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佐藤竹善のライフワーク『CORNERSTONES』でキャリア初となる全曲交響楽団とのコラボ実現!

佐藤竹善のライフワーク『CORNERSTONES』でキャリア初となる全曲交響楽団とのコラボ実現!

佐藤竹善がカバー集シリーズ『CORNERSTONES』の第6弾『My Symphonic Visions 〜CORNERSTONES 6〜 feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団』を11月23日にリリースする。1995年に第一弾を発表した『CORNERSTONES』は、古今洋邦の名曲達を、原曲の良さを重視しコラボレーションをする感覚でアレンジしてきたシリーズ作品だが、今回はキャリア初となる全曲交響楽団との共演によるシンフォニックアルバムだという。

なぜ今、キャリア初のこの挑戦を試みたのか。その伏線はすでに2015年、昨年から始まっていたように思う。2018年のデビュー30周年に向けて、現在カウントアップのPremium Liveを行っているSING LIKE TALKINGは、昨年「27/30 シング・ライク・ストリングス」と題し、ストリングスをフィーチャーしたライヴを開催した。その模様は今年5月にライブムービーとして公開され、話題を集めた。そして今年の夏は日比谷野外大音楽堂、大阪城野外音楽堂でホーンセクションをフィーチャーした「Premium Live 28/30 Under The Sky 〜シング・ライク・ホーンズ〜」を開催し、初の野外単独公演でダイナミックなステージを見せた。ストリングスとホーンをそれぞれフィーチャーした後の、今回のフルオーケストラ。ワクワクするしかない展開だ。

早速聴いてみると、一曲目の選曲から驚かされる。佐藤竹善とOne Direction。今年4月に自身のホームページで、今作の制作に向けて洋楽ポップスの中で彼にカバーして欲しい楽曲のリクエストを募っていたのだが、この意外な取り合わせはこれによるものだろうか。それならばリクエストした方に拍手である。土着的な木管楽器のメロディとパーカッションのリズムに始まり、サビで金管と弦が加わって一気に光が放たれる展開、そしてそれに乗る伸びやかな竹善のヴォーカル、どれをとっても鳥肌ものだ。続く2曲目のMaroon 5の「This Love」は弦楽器のみのアプローチ。イントロからのスタッカートと緊張感のあるヴォーカルが、ズンズンと胸に迫ってくる。Phil Collinsの「Against All Odds」やAviciiの「Hey Brother」は原曲の雰囲気を活かしたオーケストラアレンジで、壮大さが増している。そしてリードトラックになっているのがTOTOの「Africa」。太古のリズムを打ち鳴らすパーカッションに、力強さを誇示するホーンセクション、まるで交響曲のように一曲の中にストーリーが展開されていて、聴き応えのある一曲になっている。Chicagoの「Will You Still Live Me?」や、イギリスの若きシンガーソングライターEd Sheeranの「The A Team」は、ストリングスと木管楽器をメインにしたアプローチが心にしみるし、8曲目のBen Jelen「Come On」は竹善のヴォーカルに寄り添うように絡み合うストリングスが印象的だ。

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9曲目の「Human」はオリジナルの新曲。昨年リリースしたクリスマスアルバム『Your Christmas Day Ⅲ』で、「パティシエ エス コヤマ」のオーナーシェフ、小山進氏の新作ショコラとコラボレーションとして、壮大かつ革新的なナンバー「The Lost Treasure 〜The Adventures of Jaime〜」を制作したが、この「Human」はその第二弾。小山氏の最新ショコラのテーマ「Human 〜coexist with nature(自然と共に)〜」。「発酵」や「熟成」をキーワードに生まれたチョコレートからインスピレーションを受けて完成した今作の、実に瑞々しいこと。広大で美しい自然と、希望に満ちた未来が、竹善の晴れやかなヴォーカルと雄大なオーケストラサウンドで表現されている。

ラストは2012年にシングルとしてリリースされた「明日へ」を、熊本支援のために作詞家・小山薫堂氏が新たに歌詞を書き換えた「明日へ(For Kumamoto Version)」。被災地で日々を生きる人達の心に寄り添うように、励ますように、今届けたい思いを歌に託したナンバーだ。

冒頭でも書いたが、この『CORNERSTONES』シリーズはこれまで原曲の良さを重視しながらアレンジを施してきたが、全編フルオーケストラアレンジである今作でもやはり、竹善の音楽に対するリスペクト精神は変わっていなかった。シリーズ5作品の中から洋楽カバーと邦楽カバーを厳選し、全曲リマスタリングした3枚組ベストセレクションアルバム『The Best of Cornerstones 1 to 5 〜 The 20th Anniversary 〜』も同時リリースされるので、ぜひ合わせて聴いてみてほしい。

そして、今作の発売を記念して、世界的マエストロ大友直人氏率いる東京フィルハーモニー交響楽団と、11月24日(木)東京 Bunkamura オーチャードホールにて一夜限りのスペシャルコンサートが開催される。この壮大でゴージャスなアルバムを、ぜひ生演奏で体感したいものだ。

文/大窪由香

ライブ

佐藤竹善CORNERSTONES Symphonic Concert

【指揮】大友直人
【演奏】東京フィルハーモニー交響楽団

【日程】2016/11/24 (木)
【会場】Bunkamura オーチャードホール
【開場】18:00
【開演】19:00
【チケット】前売り S席 ¥11,000- (税込) / A席 ¥9,000- / 全席指定
【発売日】2016/10/22 (土)
【問い合わせ】SOGO TOKYO 03-3405-9999

★佐藤竹善 with The Jazz Creatures  Your Christmas Night TOUR Ⅲ★
佐藤竹善クリスマスツアー、今年も開催決定!

12月6日(火)仙台: Rensa
12月8日(木)大阪:Billboard LIVE OSAKA
12月10日(土)名古屋:NAGOYA Blue Note
12月11日(日)下関:Jazz Club BILLIE
12月16日(金)金沢:北國新聞 赤羽ホール
12月18日(日)新潟:新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ・劇場

佐藤竹善

SING LIKE TALKING のボーカルとして’88年にデビュー。’93年『Encounter』、’94年『Togetherness』の両アルバムはオリコン初登場1位。現在まで13枚のオリジナル・アルバムを発表、総売上300万枚以上を記録している。その活動と平行して’95年に発表したカバーアルバム『CORNERSTONES』から本格的にソロ活動開始。’07年リリース『INDIGO』は、雑誌『ADLIB』によるアドリブ・アワード2007の国内グランプリを受賞。2013年に25周年を迎えた SING LIKE TALKING の集大成となるオールタイムセレクションアルバム、『Anthology』を、2015年2月にリリース。『SING LIKE TALKING “The Sonic Boom Tour 2015”』・『SING LIKE TALKING Premium Live 27/30 シング・ライク・ストリングス』を行い、15,000人以上を動員。
その他、多数のアーティストのレコーディング参加、楽曲提供やプロデュースなども行い、高い評価を受けている。
2015年7月には、佐藤竹善初のオールタイムセレクションアルバム、「3 STEPS & MORE」・12月には「Your Christmas Day Ⅲ」をリリースし、好セールスを記録。
2015年には、オールタイムセレコションアルバム『Anthology』リリースし、フルバンドでの全国ツアー「The Sonic Boom Tour 2015」を行い大盛況のうちに幕を閉じた。
そして、2015年より、2018年のデビュー30周年に向けたカウントアップ・スペシャルライブ企画がスタート。
第1弾、「SING LIKE TALKING Premium Live 27/30 〜シング・ライク・ストリングス〜 」(2015)
、 第2弾、「SING LIKE TALKING Premium Live 28/30 Under The Sky ~シング・ライク・ホーンズ~ 」(2016) を行い、大好評を博す。
SING LIKE TALKING デビュー 30 周年に向け、ますます精力的な活動を行っている。
オフィシャルサイト: http://singliketalking.jp