Interview

衝撃のアニメ化。グロテスクだけど明るく楽しい、それが…『ドロヘドロ』! 高木 渉×近藤玲奈、新たな名コンビに聞く役者道

衝撃のアニメ化。グロテスクだけど明るく楽しい、それが…『ドロヘドロ』! 高木 渉×近藤玲奈、新たな名コンビに聞く役者道

2000年の連載開始から18年にわたって愛され続けてきた、林田球による傑作コミック『ドロヘドロ』。唯一無二な世界観かつショッキングな内容ゆえ映像化は不可能と思われていたが、まさかのTVアニメ化が実現し、2020年1月から放送がスタートした。

本作で、魔法で顔をトカゲにされてしまった主人公・カイマンを演じるのは高木 渉。『NARUTO -ナルト-』(うちはオビト)、『忍たま乱太郎』(平滝夜叉丸)、『名探偵コナン』(小嶋元太/高木渉刑事)、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』(虹村億泰)などで知られる、声優歴30年超の大ベテランだ。

そんな高木が演じるカイマンの相棒で、戦闘能力がやたらと高いヒロイン・ニカイドウ役に抜擢されたのは近藤玲奈。高木との共演に最初は緊張していたとのことだが、芝居を楽しみ、みるみる成長していく姿が高木の目にも眩しく映ったことだろう。先輩・高木 渉と後輩・近藤玲奈の間にある互いへの尊敬を感じながら、 “役者魂”とはこうして受け継がれていくものなのだと改めて思うのだった。

取材・文 / とみたまい 構成 / 柳 雄大
撮影 / 松浦文生


原作者・林田球も「自己紹介だけで笑ってしまった」高木 渉のカイマン

ドロヘドロ 高木 渉 近藤玲奈 WHAT's IN? tokyoインタビュー

第1話の冒頭から衝撃的なシーンが展開されましたが、あのカオス感こそが林田球先生の『ドロヘドロ』であって、「本当にアニメ化が実現したんだ!」といちファンとしても嬉しい驚きでした。

高木 渉 完成したものを観て、僕も本当に感動しました。冒頭からゾクゾクしちゃいますよね。「注意書き」のテロップも出るしね(笑)。

近藤玲奈 そうなんですよね、「テロップ出すんだ!」っていう意外性もありましたね(笑)。本編を観ると、想像以上というか……原作のイメージを大事にして作られていますし、音楽が入ることによって、おどろおどろしさやゾクゾクする感じが一層伝わってきましたし、良い意味で“攻めている”アニメだなと思いました。

カイマン(CV:高木 渉)、ニカイドウ(CV:近藤玲奈)

お二人とも、オーディションの際に初めて原作に触れたとのことですが。

高木 はい。僕はどちらかと言うと三枚目というか明るくてドジなキャラクターを演じることが多いので……『ドロヘドロ』のようなハードボイルドなキャラクターは「僕にできるのかな?」というのが最初の印象でした。

でも、原作を読んでいくうちにカイマンのカッコイイながらも三枚目っぽいところがどんどん見えてきて「あ、やっぱり僕だな。カイマンを演じたい」と思うようになりました。やらせていただけて嬉しいし、やりがいがありますね。

近藤 ニカイドウは私が演じたことのないタイプのヒロインだったので、「どうやって演じたらいいんだろう? どんな感じで役作りをしたらいいんだろう?」って、私も最初はすごく悩みました。特に今回はテープオーディションのみだったので、自分だけの想像でお芝居するしかなくて。

スタジオオーディションではなかったのですね。

高木 そうですね。僕もテープオーディションでした。スタジオオーディションみたいにその場で色々と演出から指示があるわけではないので、玲奈ちゃんが言うように、自分でイメージして「僕だったらこう演じます!」とアピールするしかないんです。

例えば最初に「カイマン役、高木 渉です」って名前を入れるときも、僕なりにカイマンに成りきって喋ってみたり(笑)、少しでも印象に残るよう意識しました。後日収録が始まって原作の林田先生にお会いした時に「自己紹介のところから笑っちゃいました」と言ってもらえた時は嬉しかったですね。

なるほど。テープオーディションは“アピール”も大切なのですね。実際にアフレコが始まって、カイマンというキャラクターをどのように作っていったのでしょうか?

高木 最初はトカゲの雰囲気っていうのかな? がらっぱちというか、僕のなかでのハスキーボイスをどんどん出していたんですが、音響監督の藤田(亜紀子)さんから「もっと若く、もっとフレッシュに。トカゲはあんまりイメージしないでください」と演出があって……だから、変に声は作らないよう自然にやりました。

それと、会話のほかにもナレーションやモノローグなど、本編中にはカイマンのバリエーションがいくつかあるので、アクションシーンは派手に、ナレーションは静かにといったような変化を意識して演じました。

近藤さんは先ほどおっしゃっていたように、オーディション時はニカイドウの役作りに悩んでいたとのことですが、アフレコが始まってからはいかがでしたか?

近藤 ニカイドウは私自身とかけ離れたキャラクターだと思っていましたが、アフレコが始まってお話が進んでいくなかで、自分と近い部分が見つかったりもしたので、林(祐一郎)監督や藤田さんからディレクションをいただきながら、どんどんニカイドウ像を作り上げていくことができました。

原作を読んでいたとき、ニカイドウは“年上のお姉さん”だと思っていたんですが、プロフィールを見たら私と同じ二十歳だったので、等身大の自分の気持ちで演じられたことも大きかったと思います。

グロテスクでカオスな世界観だからこそ、“楽しく明るく”!

作中のニカイドウとカイマンは年齢が近く“対等な立場”という印象ですが、実際は大先輩である高木さんと掛け合うということで、近藤さんには緊張もあったのでは?

近藤 1話の収録では「ついていかなきゃ!」ってすごく緊張していました。でも回を重ねるうちに掛け合いの感覚もつかめるようになってきて、監督にも「お二人のコンビネーションが良くなってきましたね」と言っていただけたので、本当に最高な先輩だなって思いました。

高木 いまのところ、ちゃんと書いておいてくださいね(笑)!

わかりました(笑)。高木さんは近藤さんとは初共演ですが、パートナーとして掛け合う際に意識したことなどはありますか? 結構、アドリブも入れていらっしゃるようですが。

高木 玲奈ちゃん、(そのアドリブにも)全然動じないですもん。合わせてきますからね。

近藤 めちゃくちゃ動揺していましたよ(笑)。「どうしよう?!」って。

高木 「お~、返してきた!」って、僕のほうが戸惑ってね(笑)。

ドロヘドロ 高木 渉 近藤玲奈 WHAT's IN? tokyoインタビュー

近藤 シリアスなシーンって緊張するんですが、そんなときに高木さんがちょっとギャグを挟んでくださることで、緊張もほぐれて現場も和みますし、本当に笑いが絶えない収録でした。

高木 そうですね。笑いがいっぱいありましたね。それはおそらく、林田先生の原作の魅力でもあると思います。グロテスクに見える場面だったりバイオレンスシーンがあったりしてもどこかコミカルな部分があって、緊張感が高まると笑いで落とすみたいなね。そんな雰囲気で僕らも収録していたから笑いも絶えなかったよね。

1話の冒頭でも、人間の頭にかぶりついたままの状態で喋ろうとして、何を言っているのかわからないカイマンの描写につい笑ってしまいました。あのシーンだけでも『ドロヘドロ』の雰囲気がわかるというか……。

高木 そうそう(笑)。「グロテスクさもある世界観だけどダークファンタジーですから、暗くしないで楽しくいきましょう」なんて演出もあったので、みんなでその雰囲気は共有していました。毎回いろいろな役を演じてくれるキャストも、皆さんそれぞれに雰囲気を変えて作品を支えてくれました。葬儀屋役やゴミ袋の中の男役とかたくさん演じてくれた福西(勝也)くんなんかも面白かったなあ。よだれを飛ばしまくるスタンドの店主役の松川(裕輝)くんとかね(笑)。

近藤 福西さん、服装から役作りをされていましたから。

高木 そうそう(笑)。

近藤 1話では葬儀屋さんの役ということで、喪服のようなイメージで黒いスーツを現場に着ていらっしゃって(笑)。面白い役者さんたちがたくさんいて、とても楽しい現場でした。

1 2 >