LIVE SHUTTLE  vol. 387

Report

マオ from SID マオから届けられたクリスマスプレゼントはロマンティックなカヴァー曲とオリジナルの新曲

マオ from SID マオから届けられたクリスマスプレゼントはロマンティックなカヴァー曲とオリジナルの新曲

マオ from SID
X’mas Acoustic Live 2019
<2nd SHOW> 箸休めHoly Night
2019年12月11日 東京・日本橋三井ホール

X’mas Premium Live 2019
<2nd SHOW> Premium Holy Night
2019年12月12日 東京・日本橋三井ホール

シドのヴォーカル・マオのソロプロジェクト“マオ from SID”が、12月11日&12日の2日間にわたって東京・日本橋三井ホールにてクリスマスライブを両日2部制で開催した。1日目は<X’mas Acoustic Live 2019>と銘打ってアコースティック編成でカヴァー曲を中心にした“箸休めHoly Night”を。2日目は<X’mas Premium Live 2019>というホール公演では初となる豪華バンド編成でオリジナル曲を披露する“Premium Holy Night”をオーディエンスへ届けた。本サイトでは1日目の<2nd SHOW>に触れつつ、2日目の<2nd SHOW>を中心にライブの模様をリポートしていきたいと思う。なお、今回の初日公演の収益金の一部は“X’mas Acoustic Live 2019 箸休めNight ~未来サンタプロジェクト~”と称して、世界の子供たちを支援する『国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン』に寄付される。

取材・文 / 東條祥恵 撮影 / 今元秀明


「明日はね、俺を入れてステージに9人! コーラスも2人いて。すごいでしょ? リハもびっちりやったんでいい盛り上がりだよ」

1日目の<2nd SHOW>終演後、ステージ上で翌日に控えた公演への期待感をそう話していたマオ。1日目の“箸休めHoly Night”はマオを入れてnishi-ken(Key)、門脇大輔(Vn)、友森昭一(Gt)とおなじみの参加メンバーが顔をそろえた。「ロマンティックな曲でみんなをふにゃふにゃにしていこうと思います」と言って、懐かしい邦楽曲のなかから安全地帯の「ワインレッドの心」やイルカの「なごり雪」など、この季節にぴったりの曲を選んでカヴァーしていった。

予想だにしなかったMALICE MIZERとUAの名曲も見事にカヴァー

マオ from SID エンタメステーションライブレポート

そのなかでも、特にわくわくさせてくれたシーンといえば「めっちゃ好きで、映像をずっと観てた」という解説から始まったMALICE MIZERの「au revoir」、さらに「これを歌って初めて“俺、影響されてたんだ”と気付きました」と話したあとに歌ったUAの「ゼリー」を披露した場面だ。全く異なる楽曲を共に歌のなかに入り込んで表現していったマオのヴォーカルは、圧巻のアクトだった。ちなみに、この後はMALICE MIZERの雰囲気で場内を煽ってジャケットを超カッコつけて脱いでみたり、UAと自分の共通点として歌詞が「エッチぃよね。好きだし。自分で書くのも。エッチぃの代表みたいなところあるし」とトークのくだらなさ(←褒め言葉です!)にもどんどん拍車がかかり、途中で舐めていた飴ちゃんを口からトレーに吐き出す音までマイクで拾って、歌以外でも観客をふにゃふにゃにしていったのも印象的だった。

前日とは異なる洗練かつゴージャスなバンド編成でオリジナル曲も次々と披露

そうして迎えた2日目の“Premium Holy Night”。「chandelier」でライヴが始まると、マオがツイッターで発信した通り、客席はすぐに総立ちに。シッティングだった1日目とは違い、観客はオープニングからクラップしながら体を揺らす。ステージはマオのクリスマスライブには欠かせないツリーを飾るスペースもないほど、サポートメンバーがステージ目一杯に配置され、こちらも昨日とは全く違う空間になっている。昨日のメンバー3人にMomoko(Dr)、安達貴史(Ba)、佐藤公彦(Sax)、藤田宣久(Manipulator)、Ayunje(Cho)、Imani J.(Cho)の6人が加わったバンドは、とにかく音も見た目も洗練されていてゴージャスさが半端ない!! すごい迫力だ。

観客からマオへのコールのイントネーションでバンドメンバーの名前を呼ばせるひと幕も

「マニキュア」が始まると、プロフェッショナルな演奏がたちまち大人っぽいラグジュアリーなムードを醸し出し、場内を包み込む。この後は、マオが昨日と同じように「普段はシドというバンドでヴォーカルをやってます」と挨拶を告げ「みんなはオシャレしてきた?(観客「してきたー!!」)俺も!(襟の部分を)キラキラさせてきました」と話し、そのトークを次の「星」へつないでみせた。メンバーが増えて、何が楽しいか。それは、楽曲の表現力が深まることだ。「星」では君に翻弄される主人公の心を狂おしい旋律でヴァイオリンが奏でると、その姿を楽しむように女性コーラスの2人が華やいだ声を重ねる。人気曲「違う果実」は軽快なドラムが秋から冬へと季節の流れを演出していく。季節が移り変わってもメランコリックな歌声のままで、まだ君が終わらないとステイしたままの主人公を演じるマオの歌が切なすぎて、胸を締め付ける。「rule」はベースとサックスのアンサンブルがファンキーなグルーヴを加え、曲をさらに気持ちよく跳ねさせていく。

このように楽曲の表現は大きく変わろうが、MCはいつものまんま。それがマオのソロライブの醍醐味でもある。この日はまず、マオが「マオぉ~(語尾をあげて呼ぶ)」と同じイントネーションでバンドメンバーの名前を観客にコールさせると、さっきまで洗練された大人に見えたバンドメンバーとの距離が一気に縮まる。あれ? もしかして、マオはこんなことまで読んで観客にコールさせたのか!?

新曲2曲は両極にある、メロウな「深海」と昭和歌謡テイストの「Closet」

マオ from SID エンタメステーションライブレポート

「新曲持ってきました」と言うと場内がざわめく。ステージが青白いライトに包まれ、次に鳴らされた新曲「深海」は、メロウでダークテイストな楽曲だった。柔らかいファルセットを使って歌う“潜る 潜る”という声が聴き手の心の奥底まで徐々に浸透していったところで、ダメ押しのバラード「最後の恋」を続けて届け、観客のハートをマオ色で染めていった。そうやって心通じた君と「朝帰り」。最後は心通じあった者同士のコール&レスポンスも軽やかに決まったこの中盤パートは、曲の並びがもたらす君とのラブストーリーを楽しめる展開が素晴らしかった。さらに、この後もマオは新曲「Closet」をプレゼント。こちらの新曲はストレートに昭和歌謡を彷彿させるものだったので、客席は踊りたくてうずうずしている様子だった。それで、ラグジュアリーな夜を邪魔しないように胸よりも下のポジションで、控えめに手扇子をしていた観客たちが、なんとも愛おしかった。だが「不埒な体温」に演奏が変わると、マオと同じようにバンドメンバー、客席が手を左右に振って、ホールの床は波打つほど派手に揺れた。「盛り上がったねー。こういう曲もいいよね」とマオは告げ、今後はアップテンポの曲も増やしていって、いつかはソロでも「スタンディングライブをやりたいね」と語りかけた。「あ、そのときは休憩所も作るよ。湿布とか緑茶も置いて」とつけ加えると、観客は「それいい!」とでも言いたいかのように大喜びしていた。これは、いつか実現する日がくるかもしれない。

そうして、ライブは「サヨナララスト」でさらなるクライマックへと導いていく。曲中、マオと客席がコール&レスポンスを決めたあとは、バンドメンバーが1人ずつスーパープレイをリレー形式で披露。場内を何度も沸かせていったあと、「昨日は今年最後の満月だったようです」とマオが静かなトーンで場内に語りかけ、みんながとても大切にしているマオとファンの心をつなぐバラード「月」をパフォーマンス。メロディーが、フレーズが、コーラスが耳に溶け込み、会えない時間をつなぐ“心の中のお守り”を作り上げていったあと、ライブはミラーボールが輝く中、ドラマティックにエンディングを迎えていった。

来夏にマオ from SID史上、最長の全国ツアーの開催が決定!

終演後、マオとバンドメンバー、観客全員が手をつないだあと(シャツのボタンの間にマイクを差し込んだ)マオの「メリークリスマス」という掛け声を合図にみんなで手を上げ、ライブを締めくくった。「みんなにプレゼントがあります。またね!」そんなわくわくが高まる言葉を残し、マオがステージを去ると、スクリーンが登場。その画面を通して、マオ from SID史上、最長の全国ツアー<Acoustic Tour 2020 「箸休めNight」>を来夏に行うことを発表すると、場内は大歓声に包まれていった。

「みんなと会う“約束”はできるだけしておきたい。それは、約束がない時期があって、みんなを不安にさせてしまったから」

マオ from SID エンタメステーションライブレポート

今後、年内はシドとして<MUCC Presents Trigger In The Box>のライブイベント、さらにはツアーの振替公演として12月29日、埼玉県・大宮ソニックシティで<SID TOUR 2019 -承認欲求->を開催。そして、2020年はマオ from SIDとして2月14日に東京都・恵比寿 act*squareで初の<Valentine Party in 恵比寿 act*square>を2部制で開催。3月13日~15日にはマオ from SIDのファン旅行も決定していて「ここでは温泉旅行にいって、大空に花火を300発打ち上げます。みんなと一緒に花火を見るという俺がやりたかった企画をやります」とライブのなかでマオが話していた。さらにさらに、シドとしては、年明け早々1月5日に仙台でのツアー振替公演を予定。そして5月9日&10日に山梨県・河口湖ステラシアターにて<SID LIVE 2020 -Star Forest->と題したライブを行うこともすでに発表している。「この星空の下でのライブもやりたかったことで。やってみたかったことがいろいろ実現していってる」ともマオは話していた。

2020年もマオ from SID、さらにはシドとしても当分は目が離せない活動が続きそうだ。「先のスケジュール、みんなと会う“約束”はできるだけしておきたい。それは、約束がない時期があって、みんなを不安にさせてしまったから。一つひとつ、会えることを楽しみにして、また会おうね」と話していたマオ。先の先まで約束がたくさんあるのは素敵なことである。どれも、ちゃんと見届けていきたいと思う。

マオ from SID
X’mas Acoustic Live 2019
<2nd SHOW> 箸休めHoly Night
2019年12月11日 東京・日本橋三井ホール

SET LIST
01.いっそセレナーデ
02.ワインレッドの心
03.初恋
04.なごり雪
05.抱きしめたい
06.Squall
07.au revoir
08.ゼリー
09.サヨナララスト
10.不埒な体温
11.月

マオ from SID
X’mas Premium Live 2019
<2nd SHOW> Premium Holy Night
2019年12月12日 東京・日本橋三井ホール

SET LIST
01.chandelier
02.マニキュア
03.星
04.違う果実
05.rule
06.深海
07.最後の恋
08.朝帰り
09.Closet
10.不埒な体温
11.サヨナララスト
12.月

ツアー情報

『Acoustic Tour 2020 「箸休めNight」』
7月18日(土)東京都・恵比寿 The Garden Hall
7月19日(日)東京都・恵比寿 The Garden Hall
7月23日(木・祝)北海道・小樽GOLD STONE
7月25日(土)青森県・青森クォーター
7月26日(日)宮城県・仙台Rensa
8月1日(土)愛媛県・松山 W studio RED
8月2日(日)岡山県・岡山CRAZYMAMA KINGDOM
8月8日(土)新潟県・新潟LOTS
8月9日(日)石川県・金沢EIGHT HALL
8月15日(土)熊本県・熊本B.9 V1
8月16日(日)福岡県・久留米シティプラザ(スペース)久留米座
8月22日(土)愛知県・名古屋ダイアモンドホール
8月23日(日)大阪府・梅田CLUB QUATTRO
8月28日(金)東京都・マイナビBLITZ AKASAKA
※以上、すべて2020年開催

マオ from SID

マオ/福岡県出身。10月23日生まれ。2003年に結成されたロックバンド、シドのヴォーカリスト。
2008年10月「モノクロのキス」でメジャーデビュー。以降、「嘘」「S」「ANNIVERSARY」「螺旋のユメ」など、数多くの映画・アニメテーマ曲でヒットを放つ。
2018年、バンド結成15周年を迎え、セレクションベストアルバムと初のミニアルバムをリリース。さらには二度に渡るライブハウスツアーを敢行。さらに2019年3月10日のグランドファイナル・横浜アリーナ公演を大成功のもとアニバーサリーイヤーを締めくくった。
そして、2019年9月4日にはニューアルバム『承認欲求』をリリース。全国ツアーも振替2公演を残すなか、11月21日の東京国際フォーラム ホールAで無事にファイナルを迎えた。

マオ from SID オフィシャルサイト
マオ from SID オフィシャルTwitter(@mao_sid)
シド オフィシャルサイト

vol.386
vol.387
vol.388