連続テレビ小説『エール』特集  vol. 1

Interview

『エール』スタート直前! 朝ドラ初出演から10年経って窪田正孝が実感した、主役という重み

『エール』スタート直前! 朝ドラ初出演から10年経って窪田正孝が実感した、主役という重み

『ゲゲゲの女房』から10年、目の前をたくさんの人生が過ぎていく主役という立場の重みを、しっかりと噛みしめたい。

長期間に渡って1人の人物を演じることは、なかなかないと思います。その渦中にあって、どんなことを感じているのでしょう?

1つの役を深く掘り下げていけるのが、朝ドラの魅力の1つだと思っています。朝ドラを経験された方々にお話を聞いてみたんですけど、たいがいの方が「朝ドラの後は、どの現場も大変じゃないように感じる」と、おっしゃっていて。その感覚はすでに何となくわかるような気がするんですけど(笑)、ひと1人の一生を描けるというのは本当に深くて尊いことだなという思いを、あらためて感じているところがありますね。以前、大河ドラマ(『平清盛』の平重盛役)でも長いスパンで演じたことがあるんですけど、だんだんと役をつくるということを考えなくなっていて、カメラの前に立つとスウッと自然と役に入っていける感覚を覚えた経験をしているんですよ、一度。それだけ時間をかければ、その境地にまで行けるんだなというのを味わっているので、クランクアップした後に自分がどうなっているのかはわからないですけど、きっと達成感に満ちあふれているのだろうなと思います。

エール 窪田正孝 WHAT's IN? tokyoインタビュー

なお、思春期から裕一を演じますが、多感な時期をもう一度通ってみて、いかがでしたか?

思春期のころの僕自身はもう少しヤンチャだったんですけど(笑)、裕一くんは口下手でおとなしいなというのが第一印象ですね。ただ、音楽、そして音と出会って上京して、段階を経て変わっていって、自分の気持ちを言えるようになっていくんですけど、そこは年齢に応じて変化をつけていければ、と。自分の実年齢よりも上になった時、ひと目見ただけで大人になっているとわかるように、個人的に尊敬している方々をイメージしながら──と考えていたりもするんですけど、古関さんご自身が年齢を重ねても、そんなに見た目が変わっていなかったので、無理に気負わなくてもいいのかな…と思ったりもしていて(笑)。老けメイクや衣装の力なども借りつつ、「言っていることが古くさい」と思われるような愛嬌のあるイイおじさんになっていられたらいいな、と思っています。

それから、朝ドラというと「ご当地の方言」でのセリフが特徴でもあります。裕一は福島の人なので、特に前半は福島弁で話すことも多いと思いますが、ご苦労などは?

最近は方言指導の先生から、あまり直されなくなりました。以前もいろいろな方言でお芝居をしているんですけど、福島弁が自分史上、もっとも方言指導をされずにお芝居できているんじゃないかと感じてます(笑)。自然と小さな「ッ」を抜いたり、だんだんポイントがわかってきた気がするんですよね。話していても愛嬌があるなと感じる方言で、福島弁を聞いているだけでほっこりしたり、愛くるしくなる印象があって、鉄男役の中村 蒼くんと福島の言葉で話したりすると、序盤の“福島編”でのことを自然と思い出すようなことがあります。ちょっと語尾に行くほど音程が上がっていく感じなんですけど、古山家の中でも、唐沢さんの話す福島弁はまた色が違っていて、母親のまささん役の菊池(桃子)さんもまたトーンが違っていて、それも楽しいんですよね。音楽を聴いているような感じに近いのかもしれないです。

音楽と言えば…演奏シーンのテストの時とか、カメラマンさんがメロディーに合わせて身体を揺らしていらっしゃったりして、見ていて何かいいなぁと思ったりもします。そういうところで一体感があるのは、『エール』の現場ならではなのかな、と。

エール 窪田正孝 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ちなみに、現場のムードメーカーというと…?

誰だろう、普段はふみちゃんかなぁ。いつでも笑っていますし。でも、三郎さんとのシーンがある日は、圧倒的に唐沢さんですね(笑)。あと、裕一が一度就職する「川俣銀行」編では、相島一之さんに松尾 諭さん…銀行員役のみなさんがまさにムードメーカーでした。全員でワチャワチャしていて、めちゃくちゃ面白かったんですよ。かなりおかしな職場になっているので、笑いの面でも楽しみにしていただければと。川俣銀行のみんなとは、またどこかのシーンで一緒にならないかなと思うくらい楽しかったなぁ…。一度、音楽を諦めて落ち込んで川俣に行ってみたら、思いもつかない新しい世界が待っていたという。裕一もですけど、僕も救われた気がしていて。何しろ、芝居をかき混ぜる人たちしかいないですから! でも、その無責任な感じがめちゃくちゃ面白かったんですよね。

「川俣銀行編」、楽しみにしております。ところで、『エール』というタイトルは古関裕而さんが数々の応援歌を世に送り出したという功績にも掛かっていると思いますが、窪田さんは、このタイトルに込められた意味をどのように解釈しているのでしょうか?

人に寄り添う音楽をつくることが、古関さんの中ではこの上ない幸せだったはずで、それがビジネスにならなかったとしても、学校の校歌をつくれるというだけでうれしかった…のかなと、僕なりに想像しているんですけど、「エール」と一口に言ってもいろいろなとらえ方があるので…僕の中では「愛情」という解釈ですかね。それがメロディーに乗っかって、いろいろな人に届いていったのだと。早稲田大学の応援歌だったり、「六甲おろし」だったり、今もいろいろなところで歌い継がれていることが、それを証明しているんじゃないかなと思っています。

連続テレビ小説『エール』より

『エール』という作品を通じて、窪田さん自身は表現欲や俳優として魂を揺さぶられている、と感じることはありますか?

朝のお茶の間に届ける、というカラーで毎話15分間のドラマをつくっているわけですけど、すごく生々しいシーンもあったりしますし、きれいごとだけじゃないなということを、僕なりに日々感じています。と、同時にキラキラしたものの裏側を見たくなる欲だとか、目をそむけずに見届ける義務感みたいなものも感じていて。僕はここまで音楽に深くかかわったのは初めてなんですけど、役を通じて音楽をつくる中で、その裏側──いろいろな人が携わっていたりすることをすべての人に知ってほしい、とは言わないまでも、すべての物事に共通する本質というものを見せられたら、という思いも抱いてもいます。もちろん、現場は楽しくしたいですけど、決めるところはしっかり締めようという感覚で臨んでいて。ちょっと白けるヤツだなと思われる瞬間があるかもしれないんですけど、1年間ずっと一緒に作品をつくっているわけですから、お互いに理解し合って、上っ面だけの付き合いじゃないスタンスで取り組めたらいいなって。それは仕事だけじゃなくて、普段生きていく中でもすごく大切なことだと思うし、そこを理解してくれる人がずっと自分の周りには残っていてくれているというか…うまく伝わるかわからないんですけど、そういう思いで日々、現場に臨んでいます。

思いのほど、しかと受け止めました。さて、この特集ではみなさんへの共通の質問として、「エールをもらった1曲」というのを聞いていきます。窪田さんの“心の応援歌”は何でしょう?

「大地讃頌」という曲がありまして、それこそ中学3年生の時の文化祭の課題曲で指揮者を務めたことがあるんですね。当時、バスケ部だったんですけど、部活が終わっちゃって悩んでいた時に聴いたら、すごく勇気づけられまして。『エール』の現場に入ってから、そのことを思い出して、今もたまに聴いたりしています。古関裕而さんの曲から挙げるとすると、自分も野球少年だったので、やっぱり「栄冠は君に輝く」ですね。ある意味、ルーツと言える1曲です。

ありがとうございます。それからもう一つ共通質問として、「思い出の朝ドラ」も挙げていただこうと思います。出演した作品、あるいはご覧になっていた作品のどちらでもいいので、ピックアップしていただければ、と。

実は…しっかりと朝ドラを見始めたのが、偶然なんですけど『ゲゲゲの女房』(2010年度前期)からなんですよ。春の時点では、(村井茂役の向井)理さんの芝居をじっくり見てみたいなという思いで、純粋にいち視聴者として見ていて。その後で(茂のアシスタント・倉田圭一役で)出演することが決まったんです。まさか、松下奈緒さん演じるヒロイン(村井布美枝)の妹さん(飯田家の四女・いずみ)と恋をするのかしないのか、みたいなエピソードを知った時は、ビックリしました。現場では、とにかく理さんがかっこよくて。その人の弟子役を演じられた嬉しさというのは、自分の中ですごく大きかったですし、「朝ドラ、いいな。出てみたいな」と思って見始めたら実現したので、そのころから願望や思いは素直に表に出すようになったんです。

しかも昨日(取材日前日)、たまたま理さんとお会いしたので、「『ゲゲゲ~』の時、どうでした?」って訊いたんですよ。そしたら、「大変だったことしか覚えてない。あのころの記憶って、あんまりないんだよね」とおっしゃって。でも、僕もクランクインから半年以上経っているんですけど、確かに序盤の撮影の記憶が薄れているんですよね(笑)。

エール 窪田正孝 WHAT's IN? tokyoインタビュー

茂さんのアシスタント陣(窪田、斎藤 工、柄本 佑)は、みなさん現在トップランナーとしてエンタテインメントシーンをけん引されていますね。

工さんも佑さんも本当にスゴいですからね! 自分は先輩方に置いていかれるばかりで…。

なっ! 窪田さんはそれこそ朝ドラで主演を務められていらっしゃるじゃないですか(笑)。

そうでした(笑)。でも、本当ありがたいですね。『ゲゲゲ~』から、ちょうど10年というのも何かあるのかもしれないな、なんて勝手に思っていて。10年前は主人公たちの前を通り過ぎていく側でしたけど、『エール』では次から次へと人を迎え入れては送り出す、という立場で…さまざまな人生が目の前を通り過ぎていくのを見届ける感じがあるんですよね。それは、主役という立ち位置だからこそなんだなと、噛みしめてもいて。だから、『エール』を本当にいい作品にしたいですし、いい作品にできるようにがんばりますので、秋までの半年間、どうぞよろしくお願いします。


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3月25日(水)~4月1日(水)23:59


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窪田正孝

1988年8月6日生まれ。神奈川県出身。2006年に俳優デビュー。近年の主な出演作には、【映画】「東京喰種トーキョーグール」シリーズ(17・19)、『犬猿』(18)『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)『Diner ダイナー』(19)、『ファンシー』(20)、『初恋』(20)、【ドラマ】『僕たちがやりました』(17/KTV)、『アンナチュラル』(18/TBS)、『ヒモメン』(18/EX)、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(19/CX)などがある。

オフィシャルサイト
https://stardust.co.jp/section3/profile/kubotamasataka.html

フォトギャラリー

2020年度前期
連続テレビ小説『エール』

3月30日(月)~9月26日(土)

【毎週月曜日~土曜日】
総合:午前8時00分~8時15分
BSプレミアム・BS4K:午前7時30分~7時45分
総合:午後0時45分~1時00分(再)
※土曜日は一週間の振り返り。

【毎週月曜日~金曜日】
BSプレミアム・BS4K:午後11時00分~11時15分(再)

【毎週土曜日】
BSプレミアム・BS4K:午前9時45分~11時00分(再)
※月曜日~金曜日放送分を一挙放送。

【毎週日曜日】
総合:午前11時00分~11時15分(再)
BS4K:午前8時45分~9時00分(再)
※土曜日放送分の再放送。

出演:窪田正孝 二階堂ふみ 薬師丸ひろ子 菊池桃子 光石 研 中村 蒼 山崎育三郎 森山直太朗 佐久本 宝 松井玲奈 森 七菜/柴咲コウ 風間杜夫 唐沢寿明 ほか
音楽:瀬川英史
主題歌:GReeeeN「星影のエール」
語り:津田健次郎

【STORY】
日本が生糸輸出量世界一となった明治42年、急速に近代化がすすむ福島の老舗呉服屋に、のちに多くの名曲を生み出すことになる作曲家・古山裕一(窪田正孝/子ども時代:石田星空)が誕生する。老舗の跡取りとして育てられた裕一だが、少々ぼんやりしていて、周りには取り柄がない子どもだと思われていた。ある日、父の三郎(唐沢寿明)が買ってきた蓄音機から流れる音楽に心奪われ、音楽に興味を抱く。裕一の幼なじみで、のちの音楽仲間となる鉄男(中村 蒼/子ども時代:込江大牙)と久志(山崎育三郎/子ども時代:山口太幹)、そして担任の藤堂先生(森山直太朗)との出会いにより、音楽に目覚めた裕一。独学で作曲の才能を開花させていく。
青年になった裕一は、一度は音楽の道をあきらめようとするが、ある日、鉄男の勧めで、家族にはないしょで海外の作曲コンクールに応募し、なんと上位入賞を果たす。それをきっかけに、裕一は歌手を目指している関内 音(二階堂ふみ/子ども時代:清水香帆)と手紙を通して知り合う。福島と豊橋――、遠く離れた地に住みながらも、音楽に導かれるように出会った二人。裕一は音とともに、音楽の道に進むため、駆け落ち同然で結婚し、東京へ。
そして不遇の時代を乗り越え、二人三脚で数々のヒット曲を生み出していく。しかし時代は戦争へと突入し…。
戦後、混乱の中でも復興に向かう日本。古山夫妻は、傷ついた人びとの心を音楽の力で勇気づけようと、新しい時代の音楽を奏でていく―― 。

オフィシャルサイト
https://www.nhk.or.jp/yell/

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@asadora_nhk

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@nhk_yell

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