Interview

ネクライトーキー メジャーデビューアルバム『ZOO!!』。バンドの可能性を感じさせる多彩な曲たちが詰まった1枚についての手応えを訊く。

ネクライトーキー メジャーデビューアルバム『ZOO!!』。バンドの可能性を感じさせる多彩な曲たちが詰まった1枚についての手応えを訊く。

メキメキと人気と実力を付けているネクライトーキー。朝日(G)のボカロP”石風呂”名義の曲をセルフカバーした前作ミニアルバム『MEMORIES』を経て、堂々完成したメジャーデビューアルバム『ZOO!!』が素晴しい。今作から楽曲作りにメンバーが深く関わり、よりバンド感を打ち出した内容に仕上がっている。過去最高にバラエティに富んだ作風は、聴き手の様々な感情やイマジネーションを掻き回す魅惑のポップ作と言えるだろう。メンバー5人に話を聞いた。

取材・文 / 荒金良介


自由にやっていいんだって、それをプログレから教えてもらいました(朝日)

今作を聴いて、まずは「ぽんぽこ節」のインパクトが半端じゃなくて。

カズマ 嬉しいですね。

朝日 めちゃくちゃお気に入りの曲です!

今作の制作中はよくプログレを聴いていたそうですね?

朝日 エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)をよく聴いてました。『タルカス』と3人の顔が横に並んでいるジャケの……。

『トリロジー』のことですか?

朝日 そうです! その2つの作品を聴いてました。ELPはかっこ良くていいですよね。あと、YESとかなぜかよくプログレを聴いてたんですよ

「ぽんぽこ節」は特にそのプログレの影響が出ているんですかね? 今作の中でもアレンジが凝っているし、ユニークな曲調ですよね。

カズマ 紆余曲折があり、今の形になったんですよ。リフだけ完成して、その後の展開をどうするのか、それを考える時間がめちゃくちゃ長くて。

朝日 イントロのファンクっぽいところは早く完成したけど、そのまま続けるのも違うよなあと思い・・・1ヵ月が経ち、そのときにヒントをくれたのがELP、YESなんですよ。あっ、自由にやっていいんだって、それをプログレから教えてもらいました。

藤田 イントロのリフのフレーズは難しくて、それにアレンジを加えて、どんな雰囲気にするかをいろいろ考えました。

中村 私は朝日さんが聴いていたプログレは知らず、メロディは直感で付けたものなんですよ。それを含めて、私は楽しみながら作れました。

カズマ リズムのデパートみたいな曲だから(笑)、イントロの後にハネたリズムになり、それも難しかったのでやりがいはありましたね。

朝日 BPMは一緒やねんな。

カズマ そう! 5拍子のところもBPMは一緒で、いかに難しく感じさせないように聴かせるか……そこはこだわったポイントです。

サビの大団円感や途中の狂ったところもうまく歌えたなと(もっさ)

もっささんはこの曲調に歌を乗せるのは大変じゃなかったですか?

もっさ 今作の中で一番苦労しました。逆に言うと、一番良くできたなって。サビの大団円感や途中の狂ったところもうまく歌えたなと。歌詞は寂しい感じがあるから、その雰囲気も出せたらいいなと。

「ぽんぽこ節の「なんたるか」/教えたろかニンゲンドモ」の歌詞が気になって仕方ないんですが、これは?

朝日 それは一体、何なんでしょうねえ。

全員 ははははは。

朝日 これが正解なんです、と言っちゃうと、もったいない気もして。「ぽんぽこ節」は聴いた人の数だけ正解があると思っていただけたら。

カズマ 逃げた!(笑)。

朝日 音楽ってそういうところがあるじゃないですか。その人の解釈が正解みたいな。曲調もコロコロ変わるので、どこの部分がぽんぽこ節なのか?って感じですもんね。イントロなのか、鍵盤なのか、5拍子なのか……今のところ「ぽんぽこ節の「なんたるか」/教えたろかニンゲンドモ」から5拍子に入るから、それが最有力です!

全員 ははははは。

優しいですねえ。

朝日 いや、諸説あるので、あくまでもそれは一説です(笑)。

リズム的な部分と、おまじないのような意味合いもあるかなと勝手に妄想を膨らませました。

藤田 やはり宇宙なのでは?

朝日 宇宙説ね(笑)。鍵盤からも宇宙っぽい音は出てますからね。ただ、そこは聴いた人の解釈かなと。映画『平成狸合戦ぽんぽこ』主題歌が上々颱風の「いつでも誰かが」で、離れた故郷のことを歌っているんですよ。この「ぽんぽこ節」も表向きは楽しい曲だけど、その裏には「戻らない写真だけ眺めていた」と歌詞にあるように昔を懐かしんでいる歌なんですよね。

いろんな思いがこもった曲だと。「ぽんぽこ節」ばかりの話になっちゃいましたが(笑)。

朝日 いえ、この曲は喋ることがたくさんあるので大丈夫です。

今回はオモチャ以外のものも入ってる気がして、包丁とか……(朝日)

今作は中村さん加入後、初のフル・アルバムになります。何かそこで変化はありました?

朝日 これまでは俺がデモを作り込んで渡すことが多かったけど、今回は大枠だけを作って、ほかのメンバーに任せる作り方が多くなりました。だから、よりバンド感が出たかなと。

もっさ 確かに『ONE!』と比べると、各メンバーの個性が出てきて、だからこそ、こんなに散らかってるというか(笑)、いろんな方向に向いた曲があるのかなって。

それでオモチャ箱をひっくり返したような作風になったと。

朝日 今回はオモチャ以外のものも入ってる気がして、包丁とか・・・。

藤田 危ない(笑)!

中村 いろんな罠が入っているという。

朝日 うん、よりごちゃ混ぜ感はありますね。オモチャ箱というのも気付いたら、そうなった感じです。

中村 作る過程では全く意識してなくて、自分の入れたいフレーズをやってみたら、結果そうなっただけかもしれない。

カズマ 今回のアルバム名も後付けですからね。動物が主人公の曲も多いから、『ZOO!!』っていいよねって。コンセプトが先にあったら、ウチのバンドはまとまるのかなあ?

中村 みんな、その時々でやりたいことが違うからね(笑)。

今作の楽曲の振れ幅は朝日さんが大枠を作り、ほかのメンバーに委ねられるようになったことが大きいんでしょうね。

朝日 そうですね。スタジオで「せーの!」で合わせて、フル尺まで完成させた曲もありますからね。「深夜とコンビニ」はアルバム制作の最初の方にできた曲なんですけど、すごくいい曲だし、このままの勢いで作りたいと思うようになりました。

驚いたのは朝日さんは速い曲しか作れない、ゆっくりしたバラードは作れないと言ってて、「深夜とコンビニ」を持って来たことなんですよ(笑)(中村)
もっさが作った「夏の暮れに」も凄く良くて。ギター、ドラム、曲の構成を持って来てくれて、それからみんなでアレンジしたんですよ(藤田)

「深夜とコンビニ」ができたことで、今作の方向性も導いてくれたと?

朝日 俺の中ではそうですね。

もっさ 私は「深夜とコンビニ」がバラードだったから、この作品はどうなるんだろうって、不安の方が大きかった。

全員 ははははは。

藤田 朝日の中では曲の種はいくつもあって、その中でたまたまバラードが先になっただけなのかなって。私の中では「ぽんぽこ節」ができたときに、これは最高の盤ができるという確信を持ちました。

朝日 それがねぇ、「ぽんぽこ節」でハードルが上がったから、ほかの曲がこれに及ばなかったから、格差ができちゃうという話をもっさとしたなあ。

藤田 まあ、一強になる可能性もあるからね。

中村 驚いたのは朝日さんは速い曲しか作れない、ゆっくりしたバラードは作れないと言ってて、「深夜とコンビニ」を持って来たことなんですよ(笑)。

カズマ 確かに。しかもドヤッてたよね?

中村 そう! 朝日さんは作れないのに……作れちゃったの?

朝日 作れないのは事実やねん。ゆっくりな曲は俺の中でハードルが高くて、曲がダラダラしたら途中で止めろ!ってなるんですよ。だから、よっぽどいい曲じゃないと、ゆっくりした曲は作れなくて。日々作っているんだけど、凄まじい数ボツにしてて。速い曲とゆっくりした曲はわりと同じ数作っているんだけどね。

中村 フルイにかけて残ったのがこの子だったと?

朝日 そうそう。速い曲は6割ボツ、バラードは96%ボツにしてる。

中村 ほとんどやん(笑)。

カズマ 100曲作って、4曲しか残らないってことでしょ。

朝日 ほんとそれぐらいの割合で残った曲をメンバーに聴かせてる。

中村 もし朝日さんがバラードを作れなかったら、もっさが持って来るんだろうなと勝手に思ってて。

もっさ 私は逆に作らないでおこうと。

中村 だから、いい意味で裏切られたというか。

藤田 もっさが作った「夏の暮れに」も凄く良くて。ギター、ドラム、曲の構成を持って来てくれて、それからみんなでアレンジしたんですよ。難航したんですけど、難航した分だけいいものに仕上がった。

もっささんが作った「夏の暮れに」は明るさと切なさが入り交じりつつ、人間臭い歌詞もポイントになってます。

朝日 人となりが出ますよね。歌詞、相当悩んでいたよね?

もっさ うん、悩みました。

中村 歌う直前まで歌詞を書いてたんだっけ?

もっさ そう。歌詞はギリギリですね(笑)。とにかく「深夜とコンビニ」を聴いたときに、ムカついちゃって(笑)。

大丈夫、あと数年は作らへんから。今回は語りどころの多い作品ですね(朝日)

何にムカついたんですか?

もっさ ウザッ!と思ったんですよ。

朝日 単純にドヤ顔がムカついただけでしょ(笑)?

もっさ うん。「深夜とコンビニ」を作ってきたときにドヤってたし、しかも残念なことにいい曲なので……。

藤田 残念なことに!って(笑)。

朝日 大丈夫、あと数年は作らへんから。今回は語りどころの多い作品ですね。

藤田 「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」という曲があって、作ってるときの仮タイトルは「PAD(パッド)」だったんですよ。

朝日 (カズマ)タケちゃんにパッドで演奏してもらう構想があったからね。

藤田 最初にパッドが入ってて、バンドインをどれだけ派手にかっこ良くするのか。それはタケちゃんが音作りをめちゃくちゃ考えてくれたんです。

カズマ 往年のギターロックみたいなソロが入ってるし、遊びに遊び尽くした曲ですね。

朝日 作るのが楽しかったですねえ。エンジニアさんもミックスが楽しそうで、「スネア大きくしませんか?」と提案したら、「いいねえ!」とエンジニアさんが言ってくれて。結果、スネアはクソでかくして良かったです。

デモの段階からおどろおどろしいニュアンスがあって、それを聴いたときに、こんな曲がアルバムに入るのかという驚きはあって(カズマ)

「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」はほかの楽曲と比べても、音の雰囲気が違いますよね。

藤田 全員音作りにはこだわりました。私もビッグマフを入れて、後半ベースをめちゃくちゃ歪ませているんで。

カズマ デモの段階からおどろおどろしいニュアンスがあって、それを聴いたときに、こんな曲がアルバムに入るのかという驚きはあって。だけど、もっさが歌うと、また印象は変わりましたね。

もっさ ちょっとマシになった?

カズマ いや、別に悪い意味で言ったわけじゃないよ(笑)。

中村 曲名も可愛らしかったから。

藤田 そこはみんな裏切られましたね。

朝日 俺はそんなに曲名と曲にギャップは感じないけどね。この元ネタは『平成狸合戦ぽんぽこ』の百鬼夜行のシーンで、あれも狸がやっているから、もふもふ大行進だし。

中村 はははは、まあね(笑)。

朝日 だから、それほど曲名とのキャップを感じなくて。

ただ、この曲の歌詞だけ特にシャープですよね。それがさきほど言っていた、オモチャ箱の中にある「包丁」の部分なのかなと。

朝日 そうですね。歌詞の雰囲気も結構違いますからね。9月末に作っていたので、ハロウィンも近づいているし、お祭り騒ぎって当事者たちは楽しいだろうけど、傍から見たら百鬼夜行だなと。音楽もそういう部分があるじゃないですか。フェスでめちゃくちゃ盛り上がっている光景も、傍から見たら百鬼夜行に見えると思うんですよ。そんなことも考えながら書きました。この曲もいろいろ詰まってますね。

ネット社会に対して、チクリと刺す内容もありますよね。

朝日 そうですね。今回は情報量が多いと思います。最終的には聴いた人が好きなように想像を膨らませてくれたらいいなと。

今作を作り終えて、メンバー皆さんやり切った感はあります?

藤田 この曲たちをライヴでやるために練習しなきゃいけないので、やり終えた感はないですね(笑)。

カズマ 録った達成感はあるけど、曲を熟成させる期間はなかったので、今後どうなるかは楽しみですね。

ライヴならではのアレンジができそうな曲が多いので、いろんなことをやってみたいですね(もっさ)

では、2月からレコ発ツアーが始まります。ファイナルはZepp Tokyo公演になりますが、どんなツアーにしたいと思ってます?

朝日 今作の曲たちと一緒に成長できたらなと。

もっさ ライヴならではのアレンジができそうな曲が多いので、いろんなことをやってみたいですね。

カズマ これまでとセットリストもガラッと変わるだろうから、ドキドキでいっぱいなんですけど。きっと次のアルバムにも繋がるツアーになるだろうなと。大きな会場でやるので、それは今からシンプルに緊張してます。

藤田 今作の曲を多くやるだろうから、セットリストを考えるのは悩ましいなと。

中村 ライヴハウスの規模も一回り大きくなるから、初めて観る人も増えると思うんですよ。今作と過去曲を含めて、どれが鉄板曲になるのかなって。自分たちでもドキドキしつつ、それも楽しみですね。

その他のネクライトーキーの作品はこちらへ。

ライブ情報

ネクライトーキー「ZOO!!」リリースツアー 「ゴーゴートーキーズ! 2020春」

2月23日(日) 神奈川 CLUB CITTA’
2月29日(土) 北海道 ペニーレーン24
3月12日(木) 栃木 HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
3月14日(土) 宮城 CLUB JUNK BOX
3月15日(日) 群馬 club FLEEZ
3月20日(金) 静岡 UMBER
3月21日(土) 京都 MUSE
3月26日(木) 熊本 B.9 V2
3月28日(土) 福岡 DRUM Be-1
3月29日(日) 広島 バンキッシュ
4月4日(土) 石川 AZ
4月5日(日) 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
4月9日(木) 兵庫 ART HOUSE
4月11日(土) 香川 DIME
4月12日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM 2nd Room
4月18日(土) 愛知 ダイヤモンドホール
4月19日(日) 大阪 なんばHatch
5月4日(月) 東京 Zepp Tokyo

ネクライトーキー

2017年に朝日(ギター)が中心となり、もっさ(ボーカル)、藤田(ベース)、カズマ・タケイ(ドラム)により結成
2019年3月に中村郁香(キーボード)が正式加入し、現在の5人体制となる。
邦楽・洋楽はもちろん、ゲームミュージックまで取り込んだ遊び心あふれるPOPなメロディーと時にコミカルだったり、ネガティブだったり、チクリと毒気がありつつも切なさを感じる歌詞。
この中毒性満載な楽曲を、あどけなさの残るキャッチーで唯一無二な声で歌い上げるネクライトーキーにしか生み出せないサウンドで、結成2年ながら各地のフェスでは軒並み入場規制、全国ツアーのチケットも全公演完売させ、ネクストブレイクバンドとして躍進中!

オフィシャルサイト
https://necrytalkie.jp