「君がいない」「揺れる想い」「負けないで」。ZARDが残した数々の名曲を平均20歳の女性4人がトリビュートするプロジェクト“SARD UNDERGROUND”がデビューアルバム『ZARD tribute』をリリース。ZARDを手がけた長戸大幸氏がプロデュースを担当するなど、ZARD制作スタッフが全面参加した本作について、メンバー4人に語ってもらった。
インタビューと撮影を行ったのは、坂井泉水が実際にレコーディングを行っていたスタジオ。初めてその場所を訪れた彼女たちは、きらきらと目を輝かせながら、どこか緊張してもいるようだった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 荻原大志
「この時代のみなさんに大好きなZARDさんの曲を届けたい」という気持ちが強いです(神野)
“SARD UNDERGROUND”はZARDの名曲を新しい時代へとつなぐトリビュートバンド。まずはメンバーのみなさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてもらえますか?
神野友亜(Vo) 幼稚園の頃から音楽に興味があって、みんなで作り上げる合唱や演奏が大好きだったんです。歌手になりたいと思ったのは、小学校3、4年生のとき。Superflyさんの「愛を込めて花束を」「タマシイレボリューション」などを聴いて、「私もこんなふうに元気を与えられる歌手になりたい」と思ったのがきっかけです。
赤坂美羽(G/Cho) 私は小さい頃から歌の教室に通っていて。ベースの杉岡(泉美)とは中学のときから一緒なんですけど、高校の文化祭でバンドを組もうということになったんです。最初は私がベースで、杉岡がエレキギターだったんですけど、何かしっくりこなくて、交換することにしたんです。
杉岡泉美(B/Cho) 私は中学のときに吹奏楽部でクラリネットを吹いていたんですが、ギターをやることになったものの、どうすれば良いかまったくわからなくて(笑)。赤坂はその前からアコギを弾いていたから、交換したほうがいいかなって。ベースも難しいですけど、吹奏楽部でもクラリネットの低音パートを担当してたから、向いてるかもしれないなって。
坂本ひろ美(Key/Cho) 歌が好きなおばあちゃんの影響で、姉も私も小さい頃からピアノを習っていて。中学、高校の頃は吹奏楽部、ブラスバンドでクラリネットを演奏していました。ピアノをずっとやっていたせいか、ふだんはクラシックを聴くことが多いですね。ドビュッシーの「月の光」が大好きなので、いつか自分でも弾いてみたいです。
バンドを結成して、1か月後(2月)にワンマンライブがあって(赤坂)
この4人がSARD UNDERGROUNDとして一緒に活動することになったきっかけは?
神野 それぞれ別々の活動をしていたんですが、レーベルのレッスンでZARDさんのカバーをやるようになって。プロデューサーの長戸大幸さんに声をかけていただき、今年の1月にSARD UNDERGROUNDとして活動を始めました。
赤坂 正式にバンドを結成して、1か月後(2月)にワンマンライブがあって。その1か月は毎日ひたすら練習しました。
神野 いきなり12曲ですからね。リハーサルの回数を重ねるたびに、曲の難しさを実感したんですけど、同時に楽しさが増していったのを覚えています。あのライブを乗り越えられたんだから、これからは何も怖くないなって(笑)。
坂井さんが亡くなった時に小学生だったそうですが、ZARDの楽曲に関する思い出はありますか?
神野 最初に意識したのは坂井さんが作詞を担当された「DAN DAN 心魅かれてく」(※オリジナルはFIELD OF VIEW)でしたね。歌詞が大好きなんですよ。『ドラゴンボールGT』の主題歌で、家族もみんな大好きで、一緒に聴いたり、歌ったりしていて。すごく思い出に残っています。
坂本 私もアニメをきっかけに好きになりました。「名探偵コナン」の主題歌になっていて。
坂井泉水さんが「負けないで」を歌っている映像も流れて、「すごくキレイな人だな」と思って(杉岡)
「運命のルーレット廻して」「星のかがやきよ」などの主題歌もありますからね。
坂本 そうなんですよ。
神野 私も“コナン”で聴いた印象がありました。
赤坂 私は家にあったZARDさんのLIVE DVDを見たのがきっかけですね。「永遠」のMVの車のシーンに見入ってしまって、目が離せなくなって。
杉岡 私はテレビの歌番組ですね。応援ソングのメドレーで、坂井泉水さんが「負けないで」を歌っている映像も流れて、「すごくキレイな人だな」と思って。「負けないで」という力強いメッセージもとても印象的でした。
すごく大きな存在だから、現実味がなかったんですね。どこか夢みたいな感覚(坂本)
ZARDの楽曲をトリビュートすることになったときは、どんなふうに思いました?
神野 話を聞いたときは、涙が出そうなくらい嬉しかったです。
坂本 嬉しい気持ちが強かったんですが、すごく大きな存在だから、現実味がなかったんですね。どこか夢みたいな感覚というか。だんだんと実感がでてきて、「がんばろう」と思うようになりました。
赤坂 私も最初は素直に「嬉しい」という気持ちだったんですけど、家に帰って冷静になると、「私にできるのかな?」と思って。
杉岡 嬉しいけど、プレッシャーもあって。でも、「がんばります!」という感じでした(笑)。
ZARDはたくさんのファンに愛され続けている存在だし、ヒット曲、名曲も多いですからね。新たな形でカバーするには、当然プレッシャーもあって。
神野 もちろんありました。でも、なんだろう、がんばってがんばって、プレッシャーを自分たちで消していって。「この時代のみなさんに大好きなZARDさんの曲を届けたい」という気持ちが強いですね、いまは。
「Don’t you see!」はギターソロのパートをシンセで演奏していて(坂本)
デビューアルバム「ZARD tribute」には、「君がいない」「揺れる想い」「負けないで」などを収録。原曲の新たな良さが感じられるカバーばかりですが、みなさんのなかで特に印象的な曲は?
杉岡 私は「愛は暗闇の中で」ですね。もともと大好きな曲で、アルバムに入ることになったときも「うれしい!」と思って。坂井泉水さんの歌がすごく印象に残っていたので、SARD UNDERGROUNDでカバーしたらどうなるんだろう?と思っていたんですが、友亜ちゃんが歌っているスタジオ録音の音源を聴いたときに、「めっちゃいい!」って鳥肌が立ったんですよ。みなさんにもぜひ聴いていただきたいなって。
赤坂 「Don’t you see!」はアレンジがけっこう変わっていて。特にコーラスのアレンジがポイントです。ライブで演奏するときもテンションが上がって、ノリノリになっちゃいます(笑)。
坂本 「Don’t you see!」はギターソロのパートをシンセで演奏していて。原曲とは雰囲気が違うし、弾いていても楽しいんですよ。「これはこれでいいな」と思いますね。
神野 「少女の頃に戻ったみたいに」のピアノもいいんですよ。
坂本 ライブに来てくれた姉が「感動した」って言ってくれて。それも嬉しかったです。
聴くたびに(坂井泉水さんが)言葉を大切にされていたことがすごく伝わってきた(神野)
歌に関してはどうですか?
神野 ZARDさんの原曲を何回も聴いて、坂井泉水さんの歌を自分なりに分析してみたんです。語尾の伸ばし方とか、歌に入るときのタイミングなども一つ一つ違うんですよ。聴くたびに(坂井泉水さんが)言葉を大切にされていたことがすごく伝わってきたし、私もしっかり歌詞を届けたいという気持ちが強くなって。「きっと忘れない」は、原曲と歌詞が違う<*注>ので、そこも注目してほしいですね。<※注 歌詞は坂井泉水の第1稿ver.を採用。ZARDでは、冒頭で季節を限定させないよう「粉雪」の入った1番と2番の歌詞を入れ替えていたが、SARD UNDERGROUNDでは、最初から冬であると種明かしをした上で歌い進んでいく。>
ZARDの映像を参考にすることも?
神野 ありました。歌い方や動き方もじっくり見て…。それを取り入れようと思っていたわけではないけど、「似てる」と言われたこともあって、嬉しかったですね。あれほどきれいな動き方はできないですけどね(笑)。
歌っていると、神野さんの個性も自然に反映されるのでは?
神野 今回のトリビュートアルバムに関しては、自分らしさというよりも、できるだけ坂井さんの歌に近づけたいと思っていました。スタッフのみなさんにも質問して、何度も何度も歌った曲もあって…。がんばりました。
いまやれることはやった!という達成感も?
神野 レコーディングが終わったときは実感がなかったんですけど…。
赤坂 CDが出来たときは「ワーッ!」ってなりました(笑)。
神野 嬉しかったです(笑)。ふだんもずっと聴いています。
最初はあまり話せなくて。スタジオでも“ポツン、ポツン”という感じで離れて座ってたし(杉岡)
メンバー同士の一体感も強くなってますか?
神野 だいぶしゃべれるようになりましたね。
赤坂 人見知りの集まりなんですよ(笑)。
杉岡 だから、最初はあまり話せなくて。スタジオでも“ポツン、ポツン”という感じで離れて座ってたし。
坂本 性格もけっこう違いますね。
神野 最近はそれぞれのキャラというか、どういう人なのかもわかってきましたね。
4人でひとつの絵を完成させるのが流行ってるんですよ(笑)(赤坂)
音楽以外のことで、4人で盛り上がることも?
赤坂 ありますね! 4人でひとつの絵を完成させるのが流行ってるんですよ(笑)。私が顔の輪郭を書いて、それぞれ目や口を書いて。“ファンキーガール”って題をつけてたら、それが杉岡の顔になったり(笑)。
杉岡 私、ファンキーかな?(笑)
赤坂 男の子っぽいというか、サバサバしてるかな。
(笑)逆に女の子っぽいなと思うメンバーは?
神野 (坂本)ひろ美さんですね。私がティッシュ探してたら、「あるよ」って渡してくれたり。
坂本 心配性だから、荷物が多いんです(笑)。
神野 リハーサルのときもいつも助けられてます。赤坂さんも女の子っぽいですね。
赤坂 そうかな?(笑)
杉岡 (神野)友亜ちゃんはカッコいいんですよ。打ち合わせしていても、「私はこうしたほうがいいと思います」って、ズバッと言ってくれるし。
神野 リハーサルなどで会う機会が増えて、休憩時間に意見を言い合えるようになって。ケンカとかではなくて、「こうしたほうがいいと思う」と言えるようになったというか。ZARDさんの曲がつなげてくれたという感覚もあります。
ZARDさんの曲で、やってみたい曲がまだまだたくさんあって。まずはそれをやっていきたい(神野)
最後にSARD UNDERGROUNDとしての次の目標を教えてもらえますか?
神野 今回のアルバムに入っていないZARDさんの曲で、やってみたい曲がまだまだたくさんあって。まずはそれをやっていきたいですね。
坂本 私たちもZARDさんの歌詞に勇気をもらって、感動していて。SARD UNDERGROUNDを通して、それをたくさんの人に届けたいと思ってます。
神野 そうですね。坂井泉水さんの歌詞がとにかく素晴らしいので。
ライブ情報
SARD UNDERGROUND 3rd LIVE
9月23日(月) hillsパン工場(大阪)
読売テレビ開局60年『名探偵コナン スペシャル・コンサート2019』
10月11日(金) 大阪城ホール
出演:BREAKERZ / ZARD
[Opening Act] SARD UNDERGROUND
東北・みやぎ復興マラソン会場
10月13日(日) 詳細は後日発表
DFT presents 音都ONTO vol.6
11月16日(土)-17(日) 堂島リバーフォーラム(大阪)
※出演日が決まり次第お知らせ致します。
■出演者:Qyoto / dps / 砂糖ココアとHinawa銃/ SARD UNDERGROUND / GARL / ZAMB / Sensation / CROSS LORD / BARNZ / Kanna Ethnic Land / TAN-SA・SUN / B魔女B・B・A / and so many more…
ライブ、イベントの詳細はオフィシャルサイトにて
http://sard-underground.jp
SARD UNDERGROUND
神野友亜(Vo)、赤坂美羽(G/Cho)、杉岡泉美(B/Cho)、坂本ひろ美(Key/Cho)。
2019年9月18日にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバム『ZARD tribute』でメジャーデビュー。
オフィシャルサイト
http://sard-underground.jp






