Review

脳内の神ゲーを形にできる!『Dreams Universe』世界にシェアする面白さも!

脳内の神ゲーを形にできる!『Dreams Universe』世界にシェアする面白さも!

ゲームファンには、「こういうゲームを遊んでみたい」、「最高のゲーム考えた!」などと脳内オリジナルゲームの願望や構想を持っている人が少なくないでしょう。このたび、そんな人々の夢が叶うゲームが発売されました。ゲームクリエイティブプラットフォームというジャンルで、その名も『Dreams Universe(ドリームズ ユニバース)』。『リトルビッグプラネット』などを手掛けたイギリスの開発会社・Media Moleculeが制作しています。同社のFacebookInstagramでは、開放的でおしゃれなオフィスの写真や、和気あいあいと集うクリエイターたちの姿を見ることができます。そんな自由な環境で作られた作品……興味が出てきました。
実は本作、数量限定で製品版の一部機能を先行して体験できるアーリーアクセス版が2019年4月にリリースされていました。いち早く本作で作品をクリエイトしたユーザーからフィードバックを受け、そこから約10ヶ月後の2020年2月14日に製品版が発売。他のプレイヤーが作ったコンテンツをプレイできることに加え、製品版オリジナルのストーリーモードが遊べるなどの要素が追加された完全版です。さて、具体的にこのゲームではなにができるのでしょうか。ひととおり遊んでみた筆者は「思いついたことは何でもできてしまう。何でも作れてしまう」と答えたいのですが、それでは全然ピンとこないでしょうから、これから2回の記事にわたってその途方もなく大きな“夢の宇宙”について述べていきます。それでは、本作のトレーラームービーをご覧ください。正直なところ、ムービーを見ても何がどう作れるのかなどの具体的なことはわからないと思います。まずは「何かスゴイことができそうだ」と、それだけ感じ取っていただければ……。

文 / 内藤ハサミ


ゲームを作る、シェアして遊ぶ……何でもできてしまうスーパーツール!

本作でできることは大きく分けてふたつ、“コンテンツを作ること”と“作られたコンテンツを遊ぶこと”です。作れるものはゲームだけにとどまらず、アニメーション、音楽、3Dアートなど多岐にわたります。クリエイトした作品は全世界に向けてシェアすることができますし、他のプレイヤーがシェアした作品を鑑賞・プレイすることもできます。それだけではなく、シェアされている作品を自由に編集して技術を学び、自分の作品に活かすこともできます。思いついたことは、たいていのことが実現できてしまうのです。脳内では神ゲーの構想がいくつもある筆者、「超大作を作っちゃうぞ!」と息巻いていましたが、まずは基本的な操作方法や画面の見かたなどのチュートリアルを行います。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲“大いなる宇宙”を擬人化したような謎の存在が話しかけてきました。彼女から、本作のさまざまな楽しみかたを学んでいきます

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲円錐型のキャラクターに自身の分身、ナビゲーターとなる“チップ”を宿らせて操作します

チュートリアルは軽視しないでしっかりとプレイするべきです。本作の基本的な操作のひとつひとつは決して難しくありませんが、操作の感覚をつかむにはかなりの慣れが必要だからです。それに行えることがかなり多いので、操作のバリエーション自体がどうしても膨大になってしまうということもあります。実は筆者、今も直感的に動けているとは言い難いところがあります。ですが、チュートリアルをコツコツとプレイして操作や仕様を理解すれば、きっとスイスイとクリエイトできるようになるでしょう。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲移動やズームの練習もあります。些細なことに見えますが、ここでしっかり身に着けておくと実際にクリエイトする段階で役立ちます!

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲操作方法はかなり細かくカスタムすることができます。慣れると最もスムーズなのはモーションコントローラーでの操作かもしれません

操作のことだけで長く書いてしまいましたが、本作は“気軽・簡単に操作ができて、すんなり世界に入り込める”という類のゲームではないということをしっかりと述べておきます。直感的で結果をすぐに受け取れるゲームも本作で作り出すことはできますが、そのためにはまず基礎を地道に学ぶ必要が出てくるのです。面倒に感じるかもしれません。しかし、その先にはものすごく大きな達成感と喜びが待っています。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲ツタの絡んだゲートを作っているところですが、ここにもチュートリアルで学んだ知識のあれこれが役立っているのです

……なーんて書いてはみたものの、まだ筆者も不慣れな初心者です。いきなり作品を作り出すことは難しそう。そんなわけで、まずは他のプレイヤーが作った作品をいくつかプレイすることにしました。きっとまだ知らない技術を学べるに違いないですからね。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲メニューの“ドリームサーフィン”から、他のプレイヤーが作ったゲームを遊ぶことができます

ドリームサーフィンには、世界のプレイヤーが生み出しシェアをしたおびただしい数の作品が並んでいます。サムネイルだけを見ても素人感が全然感じられないことにまず驚きました。それにグラフィックのパターンもそれぞれに全く違うのです。「こんなにたくさんの素材がゲームのなかにセットされているの? もしかしてオリジナルデザインのグラフィックを反映させているの?」、「まさかこの音楽はオリジナル!? サウンドもエディットできるの?」など、瞬時にたくさんの疑問が浮かびます。いったいどうすればそんなバラエティに富んだ作品を作ることができるのでしょう。全くわからん……。しばらく未来にタイムリープした人のように、口をぽかんと開けて完成度の高い作品群を眺める筆者でした。

世界中の投稿作品でクリエイトの可能性を知り、作品に活かす

さて、選びきれないほどシェアされた作品から、『アートの夢』というMedia Molecule製のゲームを遊んでみることにしました。これは製品版から追加されたコンテンツで、落ちぶれたコントラバス奏者の見る夢のなかを冒険するという作品です。プレイ時間はじっくり遊んでも3時間くらいなので、気軽に遊べますね。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲ぬいぐるみを操って進む爽快なアクションパートだけでなく……

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲本人が登場するアドベンチャーパートやシューティングなど、さまざまなジャンルがひとつの作品に盛り込まれています

オブジェクトを工夫して使う脱出ゲームのような謎解き、ポインタとなるチップを引っかけて動かす仕掛けなども紹介されています。プレイしただけではドリームサーフィンのサムネイルを見ていたときと同じで、どう作っているのか想像もできませんでしたが、驚くほど豊かな表現が本作のシステムで作れるということだけはわかりました。……理論上は! つまり本作は“ステージや仕掛けをエディットできるゲーム”というより、本職のゲームクリエイターが使うような開発ソフト、いわゆる“ゲームエンジン”に近いものだということですね。プログラミング言語を知らなくてもプログラムの基礎・構造を学んでいける、ビジュアルプログラミングのソフトに近いかもしれません。それをプログラムの知識がないゲームファンにもクリエイトしやすいように整えられていて、作品の発表の場まで用意されているという至れり尽くせりな環境なのです。詳しいことはまだまだわかりませんが、この『アートの夢』が『Dreams Universe』の機能だけを使って作られているのだということが、筆者の自信とやる気を呼び覚ましました。さらにその後、世界のプレイヤーがシェアしている膨大な数の作品を遊んで刺激を受け、さらに高まる気分! よーし、神ゲー作っちゃうぞ!

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲クリエイトの勉強にもってこい。決められたお題をこなす“チップクエスト”にチャレンジする筆者ですが、項目が今見えるだけで89個もありますね……

チップクエストの物量に一瞬ひるむも、すべてを順番にクリアする必要はありません。ただ筆者の性格として、ひとつひとつチャレンジしていくことにしました。まずはひとつめのクエストに着手。“Ancient Times”という古代遺跡オブジェクトのセットを使って村をクリエイトし公開する、という内容です。基本的にはリストから選んだオブジェクトを置いていくだけ。簡単ですね。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲初期位置にサークル型のオブジェクトが設置されているほかは、すべてまっさら。ガイドに従って作っていきます。もしわからないことがあってもいつでも見ることができるTipsを丁寧に読めば解決しますし、チュートリアル動画も見ることができるので、とにかく手を動かして実際にツールを使ってみるのがいいでしょう

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲「高低差のあるマップはロマンたっぷりだよね!」ということで、階段をつけてみることにしました

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲素材も初期セットだけでこんなにあります

各オブジェクトは大きさも自由に変えられますし、左右反転も簡単にできます。たとえば、草むらのオブジェクトをただポンポンとスタンプしていくといかにも作られた感じがして不自然ですが、大きさや角度を変え反転なども組み合わせて配置することで、自然さを出すことができます。なるほど、プロもこうしてマップにオブジェクトを置いているんですね。さっそくクリエイターの技をひとつ習得した気がします。

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲階段の上に半月型のフロアを配置。数種類のオブジェクトしか使っていないのですが、けっこう自然に廃墟の感じが出てませんか?

Dreams Universe WHAT's IN? tokyoレビュー

▲別のクエストにも挑戦。キューブがゴロゴロ転がるなかでのサッカー……はちょっとやりすぎですね。ボールを追うのに鬱陶しいだけでした。奇抜な思いつきも面白さにつながらなければストレスの種です。勉強になりました

こんな感じで次々とクエストをこなしていくのですが、ステージを作りきってから次に進んでいるので、今のところひとつのクエストあたり平均1時間以上かかっています。しかし、ひとつのクエストをしっかりプレイすることで、いくつもの発見と学ぶべき点が見つかります。先ほども述べたとおりオブジェクトを自然に並べる方法だとか、プレイヤーの視点をオブジェクトの巧みな配置で誘導してスムーズなゲームの流れを作ることだとか。チップクエストで作った作品も公開することができます。使える機能に制限はないので、クエストのお題さえ守っていれば自由な作品に仕上げることができます。きっちり決められた練習をしているという感じではないのがいいですね。
こうして大勢のプレイヤーが試行錯誤を重ね、良いものができたらシェアする。その技術やメソッドをまたシェアし、さらに多様でクオリティの高いものを生み出す。こんなふうにプレイヤー全体が影響しあい成長していける仕組みは、とてもエキサイティングな楽しさがあります。ゲーム制作のゲの字も知らぬ素人の筆者ですが、2回目の記事では皆さんにひとつの作品を紹介したいと思っています。どこまでできるかはわかりませんが、ただいま楽しく制作中です。次回も奥深い本作の魅力をお伝えします!

フォトギャラリー
Dreams Universe ロゴ

■タイトル:Dreams Universe
■発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
■対応ハード:PlayStation®4
■ジャンル:ゲームクリエイティブプラットフォーム
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2020年2月14日)
■価格:パッケージ版 4,900円+税、ダウンロード版 5,390円(税込)


『Dreams Universe』オフィシャルサイト

©2020 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Media Molecule.