アイテム集めと育成を楽しもう!
ここまで読むと、萌え要素に全振りしたゲームだと考える人も多いだろう。しかし、本作のダンジョンRPGパートはなかなか硬派だ。僕がこのゲームを紹介したい理由の多くはここにある。広大なダンジョンをオートマッピング機能を使いながら探索し、敵と戦い、アイテムを入手する。ときには強力な攻撃を繰り出してくるボスと対峙し、多彩なスキルやアイテムを駆使して勝利を掴みとらなければならない。ダンジョンの構造はそれほど難解ではなく、ギミックなどは少なめだが、単純な一本道というわけではない。扉を開けた先に強敵がいることもあれば、意外なところにショートカットが用意されている場合もあり、プレイヤーの探究心をほどよく掻き立てる塩梅のものになっている。

▲ダンジョンの構造はそれほど複雑ではないが、攻略は一筋縄ではいかない。レベルを上げて臨んだり、扉の向こうにある危険を予測したりして慎重に進んで行く必要がある。道中に登場するモンスターは、さまざまな攻撃を仕掛けてくるので要注意
ダンジョンRPGにおいて重要な楽しみどころである、装備探しや育成も充実している。本作では、装飾品という装備がキャラクターの能力を大きく変化させる。装飾品は、ダンジョン内の宝箱や戦闘から入手することになるので、戦闘や探索になかなか飽きがこない。レアな装飾品を入手したときのしてやったり感は、ハックアンドスラッシュ型のRPGが好きな人にも響くだろう。
育成については、レベリングをしてステータスをアップさせ、さまざまな効果を持つ”スキル”を習得していくというのが基本的な流れになる。仲間になるモンスター娘の数が多く、モンスター娘ごとに使えるスキルが異なるため、育成方面をやり遂げるにはなかなかの時間を要する。ゲームバランスとしては、どんな編成でもクリアできるくらいの難度になっているため、効率重視か好みを貫くのか、幅広いプレイスタイルを受け入れてくれるのも嬉しいところだ。筆者はダンジョンRPGが大好きなので、新旧関わらずいろいろな作品を遊んできたが、そのなかでもかなり意欲的で遊びやすいタイトルに仕上がっていると感じている。ダンジョンRPGビギナーには、ぜひとも遊んでみてほしい。

▲モンスター娘によって、得意なスキルが異なる。攻撃と守りのバランスが取れたパーティを組むのが攻略の際のセオリーとなるが、どんなパーティでもクリアまでは進めるようなゲーム難度なので、好みを優先するのもいい
コアなダンジョンRPGファンの方は”難易度”の項目を最大のEXPARTにしてプレイすれば、敵が一気に強くなるので歯ごたえのある冒険を楽しめるだろう。難度を上げることで、取得経験値が増えるというメリットもある。難度はゲーム中に任意で変更可能なので、最高難度を選んでも厳しいと感じたらひとつ下げて遊んでみることもできる。難度の任意変更は”最高難度を通しでクリアした”というやり込みを証明しにくくなるため、個人的にちょっと抵抗があったのだが、”難度をいろいろと変えつつ”攻略することでゲームの楽しみかたが変化し、なかなか面白いシステムだと感じるようになった。例えば、クリア済みのダンジョンを再度探索するときは難度を下げて敵を一掃できるようにしたり、レベルを上げたいときは難度を上げて連戦するというプレイも可能だ。

▲ダンジョンRPGを初めて遊ぶという方は、難易度NOMALで遊ぶことをおすすめする。適度に緊張感のあるバトルが楽しめる
オリジナル版からの変化としては、モンスター娘のステータスアップアイテムが追加された点も見逃せない。モンスター娘たちのレベルアップに伴うステータスの上がり幅がランダムになっているため、オリジナル版でステータスの理想値を目指す場合はレベルアップごとに上がり幅を確認し、不満な場合はリセットをかけるというプレイスタイルを取る必要があった。しかし、本作では多少の差ならアイテムでカバーすることが可能なのだ。こうしたやり込み気質な人向けの追加要素があると、ちょっと幸せな気分になるのは筆者だけではないはず。
本作の”遊びやすさ”について
シナリオや世界設定、その振り切ったエロティックな表現は”イロモノ”の領域に達しているが、僕は本作を力強くおすすめしていきたい。最近の3DダンジョンRPGはストーリーが色濃く絡んでくることが多く、いちいち足を止めさせられるイベントや、個性を強調するために奇をてらっただけでまるで楽しくないギミックが目立つものも少なくない。面白いフォーマットが完成しているだけに、新しい味付けを施すのが難しいからだろう。
ところが本作は、ダンジョン探索中にあまり余計なことが起こらない。区切りのいいところで、ちょっと厚めのイベントを挟んでくれる配慮もたまらなくいい。モンスター娘との触れ合いもプレイヤーの好みでがっつりと楽しむか、あっさりと遊ぶかを決められる。たとえば、街からアクセスできるHモンスター広場というモンスター娘たちとの好感度を高めるコンテンツも、どの段階で遊ぶかをプレイヤーに委ねられている。モンスター娘と仲よくなり、彼女たちとふたりきりになれる固有イベントを見たい人は、このコンテンツに注力してプレイを進めるのもいいだろう。

▲モンスター娘との触れ合いを楽しめるHモンスター広場。モンスター娘との好感度を上げていくと、特殊な会話イベントが発生することも
戦闘の高速化やオートバトルはもちろん、最近のダンジョンRPGでよく見られる” オートパイロット”も実装されている。一度歩いた場所であれば、その場所を指定するとオートで歩いていってくれるというわけだ。オリジナル版のときよりもさらに快適に遊べるようになっているので、おさらい的に本作に触れるという方も安心して遊べる。
”萌え”というジャンルは好みが分かれやすいが、 ダンジョンRPGが好き、ダンジョンRPGを遊んでみたいという人がいれば、ぜひ本作を手に取ってもらいたい。そして、古き良きダンジョンRPGを遊んでいたという方がいれば、本作をきっかけにこのジャンルへの興味を取り戻してもらいたいと願っている。PCやファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコンなどで遊んだときの面白さのエッセンスはそのままに、このジャンルも進化していることがわかるはず。本作はゴリゴリのやり込み系ダンジョンRPG というわけではないが、エンドコンテンツまで遊べばプレイ時間、体験を含めて満足なものになるだろう。

▲オートパイロット機能を使えば、探索をよりスムーズに進められる
余談になるが、本作の発売元であるコンパイルハートはいろいろなRPGを世に送り出している。そのほとんどが”萌え”にこだわった作品となっており、可愛らしい女の子たちがたくさん登場する。僕はギャルゲーが大好きなのでこうした作品を遊び続けているが、そのなかにRPGとして非常に完成度の高い作品を見つけることがある。特にやり込み要素が詰め込まれた作品は歯ごたえのあるものが多く、過去作では『フェアリーフェンサー エフ ADVENT DARK FORCE』、『アガレスト戦記』シリーズなどはコツコツと育成していくのが楽しい作品だった。他社のIPを活用した『クロスエッジ』は、個性溢れるキャラクターたちがバトル中にうまく融合する傑作だ。そして、コンパイルハートの親会社となるアイディアファクトリーの『ブレイジング ソウルズ』は、未だに僕のなかで最高のシミュレーションRPGのひとつとしてある。この作品はやり込みを完遂するまで続けた結果、500時間くらいプレイした。“オーバーキル”という、過剰な大ダメージを与えることでアイテムを奪えるシステムがたまらない。してやったり感を存分にもたらしてくれる。
コンパイルハート、アイディアファクトリーのゲームはいわゆる古き良きRPGのプレイフィールを残しつつも、オリジナリティ溢れるシステムでの味付けを目指していると個人的には受け止めている。ガワは美少女盛り盛りで一見さんお断りのように見えるかもしれないが、怖がらずに触れてみるとじつに遊びやすい作品が多いのだ。たまにちょっと斜め上すぎる作品もあるが、そこは愛嬌ということで僕はいつも期待していたりする。RPG好きなら、両社の優れたRPGにぜひ一度触れてみてほしい。
フォトギャラリー
■タイトル:限界凸記 モエロクロニクル H
■メーカー:コンパイルハート
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:H(ハイパー)なダンジョンRPG
■発売日:発売中(2019年1月31日)
■価格:ダウンロード専売 4000円(税込)
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