Review

ローグライクの高い完成度だけじゃない『ボイド・テラリウム』新しい楽しさと刺激を確認

ローグライクの高い完成度だけじゃない『ボイド・テラリウム』新しい楽しさと刺激を確認

右の眼孔から、目ではない何かをにょきっと生やした可愛らしい少女がこちらを見ている……という、ショッキングなパッケージが目を引く『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』は日本一ソフトウェアの作品です。「とても厳しい環境にある少女を題材にしたものが多い」とファンの間でも良く語られている同社作品の例に漏れず、本作もなんとなくパッケージを見るだけで退廃的な雰囲気が漂ってきます。“ローグライクお世話RPG”という、今までに聞いたことのないジャンルのゲーム内容とはどのようなものなのでしょうか。本稿を読み進めるまえに、プロモーションムービーで世界の一端を体験してみてください。

文 / 内藤ハサミ


滅びた世界で少女が生きるためには……

プレイヤーが操作するのは、レトロテレビのような立方体の頭部が可愛らしい“ロボ”です。スクラップだらけの荒廃した土地で記憶もなくロボは目覚めます。そして彷徨った果てにたどり着いた場所で、瀕死となっている人間の少女・トリコと、この世界を滅ぼした元凶であるという“ファクトリーAI”に出会います。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲気弱で気さくな性格のファクトリーAI。とても世界を滅ぼしたとは思えません。世界滅亡についても人類から受けたひどい扱いに耐えかねた結果だとはいえ、「やりすぎた」と反省している様子です

おそらくたったひとりの生き残りである人類のトリコが弱っていくのを見過ごせないふたつの機械。その場から動けないファクトリーAIはトリコの具体的な世話の方法を指南したり、探すべき素材の選定をするなど知恵を貸し、ロボがダンジョン探索、クラフト、トリコの世話などをするというかたちで分業し、彼女が安全に生きていけるような環境を作ることにしました。トリコは“汚染菌糸”に侵され、体中からキノコが生えてきてしまっていますが、これは生きていくには問題ないようですね。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲今にも命が途絶えようとしているトリコを救わねば。それにしてもグラフィックが美しいですね。柔らかな光の表現など、静かでほのかに温かい空気感が伝わってくるようです

さあ、ロボことプレイヤーがこれから担当する作業はとても多いので、張り切っていきましょう。本作の面白いところは、ローグライクゲームであると同時に育成と箱庭遊びの要素もある点なのですが、これらを同時にこなしていかなければなりません。自動生成されるダンジョンに潜ってトリコの世話に役立つアイテムを探して持ち帰ること、これがプレイの主軸となります。しかしそればかりにかまけているわけにはいきません。ダンジョンの奥深くに潜ろうとしても、トリコはすぐにお腹が空いてしまいますし、部屋を掃除していないなどの理由で病気にもなってしまいます。頻繁に戻ってトリコの面倒を見る必要があるのです。ずっと心のどこかでトリコの体調を気にしながらのプレイというのは、育児に似ているかもしれません。まあ、ダンジョンに潜ったり敵と戦ったりすることは、子供の世話をする生活には登場しませんが……。儚い命を守りながら危険なダンジョンを探索するという状況は、カタルシスを生みますね。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲左下のドット絵画面が、トリコの体調や環境を示す“おせわっち”。これを常に確認し、ダンジョン探索中であってもトリコに異常があればすぐに帰還しなければなりません

特に序盤は、ダンジョンの深堀りよりもトリコの世話を優先させたプレイが必須となります。体調や環境が悪いまま放っておくとトリコはいずれ死んでしまい、ゲームオーバーです。ストイックにダンジョンのことだけを考えて立ち回るスタンダードなローグライクゲームとはかなり違いました。当初は面食らいましたが、それが不自由で鬱陶しいのではないかと感じたのは最初だけでした。トリコの体調をチェックし、食料を食べさせ満腹にしてあげてからダンジョンへ出かけます。そしてストーリーのキーアイテム、トリコの住むテラリウムに置けるオブジェクトなどがクラフトできる素材、トリコの食料などを手に入れて帰還します。クラフトをした種類が多いほど、ロボの基礎能力やトリコの腹持ちが良くなるなどのボーナスが付くので、次の冒険が少しずつ楽になるのです。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲作ることができるオブジェクトは、ダンジョンでレシピを拾うことなどで増えていきます

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲作ったきのこの小屋をさっそく設置。置くオブジェクトはロボのステータスなどにまったく影響しないので、自由なセンスで飾りつけちゃいましょう

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲テラリウムのなかにいるトリコは対応するボタンで“かまう”ことができます。トリコが起きていれば、最高に可愛らしい笑顔を見せてくれます

本作にはデスペナルティがまったくありません。ロボのHPがゼロになり倒れてしまっても、それまで手に入れたアイテムではクラフト素材と後述するロール解放アイテムはそのまま手に入り、食料以外は素材と同様にクラフトをする際必要な“資源”に変換されます。道中拾った武器や防具などのアイテムをそのままの形で持ち帰れないというのは少々寂しい気もしますが、資源が貯まる満足感もありますし、1回の探索で得たものはその場限りというのも緊張感があって面白いです。また、こういう仕様のため一度の探索時間が短くサクッと遊べて気軽なので、トリコの存在が足枷になるのではという心配は杞憂でした。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲むしろトリコの笑顔を守ることが、探索のモチベーションを高めます

戦闘はプレイヤーがワンアクションすると敵も同時にワンアクションするターン制で、自分が動かなければ敵も動かない、というローグライクゲームのお約束どおりです。一挙一動を考え抜いて窮地を切り抜ける楽しさを存分に味わうことができます。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲敵を斬ったときの「ジャキーン!」というSEは爽快です

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲ダンジョン内には敵、罠、アイテムがぎっしりと配置されている“モンスターハウス”もあります。倒されてしまうリスクは高いですが、うまく立ち回れば経験値もアイテムもガッポリ手に入る、恐ろしくも魅力的な部屋です

ストレスを感じにくい操作性もテンポの良いプレイに貢献しています。動きの遅延を全く感じずスムーズな展開ですし、特にダッシュについてはボタンを押している間だけ進み、離せば通路の途中でもピタリと止められるところが非常に優れています。ほんの少しだけダッシュして敵の数マス直前で止まりたい場合など、緻密な足運びがしやすいです。斜め移動、その場でロボの方向を変える操作感だけは少々クセがありますが、慣れれば快適に変化。レベルもサクサク上がります。ロボはレベルアップすると必ずスキルを覚えることができ、提示されるふたつの候補から欲しいスキルを選びます。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲“攻撃は最大の防御”を信条としている筆者はだいたいATK(アタック)強化を重視する傾向なのですが、防御に特化した成長をさせたり、バランスよく成長させたりすることもプレイヤー次第です

スキルには、単純にステータスをアップさせるもの以外にもアイテム所持枠を増やすものがあったり、リュックの中身が謎のアイテムに変換され使用するまで効果がわからないという、有利になるか不利になるかが全く読めず使いどころが難しいものまでかなり多くの種類があります。選択候補に挙がるスキルの傾向をある程度決められる“ロール”も探索中に見つけられます。次回の探索からセットすることができるので、ランダム要素はあれど自分のプレイスタイルに合わせてある程度の方向性を決められるのは他作にない面白さですね。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲レベルアップするたび、ある程度自分好みの性能にロボをカスタムしていけます

他は平均以下だけれど攻撃力だけが異常に高いとか、ステータスに際立った高さはないけれど攻撃にいやらしい特殊効果やランダム効果を付けまくった出たとこ勝負の性能だとか、ピーキーに成長させる楽しみかたも可能です。併せて、アイテム取得をあまり気にせずロボの強化だけを目指してガンガン進む、アイテムなどをフル活用して堅実に一手を考え抜きながら進むなど、ダンジョン攻略の方針自体もこだわっていけます。同じダンジョンでもこのように個性的な要素が多数盛り込まれていますが、ローグライクゲームとしてのクオリティは安定していて遊びやすいです。

ゲームに深みを与える“汚染度”システム

筆者が本作で一番面白いシステムだと思っているのは“汚染度”です。ダンジョンに落ちているアイテムにはそれぞれ汚染度が設定されていて、その度合いによって効果がやや変わります。汚染度の高い食料を与え続けているとトリコは病気になりますから、定期的に汚染されていないものを与えなければなりません。病気はダンジョンで材料を手に入れて薬をクラフトすることで治せますが、手間はそれなりにかかります。一方のロボは汚染の影響をほとんど受けません。なので、汚染アイテムを使用する時と場合によっては有利に働くこともあるのです。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲強い汚染によって攻撃力の上昇値は下がったものの、特定の敵に与えるダメージボーナスが増えた武器

汚染アイテムから多く取れる資源もあるので、拠点に持ち帰ることにも大きな意味があります。汚染されたアイテムの効果も見越してやりくりすることは、ダンジョン探索をよりエキサイティングにする良い効果を生んでいると感じます。

ボイド・テラリウム WHAT's IN? tokyoレビュー

▲これは誰の視点でしょう。ひとりと2体に接触してきたのはいったい誰?

さて、滅びの未来は回避しようがないだろうということで、せめてトリコ、ロボ、ファクトリーAIの3体が仲良く楽しく命が尽きるときまで暮らしていく環境を築こう……とストーリーを進めていたのですが、中盤からは謎のキャラクターが接触をしてくることで少し話が変わってきます。ロボたちの知らないところで何が起こっているのか。そして、最終的にプレイヤーが下すことになる決断とは? 衝撃的な展開についてはぜひゲーム内で確認してください。探索と世話の果てに待ち受けているものには、きっと筆者と同じようにプレイヤーの皆さんも驚き戸惑い、「幸せとは何だろう?」と自問してしまうはずです。
クラフトでロボの基礎能力が底上げできることもあり、ローグライクの形式に慣れているプレイヤーであれば難度はそこまで高く感じないでしょう。だからといって簡単すぎるわけではなく、歯ごたえは充分。水準の高いローグライクゲームというだけでなく、トリコの世話やレベルアップごとにスキルを選択するなどの独自システムがプレイヤーに新鮮さを与えてくれるはずです。デカダンな雰囲気とややグロテスクな表現は好みが分かれるところですが、この世界のイメージに少しでも惹かれたならば、そのまま飛び込んで絶対に損はないとおすすめします。

フォトギャラリー

【募集終了】抽選で各1名様、計2名様に『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』PlayStation®4版、Nintendo Switch™版パッケージソフトウェアをプレゼント!

応募期間

※募集期間は終了致しました。

2月20日(木)~2月27日(木)23:59

【1】PlayStation®4版

【2】Nintendo Switch™版

【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、WHAT’s IN? tokyo Twitter公式アカウントのダイレクトメールにて後日ご連絡をさせていただきます。WHAT’s IN? tokyo Twitter公式アカウント(@whatsin_tokyo)のフォローをお願いします。
・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・賞品および当選の権利は当選者本人のものとし、第三者へ譲渡・転売することは一切禁止させていただきます。譲渡・転売が発覚した場合、当選を取り消し賞品をお返しいただく場合があります。

※個人情報の取扱いについて
・お客様からいただいた個人情報は、当キャンペーン当選者様へのお問い合わせのために利用いたします。なお、個人情報を当該業務の委託に必要な委託先に提供する場合や関係法令により求められた場合を除き、お客様の事前の承諾なく第三者に提供することはありません。上記をご承諾くださる方のみご応募ください。


ボイド・テラリウム ロゴ

■タイトル:void tRrLM(); //ボイド・テラリウム
■発売元:日本一ソフトウェア
■対応ハード:PlayStation®4、Nintendo Switch™
■ジャンル:ローグライクお世話RPG
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2020年1月23日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各6,980円+税


『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』オフィシャルサイト

© 2020 Nippon Ichi Software, Inc.