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こんなに遊びが入ってる!『龍が如く7 光と闇の行方』は全力でプレイヤーを楽しませに来る

こんなに遊びが入ってる!『龍が如く7 光と闇の行方』は全力でプレイヤーを楽しませに来る

ファンから絶大な人気を集めている前作までの主人公・桐生一馬から春日一番へ主人公が交代したこと、戦闘システムがアクションからコマンド選択式へ変更されたことなど、大きな驚きがあったナンバリングタイトル最新作『龍が如く7 光と闇の行方』。前回の記事では、深く入り込めるストーリーや戦闘について紹介しました。シリーズ中最も広大なマップで繰り広げられるゲームの内容は、睡眠時間を削ってでも続きを見たいと思うほどエキサイティングです。今回の記事では、メインストーリーに直接関わる要素以外について触れていきます。シリーズを通しての特徴ではありますが、本作もサブストーリーをはじめとしたお楽しみ要素が盛りだくさんなのです。最新のストーリートレーラーをご確認いただいたら、どうぞ記事に進んでください。

文 / 内藤ハサミ


世界に深みを持たせるサブストーリー

何もかも失った春日一番が、横浜の伊勢佐木異人町から泥臭く這い上がるという本作のメインストーリーはドラマチックかつ壮大ですが、その物語の本流以外に50以上存在するサブストーリーもまたアツくて面白い! 発生条件はそれぞれ異なりますが、サブストーリーに出会える近道としては街をブラついて積極的に人と関わりながら、メインストーリーを進めるのがオススメ。クリアすると報酬が貰えたり、ステータスがアップしたりなどメリットがたくさんあります。サブストーリーが楽しくて本編が進まないというのは『龍が如く』シリーズあるあるなのですが、本作ももちろん同じです。

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▲資格試験を始めるきっかけとなるサブストーリーでは、スポーツ2級の試験にチャレンジ。さまざまなスポーツについての知識が求められます

たとえば、資格試験を受けるというサブストーリーをクリアすると、その後も伊勢佐木異人町にある大海原資格学校で多彩なジャンルの試験を受けられるようになります。合格すると春日の“人間力”がアップします。人間力は“情熱”、“優しさ”、“知性”など6種類のパラメータが設定されており、各数値を高めていくと人間力の低いうちは見向きもされなかった人物が話を聞いてくれるようになったり、新しいイベントが発生したりします。さらにハローワークで紹介されるジョブで春日が転職できるようになるジョブが増えたり、物語に登場する異性との関係にも進展があるなど、いいことがたくさんあるのでひとまず上げておいて損はありません。元極道の春日が人間力を上げるために資格試験を受けまくるというシチュエーションは、なかなかシュールで可愛らしくもあります。人間力を数値化するというのは、『ドラクエ』が好きで勇者に憧れているという春日らしい演出ですね。

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▲本作の中盤から会社経営のミニゲームがプレイできるのですが、そのスタッフは道端でスカウトすることが可能です。しかし、この人は性格が明るい社長でないとついていく気にならない様子。“陽気”の人間力を高めれば話を聞いてくれそうです

サブストーリーの内容は人助けが多いですが、その内容に同じようなものはありません。多くのサブストーリーを進めるほど、伊勢佐木異人町に暮らす人々の活き活きとした姿や本作の世界設定、キャラクターの背景にある状況を知ることができます。筆者は出会ったサブストーリーは片っ端から進めて楽しみました。ここで筆者が強く心に残っているサブストーリーをひとつ紹介しましょう。とある裏通りを歩いていた春日は、ヤクザがサラリーマンから粉ミルクを奪い取ろうとしているという不思議なシチュエーションに遭遇します。こんな謎だらけの場面、今までどんなゲームにも登場しなかったのではないでしょうか……。

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▲放っておけずに割って入った春日によって、男性と粉ミルクは守られました。なぜヤクザが粉ミルクを奪おうとしたのでしょうか

助けた男性は大嶋マサトと名乗ります。話を聞いてみると、最近子供が生まれたとのこと。家族のため必死に働きまくり、今も粉ミルクを買って家路を急いでいる男性ですが、そんな夫に妻はなぜか冷たいらしいのです。そんな大嶋の悩みを聞いていると、突然雑居ビルから甲高い赤ん坊の声が聞こえてきます。春日は風俗店で産み落とされたという自分の境遇から、内部で突然の出産が起こったのかもしれないと直感し、粉ミルクを持っている大嶋とともにビルの階段を駆け上がります。

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▲しかし、とんだ勘違い。なんとそこは、“赤ちゃんプレイ”の風俗店だったのです……。泣き声の主は、真んなかにいる強面の男性でした

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▲プレイを邪魔された赤ちゃん(?)たちが、春日たちに襲い掛かる!

そこには、先ほど大嶋から粉ミルクをカツアゲしようとしていたヤクザがいました。どうやら彼らは、ヤクザの親分とその子分たちのようです。戦闘に勝利し、春日たちが部屋に入ってきた理由を伝え和解すると、話の流れで大嶋の悩みを聞くことになりました。

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▲保母さん姿の嬢から、保育者の立場として意見を貰います

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▲そしてススムちゃん(権田原組長)からも、赤ちゃんサイドの意見が。「ワシらのような赤ん坊は……」というセリフに、赤ちゃんとしての誇りと説得力が感じられます

ギャグのような展開ですが、「夫と妻のふたりとも大変なのに、そのことをお互いがきちんと理解していないからギクシャクしてしまうのだ」と嬢から言われた大嶋は、「今まで自分だけが大変だと思い込んでいた」と気づきます。そして皆に励まされた彼は、希望と粉ミルクを持って帰っていくのです。そして春日は、赤ちゃんヤクザたちから赤ちゃん流のもてなしを受けることに……。この絵面のインパクトからは想像できませんでしたが、意外にも心洗われる話でした。こんなふうに春日はたびたび他人の困りごとに巻き込まれ、解決のため奔走します。ひとつひとつは他愛のない頼まれ事だったりギャグ風の話だったりもするのですが、困っている人を放っておけない春日の優しい人柄や、街に暮らす人々の姿を具体的に知ることで世界への没入感が増します。サブストーリーを逃したままメインストーリーをクリアしてしまうのは実にもったいない。混沌としていながらもアツいエピソードの数々をぜひ目撃してほしいですね。

ちなみにサブストーリーなどイベントでの戦闘に敗北した場合には、いくらかの所持金と引き換えにリトライするか、セーブポイントからやり直すかを選択できます。現金は通常の戦闘やバイトクエストというサービスから依頼されるクエストをこなして得られる報酬などで手に入りますが、序盤の主人公たちはホームレスだということもあり100円玉すら手に入れるのに苦労します。数万円単位を楽々稼げるようになる中盤以降であっても所持金を減らされてしまうのはかなり手痛いので、筆者はいつ戦闘が起こってもいいような準備を欠かさないようにしました。レベルが低すぎると戦闘も苦しくなりますが、サブストーリーをこまめにこなしていると、淡々としたレベル上げをしなくてもそこそこ強くなっていくのがいいところ。プレイの流れを遮られにくいのです。

遊びつくせないほどのミニゲーム

ボリュームたっぷりのサブストーリーだけでもかなりの量がある本作ですが、街の各施設(プレイスポット)で遊べるミニゲームもまた、かなりの種類が存在します。パチスロ、将棋、麻雀、カラオケ、アーケードゲーム、バッティングセンター、ダーツ、花札、カジノでのトランプゲームなどが街に点在する店や道端で楽しめます。また、ドラゴンカートというレースゲーム、ホームレスの拠点近くで遊べるサバイバル缶拾いという空き缶の回収ゲーム、“うみねこ坐”という映画館で遊べる睡魔撃退ゲームという変わったものまであり、数日いや数ヶ月かかっても遊びつくすことができないほどです。

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▲パチスロ。ふだん遊ばない筆者はまったく勝てませんが、プレイ終盤はかなり現金を稼いでいたのでお金をジャブジャブ使って適当にプレイするという贅沢を楽しみました(画像は『アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSver.-』©UNIVERSAL ENTERTAINMENT)

筆者がなかでも気に入っているのは、ゲームセンターで遊べるSEGA製アーケードゲームの数々。『スペースハリアー』、『スーパーハングオン』、『ファンタジーゾーン』、『アウトラン』、『バーチャファイター』シリーズに加え、ゲーセンに置いてある筐体を再現したオリジナルプライズのUFOキャッチャーも遊べます。アームはかなり強めで、ジャストの位置に引っ掛ければだいたい取れますが、バランス感覚が問われるのは実機と同じですね。

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▲懐かしき『アウトラン』! ついつい熱中してしまい、数十分後ふと我に返るということもしばしばです

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▲音楽や筐体の細かいデザインもそのまま、SEGAのUFOキャッチャーです

ゲームセンターに入ってゲームに没頭すると、今まで何をしていたのかを忘れてしまうくらいに熱中してしまうことが何度もありました。ミニゲームの部分だけでも、ゲームソフト1本ぶん以上の価値があるくらいに気合いが入っています。ミニゲームを遊ぶことでメインストーリーの展開が特別有利になることはありませんが、ある程度の成果を出すと人間力がアップする効果が得られます。プレイに励みが出るところもいいバランスだと思いました。

巨大極道組織“東城会”の三次団体である小さな荒川組。その下っ端という立場から徐々に大きな権力を相手にし、信頼を寄せる仲間と共に戦うというアツい展開は十分に劇的だし、何より主人公・春日一番の人間性が作品の魅力をさらに引き出している『龍が如く7 光と闇の行方』。ストーリーの本流以外で楽しんだことも決してそこだけで終わらず、メイン攻略の助けになる効果があったり、世界設定やキャラクターの魅力を理解する一助になったりといい作用があります。プレイのモチベーションを保ちながら安心して寄り道しまくることができるんです。しかし、春日の『ドラクエ』魂を見守ってエンディングを迎えたとき、「次回作があるとするならば、どう展開していくのだろう?」という疑問も浮かびました。極道の生きざまを描く本シリーズの根幹に、世相も反映し切り込んでいく物語の結末は必見です。そして具体的に書くことは伏せますが、本編クリア後にも楽しめる要素が追加されます。メインもサブ要素も全力でプレイヤーを楽しませに来るというサービス精神の旺盛さで、いろいろなプレイヤーの気分に応えてくれる一作です。

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龍が如く7 光と闇の行方 ロゴ

■タイトル:龍が如く7 光と闇の行方
■発売元:セガゲームス
■対応ハード:PlayStation®4
■ジャンル:ドラマティックRPG
■対象年齢:17歳以上
■発売日:発売中(2020年1月16日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各8,390円+税


『龍が如く7 光と闇の行方』オフィシャルサイト

©SEGA