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阿久津仁愛が全力で戦い抜く。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編の開幕。彼らの絆に感涙必至!

阿久津仁愛が全力で戦い抜く。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編の開幕。彼らの絆に感涙必至!

“テニスって楽しい!”と心から思える舞台。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編が日本青年館ホールにて開幕した。2014年11月に始動したミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、最後の本公演。全国中学生テニストーナメントにて、都大会、関東大会を制し、快進撃を続けてきた青学(せいがく)と、最強を誇る常勝・立海。どちらが全国頂点の座に上り詰めるのかが決定する──。

12月19日(木)の初日直前に行われたゲネプロのレビューと、越前リョーマ 役・阿久津仁愛(にちか)、手塚国光 役・青木 瞭、幸村精市 役・立石俊樹、跡部景吾 役・三浦宏規が登壇した囲み取材のレポートを届ける。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


“楽しい”という絶対的な理由を再発見したリョーマは、無敵に輝く

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編が上演されたのは、今年の7月~9月末まで。真夏の暑さを超えんばかりの熱量で、ダブルスとシングルス合わせて4試合が繰り広げられた。

青学(せいがく)の1年生ルーキーである主人公・越前リョーマ(阿久津仁愛)は、その大事な決勝戦を前にして記憶喪失になってしまったことが判明。青学(せいがく)メンバーは試合の裏でリョーマの記憶を呼び起こそうと奔走する。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編 エンタメステーションレポート

「後編」は、「前編」で行われた試合の振り返りとリョーマが記憶喪失になった原因である、父・越前南次郎(森山栄治)との特訓風景の回想から始まる。

次いで、青学(せいがく)メンバーたちの努力によって徐々にテニスの感覚を取り戻し始めたリョーマのもとに、今までの試合でリョーマと戦ったライバルズが登場。これまでの戦いを辿ることで、皆が知る「越前リョーマ」を甦らせていく。

過去に対戦相手として立ちはだかった面々が、主人公の背中を押すために一丸となってひと肌脱ぐ。胸の熱くなる展開だ。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編 エンタメステーションレポート

「前編」で描かれた青学(せいがく)の先輩たちとの試合に続き、「後編」でリョーマと再試合を行う相手は、不動峰の伊武深司(健人)、聖ルドルフの不二裕太(大原海輝)、山吹の亜久津 仁(川上将大)、氷帝の日吉 若(内海啓貴)、比嘉の田仁志 慧(高田 誠)。
立海の真田弦一郎(田鶴翔吾)は、青学(せいがく)部長・手塚国光(青木 瞭)との死闘で見せた奥義も明らかにし、氷帝の跡部景吾(三浦宏規)も全力を尽くしてリョーマと向き合う。

独自のプレースタイルを持つ彼らが最大値で球を打ち込むと、リョーマもそれに呼応して、かつての小生意気な口調と共に打ち返せるようになる。

ギュッと濃縮された戦いとはいえ、名台詞や必殺技を連続で目の当たりにできる贅沢さに心が踊る第一幕である。初観劇の人はシリーズを追体験することができ、シリーズを追ってきた人はこれまでの感動を思い起こすことができるだろう。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編 エンタメステーションレポート

その後、彼らのおかげで自身のテニスを取り戻し、最終決戦となるシングルス1に出場するために駆けていくリョーマを見送るライバルズと、リョーマに勝敗を託すのみとなった青学(せいがく)のメンバーの真摯な眼差しは、座長の阿久津仁愛を支えようとするカンパニーの決意と重なって見えた。

今作は一幕も二幕もリョーマの試合が立て続けに行われる。その戦いひとつひとつが、「神の子」の異名を取る立海の部長・幸村精市(立石俊樹)に立ち向かうためには必要不可欠なのだが、越前リョーマを演じる阿久津仁愛の運動量はかなりのボリュームだ。
物語としても、連続で試合に臨むリョーマの体力をベンチの面々が心配する描写が入る。しかし、リョーマも、阿久津仁愛も、驚くべき軽やかさでその杞憂を凌駕していく。
試合のクライマックスまで、彼だけ地球から重力をオマケしてもらっているのではないかと思うほど軽快なステップを刻み、満面の笑みを浮かべて羽ばたくような跳躍力を見せるのだ。

幸村精市のプレーは、あらゆる球を打ち返す隙のなさで相手プレイヤーのやる気を削ぎ、ついには五感を奪っていくもの。その能力は、以前リョーマと好戦した四天宝寺の遠山金太郎(平松來馬)すらも膝をつく怖ろしさである。リョーマも決勝戦の最中、幸村に五感を奪われて一度は闇の中へと迷い込む。

だが、つらさと苦しさしか考えられなくなったリョーマのところに「サムライ南次郎」と呼ばれていたプロ時代の父親が現れ、優しく「テニス、楽しいか?」と問いかける。その言葉でリョーマは原点を思い起こし、大きく頷くと晴れやかな笑顔でコートに返り咲くのである。

“楽しい”という絶対的な理由を再発見したリョーマは、無敵に輝く。
その何にも負けない、捕らわれない強さを、阿久津仁愛の清々しい笑顔と飛躍が言葉を超えた説得力で証明していた。

彼の笑顔を見守る青学(せいがく)メンバーたちの表情も印象深い。それぞれのキャラクターならではの声掛けが、しっかりとした肉声として客席にも届く。

そのリョーマたちと対峙する、幸村と立海チームの貫禄と細やかな演技も必見。負けられない理由を背負った幸村と、固唾を呑んで幸村を見つめる立海メンバーたちの絆の深さ。最後まで勝敗がわからないと思わせてくる立海・幸村の強敵感があってこそ成立した迫力の決勝戦だ。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編 エンタメステーションレポート

そして二幕後半、決勝戦の勝敗からフィナーレに至るまでの追憶めいた場面は、ステージに立つキャストたちの成長の軌跡はもちろん、観劇する側の記憶を呼び覚まさせるような要素が散りばめられている。

一幕で繰り広げられた試合のリプレイもそうだが、リョーマの“原点回帰”と重ね合わせるかのように、シリーズ当初から人気の曲をメドレーにするなど、本作品は特に積み上げられてきたものの上に成り立っている場面が多い。

あの曲。その台詞。この熱気。

どこかのポイントをキッカケとして、“テニミュ”を愛してきた観劇の思い出や、自身の青春期が甦ってくる人もいるかもしれない。
観客それぞれが“楽しかった!”と眩しく懐かしく感じる頃を思い起こすこともまた、2003年から続く“テニミュ”シリーズの強みであり、魅力である。

今という瞬間でしか味わえない最高に楽しめるステージを浴びて、“楽しかった”という記憶が残る。それがこうして大切な思い出を呼び覚ますものに出逢える機会になり、その機会がまた“楽しい”という感覚をくれるのであれば、こんなに幸せなことはない。
上書きではなく幾重にも積み重なっていく“楽しい”は、観ている側の心を灯してくれるだろうし、その灯りはきっとこの先の道さえも照らしてくれるものになる。

すべての人の“青春”になり得る、輝きに満ちたステージである。

“テニミュの夏はまだまだ終わっていません!”

この後は、囲み取材のコメントをレポートする。

囲み取材には、越前リョーマ 役・阿久津仁愛(にちか)、手塚国光 役・青木 瞭、幸村精市役・立石俊樹、跡部景吾 役・三浦宏規が登壇。初日を迎えての想いや意気込みを語った。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編 エンタメステーションレポート

今回の公演にかける意気込みをお願いします。

阿久津仁愛 テニミュで試合をするのが約1年半ぶりなのですが、ゲネプロを終えてみて“ずっと舞台上にいるな”と気づき、それが嬉しかったです。58公演、無事に駆け抜けられるか不安もありますが、リョーマが楽しんでテニスをするように僕自身も楽しく笑顔で頑張っていきたいと思います!

青木 瞭 3rdシーズン最後の本公演になりますが、青学(せいがく)としては仁愛とリョーマを全力で支えていきたいと思っています。僕が目指している青学(せいがく)は、みんなでひとりを支えるようなチームですし、それによってチームの絆も団結力も高まっていくと思っています。今までもそうしてやってきたので、これからも支え続けようと思います。

立石俊樹 意気込みはたくさんありますが、テニミュ3rdシーズンラストの最終決戦、越前リョーマと幸村精市の試合を演じられることが嬉しいので、命がけで向き合って、越前リョーマを倒しにいきたいと思っています。僕自身は初めての試合となりますが、待ちわびていたことですのでしっかり稽古をしてきました。満を持して試合に臨みたいと思います。

三浦宏規 跡部としてこうやって本公演に帰ってこられたことを本当に嬉しく思っています。今回、氷帝から出演するのは跡部と日吉のふたりだけですが、ほかの氷帝メンバーの気持ちも背負って、一緒に仁愛を支えていきたいです。個人的には、シーズンを通して跡部を演じたキャストは僕が初めてになるので、そのことを誇りにできるように、最後まで頑張っていきたいと思っています。

今作の見どころは?

阿久津 見どころは全部!……本当に全部だなあ(笑)。ライバルズとの試合は僕自身が戦ってきた試合もありますが、リョーマ役の先代である古田一紀さんが演じてきた公演もあるので、自分なりにすごく研究してつくってきました。シングルス1は久しぶりの公式戦ですが、初めて試合をする俊くん(立石俊樹)のオーラがすごかったので、負けてられないなという気持ちです! 苦しい姿も楽しい姿も全部が見どころだなと思います。

青木 今回は「前編」公演ではなかった青学(せいがく)曲があります。“この青学(せいがく)の12人で、本公演で踊れるのは最後だ!”という意気込みを込めて、青学(せいがく)らしく、とても明るく、強いものにできたと思います。そこを本番の公演を通してさらに成長させていきたいと思いますし、リョーマがどのように記憶を取り戻していくのか、パズルのピースが合わさるように大切な場面がたくさんあるので、注目していただきたいです。

立石 僕も全部が見どころだと思うのですが、やはり、シングルス1。テニスを楽しむリョーマと、負けられない環境でずっと戦ってきた幸村の試合は、肉体だけではなく精神的な戦いもあるので、そのドラマチックさを観ていただきたいです。個人的に歌いたかった曲も今回たくさんあるので、そこも見どころです!

三浦 ライバルズは、まったく違う色のチームの中から駆けつけたメンバーなので、彼らが揃って歌って踊る場面は必見です!

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編 エンタメステーションレポート

お客様にメッセージをお願いします。

青木 この頂上決戦、バチバチした、とても楽しくて熱い試合をお届けしたいと思います。ぜひご来場ください!

立石 12月でとても寒い季節ですが、劇場では真夏の暑い空気を皆さんにしっかり届けられるように、熱い戦いを繰り広げたいと思っています。誠心誠意ぶつかっていきます。

三浦 ライバルズのメンバーは今回の公演で初めて集まったのですが、みんなでお揃いのパーカーや帽子をつくったりもしていて(笑)、青学(せいがく)と立海の絆に負けないくらい絆が強いです。青学(せいがく)にも立海にも負けない熱さで最後まで駆け抜けたいと思います!

阿久津 「前編」公演大千秋楽の挨拶で宣言したとおり、“テニミュの夏はまだまだ終わっていません!”。今回の公演にかける熱量を今までの熱量にプラスして、全力で初日から東京凱旋公演のラストまで良いものを届けたいと思います。最後まで応援よろしくお願いします!

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編は、東京公演を皮切りに、全国5都市にて上演予定。東京凱旋公演の2月16日(日)、大千秋楽公演は全国の映画館にてライブビューイングが決定している。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編

東京公演:2019年12月19日(木)~ 12月24日(火)日本青年館ホール *公演終了
大阪公演:2019年12月28日(土)~ 2020年1月12日(日)大阪メルパルクホール
宮城公演:2020年1月17日(金)~ 1月19日(日)多賀城市民会館 大ホール
愛知公演:2020年1月24日(金)~ 1月26日(日)アイプラザ豊橋
福岡公演:2020年1月31日(金)~ 2月2日(日)アルモニーサンク北九州ソレイユホール
東京凱旋公演:2020年2月6日(木)~ 2月16日(日)TOKYO DOME CITY HALL

<ライブビューイング>
2020年2月16日(日)17:30〜開催
詳細はこちら

原作:許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)

出演:
〈青学(せいがく)〉
越前リョーマ 役:阿久津仁愛(にちか)
手塚国光 役:青木 瞭
大石秀一郎 役:江副貴紀
不二周助 役:皆木一舞(いぶ)
菊丸英二 役:田口 司
乾 貞治 役:竹ノ内大輔
河村 隆 役:岩田知樹
桃城 武 役:大久保 樹
海堂 薫 役:中島拓人
堀尾聡史 役:琉翔
加藤勝郎 役:中三川歳輝
水野カツオ 役:奥田夢叶

〈立海〉
幸村精市 役:立石俊樹
真田弦一郎 役:田鶴翔吾
柳 蓮二 役:井澤巧麻
仁王雅治 役:後藤 大
柳生比呂士 役:大隅勇太
丸井ブン太 役:大薮 丘(たか)
ジャッカル桑原 役:川﨑優作
切原赤也 役:前田隆太朗

〈ライバルズ〉
不動峰・伊武深司 役:健人
聖ルドルフ・不二裕太 役:大原海輝
山吹・亜久津 仁 役:川上将大
氷帝・跡部景吾 役:三浦宏規
氷帝・日吉 若 役:内海啓貴
比嘉・田仁志 慧 役:高田 誠 ※田仁志 慧の「慧」は旧字体

〈四天宝寺〉
白石蔵ノ介 役:増子敦貴
遠山金太郎 役:平松來馬

<特別出演>
越前南次郎 役:森山栄治/上島雪夫

オフィシャルサイト
テニミュ・モバイル

©許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会