Interview

逢田梨香子、不安だったソロ歌手デビューから「ガラッと変わった」 表現への欲求にめざめた1stアルバム語る

逢田梨香子、不安だったソロ歌手デビューから「ガラッと変わった」 表現への欲求にめざめた1stアルバム語る

『ラブライブ!サンシャイン!!』桜内梨子役で声優としてのキャリアをスタートさせ、同作のスクールアイドルユニットAqoursとしても活動を続けてきた逢田梨香子(あいだりかこ)。CM出演や写真集発売も含め多方面で存在感を放ってきた彼女が、昨年のソロアーティストデビューを経て、いよいよ1stアルバム『Curtain raise』(カーテンレイズ)をリリースする。

“幕開け”を意味する本作は、自身が初めて作詞を手掛けた「Lotus」のほか、やなぎなぎ、タカオユキ(ex.みみめめMIMI)ら個性豊かな作家陣が書き下ろした新曲を含めた全12曲で構成。アップテンポナンバーから影のあるバラード、複雑な心の揺らぎを描いた新境地まで、ひとつの色に留まらない多彩な表現に挑戦している。

アルバムで新たな扉を開き、さらなる強さと輝きを身にまとった逢田梨香子。彼女の瞳にうつるこの先の未来とは──。

取材・文 / 逆井マリ
構成 / 柳 雄大 撮影 / 増田 慶


ソロデビューからの模索、そこからたどり着いたひとつの結論とは?

2019年6月のソロデビューからこの1stアルバムに至る半年以上の間に、アーティストとして気持ちの変化はありましたか。

逢田梨香子 ガラッと変わったと思います。正直に言ってしまうと、デビュー当時は不安なことが多かったなと……。グループからひとりになり、ソロでやっていくにあたって、自分の個性や強み、歌いかたなどを模索してきて。もちろん楽しみな気持ちや頑張りたいという思いが強かったんですが、その一方で自信の無さを持ち合わせていたように思います。

今でも未知数ではあるんですが、いろいろなライブイベントに出させていただき、気持ち的にも大きな変化が生まれていったというか。応援してくださっている皆さんを目の当たりにして、「みんながついてきてくれているんだから、頑張らないといけないな」と思いましたし。自信が沸いてきましたね。ひとりで前に進んでいくことに対して、恐怖がなくなりました。

ファンの熱意が逢田さんを変えたといっても過言ではないですね。

逢田 ソロ活動がはじまってからは、皆さんのありがたみをさらに感じるようになりました。みんながこんなに応援してくれているんだから、自分が弱気でいちゃダメだなと……。この状況に甘えるのではなく、感謝の気持ちを返していかなければならないなと、さらに思うようになりました。

逢田梨香子 WHAT's IN? tokyoインタビュー

さきほど自分の個性を模索されていたとおっしゃっていましたが、そこは答えが出たのでしょうか。

逢田 たくさん考えたんですが……何かを無理やり得ようとするのではなく、今あるもので頑張るしかないな、って(笑)。

自信を持てたことで、いい意味で開き直れたんですね。

逢田 そうですね。どういう考えになったとしても、頑張ることに変わりはないですし。それに、今は素敵な楽曲に出会えることが嬉しくて仕方がないんです。アルバムを作っていくなかで「この素敵な楽曲をみんなに届けたい!」という気持ちのほうが強くなっていきました。今は皆さんの前での歌唱も楽しいなと思えるようになったんです。初めて皆さんの前で歌唱したときや、「アニサマ」(「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」)などの大きなイベントは、本当に怖くてしょうがなかったんですが(笑)。

無理もないお話です。ソロのステージを重ねて気づいたことはありましたか?

逢田 自分ひとりでステージに立ってみて、改めてアーティストのかたって凄いなって感じることがたくさんありました。ステージに立つまでには本当にたくさんの人たちの支えがあるんだなと……。そういったことにも目を向けられるようになりました。

それこそ楽曲制作もそうですよね。

逢田 はい、本当に! 最終的に私が声を吹き込んではいますが、(制作に関わる)皆さんがその世界観を作ってくれているんだなとひしひしと感じています。クリエイターの皆様からいろいろな個性をいただけているおかげで、新しい私を皆さんに届けられているといっても過言ではないなと。

今作にも豪華クリエイター陣が参加されていますね。なかには、以前から逢田さんが「好き」と公言されているやなぎなぎさんのお名前も(「Tiered」作詞・作曲・編曲)。

逢田 そうなんです。もともと、やなぎなぎさんの大ファンでして……。それで今回オファーをさせていただき実現しました。「Lotus」の作曲をしてくださっている市川 淳さんは、私の大好きな柴咲コウさんや喜多村英梨さんの楽曲で作曲もされているかたで、曲をいただけて感激しました。「Lotus」のサウンドは、繊細だけど、サビは力強さがあって。こういう少し切なげな音は、私の好きなジャンルなんです。今回のアルバムは、私の好きなものをたくさん詰め込んでもらったようなイメージですね。

逢田梨香子 WHAT's IN? tokyoインタビュー

「Mirror Mirror」から始まる世界観へのこだわり

収録曲について詳しく聞かせてください。冒頭のインストナンバーから繋がるように始まる2曲目「Mirror Mirror」、この曲を冒頭に持ってきたのは、どういった思いからでしょうか。

逢田 最初にデモを聴いたときから「絶対にこの曲を最初にしたい!」と強く思っていました。この曲自体は少しダークなイメージですが、「for…」(1stシングル、今作では3曲目に収録)のもつダークさとも違って、より奥の奥に秘めた複雑さのある曲で。この曲を通して新しい自分を届けられるんじゃないかなと思っています。それくらい存在感のある楽曲だなと思ったので、あえてこの位置に持ってきて、みんなの心を惹きつけたいなと思いました。アルバムのジャケット(写真)とのギャップもあって、相乗効果でいい作用を生むんじゃないかなと。

児玉雨子さんの書かれた歌詞を読まれたときはどう思われましたか?

逢田 いただいた歌詞を読んだとき、鏡の世界がモチーフとなっていて、もうひとりの私との間で揺れ動いている……そんなイメージが、自分の思い描いていたものと近かったんですね。それで欲が出てきてしまって。自分の思い描いていたワードをさらに箇条書きにして提出したんです。“私”や“演じる”などの言葉なんですが、その後、そのワードを児玉さんが入れてくださって、歌詞が完成しました。

 今作には色々な“私”が登場しますが、「Mirror Mirror」の場合は先ほどおっしゃっていたように複雑な心の内を描いていて。本当の私は誰?と“私”が自問自答していますが、逢田さん自身こういったことを考えられることも?

逢田 そうですね。日ごろ生きているなかで、みんな色々な顔を持っていると思うんです。それは演じているのかもしれないし、素でそういう顔を見せているのかもしれない。でも私はそれが“どれが本当の自分なのか”分からなくなることがあって。そういう不安定な気持ちをこの曲を通して表したかったという気持ちがありました。

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