Interview

特撮俳優物語:青い巨人と占い師、新生一文字を演じた「高野八誠」の真実

特撮俳優物語:青い巨人と占い師、新生一文字を演じた「高野八誠」の真実

ヒーローがヒーロー映画を撮る。『HE-LOW』で監督デビュー

以降、特撮がらみではちょくちょくゲスト出演もありつつ、2017年の『HE-LOW』で映画監督としてもデビューされました。自分でも監督をやってみたいな、といった意欲はどの時点で出てきたんでしょうか。

高野 30代前半ぐらいから、ずっと「撮りたい」って気持ちはあったんですよ。ただそれは事務所も含め、周りからはずっと「今じゃない」って言われてて。そんな中、事務所の子(俳優)を使って、1本の作品を撮ってみるっていうのを……見よう見まねですけど、企画して。実は『HE-LOW』の前に撮った1作目があるんです。

公には出てないものってことですね。それがきっかけとなって、いつかは自分の監督作品をしっかり作ろうという意欲が出てきた感じですか。

高野 そうですね。せっかく自分たちで作るんだから、ラストにはお客さんを置いてけぼりにするような「攻めた作品」をやりたいなとか。あとは周りに特撮界隈の友だちが多いから、わかりやすい企画として「特撮もの」を作ろうかなっていうアイデアがあって。気がつけば周りには須賀(貴匡)くんがいたり、『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』(注9)で久々に会った(青柳)尊哉がいたり。タイミングがすごく合ったって感じですね。『HE-LOW』の前に撮っていた作品を、関係者に試写で観てもらったんですよ。それを観たみんなが「面白そうじゃん」って言ってくれて、参加してくれることになったので、1作目はやっておいてよかったなと。

注9:2016年にTV放送された『ウルトラマンオーブ』のスピンオフとして、Amazonプライム・ビデオで配信されている作品。『ウルトラマンガイア』の高山我夢(演:吉岡毅志)、藤宮博也(演:高野八誠)ほか、歴代ウルトラマンシリーズのキャストがゲスト出演している。

それで「やろう」って人が集まり始めて。次に資金調達をどうするかっていうことで、クラウドファンディングを行うことになったんですかね。

高野 そうですね。あまり馴染みのない試みだったんですけど、須賀っちとかに「やってみようと思うんだけど」って相談しながら、見よう見まねで。人を募るのに必要ならサイン会も出ようとか、(リターンのオプションを)いろいろ入れてみたりしていたんですが……そうしたら、支援総額が1,000万円まで行ったんですよね。あれはびっくりしました。

当時のクラウドファンディングページ

みんな、それだけプロジェクトに期待したってことですよね。キャストには特別出演として青柳尊哉さん、吉岡毅志さん、須賀貴匡さんという名前が並び、僕らにとっても「これヤバくない!? 何が始まるんだろう!」という印象でした。

高野 「どうせ自主(制作)だよね」って思われるような作品になってもシャクなので、やっぱり「びっくりさせたい」っていう気持ちがあって。せっかく皆さんにご協力いただいて集めたお金で作るんだったら……自分たちだけでは踏ん切りがつかないような、何かいい意味で無駄遣いができるような企画をやろうと。そんな構想でキャスティングして、脚本を作っていきました。

大葉健二さんが出演されるというのも驚きでしたし。ちなみに八誠さんは幼少期に、大葉さん演じる『ギャバン』をリアルタイムでご覧になっていたという話もありましたが。

高野 大葉さんは、ずっと憧れの存在ではあったんですけど、なかなかご一緒させてもらう機会がなかったんです。同じ宇宙刑事シリーズでは、『シャリバン』の渡 洋史さん、『シャイダー』の円谷 浩さんとは共演する機会があって知り合いだったんですけど、大葉さんだけはそういう流れがなくて。でも一昨年ぐらいから、鈴村監督(鈴村展弘。スーパー戦隊シリーズ、平成仮面ライダーシリーズを数多く手がける監督・演出家)と飲む機会が増えて、大葉さんとはよくご一緒されてるっていう縁もあり。そのツテから、『HE-LOW』に出てほしいですって頼み込んだんです。

やはり「いつか共演したいな」というのがあったんでしょうか。

高野 そうですね。一緒にお仕事したいな、っていう気持ちはずっとありました。

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