esゲーム記事執筆陣が令和元年にハマったゲーム3選  vol. 3

Review

世情を無視して個人的に夢中になったゲーム3選

世情を無視して個人的に夢中になったゲーム3選

2019年は元号が平成から令和へと変わった、いわば節目の年。日本の世情を見ても芸能界のさまざまな問題、ラグビー・ワールドカップの大盛況と大きな出来事が多かった激動の年に思える。視点をゲームシーンに切り替えてみると、eスポーツが(好印象か悪印象かは別として)一般的に認知されはじめ、大きく盛り上がってきた。ただ、eスポーツは長く運営されているゲームが題材となる傾向が大きい。そのため、ゲーム業界全体でも新規タイトルが注目されることは少なかったように思える。売り切れ騒ぎとまでなった『リングフィット アドベンチャー』ぐらいだろうか。さて筆者はというと、そのような世情に一切流されることはなく、好きなゲームを遊び続けた2019年だった。もう年のせいか対戦ゲームはキツくてどうにも食指が動かず……。そうは言っても格ゲーは結構好きなのだが、所有しているアケコンは旧ハード用で、コントローラーで遊ぶのもなあ……というのが、eスポーツタイトルをプレイしなかった理由だ。そんなワケで、特にまとまりはないが、個人的に2019年に夢中になったゲーム3本をピックアップしたい。
ちなみに、最近はいわゆる“物流系ゲーム”がお気に入りのジャンルなので、2020年にもおもしろい“物流系ゲーム”が登場すること、そして(2020年末だろうけれど)新ハードが登場してゲーム業界がさらに盛り上がることを期待したい。

文 / 板東篤


生死ギリギリの戦いを和の世界で体感できる『仁王』

コーエーテクモゲームス / PlayStation®4、Steam® / ダーク戦国アクションRPG

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1本目はコーエーテクモゲームスの『仁王』である。2020年3月に続編の『仁王2』が出るが、もちろんそちらではなく前作の『仁王』だ。「なんでこのタイミングに遊んだの?」と思われるかもしれないが、まあ理由は簡単。以前から気にはなっていたのだが、丁度セールで『仁王 Complete Edition』が3,132円という超お得価格になっていたからだ。
筆者が『仁王』を気になっていた理由は、ズバリ『DARK SOULS (ダークソウル)』シリーズのファンだから。『DARK SOULS (ダークソウル)』は気をぬくとザコにも倒されてしまう敵の強さ、状況によってはせっかく稼いだ経験値を失ってしまうシステムなどとても難度が高い硬派な作品で、それゆえに突破できたときの達成感が非常に高かった。あの達成感と似た感覚を別のタイトルでも味わいたくなったワケである。
だが、コンセプトが似ているとはいえ、『仁王』は『DARK SOULS (ダークソウル)』ではない。というわけで、筆者が気に入った『仁王』のポイントを語っていこう。まずは、世界設定が“和風”ということ。ステージは戦国時代末期の日本を題材としており、登場する敵も落ち武者以外に一つ目小僧や唐傘お化けなど、有名な妖怪が多数現れる。洋風ファンタジーな世界とはまったく印象が違うため、これだけで『DARK SOULS (ダークソウル)』との差別化は十分に果たしており、新鮮な気分で本作を楽しめた。

▲多数の妖怪が出現するため、世界設定は和風ファンタジーと言ってもいいかも。妖怪は個性的かつ格好いい

もうひとつは武器の多様さ。剣だけでも刀、二刀、大太刀と3種類もあり、さらに槍や斧なども存在し、それぞれで性能や攻撃モーションが異なる。武器を変えるだけで攻撃やガードのタイミング、スタミナ管理などが変わり、まったく違ったバトルを楽しめるワケだ。さらに武器にはレベルがあり、上位レベルの物ほど攻撃力が高くなる。レアリティもあり、レアな武器ほど特殊効果が多く付与されている。より強力な武器を求めてプレイを重ねていく、ハック&スラッシュ的な楽しさも味わえるのは良かった。

▲武器や防具は後半のステージになるほど高レベルの物がドロップする。攻撃力が高く、かつ特殊効果もいいものが付いた装備を探すトレハン要素も楽しめる

難度の高いバトルも熱い。敵の攻撃力が高く、数回攻撃を受けるともう倒されてしまう。ガードを続けて様子を見ても徐々にスタミナが削られ、やがてガードを弾かれて攻撃を受けてしまう。そこで、攻撃を避けつつ相手のスキを突いて反撃するテクニックが求められるワケだ。だが敵と離れすぎていたら、攻撃を避けても相手に近づくまでに相手の硬直が解け、攻撃してもガードされてしまう。いかにギリギリの間合いで避けるかという、手に汗握るバトルが終始展開される。
マップの構成も楽しい。各マップの奥にはボスが待ち受けているのだが、道中はとても長い。だがショートカットのギミックが用意されていることも多く、これを見つけ出すのが楽しい。以降はやられてもショートカットを使ってより短時間で先の場所まで進めるため、攻略にも役立つ。戦闘が楽しいとは述べたが、ボス戦に挑む場合はいかに道中での戦闘を避けてダメージを受けないかが本作のキモなのだ。

▲マップ構成も練られており、探索する楽しさがたっぷり。絶対に行けそうにない高い崖の上に宝が見える、ということは行けるルートが存在するということ

というわけで2019年の2月頃にメチャクチャ遊んだ『仁王』。だがじつは、ラスボスで詰まって放置しているというちょっと情けない進捗具合なのである。せっかくの『Complete Edition』なのに、DLCにもまったく手を出せていない状況だ。ちょっとまとまった時間ができたら、操作感覚を思い出しつつ、ラスボスにリベンジしてDLCも遊んでいきたい。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.


強烈な難度が挑戦欲をかき立てる『LA-MULANA2(ラ・ムラーナ2)』

NIGORO / PlayStation®4、Nintendo Switch™、Xbox One、Steam®ほか / アクションアドベンチャー

オフィシャルサイト

2本目はインディー集団NIGORO製作の名作2Dアクション、『LA-MULANA2(ラ・ムラーナ2)』だ。こちらはPC版が2018年にリリースされたが、実績収集癖がある筆者は「どうせならXbox Oneで遊びたい」と待ち、2019年6月にリリースされたXbox One版をプレイした、という形だ。本作はタイトルにあるように、『LA-MULANA(ラ・ムラーナ)』の続編に当たる作品。国産インディーゲームとしては、トップレベルで知名度が高い作品ではなかろうか。筆者は前作の大ファンであり、その続編にウキウキしながら飛びついたという形だ。
本作の概要を解説すると、ゲームジャンルは2Dのドット絵アクションゲーム。主人公ルミッサ・小杉となり、イグ・ラーナ遺跡で調査を行うのが目的だ。ゲームジャンルをもうちょっと狭めると、いわゆる“メトロイドヴァニア”に近いスタイル。マップの各地を探索し、仕掛けられた謎を解いて装備やアイテムを入手する。すると新アイテムを使って新しい場所に行けるようになるので、また新天地で謎解きとアイテム探しを行う……という流れになる。

▲可愛らしいドット絵の2Dアクションゲーム。レトロゲームへのリスペクトが感じられる内容と難度に仕上がっている

本作の特徴はいくつかあるが、まずは難度の高さ。もう、とにかく難しいのである。謎解きが難解なのだ。序盤は画面に見えるブロックを押したら先に進めた程度の謎解きなのだが、序盤を超えると一気に難しくなる。ゲーム中で見つかる壁画に怪しげなマップが描かれていたり、謎の文章にヒントらしきことが書かれていたりするが、直接的な答えは出てこない。用意された謎も数多く、複数の謎が同時に行く手を阻むことも多々ある。正直、筆者の記憶能力だけだと「この文章はあっちの謎のヒントだったっけ。いや違った、こっちかな?」と、メチャクチャにこんがらがってしまう。そのためファミコン時代のゲームのように、攻略用のメモを取りつつ進める必要がある。マップも複雑で、可能ならばマッピングもしたい。「そんなのネットで答えを見ればいいじゃん!」と思う人もいるだろう。しかし、筆者はできるだけ頑張って自分で謎を解きたい。全部のゲームがそうではないが、本作や先に挙げた『DARK SOULS (ダークソウル)』シリーズは初見プレイでは攻略サイトを見ず、トラップにハマったときのドキドキ感や苦労して謎を解いたときのスカッとした気分を存分に味わいたいのだ。そして、本作は自力で謎を解くだけの価値がある作品だと思う。

▲壁画が飾られている、ボスが登場しそうな小部屋。しかし、筆者はまだ謎を解けていない。右側に見える宝箱も開かないのだ……!

▲ステージで見つかる石碑から文章のヒントを入手できる。ただし抽象的な内容が多く、じっくり考えてもわからないことが多々ある

もうひとつはアクションの難しさ。アイテムを入手することで主人公は体力の最大値が増えたり、新たな武器を入手して戦闘力が上がっていく。しかし、それでもボスが強い。強い……強いのだ。攻撃力は高いし体力もあり、おまけに攻撃も避けにくい。なかなか倒せないため長期戦になりがちで、どうしても相手の攻撃を避けきれず食らってしまい、徐々に体力が削られていく。こうしてギリギリの戦いとなり、「あとちょっと!」というところで負けたときの悔しさといったら! 主人公を強化しようにも件の謎解きで詰まって新しいエリアに行けず、強化がままならない。結果、前回と同じ強さで再びボスに挑む。今度はミスをできるだけ減らして受けるダメージを減らし、「勝つ!」という強い想いを持って。こうして何戦もの敗北のあと、なんとか勝利したときの達成感はひとしお。そして、ボスを倒したことで新たなエリアに行けるというワクワク感も同時に味わえる。これこそが本作の魅力ではないかと思う。

▲前作の登場人物も多数登場。3,000年眠っていた少女・ムーブルクは、本作では現代風のファッションに身を包みつつ、やっぱりグースカ寝ている

そのように本作を楽しんでいる筆者だが、じつは(たぶん)ゲーム中盤で詰まっており、まだクリアできていない。さらに言えば前作も中盤で詰まっている。いつか自力で謎が解けたら、まだ見ぬ先のエリアの探索を楽しみたい。

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気がついたら工場が超巨大になってしまった『Satisfactory』

Coffee Stain Studios / PC / シミュレーション

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個人的な2019年のベストゲームは、本サイトでもレビュー記事を執筆させて頂いた『Satisfactory』だ。とある企業のエンジニアとなり、未開の惑星に降り立ってひとりで素材を集めながらさまざまなアイテムを作成していくシミュレーションゲーム。いわゆる“物流系”ゲームで、インディー作品ながらリリースまえから注目されてきた作品だ。そしてついに本年アーリーアクセスながらリリースされ、物流系ゲームが大好きな筆者の時間を湯水のように溶かした。
本作の詳細はレビュー記事をご覧頂くとして、筆者は本作のどこにそれほど惹かれたのか。思い返してみると、物流ラインを構築していくのがとにかく楽しかった。採鉱機で掘り出した資源を工作機などの施設に自動で運ぶようベルトコンベアでラインを作る。単純なラインでもうまく作り上げて自動でアイテムが流れていく様子を見たら、なんともいえぬ満足感が込み上げてくる。ゲームに慣れてくると、もっと短時間で大量のアイテムを作成できるよう工作機や採鉱機などを増やし、それを上手に配置できるようアレコレ考えながらレイアウトしていく。このやり込み感も楽しいのだが、一番楽しいのは“ラインを作成する”こと自体の達成感と満足感だろう。これが楽しくなければ、バカみたく巨大になるまで工場を拡張しないワケだし。

▲こんな感じで施設や機械をベルトコンベアで接続し、自動的にアイテムを作成するラインを構築していくゲームだ

もうひとつ魅力的だったことは、3Dゲームなので立体的なラインを構築できることだ。“物流系ゲーム”の雄と言えば『Factorio』だが、こちらは見下ろしタイプの2Dゲームで立体的な2階建てや3階建ての建物やラインは作れなかった。そこに来ての本作は、床や壁を作れるため、工場の建屋自体を作成可能。アイテムを上下に搬送できるベルトコンベアもあるので、地上で採掘した資源を1階に運んで精錬し、さらに2階へ運んでアイテムに加工なんて立体的なラインを作れてしまう。もちろん、自分で作成した立体的なラインをじっくり眺めることもできる。これもじつに楽しいポイントで、上へ下へ流れていくアイテムをボーッと見つめながら「よしよし、ちゃんと動いているな」と安堵する時間は、大きな満足感を得られるのだ。

▲3Dのため、立体的なラインを構築できるのが本作の魅力。自分で作り上げた工場のなかを歩いて見て回るのも思った以上に楽しい

ちなみにレビューではアップデートを待っているということを記載したが、2019年12月現在でも次のアップデートは来ていない。そろそろ来てくれないかなー、と切に願う。

©2015 – 2019 Wube Software
© 2019, Coffee Stain Studios AB.All rights reserved.
Coffee Stain、SatisfactoryおよびSatisfactoryのロゴはCoffee Stain Studios ABの商標または登録商標です。


以上が、2019年に筆者が夢中になったベストゲーム3選となる。基本的にスポーツゲーム以外はなんでも遊ぶ雑食ゲーマーなので、まとまりのないラインアップになってしまった。ここ数年は“物流系ゲーム”がマイブームになっているので、2020年はぜひとも『Satisfactory』並におもしろい物流系ゲームが登場することを願いたい。もちろん『Satisfactory』のアップデートも待ってます!

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