1回聴いただけで誰もが自分の中の映像を引き出せるような曲にしようと思って作ってます
3曲目の「3 3 4 1」は、NHK「みんなのうた」に書き下ろしたカントリーポップになってます。
ほんまに小さい子からお年寄りの方まで見はるから、出来るだけ、1回聴いただけでパッと思い浮かぶような曲にしようと思って。いつもは、音楽を聴いているのに映像を見ているような気持ちになる歌詞を意識して作ってるんですけど、この曲は特に「見える音楽」にしたくて。出来るだけ、みんなの頭の中で映像化しやすいように、歌詞の中にも付箋やったり、パソコンやったり、みんながパッと思いつく言葉を散りばめて。いつもは歌詞カードを何回も読んでるうちに、ハッと意味がわかるっていうことを意識してるんですけど、この曲に関しては、1回聴いただけで誰もが自分の中の映像を引き出せるような曲にしようと思って作ってます。ただ、タイトルだけは、あえて、この曲の中に生きている主人公の素直になれない感じを出すために数字にしてて。「さみしい」っていう意味なんですけど、そこは何回か聞かないとわからない感じにして。いろいろと自分でも凝ったなっていうか、聞き手を意識して作った曲かなって思います。
誰もが経験したことのある別れの後のモヤモヤした気持ちや思い出を投影できる曲になってるなって思います。「fruits」はライブで高校2年生の時に書いた曲と言ってましたね。
そうですね。みんなが一番進路に悩む時期なんですけど、私の友達の一人が、自分の叶えたい夢を親に反対されていて。ほんとはやりたくて、その夢を諦めたところで、新しい夢が見つかる保証もなくて。そうして迷っていた時に、その子にかけてあげる言葉って、どういう言葉が正しいんだろうって思って。「夢を持とう」とか、「夢は叶うよ」っていうよりは、「また歩き出したいって思った時に歩き出せばいいんじゃない?」って安心させるような言葉の方が合ってるなと思って作って。「fruits」っていう英単語には「努力したことへの報い」っていう意味があって。
「実り」とか「結果」っていう意味も含んでますね。
毎日、水をやってても、土の環境とかで実らない果実もあるっていうのが、その時の私たちが描いている夢と似てるなと思って。サウンド的には行進というか、また歩き出したくなるテンポっていうのを一番に意識して。この曲では元チャットモンチーの橋本絵莉子さんがギターで参加してくださって。私のヒーローみたいな人が、自分の曲で弾いてくれてる。夢を追う人の背中を押す曲で、自分の夢が実ったっていうとこまでを含めて、この曲を作った意義があるなって思いますね。
チャットモンチーがヒーローでした?
ずっと好きでしたし、一番影響を受けたバンドですね。元々はお兄ちゃんが好きで、中1か中2の時に初めて聴いて。音楽を聴いてるだけなのに映像が見えるっていうことを教えてくれたのは「湯気」っていう曲で、そこで、自分の音楽を作る時の基礎的なものがガラッと変わったというか。本当にいろんな曲を聴いたんですけど、前のワンマンでもカバーさせてもらった「世界が終わる夜に」も本当によく聴いてました。今回のレコーディングでは、自分のデモに合わせて絵莉子さんが弾いてくれてるのを隣のブースで聴いてて。今まで自分が救われてきたチャットモンチーの音が響いてて。その時にまた改めて、自分の夢が本当に叶ってるって思って感激しましたね。
いろんな思い出やったり、人に思いを巡らして、壮大な旅に出るような気持ちで曲を作っていたんですよ
1曲目の「musician」にもつながる話ですね。そして、5曲目に生っぽくてエモーショナルな歌声のバラード「いつか」が入ってます。5曲揃ったミニアルバムのタイトルはどういう思いでつけました?
自分が曲を作るのは放課後しかなくて。限られた時間しかなかったんですけど、いろんな思い出やったり、人に思いを巡らして、壮大な旅に出るような気持ちで曲を作っていたんですよ。放課後っていう限られた時間の言葉と、曲作りっていう長い長い、終わりのない旅みたいなものと。あえて、反対言葉をくっつけて、「放課後ジャーニー」というタイトルにしました。
変わっていくことと、変わっていかないこと、両方を大事にしていきたいなっていうのが身近な目標ですね
どの曲も過去を振り返りながら、視点は未来へと向かってますよね。それも反対がくっついている感じがするんですが、坂口さん自身はどんな未来を望んでますか?
やっぱりガラッと環境が変わるので、それについていかなあかんな、変化に応じて自分も成長しなあかんなという部分と、今まで大阪で過ごした18年間で培ってきた変わっちゃいけないものもあるなって思ってて。変わっていくことと、変わっていかないこと、両方を大事にしていきたいなっていうのが身近な目標ですね。うん、このアルバムにはそういう気持ちも込めてます。このアルバムが今の気持ちとすごく同期してるので、今の感情をそのまま表したようなアルバムですね。
そして、卒業式の翌日から全国弾き語りワンマン「さよならネイビーtour」が始まってます。
自分の学校の制服が紺色だったので、その制服とお別れしようっていう意味で「さよならネイビーtour」にしてて。まだ実感はないんですけど、ファイナルの頃には、大学に向けての心の準備とかも出来上がってるやろうし。このツアー中に自分が成長しなきゃいけない期間なので、毎回、違う気持ちで卒業を感じてて。このツアーは、どっちかといったら、今までを振り返って、今までの制服とお別れしようっていうことで、過去に視点を置いてるんですけど、5月から始まる全国ワンマンライブ「単、ジュン、メイ、会tour」ツアーは未来に重点を置いたツアーになると思っていて。初めてバンドで全国を回るので、原点である弾き語りしか見せられなかった地方のみんなには、初めて音源に近い形のサウンドを届けることができるし。弾き語りとは全然違う雰囲気になるので、改めて、曲自体の良さだったり、また新鮮な気持ちで、これまでのバンドのライブよりも、何倍も何倍も大きく見せられるんじゃないかなと思います。
これからは大学での学びっていうのが、自分の音楽とすごく密接に関わってくるんじゃないかと思ってます

弾き語りツアーのファイナルの翌日が大学の入学式なんですよね。
いろんな人に「なんで音楽をやってるのに大学に行くの?」って聞かれることが多くて。私は、音楽のために大学で勉強しようと思っているんです。これまでは日本文学から語彙や表現を増やしてきたんですけど、もっと国を超えて、自分の音楽を知ってほしいなって思った時に、英語で曲を書かないといけないなって思って。これまでいちばん音楽に繋がってきたのが文学だったので、英語で書かれた文学を学ぼうと思って。今まで日本語でやってきたのと同じように、言葉で表現するんやってことやったり、文学が一番歌詞に繋がると思ったので英文学を専攻することに決めて。
今までは、学校に通っているって言う環境やったり、友達から話を聞いて、そこからインスピレーションを受けて、曲を作ることが多かったんですけど、それが一気になくなって。これから、音楽を続けていく上では、自分からインスピレーションを受けに行かないといけない状態になる。今までは日本文学や映画に刺激を受けることが多かったんですけど、英文学を自分一人でやるよりは、誰かの適切な読み方、正しい読み方を教えてもらった方が、英文学から受けれるものが増えるなと思って。これからは大学での学びっていうのが、自分の音楽とすごく密接に関わってくるんじゃないかと思ってます。
生まれてくる曲も変わってくるでしょうね。
これまでは等身大とか、自分の高校生活を通した曲って思ってたんですけど、これからは英文学から刺激を受けて、自分がどんな曲を書くのか、まだ自分でも想像できなくて。どんな音楽を描くんやろうな、自分って。これからの自分が楽しみですね。
その他の坂口有望の作品はこちらへ。
ライブ情報
全国ワンマンライブ 「単、ジュン、メイ、会 tour」
5月10日(金)宮城県 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
5月12日(日)北海道 札幌KRAPS HALL
5月19日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
5月25日(土)広島県 広島CAVE-BE
5月26日(日)福岡県 福岡DRUM Be-1
6月9日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
6月23日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
坂口有望
2015年、曲作りを始めたばかりの、中学2年生・13才の時に初めて三国ヶ丘FUZZのステージに立つ。
彼女にとっての初のギター弾き語りライブである。その後、大阪・京都のライブハウスやストリートを中心に精力的に活動し、本人手焼きの1st Demo CD「おはなし」は1000枚を完売、そのレコ発自主企画対バンライブを9月19日に三国ヶ丘FUZZで開催。
2016年9月14日、Tower Recordsから1st Indies Single「おはなし/地球-まる-」をリリース。11月6日には満を持してホームの三国ヶ丘FUZZにて初ワンマンを開催、ソールドアウト。
2017年3月21日、Tower Recordsから2nd Indies Single「厚底/15歳の詩」をリリース。自身初の東京ワンマンと前回に引き続き三国ケ丘FUZZでのワンマンライブを開催、2会場共にソールドアウト。7月26日、シングル「好-じょし-」でメジャーデビュー。8月、初のバンドスタイルワンマン『サマーセンチガール ~初のバンド編成ワンマンライブ~』を東京・渋谷WWWと大阪・心斎橋FUNJ twiceにて開催。地元・大阪のラジオ局、FM OH!『Music Bit』にて自身初となるラジオ生レギュラー出演開始。12月6日、2nd Single「空っぽの空がきらいだ」リリース。同12月から、東京・大阪・京都・名古屋にて弾き語りツアー『ひとりディッセンバー』を開催。チケットは発売と同時に全公演ソールドアウト。
2018年2月7日、配信シングル「お別れをする時は」リリース。3月21日、1stフルアルバム「blue signs」リリース。そのアルバムを引っ提げて4月から初の全国ツアー『blue signs』開催を発表(札幌・仙台・東京2公演・名古屋・京都・大阪・福岡)、チケットは全てソールドアウトに。
温かくも切ない歌声と、等身大の世界観の中から鋭く切り取られ描かれる歌詞。
詩とロックとポテトを愛する、大っきな可能性を秘めながらも、ちょっと小っちゃな18才。
オフィシャルサイト
http://www.sakaguchiami.com/







