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人類はマイナス150度を乗り越えられるのか!?『Frostpunk』で立ち向かう絶望

人類はマイナス150度を乗り越えられるのか!?『Frostpunk』で立ち向かう絶望

極寒の世界を舞台とした都市育成シミュレーター『Frostpunk』。前回のレビューでは初プレイということもあってあまり上手に運営できず、最終的に都市から追放されるという結末を迎えた。今回のレビューでは、前回の反省を踏まえたうえで雪辱を果たす。極寒の世界を上手に生き残れるのか、ご覧いただきたい。

文 / 板東篤


私は病人ゼロの都市を目指します!

本作の基本システムについての解説は前回の記事をご覧頂くとして、今回はまず初見プレイで判明した問題点を元に都市開発・運営の戦略を考えていきたい。都市開発で重要なのは建設や研究に使用する資源。そのため、資源を入手する労働者が最重要と考えた。労働者は寒いと病気になり、医療施設が整っていなければ病状が悪化して働けなくなり最終的には死亡してしまう。人口を増やす手段も難民を見つけ出す以外は存在しないことから、何よりも労働者が病気にならない環境作りを念頭に都市開発を進めていくことにする。
基本方針が固まったところでゲームスタート。最初の目標として石炭を集めるよう指示されるが、今回はこれと同時に木材の確保も優先させた。まず木材の近くに周囲の資源を早く集められる“収集所”を建設し、労働者を割り振る。残りの人員には素手で石炭を集めさせる。まだ労働者には余裕があったので木材が集まり次第、収集所をもう1ヶ所に建設。資源の入手量をアップさせる。

Frostpunk WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲収集所は、手作業で集められる石炭パイルや鉄くずといった資源をより効率よく集められる施設。石炭鉱床や凍結林など専用の施設が必要な資源は集められないため、序盤でのみ活躍する

さて次の一手だが、問題はふたつある。ひとつは目標となっている食料の確保で、もうひとつは住居問題だ。都市の人口は80人で、全員ぶんのテントを建設するには資源がとても足りない。加えてテントが行き渡るまえに寒さに耐えきれず、病気になる人も出るだろう。そこで今回は、まず病人を治療できる“救護所”を建設。さらに先を見据えてテクノロジーを研究できる“ワークショップ”も建設し、収集所の作業速度を上げる“加速収集”の研究に着手。これ以後に木材が溜まり次第、テントを建設していくことにした。

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▲病人が出ることも見越して、先に救護所を建てる。病人は1~20時間ほどで完治する

結果を言うと、この戦略は大成功だった。病気になる住民は数人現れたが、救護所で治療を受けられるためすぐに完治。また収集所とテクノロジーのおかげで木材の入手量も多く、結果的に前回よりも早く全員ぶんの住居を建設できた。個人的には、こうした“前回の反省を踏まえた再プレイでよりよい結果を出す”ことが大好きで、今回も序盤ながら大満足。なんか、ゲームが上手くなった気にならない?

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▲3日目で80人ぶんのテントを建設でき、病人も救護所で治療を受けている3人のみ。順調な滑り出しだ

都市の外に前哨基地を建てると資源が……!

以降のプレイでも“放置される病人0”、“住民全員の住居を確保”を念頭にプレイを続ける。素手で入手できる木材資源も早々になくなることが前回のプレイでわかっていたため、凍結林から木材を入手できる施設“製材所”も早めにアンロックし、木材の新たな入手手段を確保。前回では忘れがちだった“法律”の施行も忘れずに行っていったところ、びっくりするほど順調に都市が発展。資源も多少は余裕が生まれてきたため、追加で“ワークショップ”を建設することにした。ワークショップを複数建てると、同時に行える研究はひとつと変わらないが研究速度が速くなる効果が生まれる。さらに24時間働かせる“緊急シフト”も同時に行い、テクノロジーをガンガン研究していく。緊急シフトのデメリットは不満が増えるぐらいだし、頻繁に使っていけるなあ……と思っていたら、労働者が過労で突然死してしまった。どうやら緊急シフトで24時間働かせたことが原因のようだ。今後は様子を見ながら使おうと反省したが、ほかの状況でも労働者がいきなり死亡することもあるのでそこまで気にする必要もないだろう。

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▲ワークショップは複数建設すると研究速度が早くなる。ただし2個で2倍というわけではなく1.3倍ほど。4個建てても1.6倍ほどの効率アップ

さて、こうしてテクノロジーの研究を続けていったところ、“前哨基地”という新要素を解禁できた。これは都市の外のマップに資源基地を建設でき、定期的に資源を入手できるというもの。ただし基地を建設できるポイントは決められており、都市にも前哨基地を建設する必要がある。また都市に建設できる前哨基地は2ヶ所までという制限もある。資源の新たな入手手段といえるこの要素だが、実際に使ってみたら非常に強力。“炭鉱”というポイントに基地を建設すると、1日に1回石炭を800個も入手できるようになる。このときの都市は石炭の在庫が700個、しかも使用量が供給量を上回って徐々に減っている状態だったので、この800個がいかに大量なのかがわかると思う。さらにテスラシティという場所に基地を建てると、1日に1個“蒸気核”を入手できるようになる。この蒸気核は上位の建物の建設やオートマトンの作成に使用するが、通常は探索でしか入手できないレアアイテム。これが安定供給されるのは非常に大きなメリットだ。

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▲前哨基地は都市の壁に建設できる(建てられる場所は決まっている)。ここで前哨チームを編成し、都市の外に派遣して資源基地を作成させる

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▲都市の外には探索できるポイントが多数あるが、そのうち数ヶ所は資源基地を建設し資源を産出させられる

法律にも変化があった。ゲームの進行でロンドンに戻るべきだと主張するロンドン主義者が出てくると、ふたつめの法律ツリーが解禁。ふたつめのツリーは“秩序”と“信仰”のどちらかを選択できる。前回は“秩序”を選んだのだが、今回は“信仰”を選んでみた。“秩序”では都市を警備する自警団などが解禁できたが、“信仰”では“祈りの館”や“祭壇”といったお祈りができる建物が解禁されていく。各種イベントによって希望がガクンと下がってしまうのだがこうして祈れる場所を作り、人々から希望を取り戻してロンドン主義者たちに惑わされないようにしていくワケだ。

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▲“秩序”と“信仰”ではツリーの内容がまったく異なる。どちらの手法で人々をまとめるかはプレイヤー次第

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▲“信仰”で建設できる礼拝堂は非常に強力な建物。希望を上昇させ不満を減らすばかりか、ロンドン主義者を改心させられるアビリティまでも発動

今回のプレイでは、都市の発展が順調で人々の不満が少ないことも幸いした。暮らしも少しずつ好転していると人々は再び希望を抱きはじめ、ロンドン主義者たちの数を減らすことに成功。最後まで考えを変えなかった数人のロンドン主義者たちは都市を去ることを選択したが、ひとまず“ロンドン主義者”イベントを無事に乗り越えることができて、個人的に前回プレイのリベンジを果たせたことに感慨深い思いだ。ただ、このあとにさらなる絶望が押し寄せてくるとは思いもしなかったが……。

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▲イベントで下がった希望もここまで回復し、不満も0。不満だらけだった前回とは雲泥の差だ。信仰すげぇ!

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▲改心しなかったロンドン主義者たちは、都市を旅立ちロンドンを目指した。彼らとは二度と会えないだろう。なお写真ではたくさん人がいるが、実際に減った人口は3人だけだった

最悪の寒波がついに……マイナス150度を生き残れるか!?

ロンドン主義者の騒動が落ち着くと、今度は新たな難民が助けを求めて都市を訪れた。30名の病人を含んだ総勢70名で、このイベントが3回も発生する。どうするのか対応を選択するのだが、さすがに病床や食料面で全員を引き受けるのは厳しいと思い、健康な人だけを受け入れることにした。受け入れを拒否した病人たちのことは特に描かれないが、きっと長くは生きられないことだろう。だが、きれいごとだけでは『Frostpunk』の世界は生き抜けないのである。
そんな難民たち曰く、巨大な異常気象がこちらに押し寄せて来ているとのこと。今度はその異常気象に備えることが目的となる。ただ、筆者はここで手痛いミスをしてしまった。最初の目標は接近する嵐の規模を計測できる “ステレオスコピックレンズ”というテクノロジーを研究する、というもの(効果が出るというよりはイベントを進めるためのテクノロジー)だが、このテクノロジーがツリーから離れた場所にあったため気づけず研究が遅れてしまったのだ。結果、その次の目標の制限時間が短くなり、“食料を貯め込む”目標が達成できなかった。難民を受け入れたので人口が150人ほどに増えたことも大きな要因で、完全に食料生産が消費に追いつかない状況となってしまった。

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▲一難去ってまた一難、今度は多数の難民が助けを求めてくる。全員を助けるか、健康な人だけにするか、はたまた全員を見捨てるか。あなたならどうする?

だが、筆者の心境はまだ余裕だった。ジェネレーター関連のアップグレードはすべて済ませたし、住民の家もすべて最高クラスに立て替え済みだ。現在の気温はマイナス60度だが住民たちは暖かく暮らせている。石炭の生産量と備蓄上限も増大させ、ストックは20000個以上。食料以外は準備万端で、“嵐でもなんでもきやがれ!”状態であった。

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▲ジェネレーターの強化により、マイナス60度でも人々は暖かく暮らせている。これなら楽勝でしょ!

しかし……訪れた嵐は想像を絶するものだった。気温は日ごとに低下を続け、マイナス100度を下回ったあたりから最高クラスのジェネレーターで都市を暖めても、病気や凍傷になる人が出始めた。だが嵐はまだ終わらず、最終的にはなんとマイナス150度になってしまった。マイナス150度って! プレイ序盤にマイナス40度で大騒ぎしていたのはなんだったんだ、と思えるほどの極寒だ。ジェネレーターをオーバードライブで稼働させても焼け石に水で、家は凍りつき、人口の半分が病気となる地獄のような状態となってしまった。もはやプレイヤーである筆者は何もできず、祈るしかない状況のなかやっと嵐が通り過ぎた。我々は多くの犠牲を出しつつも最後まで希望を捨てず、ついに嵐を乗り切ることに成功したのだ! こうして無事にエンディングを迎えることができて感じたのは、大きな達成感と安堵感であった。「なんとか嵐を乗り切ることができた。良かった……」という思いを、予想よりも強く抱いたゲームプレイであった。

仕様の話をすると、嵐を乗り越えた瞬間にイベントが発生してエンディングとなりプレイは終了となる。その都市で嵐を乗り越えたあとの続きをプレイすることはできず、また遊びたい場合は再び最初からのスタートとなる。ちなみに最初のシナリオ“新しい家”で20日生き抜くと3つの新シナリオが解禁されるため、新たな『Frostpunk』を楽しめるワケだ。

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▲都市の外のマップ画面では、迫り来る嵐が見られる。近づかれたポイントは凍りつき、スカウト(探索チーム)などが飲み込まれたら確実に死亡してしまう

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▲マイナス150度の状態。食料は底をつき、住宅は凍りつき、病人が大量に発生。人は自然の猛威のまえにただただ無力である

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▲新シナリオのひとつ“ウィンターホーム”は、“新しい家”でも登場した都市ウィンターホームの滅亡まえが描かれているらしく、すぐ遊んでみたい!

プレイを振り返ってみると、想像以上におもしろいゲームであった。都市育成ゲームながら失敗したときのペナルティが大きく、時間経過による気温低下にも対応する必要があることから、失敗から立て直すのが非常に難しい。それゆえ初見プレイではとても高難度に思えてしまう。しかしプレイを通じてルールや問題の対策を学べば、次のプレイでは「もうすぐ気温が下がるからジェネレーターを強化して石炭の生産量も増やしておこう」といった、未来を見据えた戦略を立てながら遊べる。さまざまな事象の選択肢が多く用意されていることも楽しい。たとえば石炭の産出量を検討する際では、どこにでも作れるけれど運搬にも人員が必要になる“石炭採掘機”にするか、採掘だけの人員で稼働できるが産出量は低めで石炭鉱床にしか建設できない“炭鉱”にするか、はたまた文中で解説した前哨基地の建設を目指すといった手段があり、采配を試せる。
都市育成ゲームでどこに何を建設するかは、交通や公害を考慮して行うのがセオリーだった。しかし本作では、ジェネレーターという暖を得る場所を考慮して立てるのが新しい。ジェネレーターは都市の中心に最初から存在し新たに建設することができないため、ジェネレーターから遠い場所は寒くて機能しなくなってしまう。ジェネレーターを強化して暖かくなる範囲を広げたり、職場の暖房をオンにするなどして離れた場所の建物を暖かくすることもできるが、そのぶん石炭を余計に消費してしまうため、暖房は石炭の入手量を考えつつ強化していく必要がある。この調整に悩む感覚はクセになる。
都市育成ゲームながら、寒波が来るという絶望感を味わえるのも新鮮だった。ある日を境に急激に気温が下がって病人が増えていく。ジェネレーターを強化しようにも資源や時間が足りず、病人が死んでいくのを何もできずにただ見守る。恐怖と罪悪感に押しつぶされそうになる都市育成ゲームは、たぶん本作だけだろう。
戦略の多彩さからくり返しプレイしたくなるし、エンディングというゴールがあるためクリアまでのモチベーションも維持しやすい作品だ。じっくりプレイしたい人にはクリアが存在しないエンドレスモードも用意されている。新たに解禁されたシナリオも気になるので、筆者は引き続きプレイしていきたい所存だ。

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■タイトル:Frostpunk
■発売元:DMM GAMES
■対応ハード:PlayStation®4、PC
■ジャンル:シミュレーション
■対象年齢:15歳以上
■発売日:発売中(2020年2月27日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各3,980円+税


『Frostpunk』オフィシャルサイト

Published in Japan by DMM GAMES. 2020
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