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長妻怜央と松田 裕は“熟年夫婦”の関係!? アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』に向けた彼らの挑戦、その想い

長妻怜央と松田 裕は“熟年夫婦”の関係!? アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』に向けた彼らの挑戦、その想い

池袋の新スポット・LIVE エンターテインメントビル「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」内に新設された劇場「Theater Mixa(シアターミクサ)」こけら落とし公演として予定されていたアグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』。
「月刊少年マガジン」(講談社)にて人気連載中のバスケットボール漫画『DEAR BOYS』を原作に、“演劇”と“ダンス”を融合させた新たな表現方法によって描くという期待作だったが、新型コロナウイルスの影響により大変残念ながら全公演中止となった。
3月中旬の稽古場にて対談インタビューに応じて意気込みを語ってくれていた、主人公・哀川和彦 役の長妻怜央と藤原拓弥 役の松田 裕の想いを届けたい──。

「7ORDER」メンバーとしても活躍中の長妻怜央が演じるのは、瑞穂高校バスケットボール部のエースで“天才”と称される主人公・哀川和彦。松田 裕は、同チームで哀川とのコンビネーションを発揮する藤原拓弥。バスケ経験者のふたりに聞いた“バスケ男子あるある”では、まさしく漫画のような“ときめきエピソード”も飛び出した。良好なチーム感を発揮したインタビューを。

※この取材は公演中止発表前に行われたものです。
※本公演は新型コロナウイルスの影響により全公演中止となりました。

取材・文 / 片桐ユウ
撮影 / 青木早霞(PROGRESS-M)


3ポイントシュートを0番から打つのが好きだったかも

写真撮影中も難なくバスケットボールを扱われていました。おふたりともバスケ経験者だとお聞きしましたが、いつ頃から?

長妻怜央 僕は小学校5年からやっていたので8年間くらいですかね。お姉ちゃんがバスケをやり始めたので、「僕もやろうかな」と思ったのがキッカケでした。

松田 裕 自分は中学・高校の6年間やっていました。家族旅行で遊園地に行ったときに兄が景品でバスケットボールを当てて。それから一緒にバスケをやるようになったのが始まりです。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 WHAT's IN? tokyoインタビュー

長妻怜央

部活動でのポジションや得意技はありましたか?

長妻 特にポジションは決まっていなかったな。好きなところで好きにやっていました(笑)。

松田 僕はパワーフォワードをやっていました。本来は背が高くてガタイの良い人がやるようなポジションなんですけど、ほかにやる人がいなかったので……。

長妻 『DEAR BOYS』でいうと、石井ちゃん(石井 努/演:松川大祐)のポジションだね。そういえば僕、3ポイントシュートを0番から打つのが好きだったかも。ゴールに向かって一番角度がついた端のほうから打つんです。得意技ってほどではなかったですけど、今思い返すとよくやっていました。

松田 スゴイ! 横からは難しいよ!! 僕が特技としていたのは……協調性?(笑)

長妻 特技?(笑)でも、協調性って、大事。

松田 だよね?(笑)チームには欠かせないものだよね。

長妻 うん、一番大事かも。でも(松田に向かって)全然、協調性がないから……。

松田 ええっ!?

長妻 いやいや、役のこと!

松田 ああ、そっちか(笑)。たしかに藤原(藤原拓弥)はね、最初の頃は特に。

長妻 ヒロくんは協調性があるけど、役には困らされてます。だって、すぐに手が出ちゃうし(笑)。

松田 そうなんだよね(苦笑)。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

松田 裕

話題に出たところで、おふたりが『DEAR BOYS』で演じるキャラクターについてぜひお聞きしたいです。長妻さんは休部状態だった瑞穂高校バスケットボール部に転入してきた主人公・哀川和彦。松田さんはバスケ部が休部状態となる原因をつくってしまった部員の藤原拓弥を演じます。

松田 今、怜央から僕自身には協調性があると言ってもらえたんですけど、藤原は始めのうちは特に協調性がないんですよね。性格に関しても、掘れば掘るほど自分とは真反対のキャラクターだと感じています。でも、これだけ自分と違う性格の役をやれることは嬉しいですね。とても演じがいを感じます。

長妻 哀川くんは天真爛漫で、一見、おちゃらけている印象ですけど、意外と真剣なシーンが多いんです。僕自身は真面目に話すのが得意じゃないので……。

松田 たしかに(笑)。

長妻 でしょ?(笑)だから、こんな僕から見ると、哀川くんはちゃんとしているなと。人に対してもスポーツに対しても誠実な人というイメージですね。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

キャラクターのひとりひとりに個性があって、すごく魅力的

原作はバスケットボールを題材とした漫画としては史上最長の連載を誇ります。今回の舞台では、その始まりの部分から描いていきますね。

長妻 最初に漫画の総巻数を知ったときは、すごく長いお話なんだとビックリしました。だから、読むのにも時間がかかるだろうなと思っていたんですけど、読み始めたら本当に面白くて! ここまで巻数がある理由もわかりましたね。主人公チームもライバルチームのことも、監督の先生に至るまで、ひとりひとりがちゃんとピックアップされているんです。キャラクターにすごく愛がある作品だと思いました。きっと原作者の八神ひろき先生も愛に溢れた方なんだろうなと思うので、いつか機会があったら直接お話を聞いてみたいです。

松田 僕もキャラクターのひとりひとりに個性があって、すごく魅力的だと思いました。スポーツを題材とした漫画はよく読むのですが、『DEAR BOYS』は、読めば読むほどキャラクターのことを知りたくなりました。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 WHAT's IN? tokyoインタビュー

今回の舞台でも、おふたりが魅力だと感じた原作の部分は発揮されますか?

松田 そうですね。稽古をしていても、みんなが演じている姿に「ああ、それっぽい!」と思ったり、「こういう人だったのか」と発見したような気持ちになることがあるので、楽しいです。特に石井とか(笑)。

長妻 わかる! 石井ちゃんと仲良くなりたいなと思うもん。哀川はみんなと仲がいいですけど、舞台上で哀川として存在してみると、石井ちゃんと仲良くなるだろうなと思うんです。ほかのメンバーはわりと物静かだったりもするので、石井ちゃんとふざけるシーンがあると嬉しくなります。

松田 劇中で哀川が石井に「大好きだよ、お前!」って言われるじゃない? あれ、嬉しいでしょ?

長妻 嬉しい! “大好きだ”なんて、普段言われないから。基本、ウザがられているので(苦笑)。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

“愛している”と言わなくても通じる関係

いやいや、そんなことは! そして「石井と仲良くなりたい」とお話されていた長妻さんの横で、松田さんが小さく「藤原は?」と尋ねていましたが……。

松田 いや、わかっているんです。(長妻に)藤原と哀川に関しては、あれでしょ? “言葉にしなくても”ってやつでしょ?

長妻 そうそう。

松田 ふたりは距離感があるように見えるけど、深いところではつながっている関係性じゃないかと。

長妻 うん、哀川と藤原は老夫婦だね。

松田 (爆笑)。

長妻 熟年の夫婦です。藤原が亭主関白のお父さんで、哀川は“言葉にせずともわかっていますよ”と受け止めているっていう(笑)。

松田 “愛している”と言わなくても通じる関係ってやつですね。

一同 (笑)。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 WHAT's IN? tokyoインタビュー

その共通認識なんですね(笑)。

長妻 役については結構ふたりで話し合ったりもしましたからね、そこは真面目モードですよ(笑)。

松田 怜央が素直で明るくて、本当に良い子なので助かっています。「こうしてみない?」と提案したら「いいよ! やってみよう!」と快く返してくれますし。って……株、上げておいたよ!

長妻 あはは。ありがとう!

一同 (笑)。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

おふたりは初共演ですが、すっかり打ち解けられていらっしゃいますね。

長妻 はい、すでにみんな仲良しです!

松田 男性キャストだけですし、部活みたいな感じです。ありのままだよね、みんな。

長妻 うん。それこそ部活の話とかで盛り上がったりもしますし、男子ノリというか、ふざけるときも同性ならではの感じがあります。それと、バスケがつなぐものもあるのかもしれない。最初にバスケのワークショップがあったんですけど……。

松田 ……。

長妻 あ!

松田 気がついた? 僕、そのワークショップにほかの本番があって参加できていない(苦笑)。やっぱり、稽古の初日は、そのバスケを一緒にした組、していない組って分かれていた瞬間があって、どうしようかなって思いましたけど、でも逆にそれをネタにして入り込みました(笑)。

長妻 そうだったっけ!?  僕としては、むしろ一緒にバスケをやっていた感覚だったよ。すんなり入ってくれたから、バラバラからのスタートという感じじゃなかった気がする。というか、その話されたら困るよ、「始まる前からみんなでバスケをしていたのですっかり仲良くなりました」って、まとめようとしていたのに(笑)。

松田 あー! ごめん(笑)。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

キャラクターの個性をダンスの中でも詰めていきたい

そのやりとりからも本当に仲良しの関係性が伝わります(笑)。今作は“アグレッシブ ダンス ステージ”。そのタイトルならではの見どころを教えてください。

松田 間違いなくダンスは見どころになると思います。自分はダンスがそんなに得意じゃないので、何かあったら怜央にすぐ助けを求めにいっていますね。

長妻 と言いつつ、振り覚えも早いし、僕が言うのもあれですけど、全然すごいですよ。演出の(伊藤)今人さんや振付の(塩野)拓矢さんが話していたんですけど、ダンスが入る部分に関しては、ミュージカルのイメージがあるようで。ミュージカルってちゃんと段階を経て気持ちがどんどん乗っていった先に歌のシーンがあるじゃないですか。“アグレッシブ ダンス ステージ”も感情の流れでダンスに入っていく感じを求めていく……というお話がありました。

松田 「ダンスにも感情を乗せて」と言われていますね。

長妻 芝居の中に組み込まれているダンスをどれだけ違和感なくお客様に見せられるのかが大事になってくると思いますし、そこが見どころであり、今、難しいなと感じているところですね。どうしてもダンスの振りになるとそちらに集中してしまうところもあるので。シーンの雰囲気と違ってしまうのは良くないし、哀川としての個性もダンスに出していきたい……たとえば藤原だったら、ゴリゴリしたダンスになるんじゃない?

松田 ゴリゴリ!?……うーん、あ、ツンツンはしているかも。

長妻 ツンツンね!(笑)そういうキャラクターの個性をダンスの中でも詰めていきたいと思っていますし、作品としても力を入れている部分です。ダンス初心者の方々には僕が教えられることがあればなんでも教えられたらと思っていますけど、やってきていないからこそ伝わるものもあると思いますし、それも個性が出る部分だと思うので、これからまだ稽古でそういう細かな部分も拾っていって、本番まで気を抜かずにやっていけたらと思います!

松田 よろしくお願いします!

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

試合シーンも気になるところなのですが、どのように展開されるのでしょうか?

松田 バリバリにボールを使うというより、ダンスで試合を表現するほうが多いかもしれないです。

長妻 さらに、サッカーや野球の試合シーンもあるかもしれません!

松田 そういうボケを入れてくる!?(苦笑)でも、バスケ部に入部したと思ったらダンス部だった、というくらいには踊りで見せていきます!

長妻 そうかも(笑)。でもバスケ経験者で良かったなと思うところもありますよね。シュートを打つフォームとかも大事になるので。そのあたりに培ってきたものも活かされている気がします。実際にボールを扱う場面も多いですし。

松田 万が一、客席に飛んでいきそうになったら、怜央が「あぶなーい!」ってお客さんをかばってくれるんでしょ?

長妻 それ、実際に高校でやったことがあるんだよね。見学していた子たちのほうにボールが飛んでいっちゃったときに、僕がダッシュして、サッっと当たらないようにしたことが。

松田 それはモテるね(笑)。僕がいたバスケ部は男女交互にコートを使っていたから、男子の試合中は女子たちが見ていて。そこでちょっと視線を感じるような……見学者からの視線でいうと、レイアップシュートするときの腹チラとかに感じない?

長妻 あるねー!(笑)でも「見られているな」と感じるときはあえて気がつかないフリをしちゃうんだよね。で、そのあとでチラッと見ると、もう見られていないっていう……。

松田 そうそう! “10代あるある”のエピソードです(笑)。

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 WHAT's IN? tokyoインタビュー

「ここを俺たちのベストプレイスにしようぜ!」って

微笑ましいエピソードをお聞きできました(笑)。新劇場「Theater Mixa」のある池袋は“JAPAN POPカルチャーの聖地”とされていますので、そこにちなんでおふたりの“聖地”としている場所を教えていただけますか?

長妻 僕は、二子玉川。高校で3年間同じクラスだった親友と一緒に、体育祭を終えた日の夜に散歩した場所があるんです。レジャーシートを持っていたので、それを敷いてふたりで寝転びながらキレイな夜空を見上げて、「ここを俺たちのベストプレイスにしようぜ!」って。

松田 すごく青春しているね~!

長妻 あとは、家の近くにあったバスケットゴールのある公園。そこでバスケの練習をめちゃくちゃしていたんですけど、その公園のゴールが規定のゴールより低かったんですよ。いざ体育館でバスケをやったときに、全然感覚が違ってショックだったことを覚えています(笑)。しかもそこは地面が土で、雨が降るとドロドロになっちゃうところだったので、もう少し離れたところにあったコンクリの公園と掛け持ちして練習してました。だから、僕にとってのバスケの聖地は、その2つを半々で聖地と言いたいと思います。

松田 いっぱいあるなあ(笑)。僕は家の近くのラーメン屋さんかな。気合いを入れるときと、すべてが終わったあとにいつも行っているんですけど、なんか気持ちが一新できる気がするので。

長妻 めっちゃいい聖地やん!

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』 長妻怜央 松田 裕 WHAT's IN? tokyoインタビュー

最後にお客様へのメッセージをお願いします!

松田 役者人生の中で、こけら落とし公演に参加できる日がくるとは思っていませんでした。「Theater Mixa」のステージからお客様のいる景色を見られるのは僕たちが初めてになるのだと思うと、今から楽しみで仕方ないです。ダンス、バスケ、芝居。短い時間の中に凝縮されたものが詰まったステージになると思います!

長妻 この作品に携われたことを大切に思って、しっかりお客様に届けられたらいいなと思います。お客様に、ほっこりした気持ちや“明日から頑張ろう!”という気持ちになってもらえたら幸せに思いますので、僕らは稽古でしっかり準備をして、ケガなく本番を迎えられるように頑張ります! ぜひ見ていただけたらと思います!!

アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』

2020年4月3日(金)~4月26日(日)Mixalive TOKYO Theater Mixa
※本公演は新型コロナウイルスの影響により全公演中止となりました。

原作:八神ひろき(講談社「月刊少年マガジン」連載)
演出:伊藤今人(梅棒)
脚本:畑 雅文
音楽:楠瀬拓哉
振付:塩野拓矢(梅棒)

出演:
<瑞穂高校>
哀川和彦 役:長妻怜央(7ORDER)
藤原拓弥 役:松田 裕
三浦蘭丸 役:安達公汰
石井 努 役:松川大祐
土橋健二 役:森下 人

氷室義男 役:高木勝也

<成田中央高校>
森山敦司 役:新谷デイビッド
児嶋章男 役:飯田寅義
武内純一 役:松島博毅
岸本 忍 役:灰塚宗史
玉置直也 役:岩崎良祐

下條 薫 役:高木トモユキ

赤峰 匠 井神崚太 千秋雄渉 山下剛生 (50音順)

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@stage_dearboys)

©八神ひろき/講談社

長妻怜央(ながつま・れお)

1998年6月5日生まれ。7ORDERのメンバー。舞台「DECADANCE」~太陽の子~、SCHOOL STAGE『ここはグリーン・ウッド』への出演をはじめ、俳優、タレントとして舞台やテレビにて活躍。3月6日には、7ORDERとして初のオリジナル楽曲「Sabãoflower」をリリースした。

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@7order_official)

松田 裕(まつだ・ひろ)

1995年10月3日生まれ。舞台「ピオフィオーレの晩鐘〜運命の白百合〜」、『MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“烏野、復活!〞、東京ワンピースタワー「ONE PIECE LIVE ATTRACTION 『PHANTOM』」をはじめ、舞台を中心に活躍。

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@matsudahiro103)

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