劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』特集  vol. 2

Interview

TVシリーズ放送延長の舞台裏も…『新幹線変形ロボ シンカリオン』おもちゃ開発陣が振り返る4年間、プラレール最新作「シンカリオン ALFA-X」への挑戦

TVシリーズ放送延長の舞台裏も…『新幹線変形ロボ シンカリオン』おもちゃ開発陣が振り返る4年間、プラレール最新作「シンカリオン ALFA-X」への挑戦

“企業秘密の塊”ALFA-Xがシンカリオンになれた理由

「シンカリオン ALFA-X」シンカンセンモード

なるほど、大変失礼しました(笑)。ではあらためて「シンカリオン ALFA-X」についてお聞きします。この商品化プロジェクトはいつ頃から始まったんでしょうか?

長沼 まず、「年末にはしっかり売り上げがとれるシンカリオン(おもちゃ)を出したい」という前提があり、2018年のうちには話を始めていました。2019年4月~6月のTVシリーズ延長と、劇場版をやるということが、弊社としてはセットであることが要望でした。おもちゃの事情で言えば、4月~6月だけの延長だと「クリスマス(商戦)はどうするの?」という話になってしまいますから。

それを前提として、年末にはいろんな合体ができる大型商品を出したいという話をしていました。でも、どの車両(新幹線)にするかについては、ずっと空席だったんです。

そうだったんですか!

長沼 昨年の大型商品としては「ドクターイエロー」という人気ナンバーワンの車両を選んでいました。シンカリオンは、新幹線そのものの人気が顕著に反映されるロボットであるため、次もやはり人気が高い車両を選びたかったんです。そこで、いくつか候補が挙がっては消えていくという中に……ドンピシャのタイミングで「ALFA-X」という試験車両がJR東日本さんから発表されました。


「シンカリオン ALFA-X」アルファモード

う~ん……(納得)! できすぎと思うぐらいですね。タカラトミーさんとしては、シンカリオンに変形しない通常のプラレールに先がけて商品化することも異例のトピックですよね。

長沼 はい。社内的に「絶対に通常のプラレールが先じゃないといけない」というルールは設けていないのですが。ただ、シンカリオンにする車両を選ぶ上での指標として、本来はプラレールの売り上げランキングをすごく参考にしているんです。

人気の車両かどうかっていうのは見ている。じゃあ今回はそれもスキップして。

長沼 そうですね。「ALFA-X」って、まず名前がカッコいいじゃないですか(笑)。で、どんな車両なのかとワクワクしていたら、ボディもめちゃくちゃカッコいいことが判明して。ダメ元でjekiさんからJR東日本さんに聞いてもらったところ、シンカリオンとしての商品化OKが出たんです。

不勉強で申し訳ないんですが、「ALFA-X」については「試験車両」と呼ばれていることしかよく知らなかったんです。

長沼 つまり、次の新幹線を作るベースになる機構をいろいろ入れている車両ですね。E5系ができる何年か前にも「FASTECH(ファステック) 360S」という緑色の車両がありましたが、そういった位置づけの車両です。正式に走る営業運転車両は、今後新規に作られることになると思います。

プラレール60周年記念展『プラレール博物館 ~昭和・平成・そして令和へ プラレールの歴史~』で展示された「FASTECH 360S」プラレールと1/20スケールモデル

ある意味「今だけ」の特別な車両がシンカリオンになるということですね。

長沼 はい、まさに。なので、JR東日本さんの企業秘密の塊というのもなんですが……僕らとしては、図面とかをお借りできないと厳しいわけです。

奥津 そうですね。そのため当初、「そういう詳しい情報はもらえないんじゃないか」と言っていたんですけど。jekiさんを通じて、今回は直接JRの「ALFA-X」開発チームの方とお話をさせてもらえたんです。

すごい! そこではどんな話をしたんですか?

奥津 「ALFA-X」に込められている思いと、実際にどんなところにこだわって作られているのかというお話を、おもちゃにも生かせるようにいろいろとお聞きしました。

長沼 ブレーキのお話しはとても印象的でした。ものすごく早いスピードを出そうとしている車両なので、ただスピードを出すことはできるのですが、安全に止めることが大切であり、大変なところみたいです。そのお話を反映して、「シンカリオン ALFA-X」では合体したときの肩の部分がパカッと開く「空力抵抗板」のギミックが入っています。

奥津 ここからミサイルが出るという。名前も、「クウリキテイコウミサイル」(笑)!

「カイサツソード」や「フミキリシュリケン」に続いて、そのまんまなのがいいですね(笑)。おもちゃ的にこのギミックはワクワクしましたが、「空力抵抗」というのは意外なこだわりでした。

長沼 あとは実際の車両でポイントになっていたのが「磁力」です。

奥津 そうですね。「シンカリオン ALFA-X」がオーバークロス合体するとき、かかとにつけるパーツなんですけど、これも「リニア式アンカーブレーキ」という名前があります。

ただのかかとではない! 部品ひとつひとつにもいろんな機能や意味があるんですね。

「シンカリオン ALFA-X」3両目に搭載された「クウリキテイコウミサイル」。ここがオーバークロス合体したときの肩~腕部分になる

「リニア式アンカーブレーキ」は、オーバークロス合体したときの「かかと」を構成するパーツになっている

こだわりのシルバー塗装。合体ギミックはまさにシリーズの集大成に!

「ALFA-X」は、車両のカラーリングにもかなりこだわりがあるのではないかと思いました。

奥津 そうですね。実際に車両を見せてもらいに行ったのですが、すごくきれいで……「この色の再現が一番大変だな」と思いました。見る角度によって色がぜんぜん違って見えるんです。日が当たっているとすごくシルバーで、ちょっと陰ってくると青っぽく変わったりするっていう。

長沼 塗っている塗料も特別なんです。おもちゃ的には、塗ることによるコストアップはすごく大きくて。普通のプラレールだったら天面・左面・右面の3面を塗ればいいのですが…シンカリオンは、1つの面にパーツが何個もあるので。

奥津 例えば腕のパーツだけで3工程になったり。そうすると全体で100以上の塗装工程が必要になります。だから、僕が最初に「ALFA-X」の実物を見たときには「塗装は無理だな」「成形色だけで表現しようかな」と思っていたんです。

でも、そんなわけないですよね……?(笑)

一同 (笑)。

奥津 みんな、そう思っていたわけですね(笑)。「これは塗るよね」と。なので結果的にはいろいろと調整して、塗装してもちゃんとコストが収まるようにしました。実際の車両の色の見本となるプレートをいただいて、より明るく見えたときの色に合わせて似せていきました。

そしてシンカリオンとしては、これまでのシリーズの集大成になる合体ギミックが見どころですね。

奥津 はい。シンカンセンモードからシンカリオンモードへ2段階の変形ができるのに加えて、「E5はやぶさ MkⅡ」以降のオーバークロス合体にも対応しています。これがけっこう大変で……。

ちょっと驚いたのが、「E5はやぶさ MkⅡ」が合体の受け手側になっているというか、「ALFA-X」をあっちに収めるんだ! というところでした。「過去のシンカリオンをすべて組みこめる大型商品」が出ると思っていたら、逆の構造になっていたという。

奥津 そう、まさにそこが大変でした(笑)。「E5はやぶさ MkⅡ」が完成した時点では、以降に何か大型商品を出すという構想はありましたけど、この合体構造まではできあがっていなかったので。

じゃあ、当初になかった想定外がもう一段階増えたってことですね。

奥津 はい、そうですね。過去最多の7両合体だった「E5はやぶさ×ドクターイエロー」に比べて、「E5はやぶさ MkⅡ」が3両変形になるぶん多くなって、8両合体という今までで一番大きな、重量もあるロボになりました。

しかし部品もほとんど余らずに合体できて。これはやりとげられた達成感があったのでは。

奥津 そうですね(笑)。できてよかったです。

8両合体の「シンカリオン E5 MkⅡ O×(オーバークロス) ALFA-X」

現代に“子どもたちの憧れ”の対象として成立するシンカリオンの強さ

最近は変形・合体するロボットが昔に比べて少なくなりましたし、シンカリオンがこうしてどんどん合体していくのは純粋にうれしいです。

長沼 そこは……子どものロボットへの憧れというものがだんだん変わってきていて。

奥津 最近はそれよりもモンスターとか、そういうもののほうが好まれやすいです。

長沼 今の子どもたちが生まれたときには、日本の技術水準がある程度上がっていて。ロボットは、子ども的には「あって当たり前」のものになっているので、そこに対する憧れというのは相当下がってきているんです。その点、新幹線はカッコいいものという認識が子どもの中で根強くて。

なるほど。

劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』特報映像より

長沼 やっぱり男の子って、新幹線のように、小さい頃に初めて目の前で見る「大きくて早い動く乗り物」が根本的にカッコいいっていう意識を植え付けられるもので、それとロボットとの相性がすごくいいんです。単なるロボットよりも、「よりカッコよくて憧れるものがロボットになる」というのがシンカリオンの強みです。ロボット形態がどんなにカッコいいデザインでも、そもそも新幹線から変形しなかったら、たぶんここまで響かなかったですよね。

実在する新幹線から変形するというのは、やっぱり大事なところですよね。そういう意味では、まだ子どもたちの身近にない「ALFA-X」が選ばれたのってすごいですね。

長沼 もちろん不安もありました。日本に1編成しかない試験車両で、子どもが目にできる機会がほぼないですから。営業運転している本物の車両を子どもが実際に見ることが、プラレールにとって一番の広告効果があることを考えると、やはり異色で。「大丈夫かな?」と思うこともありました。

奥津 そうですね。

長沼 あとは逆に“レア車両”ということを、どれだけ認知してもらえるのかが勝負どころでした。映画のタイトルにも「ALFA-X」を入れたり、「すごいものだよ」というアピールを事細かにしたりすることで、「ドクターイエロー」に近いリアリティのある存在だということを子どもたちにも持ってもらえるかなと。

「ALFA-X」以外にも要素満載の劇場版、ぜひスクリーンの大画面で!

そういう意味でも、物語の中で「ALFA-X」をどのように位置づけていくかは重要になりますね。タカラトミーさんとしては、劇場版のお話づくりにはどのように関わっているんでしょうか。

長沼 シナリオを組む前からお話をさせていただいています。TVシリーズのときもそうでしたが、「こういう年間スケジュールで、だいたいこれぐらいのタイミングに、この順番でロボットを発売したいです」というふうに、まだ何も組んでない状態でお話をするんです。すると、それを汲んだタイミングでうまくロボットを活躍させてくれるようなシナリオ作りをやっていただけました。

劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』本編より

じゃあ、劇場版でもその進め方自体はTVシリーズを踏襲して。

長沼 はい。映画のストーリー構成ができる前に、なるべく早くおもちゃの機構とか車両のことをお話しして、それをベースに話を作っていただいています。『シンカリオン』ではおもちゃ以外にも、キャラクターのコラボ案件などもいっぱいあるので(笑)、そういうものも持ち寄って。みんなが「これも入れたい」「あれも入れたい」と言ったものを、脚本家の下山(健人)さんがうまく料理してくださっています。

劇場版のシナリオが上がってきたのをご覧になって、いかがでしたか。

長沼 もう……よくぞ、これだけの要素を収めたお話ができたなと驚きましたし、下山さんはすごいなと思いました。ただでさえ、「ALFA-X」だけで変形・合体が3段階ありますからね。

確かに(笑)!

長沼 これを見せるだけで映画が1本終わっちゃうんじゃないかな、ぐらいのところに、劇場版にも「エヴァンゲリオン」や「初音ミク」を始めコラボ要素もたくさんあって。それを子どもが観られる長さにまとめるというのは大変ですよ。かといって2~3時間もあるような長い話にはできないですから。

「ALFA-X」がバッチリ活躍しつつ、お楽しみがほぼ“全部入り”の映画になりましたよね。では最後に、鉄道とプラレールのファンのみなさん、そして劇場版を楽しみに待っているシンカリオンファンのみなさんに向けてコメントをお願いします。

長沼 「シンカリオン ALFA-X」は、DXSシリーズのファンの方にはこれまでの集大成としてぜひ手にとっていただきたい商品になりました。鉄道ファンの方にも「あ、ここの機能がモチーフなんだ!」と楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。

奥津 そうですね。空力抵抗やリニアのブレーキのほか、車両の形が全車両で違う点など、パッと見ではわからないような「ALFA-X」の特徴もかなり細かに入れている商品になっているので、そういう部分も注目していただくと面白いのではないかと。

長沼 映画のほうは、迫力あるCGのロボットバトルはもちろんですが、JR各社さんのオフィシャルならではの細か~い鉄道描写もしっかり映像の中に入っているので、ぜひスクリーンの大画面で楽しんでいただければと思います。


【募集終了】抽選で2名様にプラレール『DXS11 シンカリオン ドクターイエロー』(提供:タカラトミー)をプレゼント!

5両編成の新幹線923形ドクターイエローの全車両が変形・合体して「シンカリオン ドクターイエロー」に! 今回のインタビューにも登場した『DXS11 シンカリオン ドクターイエロー』のおもちゃです。

応募期間

※募集期間は終了致しました。

12月26日(木)~2020年1月2日(木)23:59


【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、エンタメステーションTwitterアカウントのダイレクトメールにて後日ご連絡をさせていただきます。エンタメステーションTwitter公式アカウント(@essite_official)のフォローをお願いします。
・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・賞品および当選の権利は当選者本人のものとし、第三者へ譲渡・転売することは一切禁止させていただきます。譲渡・転売が発覚した場合、当選を取り消し賞品をお返しいただく場合があります。

※個人情報の取扱いについて
・お客様からいただいた個人情報は、当キャンペーン当選者様へのお問い合わせのために利用いたします。なお、個人情報を当該業務の委託に必要な委託先に提供する場合や関係法令により求められた場合を除き、お客様の事前の承諾なく第三者に提供することはありません。上記をご承諾くださる方のみご応募ください。


劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』

2019年12月27日(金)全国ロードショー

【キャスト】
佐倉綾音、沼倉愛美、村川梨衣、真堂 圭、竹達彩奈、杉田智和、雨宮 天、うえだゆうじ、山寺宏一
釘宮理恵、伊藤健太郎、吉田鋼太郎 ほか

【スタッフ】
監督:池添隆博
脚本:下山健人
キャラクターデザイン:あおのゆか
メカニックデザイン:服部恵大
音楽:渡辺俊幸
音響監督:三間雅文
アニメーション制作:OLM
アニメーション制作協力:SynergySP
CG アニメーション制作:SMDE
制作:小学館集英社プロダクション
製作:超進化研究所
配給:東宝映像事業部

©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019 ©カラー

映画オフィシャルサイト

< 1 2
vol.1
vol.2
vol.3