Review

ギャルゲー×写真撮影『LoveR Kiss』ヒロインのベストショットを狙え!

ギャルゲー×写真撮影『LoveR Kiss』ヒロインのベストショットを狙え!

2019年3月14日に発売された『LoveR』は衝撃的なゲームだった。 キャラクターデザインは箕星太朗氏が手がけ、プロデューサーは杉山イチロウ氏。数々のヒット恋愛シミュレーションを手がけた心強いタッグによる独特のプレイフィールを持つ“ギャルゲー”は、熱狂的なファンを生み出した。ゲームのウリである“写真撮影”にハマってしまうと、コントローラーを手放せなくなってしまうのだ。
その衝撃的ギャルゲーの登場から約1年、完全版ともいえる『LoveR Kiss(ラヴアール キス)』が発売された。オリジナル版を購入していた人からすると完全版が出るのはちょっと早すぎるのではと思うかもしれないが、本作はなんとNintendo Switch™に対応し、そのうえ本作の醍醐味である“写真”モードが大幅にパワーアップしているという。筆者は“買わない理由を探している場合ではない”と考え、すぐさま予約をして発売日を待ちわびた。結果として今は『LoveR Kiss』にのめり込み、毎晩のように夜更かしをしてしまっている。このゲームはいろいろな意味で危険だ。今回の記事では恋愛アドベンチャーゲームを愛し、下手の横好きなカメラの趣味を持つライターが本作の魅力を紹介する。

文 / 浅葉たいが


ヒロインにカメラを向けられる幸せ

“カメラを向けて女の子を撮影する“というのはなかなかにハードルが高い。しかもそれが、女の子たちの自然な姿だったとしたらどうだろう。本作は主人公が父親から譲り受けたデジタル一眼レフを使い、”写真部“としての活動のなかで学校のキュートなヒロインたちを撮影していくという圧倒的合法感に守られた作品である。そのヒロインたちときたら、幼馴染、理事長の娘、駆け出しのスクールアイドル、実の妹、ハーフの美少女、そして小学5年生とよりどりみどりの”属性“を備えている。到底現実には起こりえないシチュエーションで”けしからん“カメラ撮影と、ヒロインたちと心を通わせていく恋愛模様を楽しむことができるのだ。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲デジタル一眼レフを手にした主人公は、堂島という強面の男子に勧誘され写真部に入部する。理事長の娘で高嶺の花の篁莉里愛(CV.近藤玲奈)との出会いが、主人公のカメラマンとしての一歩をスタートさせることになる

ヒロインたちとの恋愛模様は、アラフォーの筆者からするととてつもなくこそばゆい。そう、本作の物語はどれも”直球“の学園ものギャルゲーのそれなのだ。あるヒロインは夢や成し遂げたいもののために頑張っている、またあるヒロインは現在の自分の環境に息苦しさを感じている。それを見守り、ときに支えるのがレイヤーの分身となる主人公の役割なのだが、この主人公がヒロインたちをすさまじい包容力で包み込む。カメラを構えているときは若干変態チックな考えが入るものの、悲しんでいる女の子を見たら放っておけないというようなやつなのだ。こういうギャルゲーは1990年代から2000年代前半にかけて筆者もよく遊んできた、しかし、”泣きゲー“や”鬱ゲー“といったプレイヤーの琴線を刺激することで感動を与えるギャルゲーが流行したこともあり、現在では逆にこういう直球タイプは減ってきたように思う。だからこそ受け止める側としてくすぐったくも懐かしく、「こういうのは久々だな」という気分にさせてくれる。思えば杉山イチロウ氏の『フォトカノ』や『レコラブ』も、くすぐったくも清々しい気分で遊ばせてもらったものだ。
泣きゲーや鬱ゲーは確かに心にずっしりとくる。プレイヤーの心のなかに傷のようなものを残し、それがじんじんとするような作品も傑作といっていいだろう。ただ、個人的にギャルゲーに求めているのはそれ以上に”心に残るヒロイン“である。そういう意味では、”甘酸っぱい恋愛“とこうしてキーボードでタイプするだけで本当に酸っぱい感覚が訪れるような作品は、余計な心配をせずヒロインを愛でることを許してくれる。『LoveR』、そして『LoveR Kiss』はそういう作品なのだ。ヒロインたちを眺めてこれだと思う意中の人がいたら、安心してゲームをスタートしてもらいたい。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲さまざまな”属性“のヒロインたちが勢ぞろいしている。こちらは幼馴染の日向寺南夏(CV.伊藤かな恵)

箕星太朗氏の描くキャラクターは”繊細さ“というべきものが絵から立ち上ってくるような奥深さがある。いちファンとしてゲーム化作品なども待ちわびながら追いかけているのだが、本作が発表されたとき”3Dモデル”と聞いてやや不安に思ったことを思い出す。2Dの絵であれば、キャラクターデザインとゲーム内グラフィックの作り手が変わったとしても絵の持つ“らしさ”は消えないが、3Dモデルというのは元のキャラクターデザインを活かすことがなかなか難しいのだ。しかもそれが大画面で見るタイプの3DCGとなれば、ごまかしも効きづらい。
しかし、これはプレイしてみると無用の心配だったことがはっきりとわかった。本作の3Dモデルは、 箕星氏のキャラクターに含まれる繊細な部分を絶妙にとらえつつも、アニメーションのような豊かな表情を持たせている。スクリーンショットなどで撮影すると全く粗が出ないわけではないが、そんな粗を探すのが勿体ないほどに可愛らしいしバリエーションも多彩だ。ハイクオリティというよりも、愛情を込めて作られたといったほうがいいだろうか。本作の3Dモデルを作り上げた九印-quin-氏には感謝しかない。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲ヒロインの繊細な魅力を包み込んだような3Dモデルが用意されている。こちらは小学5年生のヒロインという恐ろしい設定を持つ姫乃樹凛世(CV.石川由依)

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲実の妹である優美菜(CV.花守ゆみり)。一部の写真撮影モードでは、豊富な衣装やアクセサリーを設定可能

ストーリーはサマーデイズ、撮影はラヴァーズデイズで楽しむ

本作のストーリーは“サマーデイズ”というパートで展開される。シナリオ自体は王道のギャルゲーであるものの、その進行システムには大きな特徴がある。本作では夏のある日から“リエル祭”と呼ばれる文化祭の日までを描いているのだが、その一日一日の行動をプレイヤー自信が決めて過ごすことになる。ヒロインと出会うために学園内の教室や体育館、プールなどの場所を訪れたり、ヒロインとの会話に大きな影響を与える主人公自身の能力値を育てるために部室に訪れたりできる。つまり本作はギャルゲーによくあるテキスト選択式のアドベンチャーゲームではなく、主人公をほどよく育成し、ヒロインと出会える可能性のある場所を訪れる作りになっている。こう書くと、恋愛シミュレーションゲームのようにきっちりとした攻略が求められるように感じるかもしれないが、“ハッピーエンド”を迎えるだけならそう難しくはない。ヒロインの出現場所は、場所ごとに表示される確率に従えばほとんどの場合に会うことができるうえ、1ヶ月という期間もそう短いものではない。全てのイベントを見ようとするとこれらのシステムを理解したうえでのプレイが求められるのだが、最初のプレイでは考えなくてもいいだろう。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲サマーデイズパートでは、意中のヒロインと会える場所に訪れるのが重要。画面写真は茶髪にリボンが映える中座ろみ(CV.高田憂希)。駆け出しのスクールアイドルとして活動している

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲こちらが本作の会話パート。下にあるアイコンのようなものを選択することで、“運動”なら運動関連の話題、“ほめる”ならヒロインの長所を褒めることができる。会話のバリエーションは実に多彩。写真はハーフの美少女、生野 C 香澄(CV.石見舞菜香)

サマーデイズで意中のヒロインとハッピーエンドを迎えると、ラヴァーズデイズというヒロインと両想いになったあとの日々を描くパートが解放される。ラヴァーズデイズでは物語はほとんど進行せず、カップルとしてのコミュニケーションのほか、サマーデイズ以上にディープな写真撮影を楽しむことができる。衣装、シチュエーション、撮影場所を指定し、撮影中は「かわいいよ」とか「セクシーに」なんて指示を出したりしつつヒロインの反応を引き出して写真を撮影する。筆者はこういう体験をしたことがないのでこれがリアリティのある描写なのかはわからないが、グラビアアイドルを撮影する巨匠カメラマンのような気持ちでラヴァーズデイズを楽しんでいる。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲ラヴァーズデイズでは、本編では撮れないような写真撮影に挑戦できる

撮影モードで使える機能は多彩で、実際のデジタル一眼レフライクな触り心地を感じる部分もある。オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えや、背景のボケなども調整可能。同じ背景や同じポーズでも、これらの設定を少し変えるだけで全く別の写真のように見えてくるから面白い。またカラーレンズを設定することも可能で、モノクロやセピア調の写真も撮影できる。UIが独特なので慣れるまでは狙ったような写真を撮ることが難しいが、そこもデジタル一眼レフのような”機材を使いこなしていく過程“として考えればなかなか味わいがある。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲声をかけて被写体の気持ちを高めるのもカメラマンの仕事。ヒロインたちの意外な一面を引き出すことも可能だ

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲カメラモードのUIは機能が多いため、最初から使いこなすのは難しい。そのぶん自由度は高く、工夫次第でいろいろな写真を撮影できる

ただし、このモードでは恋人同士にも恥じらいありというリアリティにこだわったためか、“思いどおりに撮影する”ことは若干難しくなっている。過激な要求ばかりしているとヒロインたちは恥ずかしがり、機嫌を損ねてしまうのだ。それをカバーするためにヒロインが恥ずかしがらなくなったり、モチベーションを上昇させる“アイテム”などを使う必要があるのだが、こちらの入手は一手間かかる。購入するために必要な“ラヴァーズコイン“は、ソーシャルゲームライクなログインボーナスやデイリーミッションで入手するという仕組みになっているのだ。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲各項目をクリアして、アイテム購入に必要なラヴァーズコインを入手する

追加された要素が最高すぎる

本作では、このラヴァーズデイズモード限定で化学の先生である冴稀陽茉莉と恋人関係になることができる。先に書いたように他のヒロインのラヴァーズデイズでは物語というものはほとんど語られないが、陽茉莉に限っては“回想”という形で主人公と彼女がいかにして結ばれたのかが描かれる。陽茉莉のCVは丹下桜さんが務めている。エキセントリックな言動のなかにときどき本音を交えてくれる陽茉莉の性格に絶妙にマッチしており、“メガネっ娘”にあまり興味のない筆者もときどきモニターのまえで呆けた顔をしていたような気がする。オリジナル版の『LoveR』をプレイしたという人も、このヒロインのために本作を楽しんでみてほしい。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲ラヴァーズデイズでは、冴稀陽茉莉(CV.丹下桜)との甘い日々を過ごせるようになった。陽茉莉パートのみの要素もあるので、新たな遊びとして楽しんでみよう

もうひとつの大きな追加要素であるペアフォトセッションも堪らない。これは名前のとおり、ヒロインをペアにして撮影を楽しむことができる機能だ。こちらはラヴァーズデイズと異なりサマーデイズをクリアーしなくても最初から解放されているので、プレイ開始直後でも撮影に臨めるのが嬉しいところ。しかも追加要素ということもあってか、こちらのモードではラヴァーズデイズのようにヒロインが照れて撮影が中断になることもないので、プレイヤーの思うがままに撮影できる。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲ペアセッションでは、ヒロインふたりの写真を撮ることが可能。組み合わせは任意で選べるうえ、衣装なども自由に設定できる

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲店舗別の購入特典でDLC衣装がもらえるのも要チェック。写真はebtenオリジナルコスチュームDLC“サキュバスナイト”。店舗特典衣装は過激なものが多いので、欲しい方はお早めに

PlayStation®4版とNintendo Switch™版が発売されている本作だが、実はハードによって見逃せない違いがある。それは、Nintendo Switch™版のみ“ウィークデイ インナーチェンジ”という機能が実装されており、これはとある“インナー”が週末に向けてセクシーなものに変わっていくというものだ。このハード別の違いについては、いちプレイヤーである筆者からは“大人の事情”としか推測できないが、極めて重要な差異であるため紹介させてもらった。こう書くとNintendo Switch™版のほうが優れていると思う方がいるかもしれないが、一概にそうとは言えないのが面白いところでもある。PlayStation®4版は背景の描画がより鮮明になり、一部シーンで音声入力にも対応。ギャルゲーの機能として新しいコミュニケーションにチャレンジしている。また、PlayStation®4版ではゲーム内のアルバムに録画することもできるので、写真以外でヒロインとの思い出を残しやすいというのも嬉しいところだ。以下に公式サイトから引用したハード別の違いを載せておくので、購入の際は自分の好みにあったものを選ぶといいだろう。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲プラットフォームごとの違いはこちらを参照(公式サイトより引用)

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲ウィークデイ インナーチェンジを楽しめるのはNintendo Switch™版だけ。PlayStation®4版にもオリジナルのメリットがあるので、自分に合ったほうを購入しよう

ギャルゲーは“テキストアドベンチャー”として制作されることが多いが、本作は“ゲームにしかできない体験”が詰め込まれた作品である。筆者個人としては、テキストアドベンチャーにはテキストとビジュアルと音が一体となって生み出される表現や、なにより“分岐”という他のエンターテインメントではできない部分にゲームならではの体験を感じるのだが、本作の制作陣はそれに飽き足らず本作を特殊なゲームに仕上げている。結果として、単純な選択肢ではない分岐や無限大の可能性を持つ写真撮影が合わさることで、『LoveR Kiss』が生まれたのだ。しかもその遊び心地は独特でありながら、非常に手触りのいいものとなっている(本作の前身となるのは、杉山イチロウ氏が過去に手掛けた『フォトカノ』だと推測する。この作品もギャルゲーと写真撮影を組み合わせた作品だったが、本作はプラットフォームの進化はもちろん、『フォトカノ』で得たフィードバックを用いて制作されているため、偶然の産物ではないクオリティとプレイフィールが保証されている)。

『LoveR Kiss』 WHAT's IN? tokyoゲームレビュー

▲写真撮影だけでも買う価値ありの『LoveR Kiss』。心動かされるヒロインがいたら、迷わずプレイを開始しよう

コンシューマーのギャルゲーで移植モノではない新作というのをほとんど見かけなくなった現在、『LoveR』のような新規IPというのは貴重である。本作の発売元である角川ゲームスは“Sweet One“という恋愛コンテンツの新ブランドを立ち上げてまで本作を世に送り出しているのだから、相当な気合の入りっぷりだ。ギャルゲーファンとしては”次“にも期待したいし、そのためには本作がより多くの人にプレイされることが一番の近道であるように思う。惹かれるヒロインがいるという方はぜひ本作を手に取ってもらいたい。
また、オリジナル版を買った方で本作の購入を迷っている方は、ハードを変えたプレイも検討してみてはいかがだろうか。個人的な感想だがNintendo Switch™でプレイするギャルゲーというのは、背徳感のようなものが湧いてきて妙な気分になる。全年齢向けのゲームが多く揃うハードで、表現の限界に挑戦しているゲームは尊いとすら感じる。気分によって、据え置きモードと携帯機モードというふたつのプレイスタイルで楽しめるというのも嬉しいところだ。オリジナル版からちょっと早すぎる完全版というのは確かだが、応援の意味も込めて購入した筆者はとても満足している。

フォトギャラリー

【募集終了】抽選で各1名様、計2名様に『LoveR Kiss コスチュームデラックスパック』PlayStation®4版、Nintendo Switch™版パッケージソフトウェアをプレゼント!

応募期間

※募集期間は終了致しました。

3月17日(火)~3月24日(火)23:59

【1】PlayStation®4版 1名様

【2】Nintendo Switch™版 1名様

【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、WHAT’s IN? tokyo Twitter公式アカウントのダイレクトメールにて後日ご連絡をさせていただきます。WHAT’s IN? tokyo Twitter公式アカウント(@whatsin_tokyo)のフォローをお願いします。
・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・賞品および当選の権利は当選者本人のものとし、第三者へ譲渡・転売することは一切禁止させていただきます。譲渡・転売が発覚した場合、当選を取り消し賞品をお返しいただく場合があります。

※個人情報の取扱いについて
・お客様からいただいた個人情報は、当キャンペーン当選者様へのお問い合わせのために利用いたします。なお、個人情報を当該業務の委託に必要な委託先に提供する場合や関係法令により求められた場合を除き、お客様の事前の承諾なく第三者に提供することはありません。上記をご承諾くださる方のみご応募ください。



■タイトル:LoveR Kiss(ラヴアール キス)
■発売元:角川ゲームス
■対応ハード:Nintendo Switch™、PlayStation®4
■ジャンル:恋愛シミュレーション
■対象年齢:17歳以上
■発売日:発売中(2020年2月27日)
■価格:パッケージ版 7,800円+税、ダウンロード版 7,255円+税


『LoveR Kiss』オフィシャルサイト

© 2020 KADOKAWA GAMES