Interview

戸塚純貴が“ワンシーン”にかける熱き思い。「役者冥利につきる」と語る、映画『ケアニン』での経験とは?

戸塚純貴が“ワンシーン”にかける熱き思い。「役者冥利につきる」と語る、映画『ケアニン』での経験とは?

名前にピンとこなくても、顔を見れば絶対「この人、知ってる!」となる。そんな神出鬼没にして唯一無比のインパクトを放つ、若きバイプレイヤーとして、近年ジワジワと頭角を現している戸塚純貴。ジュノンボーイ出身の精悍な顔立ちながらも、『痛快TV スカッとジャパン』のダメ彼氏や『銀魂2 掟は破るためにこそある』の山崎 退など、コメディリリーフな役回りを演じさせたらピカイチの彼だが、『ケアニン ~こころに咲く花~』では、介護士の青年・大森 圭をあくまで自然体でいきいきと演じている。

いまや誰もが無関係ではない介護のリアルを描きながらも、他者と繋がり、支え合って生きることの大切さを感じさせてくれる同作について、思いの丈を語ってもらった。

取材・文 / 井口啓子 撮影 / 増永彩子


おじいちゃんおばあちゃんのアイドルになります(笑)

ケアニン~こころに咲く花~ 戸塚純貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

『ケアニン ~こころに咲く花~』は2017年に公開された『ケアニン ~あなたでよかった~』の続編となる作品です。まず続編が決まった時の思いを教えていただけますか?

第一弾の撮影の時から、やれることなら第二弾、第三弾…と続けていきたいという熱い思いを監督やプロデューサーから聞いていたので、本当に嬉しかったです。『ケアニン』という映画は福祉関係をはじめ、本当にたくさんの人の支えがあって完成した作品で、今もいろんなところで上映が続いているからこその第二弾なんだと思うと感慨もひとしおだし、身が引き締まる思いもありました。

介護というテーマは若い世代にはまだまだ馴染みがないし、何が正解とかひとくちには言えない難しさもあります。不安やプレッシャーはありませんでしたか? 

ありました。僕自身、前作の時は介護に関する知識も全くなかったし、老人介護施設がどんなものなのか見たことすらなかったので、まず撮影前に、前回の舞台となった「おたがいさん」という小規模介護施設に遊びに行かせてもらって。そこで実際に認知症の方とお話をしたり、夏だったので竹を切って流しそうめんをして食べたり、一緒に時間を過ごさせてもらって。利用者さんとスタッフさんの関係が「ケアする人とされる人」というよりは、お互いケアしあってるみたいで、衝撃を受けたんです。介護って確かに大変な仕事ではあるんですけど、でも、それ以上にやりがいのある仕事だと、いい意味で構えすぎずに臨むことができました。

第二弾となる本作では、舞台が小規模介護施設から特養(特別養護老人ホーム)に移って、戸塚さん演じる大森 圭が勝手の違いに戸惑いながらも奮闘する姿が描かれるのですが、不勉強な身としては、介護施設といってもいろいろあるんだ!と単純な驚きや発見がありました。

そうですよね。「特養」って全国的にいちばん多い老人ホームの形態で、小規模多機能施設とは全く違う。利用者さんの数も多いし、痴呆症状があって思いを言葉にできないとか、食事も自分でできないとか、要介護度の高い人もたくさんいらっしゃる施設なんです。だからご飯の時間も決まっていたり、どうしてもシステマチックな介護になることもあって、大森 圭はそれになじめず戸惑うわけです。

大森 圭は介護を極めたいという熱い思いを持った青年で、悩みながらも真摯に仕事と向き合う姿がリアルで思わず応援したくなります。

大森 圭はかなり突っ走るヤツで、特に今回は自分の意見を押し通そうとして周りと衝突しちゃう。でも、彼の「できない理由を探すんじゃなくて、できる方法を考えましょうよ」って台詞は、ケアの本質的なものを言っていて、自分自身にも響いた言葉です。

ケアニン~こころに咲く花~ 戸塚純貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

確かに、介護の理想と現実を描きつつ、他のいろんな仕事にも通じる、いい台詞です。

どんな現場であれルールって、本来それを利用する人のために作られたものだと思うんですけど、そのルールがあるがゆえに利用者のためになることができないこともある。「特養」となると安全面も含めて難しい問題だと思うんですけど、そういう現実を踏まえた上で、いま自分がいるところで何ができるか?って考えることが大事なんだなと思わされました。

そういう介護の現実しかり、現場にいる人しかなかなか知り得ないことがたくさん描かれているのも本作の魅力ですよね。

そうですね。(劇中に登場する)ひでおさんがトイレをするシーンでドアに張り付いて「頑張ってくださーい」って声を掛けるシーンがあるんですけど、ああやって励ましたり、お腹をさすったりって介護の人にするとあるあるみたいです。

介護をテーマにした映画は昨今あるはあるんですが、こういった現場の細かなとこまでリアルに描いた作品はなかった気がします。

実際に介護のお仕事をされてる方からも、共感の声が多いみたいです。「ケアニン」って介護士だけでなく、介護の現場には他にもいろんなスタッフがいて、利用者さんだけでなく、そのご家族もいる。そういういろんな立場の方に共感してもらえることが、この映画の正解だと思って、監督も僕らもそこを誠実に描いていきたいという熱い思いで作ったので、そういう反応は本当に嬉しいですね。

実際にこの映画を見ると介護に対するイメージが変わりますし、そういう反響は嬉しいですね。『ケアニン』は映画館でのロードショーだけでなく、全国各地で有志団体による自主上映が現在も展開されているそうで、そういう作品の広がり方も素敵です。

僕も舞台挨拶であちこち行かせて頂きましたが、戸塚純貴を全く知らないおじいちゃん、おばあちゃんは、僕を見て「圭さん」って呼んでくれるんです。もともと若い人だけでなく、いろんな人に見てもらえる近い存在でありたいと思っていたので、本当に役者冥利に尽きますね。もう若い女子は諦めて、おじいちゃんおばあちゃんのアイドルになります(笑)。というのは冗談にしても、人間としても誠実に向き合っていかなきゃいけないなって背筋を正されますし、いま介護人材の不足が問題にもなっていますが、この作品を通して少しでもそれに貢献することができたら嬉しいです。

ライダー出身、イケメン俳優街道まっしぐらのはずが仕事ゼロ?「アウェイの現場は燃えます」

ケアニン~こころに咲く花~ 戸塚純貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

戸塚さんはジュノンボーイ出身で、デビュー当初はイケパラ(『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス』)~ライダー俳優(『仮面ライダーウィザード』)というイケメン俳優の王道を歩まれていたのが、いつしか横道に逸れて(笑)。いまや若きバイプレイヤーとして、独自の存在感を発揮されているわけですが、最初から現在のようなポジションを目指していたのでしょうか?

そうですね(笑)。実際、『仮面ライダーウィザード』が終わった後に、シリアスな脚本や好きな監督に憧れすぎて少しの間仕事がなくなりました(笑)。

なんと(笑)。

今だったら、そこに自分がいる意味を持たせるのが僕の仕事だし、やる前から決めつけちゃいけないと思えるんですけど、当時は年上の先輩の役者さんと一緒にお芝居をやりたいという思いが強くて。お芝居ってひとりでやるものじゃないし、ちゃんと相手の芝居を受けて、お芝居をするっていうのは個人的に大事にしてるところですね。

ケアニン~こころに咲く花~ 戸塚純貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

まさにバイプレイヤー気質!

もともと人の話を聞くのが好きだし、現場でも人のお芝居をみるのが好きなんです。特にワンシーンだけの役者さんとか、このワンシーンでどういうお芝居するんだろう、俺だったらこうするなとか、ずっと出てるメインの役者さんより気になってしまう(笑)。僕もワンシーンだけでいろんな作品にいっぱい出ましたけど、そういう時のお芝居って楽しいんですよね。

今回のように主役を張るのとはまた違った楽しみや快感がありそうですね。

見る方が僕のことを知らない、キャラクターの名前もどういうヤツなのかも知らない状態の時って、いちばんフラットにお芝居をみてもらえる状態だと思うんです。そのぶん緊張もするけど、そのワンシーンで、こいつどういうヤツなんだ!? って思わせたい。だからアウェイな空気も僕はすごい好きで、『ケアニン』の現場も最初はアウェイだったんで密かに燃えました(笑)。

ケアニン~こころに咲く花~ 戸塚純貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ジャンルでいうと、やっぱりコメディがホームベース? 

そうですね。もともとジム・キャリーが大好きで、ああいう存在になれたらなって。『マスク』は、子供が『アンパンマン』を見るように、ずっとリピートで流しながら、ビデオテープが擦り切れるほど見てました。

じゃあ、福田雄一監督(コメディの鬼才と呼ばれる劇作家・ドラマ演出家・映画監督。戸塚は2014年の『アオイホノオ』以来、多数の福田作品に出演)との出会いは運命ですね。

そうなんですよ。それまでも、自分の出る作品すべてを勝手にコメディにして演じてたんですけど、ぜんぜん認められなくて。福田監督に出会って、やっと拾ってもらえた(笑)。コメディに限らず、僕がお芝居してる時に見てる人が笑ってくれるのは、本当に幸せを感じる瞬間だし、どんな作品でもどんな役でも、見る人を笑顔にできる芝居ができたら嬉しいですね。


【募集終了】抽選で1名様に戸塚純貴さんの直筆サイン入りチェキをプレゼント!

戸塚純貴さん直筆サイン入りチェキ
応募期間

※募集期間は終了致しました。

4月1日(水)~4月8日(水)23:59


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・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
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・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
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戸塚純貴

1992年、岩手県生まれ。2011年、ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』で俳優デビュー。近年の主な出演作に、ドラマ『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜』(17~19/TX)『幸色のワンルーム』(18)『高嶺と花』(19/FOD)、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)『青の帰り道』(18)『ブラック校則』(19)などがある。現在はドラマ『死にたい夜にかぎって』(MBS)『純喫茶に恋をして』(フジテレビTWO)に出演中。今後は4月9日(木)より上演される舞台『たけしの挑戦状ビヨンド』に出演する。

オフィシャルサイト
http://www.box-corporation.com/junki_tozuka

オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/tozuka-junki/

フォトギャラリー

映画『ケアニン~こころに咲く花~』

4月3日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

出演:戸塚純貴 島 かおり 綿引勝彦
赤間麻里子 渡邉 蒼 秋月三佳 中島ひろ子 浜田 学 小野寺 昭
吉川莉早 鰐淵恵美 島 丈明 坂本直季 牧口元美/松本若菜 細田善彦 小市慢太郎

監督:鈴木浩介
企画・原作・プロデュース:山国秀幸
脚本:藤村磨実也 山国秀幸
プロデューサー:吉見ヒデキ
アソシエイトプロデューサー:彦惣康宏 小川明日香
製作:原 尚樹 有馬一昭 長田安正 野村弘幸 清水厚志
製作:「ケアニン2」製作委員会
制作:エイチエムプラス
配給:ユナイテッドエンタテインメント
共同配給:イオンエンターテイメント

【STORY】
ケアニンの仕事を追求すべく、小規模施設から大型の特別養護老人ホームに転職した介護福祉士の大森圭。しかし、「多くの利用者に対応するため」という目的の元に、効率やリスク管理を優先する運営方法に、大きな戸惑いを隠せないでいた。そんな中、認知症の老婦人・美重子が入所してくる。美重子を自宅で介護してきた夫の達郎は、施設を信用できず、担当の圭にも厳しくあたる。それでも、友人の美容師を施設に呼んで美容サロンを開催するなど、美重子や利用者のために奔走する圭。しかし、その行動も職場のチームワークを乱していると上司や理事長から叱責されてしまう。そんな折、圭は達郎のある「願い」を知ることになる―。

オフィシャルサイト
http://www.care-movie.com/2/

©2020「ケアニン2」製作委員会