プレイバック・平成アニメの31年  vol. 1

Column

いくつもの社会現象がここから……平成アニメの名作を生んだスタジオ3選

いくつもの社会現象がここから……平成アニメの名作を生んだスタジオ3選

独自の“熱さ”とオリジナリティを発揮する若きスタジオ「TRIGGER」

『ふしぎの海のナディア』(1990年)、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)などで知られるアニメ制作会社ガイナックスに所属していた大塚雅彦、今石洋之らによって2011年8月に設立されたTRIGGER(トリガー)。当初は各アニメをメインで制作している会社とは別に、「制作協力」という立場で作品に関わっていった。

2013年10月、初の自社制作となるオリジナルのTVアニメ『キルラキル』の放送が開始。ガイナックスの代表作のひとつ『天元突破グレンラガン』(2007年)の“監督・今石洋之×脚本・中島かずき”タッグによって制作された本作は、ひと昔前のアニメを思わせるようなセル画風の作画や演出、独特の文字のフォントや澤野弘之による音楽など、多方面で大きな話題に。加えて、『天元突破グレンラガン』にも見られたノリと勢い、その裏で綿密に計算された伏線や熱いストーリー展開など、ガイナックスのエッセンスもふんだんに盛り込まれており、幅広い年齢層のアニメファンの支持を獲得。

同年3月には若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」で、2017年にTVアニメとして放送される『リトルウィッチアカデミア』のもととなる作品(同名)が上映。吉成 曜が初監督を務めた本作はのちに英語字幕付きで無料配信され、これが海外のアニメファンから高い評価を得ることに。結果としてトリガー作品が海外でも注目されるようになるきっかけを作った。

2014年は、トリガー初の原作付きアニメ(ライトノベル原作)となる『異能バトルは日常系のなかで』が10月に放送。2015年10月には、クラウドファンディングによって制作された『リトルウィッチアカデミア』の続編『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』が劇場公開され、延長上映されるほどのヒットとなった。また同年、オリジナル短編アニメを配信する企画「日本アニメ(ーター)見本市」で、『キルラキル』で助監督を務めた雨宮 哲が、特撮作品『電光超人グリッドマン』(1993年)を原作とする『電光超人グリッドマン boys inevent great hero』を発表。本作は2018年に放送されるTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』の原型となる。

2016年になると、『宇宙パトロールルル子』『キズナイーバー』とオリジナルアニメを次々と制作するようになり、“オリジナルアニメに定評があるアニメ制作会社”としての地位を確立。そして2017年1月には、劇場上映されてきた『リトルウィッチアカデミア』がついにTVアニメとして放送。

そんな中、トリガーとA-1 Picturesによる共同制作アニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』が発表。『君の名は。』(2016年)の田中将賀がキャラクターデザインを担当することでも注目されていた本作は2018年1月に放送され、初のロボットアニメながら、独特の世界観や得意とする勢いがありながらも濃密なシナリオなどで視聴者を魅了。毎話考察が飛び交い、予想を裏切る展開などで、放送中は話題に事欠かない作品として多くの人々を驚かせ続けた。これらの要素は、同年10月に放送された『SSSS.GRIDMAN』にも見られ多くのアニメファンを虜にするが、特に本作は原作が特撮作品ということもあり、アニメと特撮の融合を見事に表現。特撮の要素をアニメに落とし込むという意味では、新たなジャンルを確立した作品となった。

そして2019年、再び“監督・今石洋之×脚本・中島かずき”タッグで、オリジナルの劇場アニメ『プロメア』を5月24日(金)に公開予定。本作はトリガーによる劇場作品ということもあり、海外からも熱い視線が注がれている。令和になってからは、さらにその動向に目が離せないアニメ制作会社になりそうだ。

(文 / 長田雄太)

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