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15年の時を経て蘇った『ポケモン不思議のダンジョン』自分がポケモンになって冒険する楽しさ

15年の時を経て蘇った『ポケモン不思議のダンジョン』自分がポケモンになって冒険する楽しさ

2005年にニンテンドーDSとゲームボーイアドバンス向けで発売され人気を博した、『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊』。この2作がひとつになったリメイク作品『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』がNintendo Switchに登場しました。本作の内容は『ポケットモンスター』シリーズのようなRPGとは違い、自分が動いたり行動したりすると相手も同じように行動するというターン制になっています。本作はどんな面白さが生まれたのでしょうか。またオリジナル作品からどう進化したのでしょうか。本稿ではその魅力を探っていきす。まずは公式のゲーム紹介映像をご覧いただきましょう。本作ならではの雰囲気をチェックしてみてください。

文 / 内藤ハサミ


ポケモンになって困っているポケモンを救いまくる!

『ポケットモンスター』シリーズは人間である主人公がポケモンたちをゲットし、彼らを対決させるというスタイルで進むRPGですが、本作では自らがポケモンとなりパートナーとともに敵となるポケモンたちに立ち向かっていきます。“自分がポケモンになる”という発想は新鮮に感じました。

ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX WHAT's IN? tokyoレビュー

▲ゲームを始めたら、まずは“ポケモン診断”。いくつかの質問に答えていくと……

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▲プレイヤーの分身となるポケモンが診断されました。筆者はどうやら、“ヒトカゲ”だったようです。結果に納得できなければ、任意のポケモンを16種類のなかから選びなおすことができます

診断でポケモンを選ぶというのは面白いですね。自身とシンクロ率の高いポケモンが選ばれたということで、親近感が湧きます。選ぶポケモンによって“ほのお”、“でんき”などのタイプや使えるわざが違います。どのポケモンを選んでも極端に不利になってしまうことはないので、特に希望のポケモンがいなければそのまま選んでいいのではないでしょうか。プレイヤーとなるポケモンを選んだあとは、主人公と同タイプのポケモン以外からパートナーを選択します。どのポケモンも可愛くて悩みましたが、筆者はやんちゃ坊主みたいな見た目が可愛らしい“ワンリキー”を選びました。

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▲主人公、パートナーのどちらにもニックネームを付けることができます。主人公のヒトカゲにはゲーム内でよく付けている名前“どくまむし”、パートナーにはワンリキーの名前から取って“ワンぞう”と名付けました。ネーミングセンスを褒められたことはありません……

物語は、昨日までは人間だった主人公がポケモンだけが暮らす世界で目を覚ますところから始まります。自分が人間であるという認識以外は何も思い出せず、なぜポケモンになってしまったのかということにも現在置かれた状況にもまったく心当たりのない主人公は、ポケモンたちの話を聞いているうちに最近この世界で発生している謎の自然変動について知ることとなります。記憶がなくこの世界で暮らすすべもわからない主人公は、パートナーのポケモンとともに救助隊を結成。困っているポケモンを助けながら世界の謎や自らがポケモンとなってしまった理由の手がかりを探すため、ダンジョンを探索し冒険に身を投じていくのです。
ポケモンたちからの救助依頼は、ペリッパー連絡所の掲示板や救助基地に届く手紙といった形で舞い込みます。依頼はストーリーの進行に合わせて発生するものと、とくにそれとは直接関係なくポケモンの困りごとを個々に解決するものとがあります。

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▲ペリッパー連絡所の脇にある掲示板には、たくさんの依頼が貼り出されています。一度に複数の依頼を受けることが可能です

依頼を達成するためダンジョンへと向かいます。攻略を開始してまず感じたのは、非常に親切……いや親切すぎると思えるほどの機能が備えてあるということ。そのなかで最も筆者がびっくりしたのが“オート移動”機能。Lボタンを押せば、プレイヤーのポケモンがフロア内を自動で探索します。さらに道具を見つけてゲットし、次のフロアに繋がる階段を見つけて進むまで最も効率のいい動きを行ってくれるのです。道中に敵がいた場合はその近くで止まってくれるので、敵からの攻撃を受けながらも移動を続けてしまい大ダメージ、といったことはまず起こりません。最初は「こんなに親切すぎていいのだろうか、プレイの面白さを奪っていないだろうか」と困惑しました。効率よく動く手順を一手一手考えることもダンジョン探索型ゲームの楽しみのひとつだと考えていたからです。

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▲戦闘はオートになりません。敵の手前でオート移動が自動解除されます

しかし、初心者にとっては立ち回りのコツを掴みやすい一面があるのだと気づいたことで、本機能への評価は良いほうに変わりました。デフォルトの状態でオート移動の設定になっているわけではないですし。現に初めてダンジョン探索をする筆者の娘(小2)も最初は不慣れなためオート移動でプレイをしていましたが、自分なりの攻略手順や動きかたを掴むようになるまでがかなり早かったですね。特に子供たちのプレイを補助するということに関して“こうかは ばつぐんだ!”と感じます。筆者の場合は、斜め移動や最低限のターンで移動することを絶対に失敗したくないときなどに活用しています。便利な機能はほかにもあります。ポケモンの“わざ”はA、B、X、Yボタンに振り分け、使うときはZLボタンを押して出てくるわざの一覧から適したものを選ぶのですが、敵が射程範囲に入っているときにAボタンを押せば、その状況にふさわしいわざを発動します。これもまた便利で、筆者はポケモンのレベル上げやあまりシビアな状況でない戦闘時に多用しています。

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▲フロアの道具を取りつくすと階段に向かいます。オプションで“探索優先”か“階段優先”を選ぶことができるので、自分の攻略方針に合ったほうを選択しておくといいですね

ダンジョンの途中で倒れてしまうと持っている道具とおかねは失ってしまい、そのダンジョンはやり直しとなります。しかし今まで上げたレベルはそのまま保持されますし、ゲームオーバーになることはありません。それに、その場で仲間のポケモンを復活させることのできる“ふっかつのタネ”、“プチふっかつタネ”などの道具もわりと頻繁に手に入れることができます。こんなところもかなり易しめの設定と言えるでしょう。それでもストーリー終盤は敵も強く、チャレンジするダンジョンの階層も深くなり徐々に難しくなってきます。個人的な感覚ではストーリー序盤のダンジョンが易しすぎると感じますが、リメイクを楽しみにしていたファンだけでなく、新たなプレイヤーも引き込めるという点が今作では強化されているのかもしれません。

とにかく可愛いポケモンたちを集めることにハマる!

今回のリメイクで目を引く大きな点のひとつに、柔らかいタッチで描かれたようなアートワークが挙げられるでしょう。カッコよさやいかつさが持ち味のポケモンもその味はそのままに、ちょっと可愛らしさが足されているのです。

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▲お母さんとはぐれた幼いキャタピーちゃん……可愛すぎます

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▲そのキャタピーちゃんを狙う悪いゲンガーたち……なのですが、なんとなく憎めないヌケた可愛らしさがあるんですよね

主人公とパートナーのポケモンだけでなく、ダンジョンで対決したポケモンや救助したポケモンを仲間にすることができます。出てくるポケモンは残らず可愛いので、全種集めたくなります。しかし、ただポケモンを倒したり助けたりするだけでは仲間として迎え入れることができません。仲間のポケモンを待機させることができる“救助隊キャンプ”をあらかじめ作っておく必要があるのです。

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▲ポケモンによって入れるキャンプの種類は違います。多くの種類を仲間にしたいのであれば、キャンプもたくさんの種類を設置しないといけません

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▲広場にいるプクリンにおかねを支払うことでキャンプ場の設置ができます。おかねを受け取ったプクリンが叫ぶと、なぜかキャンプ場が瞬時に出来てしまう不思議……

ダンジョン内などでポケモンを仲間にしても、適したキャンプを設置しないままだと待機できずに帰ってしまいますから、ポケモンをなるべく効率的に集めるためにはおかねを手に入れたらどんどんキャンプを設置しましょう。ダンジョンでちょくちょく手に入れられるおかねを貯めてプクリンに渡せばいいだけなので、手順は難しくありません。それでも資金が潤沢でない序盤に全部のキャンプを設置するのは、時間と根気が必要です。筆者は欲しいポケモンを想定して、適したキャンプから順に設置しました。まずは最愛のポケモン“クサイハナ”が入ることのできるジャングルキャンプ……!

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▲たまにダンジョンで出会うことができる、王冠のようなマークが付いた“強敵ポケモン”はめずらしい敵です。なかなか仲間にはなってくれないですね……

仲間にしたポケモンはキャンプに待機させ、必要なときにメンバーに加えることができます。ダンジョンに連れていけるポケモンは自分を含め3匹ですが、ダンジョン内でポケモンを仲間にすれば最大8匹で冒険ができます。キャンプにいて直接連れ歩いていないポケモンにも経験値が入るので、別のポケモンでパーティを組みなおしたとき極端にレベルの低いポケモンを育てなければいけない、という状態にならないのがいいですね。ひとつだけ残念なのは、キャンプで過ごしているポケモンの姿を可愛らしいグラフィックで見ることができない点です。キャンプでポケモンたちがほのぼのと暮らしている姿を楽しみたかったですね。
ワクワクするダンジョン探索とポケモンの仲間を集めて育てる喜びの要素を併せ持つ『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』は、1ターンに熟考を重ねる歯ごたえたっぷりのプレイというよりは、サクサクとライト感覚のプレイを楽しめる作品です。難易度選択があれば嬉しかったですね。とはいえ終盤からの歯ごたえは抜群ですから、序盤はストーリーを楽しみつつ厳しい冒険へ挑む技術を徐々に身に付けられるでしょう。
さて、世界の異変を探りながらストーリーを進めていくと、人間からポケモンになったという主人公が異変の原因なのではないかという嫌疑が他のポケモンたちからかけられ、思いがけない展開を進めることになります。未だわからない異変の正体、次々に出会う伝説のポケモンたち。可愛らしいアートワークからは想像も及ばないドラマチックな展開に目が離せません。次回はそのストーリーを追いつつ、本作の内容についてさらに紹介していきます。

フォトギャラリー

■タイトル:ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX
■発売元:株式会社ポケモン
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:ダンジョンRPG
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2020年3月6日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各5,980円+税


『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』オフィシャルサイト

©2020 Pokémon. ©1995-2020 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
©1993-2020 Spike Chunsoft.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。「不思議のダンジョン」はスパイク・チュンソフトの商標です。