Interview

「モンストは今輝ける場所」 Catsの♡るんるん♡選手が伝えるプロゲーマーの日常と理想の選手像【モンスト選手インタビュー(1)】

「モンストは今輝ける場所」 Catsの♡るんるん♡選手が伝えるプロゲーマーの日常と理想の選手像【モンスト選手インタビュー(1)】

2021年に世界規模で約1,600億円もの経済効果が期待されるeスポーツ。今や海外のみならず、日本国内でも話題の中心に上りつつあるのは、おそらく読者の方々もご存知ではないだろうか。そんな中、PCゲームや家庭用ゲーム作品の競技文化に引けをとらないゲームタイトルがある。そう、スマートフォン向けアプリ『モンスターストライク』(以下『モンスト』)だ。

2013年10月にサービスを開始した『モンスト』は、ご存じのとおり”ひっぱりハンティングRPG”と名付けられたゲームアプリで、おはじきのようにモンスターを弾いて敵を倒していくというのも。そのわかりやすいルールと協力プレイの楽しさから、2019年12月には全世界累計利用者数5,300万ダウンロードを突破したまさにモンスター級のタイトルとなっている。

2015年にはスピンオフの『モンスターストライク スタジアム』(以下『モンストスタジアム』)がリリースされ、こちらは4対4のチーム戦ができるなど競技性を重視した大会向けのゲームアプリとなっており、「モンストグランプリ」や「モンスト プロツアー」と題したeスポーツイベントを精力的に開催。賞金総額1億円という規模感もさることながら 、試合中における各選手や観客の一喜一憂にハッとさせられる。全世界ユーザー数 5,300万という分母を誇る本作は、間違いなくモバイルeスポーツシーンにおいて強烈な存在感を放っていると言えるだろう。

そこで今回、『モンスト』のプロシーンで活躍する2人にインタビューを実施した。1回目はプロゲーミングチームCatsのリーダー 「♡るんるん♡」選手。競技文化に興味を持ち始めた経緯や学業とプロゲーマーを両立させる難しさ、自身が考える理想の『モンスト』プレイヤー像についてお話を伺った。

取材・文 / 龍田優貴
取材・構成 / 松井ムネタツ


▲『モンスターストライク』

▲『モンスターストライク スタジアム』

『モンスト』を極めるために熊本から関東へ

最初に生年月日と出身からお伺いしてもよろしいでしょうか?

♡るんるん♡選手(以下るん) 2000年5月15日生まれの熊本県出身です。

ちなみに選手名の由来はどういったものでしょう?

るん ……これめっちゃ恥ずかしいんですけど(笑)、テレビのCMソングに合わせて母親が「たけるんるん♪」と歌っていたのが耳に残っていて。その語感をそのまま選手名に使っただけです。だから特に深い意味はないです。

最初に触ったゲームタイトルは覚えていますか?

るん 確か小学6年生ごろ、任天堂のWiiを初めて買ってもらいました。でも本格的にゲームを遊び始めたのは高校生になってからです。

ちなみに何のタイトルに熱中されたのですか?

るん それは『モンスト』です。元々遊んでいたんですけど、2016年ごろ……3年くらい前にちょうど暇になったタイミングで再開しました。本当に凄い時間やり込んでいたので、遅れてドハマりした感じです。

そこから競技シーンに移ろうと思ったのは?

るん 『モンスターストライク スタジアム』を使用して4人対4人のチーム戦で競う、モンストNo.1チームを決定するオープン制のeスポーツ大会「モンストグランプリ」というのがあるんです。その「~2016 チャンピオンシップ」でそれで今池壁ドンズさんが優勝しているのを見て、素直に「凄いな!」と。自分もこのシーンに入りたいと思って、「大会に参加できる年齢になったらやり込もう!」と決めました。『モンスターストライク スタジアム』を始めたのは、2019年4月ぐらいです。

チームメンバーとはどこで知り合ったのですか?

るん Twitterで探しました。一緒にプレイしていた中で「うまい!」と思った人がいたので、これを逃すわけにいかないと。そこから2019年春に関東へ引っ越して、6月に開催されたモンストグランプリ2019で関東予選Aブロック優勝を果し、 決勝大会で準優勝してプロライセンスを獲得しました。

学業と両立させた『モンスト』プロゲーマーの一日

プロ選手ということで、普段の日常生活で気をつけているポイントなどはありますか?

るん プロになってから多少は人の目を気にするようになりました。渋谷に行くと「XFLAG STORE」(モンストを代表とするXFLAGが提供するサービスのグッズ販売などを行う常設店舗)があるので声をかけられることがあるのですが、先日横浜駅で声をかけてもらったんです。横浜で『モンスト』のイベントがあったとかそういうのは全然関係ないタイミングだったので、そのときから「けっこう見られているんだな」と、服装や髪型も意識するようになりました。

声をかけてもらって嬉しかったですか?

るん すごく嬉しかったですね。普通に街を歩いていて僕を知っている人とすれ違うなんて思ってもいなかったので。

では『モンスト』のプロ選手として、もっとユーザーの方に知ってもらいたいことはありますか?

るん どちらかと言えば『モンスト』を知ってもらいたいほうがメインですね。競技シーンを盛り上げるうえでも『モンスト』ファンが多ければ引き込める人数も増えると思います。なので(YouTubeで配信する『モンスト』の)公式動画はできるだけ参加しています。

学業とプロゲーマーの両立で難しいと感じたりしますか?

るん 本当に難し過ぎます(笑)。忙しくない時期と忙しい時期の差が激しくて……。例えば大学でテスト期間に入るとゲームがほとんどできなくなるので、練習できないモヤモヤもありますね。さらにテストが大変でメンタルが……っていう。

▲現在大学生のるんるん選手、学業とプロゲーマーの両立はなかなかに難しいという

『モンスト』と学業の両方に追われたときはどうやって自分を落ち着かせますか?

るん そのときはもう練習します! 21時からチームメンバーとの練習時間なので、それまでは集中して勉強して、21時になったら勉強はスパッとやめて『モンスト』の練習に切替えます。

予定のない日はどのように過ごされていますか?

るん 服を見に行ったりとか買い物に出かけたりとか、ですね。みんなでワイワイするの好きなのでメンバーとご飯を食べに行くとか。大学の友達も凄く良くしてくれています、

先ほど熊本から引っ越されたと伺いましたが、家族の方からの反響はどうですか?

るん めちゃくちゃ喜んでくれています。最初は(プロゲーマーというものに対して)理解されませんでした。地元にいるころから「来年プロになる」と親に告げていたのですが、あまりいい顔をしてくれなくて。でも関東予選を勝ち上がってから応援してくれるようになりました。今は会場まで応援に来てくれています。

♡るんるん♡選手の考える『モンスト』のうまさとは?

プロゲーマーとして腕前の上達は欠かせないと思いますが、実際のところ練習は毎日行うのでしょうか?

るん そうです。21時から24時までを区切りとして、そこからは残って練習する人と寝る人に分かれます。チームメンバーのほとんどが学生なので、まずは学校を優先していますね。

3時間のあいだにコミュニケーションを取りながら進めると思うのですが、練習時に具体的なメニューは決めていますか?

るん プロツアーはステージ数が多いので、最初にタイムアタック(TA)を練習します。まず先攻と後攻。次に他のチームがこちらのピックを潰して来た場合の対策。この流れをステージを固定したまま繰り返し、次のステージへ……という形式です。できるだけ効率良く取り組むようにはしています。

なるほど。土日の練習も同様のパターンでしょうか?

るん 毎週土日はメンバーと顔を合わせてプレイします。オンライン練習とは効率面がまったく違うんですよ。例えば何か指摘したいポイントがあった場合、画像を送るまでもなく一発で「ここ!」と伝えることができますからね。こういった部分も今後の成功体験へ繋がっていく気がして います。

確かにオフライン練習ならではの強みですよね。

るん そうなんです。集まる時はメンバーが僕の家にやって来て、昼頃から18時~19時までずっと練習。土日ぐらいしか集まる機会がないので、しっかりやっておきたいなと。みんな普通に仲が良いので部活みたいな感じですけど。

▲休日はメンバー全員がるんるん選手の家に集まり、6時間ほど集中的に練習を行う

♡るんるん♡選手はすでにプロゲーマーとして活躍されていますが、競技面のスキルも含めて『モンスト』がうまい人の定義などありますか?

るん 『モンスト』と『モンストスタジアム』は”うまいの定義が違う”と最近気づいて。『モンスト』に関して言うと、上手な人って結局同じ理論にたどり着くんですよ。『モンストスタジアム』は、「ここぞ!」という場面でしっかりショットを決められる人、つまり頼りがいのある人がうまいです。簡単なショットだとしても、外さずに決めることに意味があるというか。

大事な場面でバシッと決める人ですね。

るん 『モンスト』のプロチーム・アラブルズアラブルズ のKEVINさんとか『モンストスタジアム』がうまいですね。大事な場面で絶対に決めるから。あと”思いやり”も大事かもしれません。試合中に味方の位置がズレていたら、次の人のために位置を修正して自分の役割もキッチリこなす。『モンスト』なら友情コンボでダメージを与えやすいよう、味方同士が触れやすい位置取りを心がける。やっぱり思いやりの深さが顕著に表れます。でも自分は味方にこだわりは求めないですね。最低限のことをしてくれれば満足です!

試合前のルーティーンは銭湯!?

現在のプロツアー、手応えはどうですか?

るん 正直、1回も負ける気はしていなかったので、「まさかこんなに負けるとは」という感じで。とくに幕張メッセで行われた第3戦は初めて初戦敗退を経験して……。気持ちの整理がなかなか追いつきませんでした。

ご自身が考える敗退の原因はなんでしょうか?

るん 相手が悪かったとしか……。第4戦の大阪は確か僕らのタイムアタックRoundが6位だったんですが、あの後に今池壁ドンズαさんと当たらなければ……まあ自分から選んだんですけどね。あと今池壁ドンズαさんはうちらと戦うときだけ成功率が高いんですよ。きっとそのせいです(笑)。でもポイントはどのチームが獲得してもおかしくない状況なので、現状は勝つために練習している感じです。

勝利を目指して突き進んでいると。ところで試合直前の決まったルーティーン等はありますか?

るん 試合の前日は必ずみんなで銭湯に行きます! モンストグランプリ2019の関東予選の前に行ってリラックスできたのと、あとはゆっくりお風呂に入りたいから(笑)。本当に試合直前は「俺らが一番強い」と思いながら本番に臨んでいます。

Cats流のリラックス法なんですね。過去の試合で個人的に印象深いシーンなどありますか?

るん パッとした勝ち方はしていないのですが……関東予選の決勝は自分たちのチームが最速手(ステージ攻略における最速手段)を叩き出したんですよ。そのときに会場の観客が総立ちしていたのは忘れられません。

『モンスト』で変わった人生が、今後とうなっていくのか

『モンスト』のプロゲーマーとして今後成し遂げたい目標をお聞かせください。

るん 呼んでいただけるなら「XFLAG PARK」に出たいです。そこで『モンスト』と『モンストスタジアム』の両シーンを繋げたい。自分がその役目をどこまでできるのかっていうのはありますが、これは絶対にやっていかなければならないと新人ながらに感じています。

難しい質問なのですが……あなたにとって『モンスト』とは?

るん 難しすぎますね(苦笑)。とりあえず”いま輝ける場所”なのかな。いまが一番だと思いながら過ごしています。そう思うと、2019年6月2日はターニングポイントでした。モンストグランプリ2019の関東予選で優勝したことで僕の人生は大きく変わったので。

『モンスト』の競技シーンを含め、これから就きたいポジションや仕事はありますか?

るん この先どうなるか想像もつきませんが、今のところはプロ人生なのかなと思います。この経験を今後の人生にどう活かすか、人生において『モンスト』がどう影響してくれるか、自分自身が一番楽しみにしていますね。

【第7戦 名古屋】モンスト プロツアー 2019-2020

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『モンスターストライク』オフィシャルサイト

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