Interview

時をかける19歳。無限の可能性を秘める女優・黒島結菜

時をかける19歳。無限の可能性を秘める女優・黒島結菜

黒島結菜、19歳。いま最も将来を期待させる女優のひとりといっても過言ではない。黒島のプライベートは? どんな音楽を聴き、どんな映画を観て、どんな本を開いているのか? 音楽、映画、本の話を軸に彼女の素顔に迫る。2015年には映画6本、ドラマ5本に加え舞台にも挑戦。飛躍の年を経て、現在は大学に通いながら精力的に様々な作品に出演している彼女に話を訊いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 森崎純子
スタイリング/伊藤省吾 ヘアメイク / 武田尚子(メランジ)

衣装協力①・パンツ¥31,000/ミュラー オブ ヨシオクボ(ミュラー オブ ヨシオクボ 東京都目黒区中目黒1-8-1 VORT中目黒I 2F/03-3794-4037)・ブーツ¥23,000/ブルーノ プレミ(デュアルヴュー 東京都目黒区碑文谷5-2-5 T&A ビル 4F/03-5721-2240)②・ワンピース¥36,000/ミュラー オブ ヨシオクボ(ミュラー オブ ヨシオクボ 東京都目黒区中目黒1-8-1 VORT中目黒I 2F/03-3794-4037)※全てプライスは税抜き価格になります。

黒島結菜

【CINEMA】 シン・ゴジラ、マッドマックス、ドキュメンタリー

最近、観てよかった映画はありましたか?

昨日、『シン・ゴジラ』を観て、びっくりしました。久々に、『マッドマックス』並みの衝撃でした(笑)。去年、『マッドマックス』を映画館で5回くらい観たんです。

そんなに通いました?!

3Dで2回と4Dで2回、2Dで1回。初めて立ち上がれない感覚になりました。よく席を立てなかったとかいう表現をしますけど、そんな衝撃のある映画観たことがなかったので、そんなの嘘でしょって思ってたんです。でも、まさにこのことか! っていうくらい『マッドマックス』は衝撃でした。アクションなんですけど、人間ドラマがちゃんとあって。何回観ても飽きないんです。

そんなに何度も映画館に通って観た映画は初めてですか?

5回も観たのは初めてですね。2回っていうのはよくあって。例えば、『きみはいい子』は1回目はひとりで観に行ったんですけど、2回目は友達にすごく観てほしくて一緒に行って。

友達にはどう言って誘ったんですか?

私、感想を言うのが下手なんですよ。だから、『すごくいいから!』って言ってとりあえず連れてって。で、『よかったでしょ?』って感じになるんですけど(笑)。『きみはいい子』は、学校の子供たちがすごく好きで。お母さんに抱きしめてもらうっていう宿題があるんですけど、「みんなどうだった?」っていう感想をひとりずつ先生が聞いていくんですね。それが、ドキュメンタリーみたいで。台詞じゃない、本当にその子たちの感情が伝わってきて。私、ホラー以外はいろんなジャンルを見るんですけど、その中でも最近は特にドキュメタリーが好きで。


黒島結菜

それはどうしてだと自分で思います?

映画やドラマを見るのもお芝居の勉強という意味ではどちらも大事だと思うんですけど、自分が何かの役を演じる上では、ドキュメンタリーを見ることのほうが得るものが大きいなと思って。例えば、役者さんが何かの職業を演じているとして。そのお芝居を見ることは勉強になるけれども、その職業についてはドキュメンタリーを見た方がいいんじゃないかって思ったんですね。だから、今、NHKの『プロフェッショナル』を毎週録画して、プロとしての仕事を一生懸命に頑張ってる人たちのことを見てて。ドキュメンタリー映画でいうと、『フェイク』を観ました。

ゴーストライター騒動で話題になった佐村河内さんのドキュメンタリーですよね。

そうです。1月に出演したドラマ『ナイトヒーローNAOTO』のプロデューサーさんに絶対に観たほうがいいって勧められて。そのドキュメンタリーは、全部、佐村河内さん目線で進んで行くんです。この映画を見ると、真相がどこにあるかは分からなくなるけど、このドキュメンタリーをそもそも信じていいのかっていうのもあって。

そうですよね。「フェイク」というタイトルもついていますし。

いろいろ考えさせられました。このドキュメンタリーを観て、この騒動については何が本当かは分からないけれど、自分自身がちゃんと見たこと聞いた事を信じていこうと思うきっかけになりました。

最初に話に出た『シン・ゴジラ』はどうでした?

観る前に、同じ仕事をしてる人たちがすごい!って言ってるのを聞いてて。

役者さんからの評価が高かったんですね。

そうです。俳優さんがすごいって言ってて。今までゴジラシリーズは観た事がないんですけど、これは絶対観なきゃ!と思って、アイマックスで観ました(笑)。音がすごくて、スクリーンもすごい大きい。で、観たら、息つく暇なんてなくて、映画館で初めて前のめりになりました(笑)」

そこまでスクリーンに引き込まれた理由はなんでしょうね?

難しい言葉をいっぱい使ってるんですね、みんな早口だし。それを一生懸命聞き取ろうとして前のめりになったっていうのもあると思うんですけど、キャストが多いぶん、カット割りもすごくシンプルで観やすかったんですよね。あと、ゴジラが現実と違う世界のものだっていうのがはっきりと描かれてて。ゴジラってまばたきしないんですね(笑)。黒目も動かない。あの、感情のないゴジラの感じに惹かれたのかな。実際の社会の問題とも絡めつつ描かれていたのも面白かったです。

黒島結菜
黒島結菜

【BOOK】 岡本太郎、植田正治、フィルムカメラ

続いて、好きな本について聞かせてください。

今日、持って来ました。2冊とも写真集なんですけど。

写真が好きなんですね。

2、3年前にフィルムカメラをもらったんです。それまでは携帯で写真を撮るくらいだったんですけど、フィルムカメラで撮るようになってからすごく楽しくて。

1冊目は岡本太郎さんの「沖縄」ですね。

私、岡本太郎さんが写真も撮られていることを知らなかったんです。しかも、私の地元である沖縄でこんなに撮ってるんだっていうことを知って興味深くて。私もこの前、地元に帰った時に結構、撮ってきました。

どんな写真を撮りました?

やっぱり風景ばっかりになっちゃうんですよね。本当は日常生活してる人とかを撮りたいんですけど……写真って難しいですよね。東京だと絶対に無理じゃないですか。例えば、一般の人を駅のホームで撮るとか絶対できないから。

それこそ、撮影現場の合間とかにスタッフさんとを撮ったりすればいいじゃないですか。

結構、撮ったりしますね。撮影現場で、カメラに詳しいスタッフさんと写真の話をするようになって。写真をやってることで一個、スタッフさんとできる会話が増えるので仲良くなれるんですよね。それはいいなって思ってます。あと、今はモノクロに興味があって。

黒島結菜
黒島結菜

2冊目は植田正治さんですよね。

はい。モノクロって、白と黒と階調で表現できるのがすごいなって思うんですよね。あと、私、暗室が好きなんです。

自分で焼くんですか?

そうです。学校に暗室があって。モノクロ写真を暗室で自分で焼いたり。ネガフィルムから現像して、それをプリントするっていう作業がとても好きで。自分で階調を調整しながら、もっと明るくしたりしてて。まだまだ基本的なことしか教わってはないんですけど、暗室作業をするのも好きだし、こういう写真を見てるのもすごく好きで。文章よりも写真集とか写真展とか、写真に触れるのが好きですね。今度、写真を勉強している友達と鳥取の植田正治博物館に行きつつ、砂丘で写真を撮ろうって話になってて。今の季節の砂丘は晴れすぎてて光が飛びすぎちゃうから、10月くらいになるまで待って行こうって思ってます。

被写体として日々撮られるけど、撮る方も好きなんですね。

私は撮るほうが好きですね。撮られるの今だに慣れないです。友達が私のことを毎月撮ってくれてるんですけど、それでも全然慣れない。毎回、堅いって言われてるんですよね(笑)。今は撮ってる方が楽しいなって思ってます。

黒島結菜

【MUSIC】 中森明菜さん、松田聖子さん……!?

映画、本に続いて、音楽についても聞きたいと思います。普段は音楽を聴いてますか?

映画のサントラとかをよく聴きます。最近だと、映画『はじまりのうた』のサントラとか。あと、松田聖子さんとか中森明菜さんも聴きます(笑)。

あはははは。フィルムのモノクロ写真が好きで、明菜さんと聖子さんが好きって年齢不詳ですね(笑)。

あはははは。お母さんが中森明菜さんが好きで、私の名前の結菜の菜は中森明菜さんからもらってるらしいんですね。お母さんが菜は絶対入れたいから、鈴菜か結菜がいいって言ってて。だから、中森明菜さんは小さい頃からずっと聴いてます。「難破船」とか、暗いやつを(笑)。

(笑)松田聖子さんは正反対ですよね、キャラクター的に。

二人は同世代で、陰と陽だったっていう話を聞いて。じゃあ、松田聖子さんも聴いてみようと思って聴くようになりました。

どう感じました? 聖子ちゃんのほうは。

本当に陽ですね。太陽!夏!みたいな感じ。私は「制服」って曲が可愛くて好きですね。

世代的にはロックバンドとか聞きそうだけど。

最近はあんまり聴いてないですけど、ONE OK ROCKとかD.A.N.を聴いてた時期もありましたよ。あと、普通にエド・シーランとかも聴きますし。いつかドライブで絶対に聴こうと思ってるのはBEGINさんです!(笑)。

沖縄に戻ってきた(笑)。

そう(笑)。BEGINさんのアルバムも買ったんですけど、運転免許を取ったので、そのアルバムを東京でドライブする時に聴こうと思ってて。沖縄でドライブしてるとすごい気持ちいいんですよ。沖縄の友達とBEGINさんかけながらみんなで歌いながらドライブするのがすごい楽しくて。こないだ帰った時に「三線の花」とか「島人ぬ宝」、BEGINさんの歌ってる「涙そうそう」や「オリオンビール」とか。とりあえず盛り上がるのをかけてたんですけど、それがすごく楽しくて、東京でもそういう気分を味わいたいなって(笑)。車の中ではとりあえずBEGINさんをかけようと思ってます。

黒島結菜

【AFTER TALK】 未来に望むもの

本日は長時間ありがとうございました。それにしても、黒島さんは頭の回転が早いですよね。聡明だし、早熟な印象を受けました。

勉強はできないんですけど、生きていく上での頭はいい気がしてます(笑)。

二十歳を迎えるのが楽しみですね。女性は20代になるとがらりと変わるから。

いや、変わりたくないです! なんか嫌だ!

あはははは。ちなみに女優としての未来像はどんなものを思い描いていますか? 以前、お会いした時は、「飽きられない女優さんになりたい」っておっしゃってました。

あ、それは変わらないです。あと、慣れたくないって思います。慣れすぎて作業みたいになるのは嫌だなって思うんですよね。だから、仕事も大事だけど、ちゃんとプライベートっていうか——写真とか、友達とか、オンオフを切り替えながら普通の感覚も大事にしたいです。お芝居で特殊能力を持った役もありますけど、高校生や大学生役も多いので、そういうのは自分自身がちゃんと経験してないとできないと思うんですね。だから、プライベートの時間もちゃんと大切にしたいなって思っています。

普通でいたいって思える感覚も素晴らしいですよね。自分の好きなものもはっきりしているし、かといって一人の世界に引きこもるわけではなく、社交性もあって。人間力がとても高いですよね。

それは、お父さんにずっと言われている事があって「一番大事なのは人間力だ」って。お父さんから半年に一回は必ず言われるんですね。「人間力が大事だから。感謝の気持ちと謙虚さ、素直さは絶対忘れるな。それが人間力を作るから。それだけは絶対やっていきなさい」って。その言葉を小さい頃からずっと聞いてきたので、そうなっていきたいって思ってます。

じゃあ、お父さんに「今日、取材で人間力が高いって言われた」って伝えてください。

言っておきます(笑)。きっと喜ぶと思います。

プロフィール

黒島結菜(くろしま ゆいな)

1997年3月15日生まれ。沖縄県出身の19歳。A型。2012年、ウィルコム沖縄イメージガールコンテストで「沖縄美少女図鑑賞」を受賞し、モデルとして活動をスタート。これまでにカルピスウォーターやみずほフィナンシャルグループ、クラレ「ミラバケッソ キャンペーン」などのCMに、「呪怨-終わりの始まり-」(2014年)、「ストロボ・エッジ」(2015年)などの映画に出演。この夏放送のドラマ『時をかける少女』では、テレビドラマ初主演をし話題になった。9月24日からスタートのNHK土曜ドラマ「夏目漱石の妻」、11月11日にロードショーの映画「オケ老人!」に出演している。

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