Interview

SARD UNDERGROUND 坂井泉水が遺した歌詞による1stシングル。4人それぞれに表現したZARDへの想いとこれからのこと。

SARD UNDERGROUND 坂井泉水が遺した歌詞による1stシングル。4人それぞれに表現したZARDへの想いとこれからのこと。

「君がいない」「揺れる想い」「負けないで」といったZARDの名曲のカバー14曲を収めた「ZARD tribute」でデビューしたZARDトリビュートバンド・SARD UNDERGROUND。2020年2月10日にリリースされる1stシングル「少しづつ 少しづつ」の表題曲。ZARDの坂井泉水が遺した歌詞に、大野愛果(「時間(とき)の翼」「少女の頃に戻ったみたいに」などを手がけたクリエイター)が曲を付けた“新曲”だ。切なくも美しいメロディ、歌を際立たせるオーガニックなサウンド、そして、大切な人との繊細な距離感を描いた歌詞がひとつになったこの曲は、ZARDファンはもちろん、幅広い層のリスナーの心に響く普遍的なナンバーに仕上がっている。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 荻原大志


最初の頃は、ライブのときにずっと緊張してたんですよ。「坂井泉水さんの歌詞をしっかり届ける」という思いがすごく強くて、声が震えることも(神野)

SARD UNDERGROUND 神野友亜 WHAT's IN? tokyoインタビュー

SARD UNDERGROUNDは、ZARDのトリビュートバンドとして2019年にデビュー。この1年はみなさんにとって、どんな時間でしたか?

神野友亜(Vo) あっという間の1年でしたね。SARD UNDERGROUNDが結成されたのが去年の1月で、丸1年経ったんですけど、とにかく早かったです。

坂本ひろ美(Key/Cho) いろいろなステージに立たせてもらって、「ZARD tribute」をリリースして。目の前の状況に追いつくのに必死なときもありましたね。

赤坂美羽(G/Cho) いままで生きてきたなかで、感覚的にいちばん早い1年だったし、すごく充実してましたね。

杉岡泉美(B/Cho) たくさんライブもやらせてもらって、初めての空間を味わえて。ずっと必死でした。

神野 最初の頃は、ライブのときにずっと緊張してたんですよ。「坂井泉水さんの歌詞をしっかり届ける」という思いがすごく強くて、声が震えることもあって。今も緊張はするけど、堂々と歌えるようになってきました。

ZARDのファンのみなさんに受け入れられているという実感もありますか?

神野 そうですね。いちばん最初は賛否があったんですけど、最近は温かいコメントが多くて。

坂本 リリース・イベントでも、温かい言葉をかけてもらえることが多いですね。

神野 批判的なコメントも、受け取り方次第でやる気になるんですよ。「なるほど」と思う意見もあるので。

赤坂 ポジティブに受け止めてますね、そこは。

坂井さんが歌っている映像を何回も観て、この曲の歌詞を何度も読んでいるうちに、「少しづつ 少しづつ」を歌っている坂井さんが想像できるようになってきて(神野)

そして2020年最初のリリースは、1stシングル「少しづつ 少しづつ」。坂井泉水さんが遺した歌詞をもとにした新曲です。

神野 まさか私たちがやらせてもらえるとは思ってなかったです。坂井さんが歌詞を遺されていたのは知っていたし、「誰かが世の中に届けてくれないかな」と思っていたこともあって。そうしたら自分たちにお話がきて、すごくビックリしました。

坂本 トリビュート・アルバムも夢みたいだったんですけど、未公開の歌詞を曲にしてリリースするのは、本当に大きなことなので。

神野 仮歌の入ったデモを聴いたときから、すごく感動してしまって。自分の歌を録って、それを聴いたときにやっと実感が湧いてきましたね。

赤坂 レコーディングでもライブでも、1音1音を大切にして、「届けよう」という気持ちで演奏しています。

杉岡 デモを聴いたとき、「坂井さんが歌ったら、どんな感じになるのかな」と想像したんですよね。友亜ちゃんの歌もすごくいいので、しっかり感情を込めて、歌詞を伝えられるように演奏しています。

坂本 歌詞はもちろん、大野愛果さんが付けてくださったメロディ、コードの進行も素晴らしくて。友亜ちゃんの歌を演奏でしっかり支えたいと思ってます。

神野 大人っぽい恋愛ソングなんですが、自分には経験がないので、表現できるか不安だったんです。でも、坂井さんが歌っている映像を何回も観て、この曲の歌詞を何度も読んでいるうちに、「少しづつ 少しづつ」を歌っている坂井さんが想像できるようになってきて。そのイメージを持って歌いました。

好きなんだけど、なんとなくモヤモヤしているという感じではじまるんですが、最後のサビの前の「でもあなたが好き」というフレーズで、気持ちが確信に変わる感じがあって(赤坂)

SARD UNDERGROUND 赤坂美羽 WHAT's IN? tokyoインタビュー

歌詞のなかで好きなフレーズは?

神野 私は坂井さんが書くキュンと来るフレーズが好きで。この曲のなかでは「ちょっと距離を置いていたけど でもあなたが好き」が印象に残りました。好きという気持ちが戻ってくる感じがいいなって。

赤坂 好きなんだけど、なんとなくモヤモヤしているという感じではじまるんですが、最後のサビの前の「でもあなたが好き」というフレーズで、気持ちが確信に変わる感じがあって。このフレーズがあるから、いちばん最後の「こんなに大事な人なのに」という歌詞が響くんですよね。

神野 そこのメロディ、グッと来ますよね。

赤坂 「こんなに大事な人なのに」というサビのフレーズが何度か出てくるんですが、最後だけメロディの音階が上がるんですよ。

神野 大サビのメロディも、いままでのZARDの曲にはなかった感じで。曲が進むにつれて、気持ちが高ぶりますね。

杉岡 私は「why 人は何故生まれてくるの/目的は?」のところが印象的でした。これって、1人1回は思うことじゃないですか。この歌詞を読んだときに、家族だったり、いろんな人のことを思い出して、自分がやりたいことや目標を再認識したんです。学生の頃はいろいろ迷ったり悩んだりしてたけど、いまはしっかり夢や目標があるので、がんばろうって思って。

坂本 私も杉岡さんと同じところが印象に残ってます。恋愛の歌なんですが、この歌詞は人生に訴えるところがあって。私もそういう時期があったし、坂井さんはどんなことを思って、この歌詞を書いたんだろう?ということも考えましたね。

間違いないように弾くのも大事なんですが、それだけだと固くなっちゃうので、「届けよう」という気持ちで演奏して(坂本)

SARD UNDERGROUND 坂本ひろ美 WHAT's IN? tokyoインタビュー

「少しづつ 少しづつ」は既にライブで披露されているんですよね?

神野 はい。去年の11月に行われた「音都 ONTO」(DFT主催ライブ「音都 ONTO 〜NEOROCK from KANSAI〜」)というイベントが初披露だったんですけど、リハーサルのときから「歌ってるときに泣いちゃわないかな」と不安になって。「こんな淋しい花だから」「真っ赤にもえる夕日」もそうなんですが、景色が見えてくる歌詞があって、目をつぶって歌ってると、泣きそうになるんです。それくらいこの曲に対する気持ちが強かったんですが、しっかり伝えたかったので、気持ちの準備にちょっと時間がかかりましたね。

赤坂 私も「届け!」という気持ちが強かったので、その感情をそのままぶつけました。みなさんがすごく真剣に聴いてくださっていたのも嬉しかったですね。

杉岡 私も泣きそうでした。歌詞とメロディから景色が想像できて、友亜ちゃんの声も切なくて……やばかったです。

坂本 イントロがキーボードから始まるので、かなり緊張してましたね。間違いないように弾くのも大事なんですが、それだけだと固くなっちゃうので、「届けよう」という気持ちで演奏して。そうすると弾き方も変わるんですよ。

家族みんなで集まって。みんな泣いてました(神野)

「少しづつ 少しづつ」は、TVアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマ。年明けからオンエアされていますが、放送は見ました?

神野 はい! お正月で実家にいたので、家族みんなで集まって。みんな泣いてました。

赤坂 ステキ。

神野 曲が流れる前から泣いていて、感動でしたね…。

赤坂 私は最初の放送のときに外にいて、電気屋さんで見ました(笑)。映像と曲がマッチしていて、見入っちゃいましたね。

杉岡 私も実家にいて、みんなで目を見開いて見ました(笑)。「すごい!」ばっかり言ってましたね。

坂本 まずオープニング(WANDSの「真っ赤なLip」)がカッコ良くて、引き込まれて。エンディングで自分たちの曲がかかるのは、ちょっと不思議な感覚でした。家族からも「見たよ!」と連絡が来て、嬉しかったですね。

「少しづつ 少しづつ」には「苦いストレスでハートに穴があきそう」という歌詞がありますが、みなさんはどうやってストレス解消してますか?

神野 私はとりあえず寝転がって、天井を見ながら妄想しますね(笑)。そのときに自分に起きてることと関係ないストーリーを想像してるうちに、辛いことを忘れてるんですよ。昨日もやってました(笑)。

赤坂 ストレスあったんだ? 

神野 音楽のことじゃないですけどね(笑)。気持ちを切り替えるために、寝っ転がって、“桃鉄”のことを想像して。1,000億円とか貯まったところをイメージしてました(笑)。

赤坂 (笑)私は部屋の壁の角のところで寝ます。寝れば大丈夫なので。

神野 え、ベッドで寝たほうがよくないですか?

赤坂 最後はベッドなんだけど、その前は壁の角がいいんですよ、体にフィットして(笑)。

杉岡 私は映画館で映画を観ることですね。映画館に行けないときは、スマホとかで観てます。

赤坂 映画を観るときは、いつも杉岡さんにおススメを聞いてるんですよ。

どんな映画が好きなんですか?

杉岡 キュンとする映画かな…。韓国の映画で、“寝て起きるたびに姿が変わる”という男性が恋をして、相手の女の子が受け入れる映画とか。感動もあるし、キュンとするし、すごくいいんですよ。題名は忘れちゃいましたけど(笑)。(※映画『ビューティー・インサイド』)

坂本 私は自然を見ることですね。山とか、広々とした場所に行くとリフレッシュできるんですよ。地元(島根)のまわりが山ばっかりだったからかな? 実家に帰るのも気分転換になりますね。時間がないときは、お風呂にゆっくり入ります!

「心の奥を あなたに のぞかれそう」という最初のフレーズから、言葉がはっきりと突き刺さってくるんですよね(杉岡)

SARD UNDERGROUND 杉岡泉美 WHAT's IN? tokyoインタビュー

シングルにはZARDのカバー曲も。まず初回限定盤には「Good-bye My Loneliness」が収録されています。

神野 ZARDさんの1stシングルなんですけど、『ZARD tribute』でカバーさせていただいた曲と比べると、坂井さんの声の雰囲気がちょっと違うんですよ。それが新鮮だったし、これまでカバーした曲のなかでも、いちばん上手く坂井さんの歌い回しを表現できたと思います。

赤坂 個人的にもいつかカバーしたい曲の一つだったので、すごく嬉しいです。イントロから「来た!」っていう感じですね(笑)。

杉岡 「心の奥を あなたに のぞかれそう」という最初のフレーズから、言葉がはっきりと突き刺さってくるんですよね。あと、Bメロに入る前の“タララタラララ〜”というところもすごくよくて。

神野 ベースのフレーズですね(笑)。

杉岡 そうです(笑)。

坂本 曲の入りのリズムの感じもいいんですよ。歩きたくなるような、ノリやすいサウンドだなって。

ライブで演奏するのも、むっちゃ楽しいです(赤坂)

そして「名探偵コナン盤」には、「愛は暗闇の中で」を収録。

神野 『ZARD tribute』にも入っている曲なんですが、杉岡さんが大好きなんですよ。

杉岡 はい! この曲を歌っているときの坂井さんの佇まいや声が大好きなので。

神野 ZARDさんのバージョンには入っていない歌詞もあって、新しいところも加わっていて。

赤坂 ライブで演奏するのも、むっちゃ楽しいです。ロックっぽい雰囲気もあるので、盛り上がりますね。

神野 テンポも原曲より上がってますからね。

坂本 ギターとベースが目立っていて、カッコいいんですよ。英語が多い歌詞も印象的ですね。

神野 歌っていても気持ちいいですね。

今あるものを大切にしながら、先に進んでいけたらなって(坂本)

SARD UNDERGROUND WHAT's IN? tokyoインタビュー

最後に2020年のSARD UNDERGROUNDの展望について教えてもらえますか?

神野 以前から言ってるんですが、ライブで日本全部を回りたいんですよね。いろんな場所でライブをやらせてもらってますが、まだまだ行ってないところも多いので。

杉岡 端から端まで攻めたいです!

赤坂 ワンマンライブも、もっと大きい場所でやりたいですね。

坂本 今あるものを大切にしながら、先に進んでいけたらなって。

新曲、新しいZARDのカバー曲も楽しみです。

神野 どんどん出したいですね。カバーしたい曲も、まだまだたくさんあるので。


メンバーが選んだZARDベストソング

「サヨナラは今もこの胸に居ます」

歌詞から伝わってくる季節感も好きだし、この曲を聴くと、恋愛をしているような気持になって、キュンキュンしちゃんです。(神野友亜)

SARD UNDERGROUND 神野友亜 WHAT's IN? tokyoインタビュー
「息もできない」

ZARDさんの曲のなかで、最初にギターで弾いた曲です。歌詞とメロディもすごく合っていて、聴いてるとテンションが上がりますね。いつかカバーしたいです!(赤坂美羽)

SARD UNDERGROUND 赤坂美羽 WHAT's IN? tokyoインタビュー
「Top Secret」

“今夜のシチュー 自信あったのに/「遅くなるから」なんてヒドイ!”という歌詞で始まるんですが、坂井泉水さんが料理している姿を想像してキュンとしちゃいます。(杉岡泉美)

SARD UNDERGROUND 杉岡泉美 WHAT's IN? tokyoインタビュー
「来年の夏も」

「歌詞とメロディはもちろんですが、ピアノのフレーズがすごく好きで。演奏するのは難しいですけど、しっかり弾けるようになりたいです。自分のパートはやっぱり気になりますね。(坂本ひろ美)

SARD UNDERGROUND 坂本ひろ美 WHAT's IN? tokyoインタビュー

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SARD UNDERGROUND

神野友亜(Vo)、赤坂美羽(G/Cho)、杉岡泉美(B/Cho)、坂本ひろ美(Key/Cho)。
2019年9月18日にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバム『ZARD tribute』でメジャーデビュー。

オフィシャルサイト
http://sard-underground.jp

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