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セクシー×バイオレンスの化学反応『お姉チャンバラORIGIN』ダイナミックな進化に注目

セクシー×バイオレンスの化学反応『お姉チャンバラORIGIN』ダイナミックな進化に注目

テンガロンハットにビキニ姿の女性が日本刀でバッサバッサとゾンビを斬りまくり、返り血を浴びまくる……。一部の人にはたまらないシチュエーションに対する欲望をゲームに込めた「お姉チャンバラ」シリーズは、PlayStation®2の低価格ソフトSIMPLE2000シリーズの一タイトルから始まりました。失礼ながら初代『THE お姉チャンバラ』がリリースされたときは誇張されたセクシー&バイオレンスという本作の世界設定から、いわゆる“一発ネタ”なのではと思っていました。しかし、シリーズは堅調に続いているどころか映画化やコミカライズなど精力的なメディアミックス展開も行われ、今となっては多くの人が知る人気シリーズとなっています。本作『お姉チャンバラORIGIN』は、初代の『THE お姉チャンバラ』と『THE お姉チャンバラ2』のストーリーに新たな解釈を加えてひとつにし、フルHDでリメイクしたもの。本シリーズをあまり遊んでこなかった筆者も“原点へ進化”したという魅力を探るべく、プレイを始めてみました! まずはトレーラーで大きくリニューアルしたグラフィックを確認してみてください。

※18歳未満の視聴は制限されています。

文 / 内藤ハサミ


爽快! バイオレンス過ぎる剣戟アクション

西暦20XX年の東京は“屍霊”と呼ばれる生ける屍がはびこり、荒廃した世界となっていました。屍霊は地中にこもる負のエネルギーが人の形を模した、いわゆる“ゾンビ”のようなものです。生身の人間が屍霊の体液を取り込んでしまうと、人を喰らうことだけを考える新たな屍霊となってしまいます。本作の主人公である彩は、そんな恐ろしい屍霊たちを狩ることを生業としている凄腕のハンターです。全てが謎に包まれた情報屋・レイの協力を受け、行く先々で屍霊をせん滅しながら行方不明になった父親と異母姉妹の妹である咲の行方を追っています。ある日、行方知れずの咲から彩のスマホへ突然メールが届きました。その内容は「お前はお母さんのために死んでくれる?」という衝撃的なものでした。

お姉チャンバラORIGIN エンタメステーションレビュー

▲セクシーで超強いお姉ちゃん。特定層のハートにズギューン! と刺さるデザインですね

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▲いきなり「死んでくれる?」だなんて、お姉ちゃんに送るメールとしては……いや、お姉ちゃんに送るのではなくても物騒すぎる内容です。咲は何を考えているのか!?

咲の真意や父の行方などわからないことばかりのなか、彩は屍霊だらけの街を突き進みます。本作は三人称視点のアクションゲームです。戦いかたは非常にシンプルで、□ボタンで通常のメインの斬撃、△ボタンで飛び道具や蹴りなどを繰り出すことができ、タイミングよく連続で押すことでそれぞれコンボがつながります。2つのボタンを適当にポンポンと押しているだけでもそれなりにコンボがつながっていくので、あまり考えず斬っているだけでも爽快感が味わえるでしょう。しかし敵の種類によっては正面からの攻撃が通らなかったり、普通に攻撃しただけではダメージを与えられなかったりする場合もあり、戦略を考え立ち回ることも必要です。またゾンビの倒しかたやクリアタイムの短さなどでスコアボーナスが発生するので、より極まったプレイを追求したい場合は、そこにいる敵をただ考えなしに斬るだけというわけにはいかないのです。

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▲戦いかたによって得られる経験値も変動するので、効率よくキャラを強化したい場合はどう立ち回るかを考えたほうがいいですね

激しい姉妹対決をしたあとは仲間になってプレイヤーキャラクターとして加わる咲も基本的な操作は同じですが、各キャラごとに2種類の戦闘スタイルを使い分けることができ、繰り出せる技も違います。筆者はゲームタイトルのイメージから深く考えず押しまくって戦うゲームという印象を持っていたので、細やかなシステムを意外に感じました。ですが、ひたすら斬りまくる爽快さは損なわれていませんのでご安心を。咲が加わる中盤から、ふたりを戦況によって使い分けつつ攻略していくことになります。さらに奥深い戦いかたを追求できますね。

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▲操作していないほうのキャラクターは、傍で戦ってくれています。基本的に使用していないキャラの体力は減らないので、体力が少なくなったらキャラ交代という緊急回避方法としても使えます

先ほど通常攻撃が効かない敵がいると書きましたが、そんな敵と対峙した場合にはどうするか。隙のないボスキャラクターなどの場合は〇ボタンで敵の攻撃を弾くパリィを使って、スタン状態にしてから攻撃を当てるのが有効です。パリィ成功のタイミングはシビアですが、キマれば最高に気持ちいい! ゲーム内通貨で買えるアイテムにはパリィのタイミングを緩和するアクセサリがあるので、難しい場合は利用するといいでしょう。筆者も常に着けていますが、正直なところ着けていてもそれなりに難しいです……。

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▲パリィのタイミングは、プラクティスモードで練習するのもいいでしょう

敵の返り血を浴び続けていると穢れが溜まり、それが最大に達すると体が黒く変化した“暴走”状態となります。攻撃力が上がり、通常攻撃が効かない屍霊にもダメージを与えることができるので、パリィがなかなか決まらない……という場合は、暴走状態を引き起こして戦うというのもひとつの手ですね。

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▲暴走状態は肌が黒くなり、相手に大ダメージを与えます

暴走状態のまま戦い続けているとさらに体は変化。今度は角が生え、服がほとんど消失した“忘我”状態となります。忘我状態は彩も咲も獣のようなワイルドさのデザインで、筆者はかなり気に入っています。忘我状態では攻撃力がさらに上がることに加え、敵の攻撃を受けても怯まなくなります。何もしていなければ体力が徐々に減少していくというデメリットもありますが、敵に攻撃をヒットさせるごとに体力は回復するので、忘我の状態ではとにかく攻撃の手を緩めずに斬って斬って斬りまくるのが合理的ですね。猛攻を保っていればデメリットを打ち消せるどころかプレイヤーに有利なことばかりなので、積極的に利用していかない手はありません。ちなみに暴走も忘我も一定時間が経過すると元の状態に戻ります。

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▲忘我状態の彩。凛々しくてかっこいい!

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▲こちらは忘我状態の咲。髪にブルーのインナーカラーが入り、スタイリッシュ!

敵に力負けしてしまう、ボスの撃破が難しいと感じたときは、メインメニューから任意のチャプターを選んで再プレイしレベル上げをすることもできます。普通にプレイをしていてもそれなりにレベルは上がりやすいですが、攻略に詰まった場合の救済措置が用意されているのは親切ですね。より良いスコアを狙って、何度も同じステージを遊ぶというのも選択としてありでしょう。

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▲咲は途中からレベル1で仲間になるので、モブの多いステージでレベル上げ。彩と咲を適宜交代させながら戦う練習にもなります

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▲切り捨て御免! ボスクラスのキャラクターを倒したあとの斜めアングルはお約束

姉妹が共闘するようになるまでが『THE お姉チャンバラ』、その先からエンディングまでが『THE お姉チャンバラ2』のストーリーとなります。ふたりの姉妹は父の元にたどり着き、気になる黒幕と対峙できるのでしょうか。そして、母の仇を討つことができるのでしょうか……? シリアスに展開するストーリーの気になる結末は、ぜひ実際のプレイで見届けてください。

よりスタイリッシュになったキャラクターの魅力

本作のキャラクターモデルは、今までの「お姉チャンバラ」シリーズのような強いツヤのある3Dモデルとは少し趣向が変わり、トゥーンレンダリングで描かれています。今回のメインキャラクターデザイナー・エナミカツミ氏の絵柄にもマッチし、動きにも違和感がありません。以前のキャラクターモデルも独特の味があって美しかったのですが、第1作目発売から15年経ち、今どきな感じに生まれ変わりました。

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▲パッキリした塗りのキャラクターモデルもいいですねえ

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▲もちろん、セクシー度は以前のまま!

プレイ中に彩、咲、レイの会話が頻繁に挟まり、キャラの性格や意外な一面を知ることができて良かったです。例えば彩はちょっと美的センスが変わっているだとか、実はポエムを書いていてそれを咲がこっそり読んでいたことだとか……。それから、咲の変わった剣術は自己流で身に着けたものだったということなども明らかになり、ストーリーの脇を固める情報が得られるだけではない、キャラクターに愛着を持てるような演出です。筆者はプレイ後、すっかり咲推しになりました。ツンデレで甘えん坊の妹、カワイイなあ!

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▲妹カワイイといえば、中ボスとして登場するゾンビ姉妹のさやかと杏もイチオシです。ふたりの絆が垣間見えるムービーは必見!

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▲本作におけるテーマのひとつに“姉妹”も含まれていることは間違いないでしょう。謎の情報屋・レイにも、どうやら姉妹がいるとか……?

ひとつだけ残念なのは、プレイ中に使用できるフリーカメラ(撮影機能)の自由度が低いことです。カメラ位置をもっとグリグリ動かせたり、キャラクターの表情・ポーズが変えられたり、エフェクトがつけられたりしたら嬉しかったですね。こんなに魅力的なキャラクターモデルなのですから、欲が出てしまうというものです。次回作があれば、フリーカメラの機能充実を強く要望します!
「セクシーな恰好の美女が、刀で敵を斬りまくり、返り血を浴びまくる姿が見たい!」というとても素直な欲求がさく裂している本作。魅力的なキャラクターだけでなくストーリーも引き込まれるもので、アクションパートも予想以上にプレイヤーが主体性を持って組み立てられるしっかりした作りのゲームでした。シナリオのボリュームはやや少なめだと感じましたが、プレイの満足度は高かったです。次回作があれば、ぜひ新規シナリオで姉妹の戦いを堪能したいですね。

フォトギャラリー
お姉チャンバラORIGIN ロゴ

■タイトル:お姉チャンバラORIGIN
■発売元:ディースリー・パブリッシャー
■対応ハード:PlayStation®4
■ジャンル:ハイスピード血みどろ剣戟アクション
■対象年齢:18歳以上
■発売日:発売中(2019年12月5日)
■価格:パッケージ版 7,980円+税、ダウンロード版 8,128円(税込)
ダウンロード版デラックスエディション 10,165円(税込)


『お姉チャンバラORIGIN』オフィシャルサイト

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