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諸星すみれ&細谷佳正、未知の“獣人”アニメ『BNA ビー・エヌ・エー』に挑む。吉成 曜×中島かずき×TRIGGER新作に宿る“生きた芝居”とは?

諸星すみれ&細谷佳正、未知の“獣人”アニメ『BNA ビー・エヌ・エー』に挑む。吉成 曜×中島かずき×TRIGGER新作に宿る“生きた芝居”とは?

TVアニメ『キルラキル』や劇場映画『プロメア』など、とがった作品を世に放ち続けてきたアニメスタジオTRIGGERと脚本家・中島かずき。新たに吉成曜監督と中島がタッグを組んで挑む新TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』(以下『BNA』)が、4月8日(水)からフジテレビ「+Ultra」にて放送が始まる。本作で描かれるのは、人間社会から疎外された「獣人」たちの物語。本作の主人公となるタヌキ獣人の少女・影森みちるを演じる諸星すみれと、人間嫌いのオオカミ獣人・大神士郎を演じる細谷佳正に、アフレコを通して感じた本作の印象を聞いた。

取材・文 / 福西輝明 撮影 / 冨田 望


中島作品の台本は「コード表」のようなもの

『BNA』のアフレコに参加してみて、作品のどんなところに魅力を感じたでしょうか?

諸星すみれ TRIGGER作品といえば、映像が常に劇場版のようなクオリティで、鮮やかな色彩やケレン味あふれるアクション、アクの強い登場キャラクターなど、他作品とは一線を画した魅力があると思います。

『BNA』のアフレコは、この取材を受けている時点(2019年11月)で第3話まで進んでいるんですが、「獣人たちの街」というファンタジックで独特な世界観と、現実と置き換えても考えさせられるような深い内容とのギャップに魅力を感じます。物語の展開がすごくスピーディで、その中で描かれるキャラクターたちの個性がとても際立っていて。

さらに、各キャラクターの心情や関係性の変化もしっかり描かれていますし、各話数にとても多くのものが凝縮しているんです。毎回、どんな展開になるのか楽しみになる作品だなと思いました。

BNA ビー・エヌ・エー 諸星すみれ WHAT's IN? tokyoインタビュー

細谷佳正 中島かずきさんの、作品の作り方がいいなと思いました。台本はあくまでも『文字で書いてある言葉とされるもの』みたいな捉え方をされていて、『一言一句違わず読んで欲しい』という感じではないんです。 中島さんは「劇団☆新感線」の作家として活躍されています。俳優が稽古の段階でアドリブ的に発した台詞を、そのまま台本に落とし込むこともあるんだろうなと個人的に思っていて、そういう『実際に言葉のやり取りをして変わっていくもの』を大事にされているなと感じています。

それはどんな場合にでしょうか?

細谷 たとえば、アフレコ中に演者から「ここのリアクションは『えっ?』よりも『は?』の方がいい気がします」という提案があると、中島さんが「そうしましょう」とOKを出すことが何度もあったんですね。それだいたい僕なんですけど(笑)。

中島さんにとって台本で書かれているセリフは、絶対順守しなければならないものではなく、あくまでも「行動表」みたいな融通の利くもので、その場で生まれる演者同士のやり取りに重点を置いているのだなと感じました。

BNA ビー・エヌ・エー 細谷佳正 WHAT's IN? tokyoインタビュー

中島さんにとって台本は“生もの”なんですね。諸星さんは『BNA』のアフレコの中で、何か普段とは違う経験などはされましたか?

諸星 たまに思いもよらない注文が飛んできて驚くことがありますね。「諸星さんのお芝居に合わせるから、絵も台本も完全に無視して、アドリブで好きにやってみて」なんて指示されたこともありました。中島さんはアフレコにも立ち会ってくださっているんですが、役者たちの芝居をエチュード(即興劇)的にご覧になっていて、その場で様々なディレクションをいただけるのがとても刺激的で。予想もしなかった課題が飛んできて面食らうこともありますが、そうすると自分自身でも想像もしていなかったようなお芝居が出てくるのが新鮮です。

あとは、細谷さんが台本の内容について、ものすごく突っ込んで考えていらっしゃって驚きました。私は台本を読んでいても特に疑問を抱くことなく、その場で感じたとおりに演じているだけなので……。

外からの“来訪者”のみちると、街の“遺物”である士郎との出会いで生み出されるものとは

おふたりが演じているみちると士郎は、どのような人物なのでしょうか?

諸星 タヌキ獣人のみちるは、かわいらしくも頑固なところがあって、それでいて器用な子なのかなと思います。みちるは自分がこうしたい、こうありたいと思ったことを、意思を曲げずに実行してきました。そして、なんでその瞬間にとっさに行動できちゃうのかと思えるくらい、思考と行動力の瞬発力がものすごい。だからこそ、この世界で迫害されている獣人になってしまっても、たくましく生きてこられたんでしょうね。

一見すると、タヌキ顔でポヤ~ッとした子なのかと思いきや、真逆なんですね。

諸星 そうですね。頭の回転は早いですけど、あれこれ考える前に身体が先に動くタイプ、という印象があります。私自身もお芝居をする時は、あれこれ考えすぎずにその場の流れや、共演者の方々との掛け合いから、その時に感じたことをお芝居に乗せていくので。後先考えずに、とっさに自分の中から出たものに従うところは、みちると私とで共通しているところかもしれません。

BNA ビー・エヌ・エー 諸星すみれ WHAT's IN? tokyoインタビュー

細谷さんが演じる士郎についてはいかがでしょうか。

細谷 「アニマシティ」に、みちるがやってくる前から居るキャラクターで、あんまりはっきりと『こういう感じ』と言えないし、言いたくないキャラクターです(笑)。物語が進むにつれてそれはわかってくると思うので、是非観て感じ取ってみて欲しいと思います。

では、放送まではまだ少し間がありますが、最後に視聴者の皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

諸星 普段のお仕事では“自分が画面の中に入ってお芝居をしている”という感覚で役と向き合っているんですが、『BNA』の場合は少し違っていまして。画面の中でみちるというキャラクターとしてお芝居している私と、マイク前で共演者の方々とお芝居をしている私、両方が刺激し合いながら作品を作っているという感覚があるんです。

こういう感覚は他の作品ではあまり感じたことがないので、こうした中で生まれたお芝居がどんな映像に昇華されているのか、私自身もワクワクしています。みなさんも“活きた芝居”を楽しんでいただければと思います。

細谷 TRIGGER作品は映像表現が素晴らしいのだと伺いました。監督が吉成曜さん、脚本に中島かずきさん。どんなエンターテイメント作品になっているのか、是非ご覧頂いて、感じて頂けたらと思います。

BNA ビー・エヌ・エー 細谷佳正 WHAT's IN? tokyoインタビュー

フォトギャラリー

TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』

2020年4月8日(水)よりフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送開始
Netflixにて1話~6話 独占先行配信

【STORY】
21世紀、それまで歴史の闇に隠れていた獣人達がその存在を明らかにし始めていた。普通の人間だった影森みちるは、ある日突然タヌキ獣人になってしまう。人間たちから逃れるために向かった獣人特区『アニマシティ』は、10年前に獣人が獣人らしく生きるために作られた獣人のための街。そこで人間嫌いのオオカミ獣人・大神士郎と出会ったみちるは、彼と行動を共にするなかで、人間の世界にいた頃には知らなかった『獣人たち』の悩みや生活、喜びを学んでいく。なぜ、みちるは獣人になってしまったのか。その謎を追ううちに、予想もしていなかった大きな出来事に巻き込まれていくのだった。

【STAFF】
監督:吉成 曜
脚本:中島かずき
コンセプトアート:Genice Chan 
キャラクターデザイン:芳垣祐介 
総作画監督:竹田直樹
美術監督:野村正信 
色彩設計:垣田由紀子 
撮影監督:設楽 希 
編集:坪根健太郎
音楽:mabanua
アニメーション制作:TRIGGER

【CAST】
影森みちる:諸星すみれ
大神士郎:細谷佳正
日渡なずな:長縄まりあ
アラン・シルヴァスタ:石川界人
バルバレイ・ロゼ:高島雅羅 
マリー伊丹:村瀬迪与
石崎浩一:乃村健次
立木勇次:中 博史
ジェム・ホーナー:家中 宏
メリッサ・ホーナー:斉藤貴美子
ジュリアーノ・フリップ:多田野曜平
白水総理:大塚芳忠

© 2020 TRIGGER・中島かずき/『BNA ビー・エヌ・エー』製作委員会

『BNA ビー・エヌ・エー』オフィシャルサイト
https://bna-anime.com/
『BNA ビー・エヌ・エー』オフィシャルTwitter
@bna_anime