Interview

『影裏』綾野 剛&松田龍平、止まらぬ互いへのリスペクト。2人の人生を変えた“映画俳優”という仕事への思いとは?

『影裏』綾野 剛&松田龍平、止まらぬ互いへのリスペクト。2人の人生を変えた“映画俳優”という仕事への思いとは?

「第157回芥川賞」を受賞した沼田真佑の小説『影裏(えいり)』が待望の映画化。物語に惚れ込んだ大友啓史監督がメガホンを取り、主演には監督と製作陣の熱望により綾野 剛、松田龍平がキャスティングされた。

転勤で盛岡に移り住んだ今野秋一は、同い年の同僚・日浅典博と出会う。慣れない土地で心を許せるのは日浅ただひとり。たくさんの時間をともに過ごし、親友と呼べるまでに仲を深めていった。しかし、日浅は突然会社を辞め、姿を消してしまう。今野は日浅の足跡を辿りはじめるが、これまで自分が見てきた彼とはまったく違う顔を知ることになる。

主人公の今野を綾野、失踪する謎の男・日浅を松田が演じる。いまや日本の映画界になくてはならない存在のふたり。インタビューでは、お互いの印象や受けた刺激など、撮影期間を振り返り語ってもらった。

取材・文 / 上條真由美 撮影 / 斎藤大嗣


松田龍平は唯一無二の人(綾野)

個人的に、おふたりの本格共演が初めてだということが意外でした。

綾野 今回、大友さんが監督で日浅を龍平が演じると聞いて、出演を決めました。龍平とはプライベートで先に出会っていて、お互いに普段の姿を知っているからこそ共演にはある種の緊張もありましたが、「タッグを組んでひとつの作品をつくれる」というワクワク感のほうが大きかったです。「ようやく、このふたりが共演してくれた」と喜んでくれている方も多いのではないでしょうか。

お互いの印象や共演してみて感じたことがあれば教えてください。

綾野 もともと龍平の無駄のなさが好きでした。僕はわりと無駄が多いほうなので、「自分に無いものを持っているイイ男」と思っていたんです。お芝居も感覚だけでやるのではなく、思ったことや感じたことを表に出す彼にしかできない表現で、今回それを目の前で見せてもらいました。撮影を通して、僕が松田龍平という人間をなぜ好きなのかが明白になりました。唯一無二の存在です。

松田 綾野くんはしっかり者という印象があったので、お芝居でもキャラクターをかっちり固めてくるのかなと思っていたんですが、実際は現場の感覚を大切にするタイプでした。僕は自分が演じる日浅についてあれこれイメージして撮影に臨みましたが、同僚や家族から「実はこういう一面もある」と語られる部分もある人物なので、考えれば考えるほどどう演じたらいいかわからなくなってしまったんです。シーンのほとんどが綾野くんとふたりでのお芝居だったんですが、彼が場の空気感をつかんで柔軟に演じる人だったから、安心して身を委ねることができました。

影裏 綾野 剛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

今野も日浅も内に秘めるものがある人物でしたね。役づくりは苦労されたのではないですか?

綾野 今野に関してあらかじめ決めておいたことはありません。現場で大友さんとロケーションとディスカッションを繰り返して、少しずつ輪郭をつくっていきました。今野を演じるというより、今野を生きるという感覚。盛岡に行ってその感覚がさらに強まりました。

松田 日浅はつかみどころのない人物だと感じました。人は誰かとコミュニケーションを取るとき、大事に思っているかや好きなのか、その気持ちの大きさなどが相手に伝わるものですが、日浅は誰に対してもフラットに接するので、何を考えているかわかりづらいんです。いつでもどこでも”日浅は日浅”。狙ってキャラクターをつくったわけではなく、自然体でいることを意識することでできあがっていった感じがしています。

「フラットな日浅」ということですが、今野と出会って少しずつ変わっていきましたね。

松田 そうですね。ずっとフラットに生きてきた日浅が今野にぐっとはいりこまれているのがおもしろい。日浅はあそこまで他人に入ってこられたことがないから、かなり動揺したと思うんです。翌日には何もなかったかのようにまた元に戻りましたが、間違いなく日浅の中では大きな変化があったはずで。その気持ちの揺れが、失踪前の今野とのやりとりにつながっていると思います。

今野も日浅と出会って変わりました。

綾野 今野は日浅がいたからこそ存在したともいえます。ふたりの関係性の在り方は原作とだいぶ違いますが、仕上がりに大友監督の、原作や原作者の沼田さんに対する敬意を感じました。

松田 繊細で感覚的な部分は映像にすると伝わりにくいので、思い切って変えたぶん、わかりやすく観やすくなっているのではないかと思います。原作と違っていることに対して沼田さんはどうお感じになるかなと思っていたのですが、お会いしたときに「おもしろかった」と言っていただけたのでよかったです。

影裏 松田龍平 WHAT's IN? tokyoインタビュー

苦しいだけじゃなく気持ちいい瞬間がある。映画っておもしろいなとあらためて思った。(松田)

おふたりにも、これまで自分を変えた出会いってありますか?

松田 映画、役者という仕事との出会いが一番大きいですね。数えきれないほどたくさんの人と関わりながらひとつの作品をつくりあげていくこの仕事を20年以上やらせていただいていて、そのなかでチャンスやきっかけを与えてくれた方や、よき方向へ導いてくれた方が何人もいらっしゃいます。僕は器用にこなせるタイプではないのですが、すばらしい作品に呼んでいただき、とても恵まれていると感じます。本当はもっと器用になりたいし、いろんな役をうまく演じたいと思ってはいるけど、ここ2〜3年はいろんな役を器用にこなすというよりは、演じる役に徹底的に向き合って、自分自身に落とし込んでいくことに重点を置きました。苦しい作業ではありますが、ただ苦しいだけじゃなく演じていて気持ちいい瞬間もあるんです。本作でもまさにその感覚があり、「映画っておもしろいな」とあらためて思いました。

綾野 この仕事との出会いが僕の人生を変えてくれました。これまでいろんな方とご一緒させていただきましたが、デビュー作『仮面ライダー555』の石田秀範監督から言っていただいた「きみには映画が合っている。テレビサイズではなく、スクリーンサイズの表現でいい」という言葉はずっと心に残っています。僕は「どこまで無茶といわれる役を自分自身に落とし込めるか」をひとつのテーマとして挑み続けています。挑戦することによって自分の真価も問われますが、常に緊張感のある状況に身を置くことが成長につながると信じています。アスリート気質なんです。
さっき龍平は、「自分は恵まれている」と言いましたが、彼が鍛錬を積んできたからこそすばらしい作品に出演し続けられていて、本作にも出会えたんだと思います。今回、彼からたくさんの刺激を受け、とても楽しい時間を過ごすことができました。またすぐにでも一緒にお芝居をしたい。そういう機会が早く訪れてほしいです。

影裏 松田龍平 WHAT's IN? tokyoインタビュー

森を歩いたり川で釣りをしたりなど、今野と日浅が自然の中で遊ぶシーンは映像の美しさに目を奪われました。

松田 盛岡はすばらしい場所でしたよ。一度、「雑踏を忘れて自然の中でのんびりすれば、心が洗われるのではないか」と、ふらっと森へ行ったことがあったんですが、「癒されたい」という気持ちが強すぎたのか、日に当たりすぎて熱中症みたいになってしまいました(笑)。

え~! 大丈夫でしたか(笑)?

松田 癒されに行ったはずが逆に自然の脅威にやられてしまいましたね。

劇中に「人を見るときはその裏っかわ。影の一番濃いところを見るんだよ」というセリフが出てきますが、一緒に過ごして知ったお互いの裏の顔はありますか?

綾野 共演しても印象は変わらなかったですね。プライベートが裏だとしたら僕は龍平の裏の顔を先に知っているわけですが、すごく熱意を持って仕事に取り組んでいる人です。一見朴訥(ぼくとつ)とした雰囲気ですが、実はチャーミングでかわいいんですよ。

松田 綾野くんのほうがかわいいよ。

あれ! どんなところですか?

松田 あれは…かわいすぎるからやめておこう。

綾野 待って、どれ(笑)?

松田 かわいいエピソードがあるんですけど、ここでは言えません。そっと心の奥にしまっておきます(笑)。


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フォトギャラリー

綾野 剛

1982年、岐阜県生まれ。2003年に『仮面ライダー555』で俳優デビュー。近年の主な出演作に、映画『日本で一番悪い奴ら』(16)、ドラマ『コウノドリ』(15・17/TBS)、ドラマ『ハゲタカ』(18/EX)、映画『パンク侍、斬られて候』(18)、映画『楽園』(19)、映画『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(19)などがある。2020年は本作のほか、映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』が11月公開を控える。

オフィシャルサイト
http://tristone.co.jp/ayano/

オフィシャルInstagram
@go_ayano_official

松田龍平

1983年、東京都生まれ。1999年、映画『御法度』で俳優デビュー。近年の主な出演作に映画『舟を編む』(13)、映画『モヒカン故郷に帰る』(16)、ドラマ『カルテット』(17/TBS)、映画『散歩する侵略者』(17)、映画『泣き虫しょったんの奇跡』(18)、ドラマ『獣になれない私たち』(18/NTV)、ドラマ『歪んだ波紋』(19/NHK)、舞台『イーハトーボの劇列車』(19)などがある。

オフィシャルサイト
http://www.office-saku.com/artists/ryuhei_matsuda.html

オフィシャルInstagram
@ryuheimatsuda

映画『影裏』

2月14日(金)全国ロードショー

出演:綾野 剛 筒井真理子 中村倫也 平埜生成/ 國村 隼 /永島暎子 安田 顕 松田龍平 ほか
監督:大友啓史
脚本:澤井香織
音楽:大友良英
原作:沼田真佑「影裏」(文藝春秋)
配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント
配給協力:アニプレックス

【STORY】
今野は、転勤で移り住んだ岩手で日浅に出会う。慣れない地でただ一人心を許せる存在。まるで遅れてやってきたような成熟した青春の日々に、今野は言いようのない心地よさを感じていた。しかしある日、日浅は突然姿を消してしまう。日浅を探し始めた今野は、日浅の父に捜索願を出すことを頼むが、何故か断られてしまう。そして、見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とは全く違う別の顔。陽の光の下、ともに時を過ごしたあの男の“本当”とは?

オフィシャルサイト
https://eiri-movie.com/

©2020「影裏」製作委員会

『影裏』原作