アルトゥロ・ウイの興隆』(20)などがある。

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@matsuo_satoru

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@satoru_matsuo

望月 歩

2000年生まれ。2015年に『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』でスクリーンデビュー。近年の主な出演作には、【映画】『五億円のじんせい』(19)、『向こうの家』(19)【ドラマ】『コウノドリ』(15/TBS)、『母になる』(17/NTV)、『アンナチュラル』(18/TBS)、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19/NTV)、『鈍色の箱の中で』(20/EX)、『女子高生の無駄づかい』(20/EX)【舞台】『真田十勇士』(16)などがある。

オフィシャルサイト
http://www.hirata-office.jp/talent_profile/entertainment/ayumu_mochiduki.html

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@ayumumochizuki_official

2020年度前期
連続テレビ小説『エール』

3月30日(月)~9月26日(土)

【毎週月曜日~土曜日】
総合:午前8時00分~8時15分
BSプレミアム・BS4K:午前7時30分~7時45分
総合:午後0時45分~1時00分(再)
※土曜日は一週間の振り返り。

【毎週月曜日~金曜日】
BSプレミアム・BS4K:午後11時00分~11時15分(再)

【毎週土曜日】
BSプレミアム・BS4K:午前9時45分~11時00分(再)
※月曜日~金曜日放送分を一挙放送。

出演:窪田正孝 二階堂ふみ 薬師丸ひろ子 菊池桃子 光石 研 中村 蒼 山崎育三郎 森山直太朗 佐久本 宝 松井玲奈 森 七菜/柴咲コウ 風間杜夫 唐沢寿明 ほか
音楽:瀬川英史
主題歌:GReeeeN「星影のエール」
語り:津田健次郎

オフィシャルサイト
https://www.nhk.or.jp/yell/

オフィシャルTwitter
@asadora_nhk

オフィシャルInstagram
@nhk_yell

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