Interview

ドラマ初出演がウルトラマン。新世代ヒーローが過ごした半年間の重みとは? 井上祐貴、『ウルトラマンタイガ』との日々を振り返る

ドラマ初出演がウルトラマン。新世代ヒーローが過ごした半年間の重みとは? 井上祐貴、『ウルトラマンタイガ』との日々を振り返る

2019年7月から半年間にわたって放送されたウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンタイガ』。“ウルトラマンタロウの息子”が登場する作品であるとともに、主人公・工藤ヒロユキがタイガ、タイタス、フーマという3人の異なるウルトラマンに変身できるという、これまでのシリーズにはなかった試みに挑戦していることでも注目を集めた。

そんな『ウルトラマンタイガ』の半年後を描いた『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』では、2013年の『ウルトラマンギンガ』から7年にわたって続く新世代のウルトラマンシリーズに登場する“ニュージェネレーションヒーローズ”と呼ばれるウルトラマンが集結する。工藤ヒロユキ役・井上祐貴は、その中心に立つことにプレッシャーを感じつつも「どっしり構えて“誰がなんと言おうと、中心にいるのは工藤ヒロユキだ!”と思えるぐらいの自信を持って演じようと思った」と語る。その決意の背景にある、工藤ヒロユキとともに成長した半年間を改めて振り返ってもらった。

取材・文 / とみたまい
構成 / 柳 雄大 撮影 / 樋口 涼


スーツアクター、声優と3人がかりで作り上げていったウルトラマンタイガ

『ウルトラマンタイガ』TVシリーズが昨年12月末に終了しましたが、主人公・工藤ヒロユキを演じたこの半年間はどんな思いで取り組まれていたのでしょうか?

井上祐貴 ヒロユキとタイガの成長を通して、「地球人も宇宙人もウルトラマンも“生きているもの”として同じ命なんだ」ということを、観てくださるみなさんに伝えることができたらいいなあと思いながら、僕はこの半年間ヒロユキとしてお芝居に取り組んでいました。

あと、クランクインの際に市野(龍一)監督と「視聴者のみなさんには、ヒロユキの目線で『ウルトラマンタイガ』を楽しんでいただくのが一番いいよね」と話していたんです。

ヒロユキの目線とは?

井上 ヒロユキは「民間警備組織E.G.I.S.(イージス)」の新人として第1話で登場して、回を重ねるごとにどんどん色んな事を理解していきますが、その感じって『ウルトラマンタイガ』を初めて観るみなさんと重なるところがあるんじゃないかなと……つまり、“視聴者に一番近い目線”を持っているのがヒロユキだと思ったんですね。

タイガにも「こんなに精神年齢が低いウルトラマンってこれまでいなかったんじゃないかな?」って思うぐらい幼いところがあって、『ウルトラマンタイガ』はヒロユキだけじゃなく、タイガも成長していく物語になったんです。そういう意味でも、先ほど言ったように「地球人も宇宙人も同じなんだ」と強く問いかけている作品だと思ったので、そこをしっかりとお伝えしたいと意識していました。

ウルトラマンタイガ 井上祐貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

井上さんご自身も『ウルトラマンタイガ』がドラマ初出演かつ初主演ということで、ヒロユキとタイガとともに成長していくような感覚があったのではないかと思います。

井上 そうですね。本当に多くの経験をさせていただいた、貴重な時間でした。例えばタイガが“闇落ち”した第16話は、ヒロユキ自身も闇に飲み込まれそうになりながらタイガと対話するシーンがありましたが、タイガを演じるスーツアクターの岩田(栄慶)さんと「どうやって演じようか?」と話し合って作っていったんです。そういった時間が僕にとってはすごく貴重で……エネルギーをかなり使った16話でしたが、いろんな経験をさせていただけた回でもあったと思っています。

ウルトラマンタイガは、変身前の工藤ヒロユキを井上さんが演じ、変身後をスーツアクターの岩田さんと声優の寺島拓篤さんが担当されています。岩田さんとはそうやって現場ですり合わせをされたということですが、寺島さんとはいかがでしたか?

井上 アフレコでは寺島さんが先にタイガの声を入れて、その後に僕がタイガと会話するシーンの声を入れることが多かったんです。なので、少し早めにスタジオに行って寺島さんのアフレコを聞いて、その後の僕のアフレコが始まるまでの間、少しお話しさせていただくこともありました。

「あのシーンはちょっと強めにセリフを入れたから、強めに返してもらえるといいよ」みたいなアドバイスをいただくことが何度かあったので、そういったディスカッションができるのはすごく良かったし、楽しかったし、「勉強になるなあ」と思いながらお話しさせていただきました。

ウルトラマンタイガ 井上祐貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ウルトラマンとして過ごした半年間、最も忘れられないことは……

そういったやり取りも含めて、この半年間でいろんな“初めて”が詰め込まれた現場を経験されたと思うのですが、そんななかで発見したご自身の“役者としての強み”はありますか?

井上 いまの時点で“自分の強み”とは言えないけれど、「これが自分の強みです」と言えるように頑張りたいなと思っているのはアクションです。『ウルトラマンタイガ』で初めてアクションをやりましたが、実際に映像を観ると、思っていた以上に自分がカッコよく映っていたんです。それは「(自分が)カッコいいアクションができた」というよりも、カッコよく撮っていただいたからなんですけど……。

「もうちょっとカッコよくできたんじゃないかな?」と心残りだったシーンが、映像で観たらすごくカッコよく映っていて。「ってことは、もっとちゃんとやればもっとカッコよくできるな」と強く感じたんです。そういった思いをきっかけに、これから役者としてお芝居を続けていくなかで、「僕の強みはアクションです」と言えるようになりたいなと思って、いま頑張っているところです。

実際にいま、アクションのレッスンに通われているとのことで。『ウルトラマンタイガ』に出会わなければ気づかなかった視点かもしれませんね。

井上 そうですね。このタイミングでよかったなと思います。5年後、10年後にアクションのある作品に出会って初めて気づくよりも、いまのタイミングで気づけてよかったなあと……スーツアクターさんのすごさも間近で見させていただけたので、勉強になりますよね。

アクションのレッスンに通い出して、改めてスーツアクターさんのすごさを身に染みて感じています。僕はまだ体がかたくて、あんなに足が上がらないですもん(笑)。

ウルトラマンとして半年を過ごしたなかで、一番テンションがあがった瞬間は?

井上 初めて変身したシーンですね。いま見返しても、ちょっとゾワっとします(笑)。僕は小さい頃からヒーローが大好きで、オモチャを使って変身ポーズをやったりしていたので、そうやって遊んでいた頃の自分を思い出しながら第1話の変身シーンを見ると……やっぱり嬉しいですよ。僕のなかではすごく思い入れの深い、初変身のシーンです。

ウルトラマンタイガ 井上祐貴 WHAT's IN? tokyoインタビュー

小さい頃に好きだったウルトラマンや怪獣は?

井上 特に好きだったのがウルトラマンコスモス(2001~2002年放送『ウルトラマンコスモス』)です。市野監督はウルトラマンよりも怪獣が好きな“怪獣派”らしいんですが、僕は断然ウルトラマンです。ウルトラマンが一番カッコいいと思います。だって……ねえ? 絶対にカッコよく作ってあるんですもん(笑)。ただ、怪獣もいろんなタイプがいるので面白いですし、人気があるのもわかります。怪獣のなかだったら、僕は『ウルトラマンコスモス』にも出てきたバルタン星人が好きですね。

工藤ヒロユキとして出演されている、全国6都市ステージツアー「ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE」でもバルタン星人が登場します。

井上 そうなんです。僕が小さい頃にテレビで見ていた怪獣と、まさかステージで共演するとは思いませんでした(笑)。ステージでは必死に戦っていますが、改めて考えると……すごいことですよね? 大人になって生身でバルタン星人と戦うとは、小さい頃の僕は想像していなかったと思います。

小さい頃の井上さんのように、ウルトラマンに憧れてステージを観に来たお子さんたちとのハイタッチ会もあったようですが?

井上 はい。お子さんたちがすっごく可愛くて。でも、みんな僕が腰に下げているウルトラマンタイガホルダーとキーホルダーに夢中で、そっちばっかり見てハイタッチしてくれないなんてこともあります(笑)。

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