「アグル=藤宮博也」となって青春時代を過ごした『ウルトラマンガイア』
芸能活動としては、1989年に子役でデビューされたそうですね。その時点ではおいくつぐらいだったんでしょうか?
高野 11歳あたりですね。小学5年生で劇団に入って。
劇団に入るきっかけっていうのは?

小学5年生のころ
高野 マイケル・ジャクソンですね。僕が10歳ぐらいのとき、東京ドームの来日公演を観に行って……当時はまだ「後楽園球場」だったかな。そのときに観に行った様子の写真が、海外の新聞に載ったんですよね。「BAD」っていうハチマキをして(笑)。それがきっかけで、「何かこういう世界いいな」って思ったんです。もともと(マイケルの)歌が大好きで、今でもそのステージはけっこう覚えてるぐらい衝撃的だったっていうのもあるんですが。それがきっかけで……自分でも、歌はそこまで自信ないけど芸能活動をやってみたいと言い出して。親に頼んで、どこか劇団に入れないかって応募してもらったんです。
マイケル・ジャクソンの人気は絶大でしたよね。なるほど、そこから芸能に目が行くわけですか…面白い。デビュー作は、NHKの『七色村』というTVドラマで、これはいきなり主演だったんですね。
高野 小6ぐらいでしたね。三田佳子さんがお母さん役で。オーディションを受けました。このとき、とにかく周りの人が一生懸命やってたのを見て、僕は何か「エラそうにしよう」と思ったんです。役に対する……なんというか、計算して“スレた感”を演出するっていうのが、もうその頃から始まってました。
ははは、スレた感ですか!(笑)。何だか、八誠さんの原点を見るような気がしますね。
高野 5人ずつぐらいでオーディションを受けることが多くて。「僕、別に受からなくてもいいです」みたいなアプローチで常に臨んでたと思います。とにかくインパクトがあったほうがいいじゃないか、と。それが『七色村』のときに引っかかった。演じたのは正統派の子役なんですけど。
面白いですね。そしてここからは、色んなドラマにコンスタントに出られてますね。特に記憶に残っている作品はありますか?
高野 NHK大河の『太平記』(1991年)ですかね。けっこうな長台詞をテストのときにちゃんと言えて、それを俳優さんたちに褒められて……何か「これで行こう」って自信がついたんですよ。しかし今考えると、子どものほうがそういう、覚えることって実は長けてるかもしれないですよね。
ああ、確かに子どものほうが吸収も早いですしね。そして1998年スタートの『ウルトラマンガイア』についてお伺いしていきます。このときが20歳ぐらいですかね。高山我夢(=ウルトラマンガイア)のライバル、藤宮博也(=ウルトラマンアグル)役を務めることになったわけですが、決まったときのことって覚えてますか?
高野 実は……決まってから、記者発表をやったときまでの記憶がほとんどないんですよ。オーディションでは『ティガ』(注6)か『ダイナ』(注7)かのセリフを演って。2次審査ではマットで前転して銃を構えるっていうアクションをやった、というのは覚えてるんですが。それで受かったよというところから、記者発表までの記憶がなくて。
注6:『ウルトラマンティガ』。1996年~1997年にTV放送された平成ウルトラマンシリーズ第1作で、長野博(V6)が主演を務めた。
注7:『ウルトラマンダイナ』。1997年~1998年にTV放送された平成ウルトラマンシリーズ第2作で、つるの剛士が主演を務めた。
え?ほんとうですか?なんででしょうね…その間って、衣装合わせとか、いろいろと準備もありますよね。
高野 たぶん「アグルっていうのはこういうヤツだよ」とか、デザイン画を見せてもらったりとかはあったと思うんですけど……そこが抜けてるんですよね。
いきなり記者会見から記憶スタート、みたいな感じですか。
高野 はい。その会場に青いウルトラマンがいて、「あー、自分はこれになるんだ!」と。そこからですね。それまでは……なんとなく与えられた役で子役をやってましたっていう感覚でしかなくて。ちゃんと本格的に芝居を教わったのはやっぱり『ガイア』だったんです。
『ガイア』で藤宮を演じて、やっと役者としての自覚が生まれたということでしょうか。藤宮は、本編が始まって少し後から登場したじゃないですか。現場的にも、八誠さんは後から合流した感じだったんですか?
高野 はい。あとは一人で登場するシーンが多かったので……孤独でしたよ。
ははは……(笑)。
高野 エリアル・ベース(地球防衛チーム“XIG”の基地)の隊員関係の撮影は、僕のシーンの撮影とは完全に別日だったんですよ。一緒のシーンがなくても、午前・午後ぐらいの違いだったら一応会えるじゃないですか(笑)。それもなかったので。僕の撮影日はほとんど、タケちゃん(吉岡毅志。高山我夢役)とたまに会ったりするぐらいで……。シナリオの中盤ぐらいからはよく絡むようになりましたが。
そこで吉岡さんとは打ち解けていったんですね。同い年でしたっけ?
高野 タケちゃんがひとつ下ですね。仲良くなってからは家に泊まりにいったりするようになって、本当に青春時代を過ごした感じでした。