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ニーコ&竹中凌平らが熱戦の果てに見せる“人間ドラマ”。『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ-開幕レポート

ニーコ&竹中凌平らが熱戦の果てに見せる“人間ドラマ”。『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ-開幕レポート

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ-が、1月6日(月)天王洲 銀河劇場にて開幕した。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2004~2012年まで連載された、天野明による大人気漫画の舞台化第3弾。演出・脚本は引き続き「劇団鹿殺し」代表の丸尾丸一郎が担当し、アニメでもリボーンを演じたニーコ、沢田綱吉(ツナ)役の竹中凌平も続投。原作でも人気の高い「vsヴァリアー編」の後半戦、ツナたちとヴァリアーのボンゴレリングを賭けた死闘の結末が描かれる。
リボーン 役・ニーコ、沢田綱吉 役・竹中凌平、雲雀恭弥 役・岸本勇太、クローム髑髏 役・朝倉ふゆな、六道 骸 役・和田雅成、XANXUS 役・林田航平、マーモン 役・甲斐千尋、ゴーラ・モスカ 役・工藤翔馬が登壇した会見の模様と、ゲネプロでの熱演をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


人間ドラマにもぜひ注目していただきたい

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGEの初演は2018年秋。運動も勉強もダメダメで何事もすぐに諦めてしまう、うだつの上がらない少年・ツナこと沢田綱吉の前に、赤ん坊の姿だが凄腕のヒットマン(殺し屋)であるリボーンが家庭教師として現れたところから始まった。

ボンゴレファミリーに代々伝わる、頭を撃たれた者が“撃たれたときに後悔したことを死ぬ気で頑張ってしまう”という秘弾「死ぬ気弾」を用いて、リボーンがツナをイタリアンマフィア・ボンゴレファミリーの10代目ボスとして立派に育て上げようと奮闘する姿と、ツナの元に「ファミリー」となる仲間たちが集まっていく経緯、さらに後半では六道 骸たちが襲撃してくる「黒曜編」までが描かれた。

2019年6月に上演された第2弾作品では、ボンゴレファミリー最強の独立暗殺部隊「ヴァリアー」が登場。次期ボスとその守護者としての証である7つの“ボンゴレリング”を巡り、ツナたちとヴァリアーたちの「リング争奪戦」がスタートした。

第3弾の今作は「リング争奪戦」の後半。新キャラクターも登場して、一層の激しさを増す戦いの行方が明らかとなる。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

初日前日、ゲネプロ前に行われたオフィシャル会見からレポートする。
会見には、リボーン 役・ニーコ、沢田綱吉 役・竹中凌平、雲雀恭弥 役・岸本勇太、クローム髑髏 役・朝倉ふゆな、六道 骸 役・和田雅成、XANXUS 役・林田航平、マーモン 役・甲斐千尋、ゴーラ・モスカ 役・工藤翔馬の8名が登壇。 微笑ましいやりとりを交わしながら、初日へ向けた意気込みを語った。

まずはリボーン 役・ニーコが「今回で“ヴァリアー編”が完結するので、リング争奪戦の行方をぜひ見ていただきたいです」と呼びかけ。続けて「私はアニメでもリボーン 役をやらせていただいていたのですが、その頃から時を経た今は私も親にもなり、作品への見方や感じ方が変わったように思います。今作では稽古場からいろんなところに“親と子”の関係性というドラマが見えてきました。そういった人間ドラマにもぜひ注目していただきたいなと思います」と、自身の体験を踏まえて見どころを明かす。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

沢田綱吉 役の竹中凌平は「とても人気の高い“ヴァリアー編”の舞台化でプレッシャーもありましたが、霧戦の幻術や雲戦のゴーラ・モスカ、そして大空戦など、どう舞台上で表現していくのかというところを楽しんで見ていただければと思います! 大空戦でツナが負けてしまったら、ボンゴレ10代目の座はXANXUSに取られてしまうのですが、“partⅠ”でボンゴレもヴァリアーのファミリーも身を削って魂を削って戦ってくれていたので、その熱い想いを受け継いで大空戦に臨みたいと思います」と語り、前作で1対1の死闘を見せた仲間たちに言及。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

雲雀恭弥 役の岸本勇太は、ニーコや竹中同様にこれまでのシリーズすべてに出演。「生身で見せる部分と映像などによるテクニカルの部分、いろんなところの見せ方が高まった“ヴァリアー編”の後半、ぜひ見ていただけたらと思います。雲雀としては、前回ディーノと修業を積んだ結果を見せられたら。雲戦から物語が加速するような部分があるなと思っているので、物語のひとつのポイントとしてお届けできたらと思います」と見どころを語った。

今作から登場するクローム髑髏 役の朝倉ふゆなは初出演。「初めてリボステのカンパニーに入りましたが、皆さん温かくて本当に素敵なカンパニー。リボーン愛に溢れています!」と喜びを語り、「劇場入りして客席から舞台を見る機会があったのですが、映像、照明、音響、演出部さんの動き……全部の効果がひとつの感情をつくり出していく演出がすごくキレイでした!」と目を輝かせる。続けて「丸尾さん(丸尾丸一郎)がよくお話されていたのですが、それぞれのキャラクターが最終決戦となる大空戦に向けて、傷つきながらも足掻いてボスと守護者の座を護ろうとバトルするところが、すごく心に沁みるお話になっていると思います」と作品の魅力を伝え、自身のバトルシーンに関しては「お客様を幻術の世界とリボステの作品世界にさらに引き込んでいけるように、しっかりと役割を果たしたいと思います」と決意を見せた。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

六道 骸 役の和田雅成は、初演ぶりの登場。「映像やセット転換はもちろん、その中でも丸さんは“人間のやる意味”というものをすごく大事にされていて。いろんな技が登場するのですが、それもあえて人間がやっています。その意味をすごく大切にされていたので、楽しみにしていただけたらなと思います」とこだわりの部分を明かしつつ、「初演に参加させていただいたときから今回の戦いを楽しみにしていました。前作は劇場で観させていただいたのですが、ヴァリアーがとても強くて、マーモンも強かったので、絶対にボコボコにしてやろうと思っていました!」と言葉を強め、会場から笑いを誘う。

重ねて「相手の強さ以上に鍛えてきた自信があるので、ボコボコにしたいと思います!」と語った和田が演じる、六道 骸の対戦相手であるマーモン 役の甲斐千尋は「マーモンは最強だと思っているので、ボスのためにも自分の野望のためにも頑張って、クロームと骸をバッカボコ……ボッコボコにします!」と、応戦していた。

XANXUS 役の林田航平は「XANXUSとしては、先ほどニーコさんも仰っていた“血の関係”というものを稽古でも掘り下げてきたので、そのあたりを見ていただけたらと思います。マーシーさん(和田雅成)が仰っていたように演劇でしかできない遊びを丸さんが入れてくれているので、そのあたりにもご注目ください」と登壇者のコメントを丁寧に拾いつつ、「個人的には、なぜヴァリアーが一緒にいるのかが、わかるシーンがあると思っています。注目していただけたら嬉しいです。これまでの稽古で積み上げてきたものを存分に出せるように、沢田綱吉率いるボンゴレファミリーを全力で“かっ消し”にいきたいと思っています」と、XANXUSの言葉を入れ込んで意気込んだ。

マーモン 役の甲斐は「前回に増してボンゴレの絆やヴァリアーの絆が深まっています! 今回からのキャストもみんな一丸となってやっているので、その絆が見えたらいいなと思います。カンパニーに関わっている全員がリボーン愛に溢れていて、愛を持ってつくっています! その愛と一緒にリボーンの世界をお届けできるように頑張りたいと思います」とコメント。そこに「あと、ボスがカッコいいので見てください!」と付け加え、和田から「小学生の感想か!(笑)」とツッコまれながらも、ヴァリアーの絆をうかがわせた。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

ゴーラ・モスカ 役の工藤翔馬は、モスカは話せないキャラクターということで、会見中は終始無言。「雲のリング戦に勝つ自信は?」という質問に挙手で「YES」と答えるなど、ジェスチャーや代理コメントで回答して場内からは笑い、登壇者からは絶え間ないツッコミを巻き起こしていた。

クライマックスの「大空戦」に関して、ニーコが「守護者たちみんながボスたちのために戦うので、本当に集大成、めちゃくちゃ贅沢な戦いです! 素晴らしい出来栄えになっていますので、ぜひ期待していてください」と期待値を高めるなど、キャストたち全員、語りどころが尽きない様子。

最後は“お客様へのメッセージ”として、竹中が「2020年になり、今年初めての観劇がリボステになる方もいらっしゃるかもしれません。“今年もいい舞台を観たな”と感じてもらえる作品になればなと思っています。頑張ります!」と宣言。

そしてニーコが「新しく登場するキャラクターも漫画やアニメから出てきたかのような仕上がりですし、久しぶりに六道 骸も出てきます。ツナも言っていましたが、新年初の観劇でリボステを見に来てくださる方を絶対に満足させる自信がありますので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います」と締めて、会見は終了した。

大空戦にたどり着くまでに積み重ねられたファミリーたちの死闘、それぞれのプライドや想い

この後はゲネプロの模様をレポートする。

前作から引き続き行われる「リング争奪戦」は、謎の少女・クローム髑髏と不穏な気配を漂わせるマーモンが対決する「霧戦」。そして孤高の風紀委員長・雲雀恭弥とゴーラ・モスカが戦う「雲戦」。さらにXANXUSが仕組んだ陰謀により、すべてを賭けて挑むことになったツナとXANXUSによる「大空戦」へと展開していく。

全力のバトルシーンと、それぞれの関係性を感じさせる爽やかなやりとりとの緩急、さらに“いったいどうなってしまうのか!?”という驚きの展開に、最後の最後まで惹きつけられるステージだ。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

順を追っていくと、霧戦の対戦者はどちらも幻術使いであり、互いに恐ろしい幻を見せ合うバトルとなる。これがプロジェクションマッピングによる映像メインかと思いきや、会見でも言及されていた“人間のやる意味”を感じさせる、人力で見せていくスタイル。その演出によって、登場する幻術の数々が“人知を超えたを超えた超自然現象”ではなく、“使い手が練り上げた力によって生み出している技である”という説得力が生まれた。

それは破壊兵器であるゴーラ・モスカのバトルも同様。動力源の秘密を感じさせる仕組みでおどろおどろしく舞台上を闊歩してみせ、その後に明かされる真実とボンゴレ9代目とツナとの感動的なシーンを引き立てる。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

人間が真っ向から演じることによって生み出される熱気が観ている側の心を動かすのは、キャスト・スタッフすべての真摯さによるところが大きいのはもちろんのこと。そこに加えて、劇場で体感できるリボステの魅力を伝えるならば、フラットなステージの大きさが場面によって違って見えることを挙げておきたい。

前述したボンゴレ9代目とツナが会話するシーンや、ツナとリボーンの気の置けないやりとりなどは密着度が違う。その場面では照明を絞ることによって近しい仲であることを感じさせ、ツナとXANXUSが対峙するシーンや、幻術対決のバトルは可能な限り広く舞台を使い、油断ならない敵同士であることをうかがわせる。

照明が客席にまで広がっていく場面では劇場全体が“リング争奪戦の会場”だと宣言されたかのようで、ボスの座をかけた試合を今まさに目撃しているのだという臨場感を味わった。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

さらにもう一点。ステージ上部まで高さのある可動式パネルと映像による効果演出も、スピーディーな展開と登場人物たちのアクションを後押しするのに十分な役割を務めているが、舞台に枠組みを施して舞台の奥行きを3つに区切り、場面を重ねたことによる構図の美しさを特筆したい。

この舞台セットの力が最高に発揮されたと感じたのが、「大空戦」の最中だ。最終決戦となったこの試合には、メンバー全員が守護者の座をかけて参加している。
ステージの一番奥に、ランボを庇って立つ獄寺隼人とレヴィ・ア・タンが向かい合い、その手前には雲雀恭弥とベルフェゴールが睨み合っている。そして一番手前で、両陣営のリーダーであるツナとXANXUSが対峙する。

3カ所で起こっているバトルが三層に重ね合わさり、緊迫感と高揚感を増幅させる。3つのバトルを同時に目にすることができる、とにかく熱くてカッコいい場面である。

舞台演劇では上手と下手といった左右に空間を分けた演出、あるいは高低差がある舞台装置を使い、いくつかのバトルを同時に見せるというのは常套だ。今作のように奥行きを使ってフィルター形式で場面を重ねていくバリエーションもあるだろう。
だが、この場面の“重なり”は、大空戦にたどり着くまでに積み重ねられたファミリーたちの死闘や、守護者それぞれのプライドや想いが積み上げられた結果として、またツナとXANXUSが背負うものの象徴として、この形になっているのではないかと受け取れた。
彼らの立ち位置と大空戦の意味合いが重なり合ったことで、このシーンが美しく鮮烈に焼きつく。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- エンタメステーションレポート

東京公演は1月13日(月・祝)まで天王洲 銀河劇場にて上演され、大阪公演が1月17日(金)~19日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。大千秋楽は、全国各地、香港、台湾、韓国の映画館でのライブ・ビューイングが決定している。また、Blu-ray&DVDは5月20日(水)に発売される。

舞台『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ-

東京公演:2020年1月6日(月)~1月13日(月・祝)天王洲 銀河劇場
大阪公演:2020年1月17日(金)~1月19日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

<ライブ・ビューイング>
2020年1月19日(日)17:00 開演 全国各地、香港、台湾、韓国の映画館
詳細はこちらにて

原作:天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
演出・脚本:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)

出演:
リボーン 役:ニーコ
沢田綱吉 役:竹中凌平/
獄寺隼人 役:原嶋元久
山本 武 役:山本涼介
笹川了平 役:上杉 輝
ランボ 役:KIMERU
雲雀恭弥 役:岸本勇太
クローム髑髏 役:朝倉ふゆな
六道 骸 役:和田雅成/
XANXUS(ザンザス)役:林田航平
S・スクアーロ 役:髙﨑俊吾
ルッスーリア 役:高木勝也
ベルフェゴール 役:大海将一郎
レヴィ・ア・タン 役:八巻貴紀
マーモン 役:甲斐千尋
ゴーラ・モスカ 役:工藤翔馬/
ディーノ 役:山田ジェームス武
コロネロ 役:深澤大河
沢田家光 役:河合龍之介
バジル 役:前田大翔
ボンゴレ9代目 役:武智健二/

アンサンブル:
橘 輝 長瀬絹也 藤 綾近 内藤ぶり 鈴木かぐや 富山バラハス 中西智也 下 瑞穂

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@stage_reborn)

©天野明/集英社
©『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE製作委員会

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE -vs VARIA partⅡ- Blu-ray&DVD発売

発売日:2020年5月20日(水)
価格:Blu-ray ¥9,800(税別)DVD ¥8,800(税別)
発売元:株式会社マーベラス
販売元:株式会社ポニーキャニオン