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自分と世界の謎を解き明かす『ポケモン不思議のダンジョン』クリア後も続く救助活動

自分と世界の謎を解き明かす『ポケモン不思議のダンジョン』クリア後も続く救助活動

2005年に発売された『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊』が、15年の時を経て『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』としてリメイクされました。前回の記事でも紹介したように、主人公たちが自動で効率のいい動きをしてくれるオート移動やAボタンでその場に適したわざが自動選択されるなど、初心者のアシストだけでなく慣れたプレイヤーも便利に使える機能が追加されていてより洗練された印象です。ダンジョンを冒険する楽しさ、多くの謎を解明するドキドキ、そしてポケモンだけが暮らす世界に存在するロマン。さまざまな体験を与えてくれる本作の面白さを今回はさらに追っていきます。ではまず、キモリとヒトカゲの可愛らしい掛け合いで進む特別映像を見てみましょう。

文 / 内藤ハサミ


ポケモンたちだけの世界だからこそ生まれるドラマ

本作の舞台となるのはポケモンだけが暮らす世界。私たちは今まで、人間にゲットされパートナーとしてがんばるポケモンの姿を何度も見てきました。しかし、本作のポケモンたちは人間の良き友だちとして登場するのではありません。凍てつくような大地に伝説のポケモン・フリーザーなどのこおりタイプのポケモンがいたり、地面から唐突に飛び出してくるディグダがいたり……この世界の法則やその土地ならではの環境に則した暮らしかたをしているポケモンたちが見られるのです。

ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX WHAT's IN? tokyoレビュー

▲主人公たちに助言をしてくれるナマズン。長老のような立ち位置が似合っています

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▲ダグトリオ。地面を掘りながら移動する彼らは神出鬼没です

今までもポケモンたちが暮らしている姿は描写されていたはずなのですが、そこに人間が介在しないことでひとくくりにしたポケモンではなく“個”の性格や心の動きも描写され、それが際立っていると感じます。たとえば、序盤で救出することになるこどものキャタピー。勇敢な主人公たちに憧れ、大きくなったらポケモン救助隊で働きたいという一途さがとっても可愛らしいキャラクターです。しかしこのキャタピーは可愛いだけではなく、強い信念を持っています。その想いの強さが主人公たちの力になる場面もあるのです。

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▲主人公たちに助けられ、主人公たちの大ファンになったキャタピーとトランセル。ふたりはよくナマズンのいけのほとりで遊んでいる友だち同士です

ほかにもポケモン広場に集い、この世界に根ざして暮らすポケモンたちの姿は興味深いです。倉庫を切り盛りしているガルーラおばちゃん、銀行を運営しているペルシアン、商店のカクレオン、キャンプコーナーのプクリンなど、冒険の手助けをしてくれるポケモンたちもなかなかいい個性をしています。また、ダンジョン内でお店を開いているたくましいカクレオンも注目です。『不思議のダンジョン』シリーズではもう定番の要素ですが、ダンジョン内のカクレオン商店でお金を払わずに商品を持ち逃げすると……。もちろんそれは泥棒ですから大変悪いことですよね。カクレオンだって黙っていないでしょう。実際にどうなるかは、ぜひご自身の目で確認してください。ただし、筆者は起こった事態の責任は負えませんので悪しからず。

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▲こんなに人(ポケモン)当たりのいいカクレオンですが、商品を盗まれたと知ると……

仲間のポケモンはダンジョンのなかでしゃべりまくってくれます。バトル中はわざの名前を叫んだり、倒せば「やったね!」、「よしっ!」などの声がかかりポケモンたちの表情が見えるかのようです。

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▲Aボタンを押すと適したわざが自動選択されますが、やはり自分でわざを選びたい局面も多いですね。“はじけるほのお”を選択するのが盤石ですが、残りPPとも相談して……さて、どうしましょうか

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▲キャー、アブソル様っ! カッコいい……。筆者が本作で改めて注目するようになったポケモンが、このアブソルです。とにかくクールなアブソルは今も優先的に育てています

仲間のポケモンに覚えさせるわざの構成やダンジョンに行くときに組むポケモンの編成に関しては、強さや効率の良さを追求するのもひとつの楽しみかたではあります。でも個人的には、自分の好みだけで選択するのがいいと思っています。ポケモンのレベルは敵を倒すたびに上がっていきますし、ピンチを何度も乗り越えながら長い旅を共にするうち、かけがえのない存在になっていくポケモンたちそれぞれに更なる感情移入とリスペクトができるようになるのです。どんなポケモンの編成であっても育てかたで充分強くなりますから、ここは思いっきり自分の理想を詰め込んだチームを編成して救助隊活動に臨みたいと思います!

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▲助けてもらったビードルに声をかけるコイル(筆者が付けたニックネームは“でんじろう”。ネーミングセンスが欲しいです)。和気あいあいとした仲間との会話に思わずにっこりしてしまいます

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▲“でんこうせっか”のわざで敵を倒し、「わわ やった…!」と勝利を噛み締めるオタチ。このセリフの可愛さにやられ、オタチを育てようと決意しました

思い入れたっぷりになるからこそ、ポケモンたちの待機所であるキャンプでは『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊』のようにエリア内を自由に動き回っているポケモンの姿を見たかったのですが、それは求めすぎでしょうか。さらに夢を語るならば、そのポケモンたちを撮影できる機能があれば嬉しかったです。「次回作があるならばぜひ撮影機能を含めご検討ください、開発の皆さま!」と、空に向かって叫ぶ筆者……。

さらに冒険を楽しめる要素

主人公たちが結成したポケモン救助隊は、初めはパートナーと2匹だけの小さなチームです。しかし、コツコツとポケモンの手助けをしているとポイントが貯まり、“救助隊ランク”が上がっていきます。救助隊ランクはルーキー、ノーマル、ブロンズ、シルバー、ゴールド……と上がるほど一度に受けられる依頼の数が増えたり、持てる道具の最大数が増えたりします。ストーリーに直接関係しない依頼を受けるメリットはここにあります。依頼を全く受けずストーリーだけを進めることもできるのですが、ゲームの難度はアップします。“縛りプレイ”として、腕に覚えがある方はチャレンジしてみても楽しいですね。

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▲道具箱が拡大すると、かなり冒険が楽になります。ストーリーに行き詰まったら、救助隊ランクを上げてリトライしてみましょう

奮闘の甲斐なくダンジョン内で力尽きてしまったら、そのとき持っていたおかねと道具を失い、ポケモン広場に戻されてそのダンジョンはやり直しです。でもすごく大事な道具を持っていたり、そのダンジョンで仲間にした大事なポケモンがいたりなど諦められないときがありますよね。少なくとも筆者にはあります! かみしめた唇から血を流しながらポケモン広場に戻るそのまえに、“きゅうじょ”を依頼してみませんか。“インターネットで他のプレイヤーへ”と“パスワードで特定のプレイヤーへ”のふたつの方法で依頼することができます。救助されれば、倒れていた場所に復活して冒険を続けることができるので利用しない手はありません。筆者はだいぶ倒れることが少なくなったので今までに救助された恩を返すため、今は他プレイヤーからの救助依頼を積極的に受けるようにしています。

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▲ペリッパー連絡所のなかで救助依頼を受けることができます

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▲あとはほかの依頼と同じようにダンジョンへと向かい、依頼者が倒れている地点までたどり着けばOKです

普段は肩慣らしに行くような序盤のダンジョンであっても他の救助隊が倒れて救助依頼を出しているということは、それなりの理由があると考えるべきでしょう。実際にダンジョンへ向かうと格上の強敵が多数出現しているなど、手こずった理由が理解できたりします。簡単そうな依頼だからと気を抜いていると、痛い目を見ることも……。救助のスタートは依頼人がいるダンジョンの最初の階層からとなります。もちろん、倒れた依頼人の元にたどり着くまえに自分が倒れてしまえば救助失敗です。しかし何度もリトライできるうえ、道中拾った道具を失うくらいで失敗によるペナルティもほとんどありません。
救助を受ける際の注意としては未踏破ダンジョンには進めず、シナリオ進行で訪れたところまでです。ただ、依頼だけは受けておくことはできますので、依頼の階層まで行けるように進行をがんばりましょう。前作からのプレイヤー、『不思議のダンジョン』シリーズに慣れたプレイヤーにはおすすめしたいコンテンツです。オンラインでの救助はNintendo Switch Online(有料)への加入が必須となるので、その点だけご注意を。

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▲とある雪山にて。フーディンは主人公に何を伝えているのでしょう……?

さて中盤以降のストーリーは、さらにエキサイティングでシリアスな展開も増えてきます。ポケモンになってしまった人間である主人公。それは何のためなのか。そして、世界に蔓延する災いの正体とは!? 高評価を受けているシナリオは伊達じゃありません。クリア後には、いろいろなエピソードが補完できるダンジョンも解放されますので併せて味わうべきです。そして、ストーリー本編には登場しなかった高難度ダンジョンにも挑戦できます。そう、本作はクリア後が本番だとあえて言います。ストーリーが終わったあとも私たちの救助隊活動は続いていくのです!
人間とともに暮らしているのではなく、ポケモンたちだけが暮らす世界での物語。彼らの暮らしや個性を知るたびにポケモンたちへの愛しさが増します。ダンジョンで大好きなポケモンを育てながら末長く遊んでいける、プレイヤーのポケモン愛に寄り添う一作です。

フォトギャラリー

■タイトル:ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX
■発売元:株式会社ポケモン
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:ダンジョンRPG
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2020年3月6日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各5,980円+税


『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』オフィシャルサイト

©2020 Pokémon. ©1995-2020 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
©1993-2020 Spike Chunsoft.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。「不思議のダンジョン」はスパイク・チュンソフトの商標です。