Column

大人の優しさと色気で“尾高さん沼”に落ちた女子必見! 柄本 佑の底知れぬ魅力と実力に、あらためて迫る

大人の優しさと色気で“尾高さん沼”に落ちた女子必見! 柄本 佑の底知れぬ魅力と実力に、あらためて迫る

1月に入ってからの水曜夜、Twitterのトレンドに「尾高さん」というワードが食い込んでくるようになった。念のために説明すると、日本テレビ系の連続ドラマ『知らなくていいコト』で、吉高由里子ふんする主人公の週刊誌記者・真壁ケイトの元カレにして動物カメラマン・尾高由一郎のこと。ひいては、尾高さんを演じる柄本 佑の人気も爆上がり中なのだ。

とりわけ、第3話(1月22日放送)冒頭のケイトとの車中キス(※一晩中張り込んだ末、取材対象者たちのラブラブな姿を目の当たりにしてキスしたい気持ちMAXになったことをつぶやいたケイトに、『相当おかしいよ』といなしつつ、運転席から無言で左手で抱き寄せてキスをする)シーンで沼に落ちた人が、かなり多い様子。回を追うごとに尾高さんの注目度が増していることを受けて、ドラマの公式が第4話放送前に「尾高さん胸キュン動画まとめ」をYouTubeにアップすると、これがまたバズって、“尾高さん熱”は高まる一方の様相を見せている。

昨今、田中 圭や高橋一生ら大人の俳優がドラマで当たり役を得たのを機に、人気が爆発するパターンが見受けられるが、この1〜3月クールは柄本 佑がその筆頭となりそうだ。そもそも、2018年度には「キネマ旬報ベスト・テン」で主演男優賞を受賞するなど、芝居の実力は折り紙付き。俳優として高い評価を受け続けてきた柄本だが、フィルモグラフィーをたどると“大人の色気”が香る役柄をいくつも演じてきたという事実が浮かび上がる。ということで、この機会にいま一度、柄本 佑の魅力を掘り下げてみたい。

デビュー作の映画『美しい夏キリシマ』(03)以降、主演・出演作はそれこそ多岐に渡るので、今回はここ数年の作品に絞ってスポットを当てていこう。

まずは昨年夏に公開され、「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」と「映画芸術」の両誌で日本映画第1位に輝いた『火口のふたり』。かつて欲望のままに愛し合った男女が再会し、ひたすらむさぼるように快楽を求めていく5日間を描いた一篇で、柄本はともに主演を務めた瀧内公美と生々しい濡れ場を全編に渡って演じ、刹那的ゆえにエロスとタナトスが匂い立つ人間の“性(さが)”を体現せしめている。

©2019「火口のふたり」製作委員会

センセーショナルな性交のシーンばかりがクローズアップされがちだが、同作は「食べる」「寝る」という三大欲求に素直な男女の物語ゆえ、食事のシーンにもそこはかとない色気が漂っているのが特徴だ。背中から尻にかけてのラインが官能的な裸体もさることながら、食べて、はたまた寝て…と本能を無防備にさらす瞬間に、ドキッとさせられる。

柄本佑、瀧内公美が振り返る『火口のふたり』の撮影現場。生々しい濡れ場も演じ、本能に生きる男女に心身を投影して感じたこと

柄本佑、瀧内公美が振り返る『火口のふたり』の撮影現場。生々しい濡れ場も演じ、本能に生きる男女に心身を投影して感じたこと

2019.08.23

男女をめぐる物語では、『きみの鳥はうたえる』(18)も秀逸な一篇だ。柄本ふんする主人公の「僕」とヒロインの佐知子(石橋静河)、「僕」と共同生活をおくる静雄(染谷将太)の3人が織りなす、微妙な気持ちのすれ違いから徐々にバランスを崩していくトライアングルが見ものだが、ここでも柄本による絶妙な芝居の機微が光る。また、ビジュアル的には野性味あるボブの髪をした彼を見られるのも、ポイントだろう。

©HAKODATE CINEMA IRIS

「僕」と佐知子が口づけをかわして関係を持つにいたるシーンでの、ささやくような声も実に艶やか(そういえば、尾高の優しい声に色気を感じる、という意見も多いようだ)。白日夢のようにきらめいた、ひと夏の青春群像が、やがて“終わり”へと向かっていく儚さを味わいつつ、「僕」を通じて柄本 佑の自然体を堪能することをお勧めしたい。

石橋静河、映画『きみの鳥はうたえる』でふたりの男性と函館の光によって刹那に輝くヒロインに。「贅沢な現場に出会えて幸せ」

石橋静河、映画『きみの鳥はうたえる』でふたりの男性と函館の光によって刹那に輝くヒロインに。「贅沢な現場に出会えて幸せ」

2018.08.25

父・柄本 明と母・角替和枝の長男という“血統”を抜きにしても、俳優としての柄本 佑のストロングポイントは芝居と役の幅広さにあると言っていいだろう。伝説多き編集者・末井 昭の自伝を映像化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18)で、末井本人をして「遠い親戚のような感じがした」と言わしめるほど(下記記事参照)、生き写し的に主人公を演じきったかと思えば、『ねことじいちゃん』(19)では、若いながらも人当たりのいい島の医者を好演。同じ医師でも、1月18日よりNHK総合で放送されている連続ドラマ『心の傷を癒やすということ』(全4話)の主人公である精神科医・安和隆では、また別の顔を見せている。阪神淡路大震災の被災者に寄り添って心のケアをし続けた安克昌さんがモデルだが、ガンに冒されて痩せ細っていくさまを、文字通り体現。役ごとに顔つきやたたずまい、話し方まで変えてみせながら、柄本 佑ならではの“妙味”をしっかり感じさせる芝居は、30代前半で活躍中の並みいる俳優陣においても、随一と言っていい。

末井昭のドラマティックな半生を淡々かつ飄々と演じた柄本佑。 『素敵なダイナマイトスキャンダル』に宿るエモさとは?

末井昭のドラマティックな半生を淡々かつ飄々と演じた柄本佑。 『素敵なダイナマイトスキャンダル』に宿るエモさとは?

2018.03.21

そんなふうに、作品ごとにさまざまな顔を見せる彼が、2月21日(金)から公開される映画『Red』では、尾高さんとは異なる「大人の色香」を漂わせる小鷹淳(“おだか”と“こだか”で、どことなく対になっているように思えなくもない!)に扮している。

©2020『Red』製作委員会

そこはかとない飄々さに大人の余裕が見え隠れするキャラクターで、主人公の塔子(夏帆)と鞍田(妻夫木 聡)の間に割って入ろうとする強引さも、かえって魅力に思えて不思議と憎めないのは、柄本が演じていることによるのかもしれない。ちなみに、柄本自身も小鷹という役柄に対してコメントしているので、こちらもご一読あれ。

柄本 佑、映画『Red』で演じた“女性の心に寄り添う男”について語る! オフィシャルインタビュー&新場面写真到着

柄本 佑、映画『Red』で演じた“女性の心に寄り添う男”について語る! オフィシャルインタビュー&新場面写真到着

2020.01.23

何にしても、これまでとは異なるカタチでのブレイクを果たしそうだという意味でも、彼がこの冬でも指折りの要注目人物であることは否めない、と念押しして──このコラムを締めるとしよう。

文 / 平田真人

ドラマ『知らなくていいコト』

日本テレビ 毎週水曜 よる10時~放送

【2月5日(水)放送 第5話あらすじ】
30年前に父・乃十阿(小林 薫)が事件を起こしたキャンプ場を尾高(柄本 佑)と共に訪れたケイト(吉高由里子)。未だ動機不明の事件に思いを馳せ複雑な気持ちを抱く…。そんな中、ケイトは元警察署長・沖田(勝野 洋)がスパルタ教育の末に孫を殺した事件を取材する。罪を認め反論しない沖田にケイトは乃十阿を重ね…。一方、ケイトと尾高の関係が気になる春樹(重岡大毅)は同じ連載班の小泉(関水 渚)から交際を申し込まれる…!

オフィシャルサイト
https://www.ntv.co.jp/shiranakuteiikoto/

映画『Red』

2月21日(金)全国公開

出演:夏帆、妻夫木 聡、柄本 佑、間宮祥太朗
片岡礼子、酒向 芳、山本郁子/浅野和之、余 貴美子

監督:三島有紀子
原作:島本理生『Red』(中公文庫)
脚本:池田千尋、三島有紀子
企画・製作幹事・配給:日活
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
企画協力:フラミンゴ
R15+

【STORY】
大雪の夜、車を走らせる男と女。
先が見えない一夜の道行きは、ふたりの関係そのものだった。
誰もがうらやむ夫、かわいい娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子。10年ぶりにかつて愛した男・鞍田秋彦に再会をする。鞍田は、ずっと行き場のなかった塔子の気持ちを、少しずつほどいていく…。しかし、鞍田には“秘密”があった。現在と過去が交錯しながら向かう先の、誰も想像しなかった“決断”とは――。

オフィシャルサイト
https://redmovie.jp/

オフィシャルTwitter
@red_movie2020

©2020『Red』製作委員会

原作本『Red』