Interview

木村カエラのミニアルバム『¿WHO?』。個性があれば、何にだってなれる、何色にも染まれる

木村カエラのミニアルバム『¿WHO?』。個性があれば、何にだってなれる、何色にも染まれる

「COLOR」──何色にだってなれるんじゃない?

そして、1曲目のリード曲「COLOR」に戻りたいと思うんですが、この1曲目と5曲目の差が。

へんちくりんな曲だよね(笑)。「Tomorrow」のシンプルさと比べると振り幅がすごい。だから、「誰?」みたいな感じだなって(笑)。

(笑)。ユニークなビートのダンスロックチューンになっていますよね。ローティーン向けのファッション雑誌の編集部を舞台にしたドラマ『プリティが多すぎる』主題歌になっていますが、歌詞はどんなテーマで書きました?

ドラマの台本を読みつつ書いたんですけど、ちょうどその頃、ジェンダーレスモデルの中山咲月ちゃんのドキュメンタリーを観て。自分の個性を出してみんなの前に立ってる姿勢に感動して。その子からもヒントをもらいつつ、自分が原宿に行っていた頃のイメージを含め、今の自分に向き合いつつ、“女の子の個性”をテーマにして。自分が通ってきた道だから、楽しく生き生きと書けましたね。

自分が何が好きで何が嫌いかを見極めると個性が出来上がってくる

女の子の個性をテーマにどんなことを歌ってると言えばいいですか?

女の子はきっと、頭の中に描いた理想の自分にいかに近づけるかっていうことばかり考えてるんですよね。お化粧をして、オシャレをすることで、自分に自信がついて笑えることができたりする。それに、可愛いって言われたり、愛されることを望んでいるんだけど、みんなとは違う“ひとり”になりたいって思ってたりする。それは私も同じで、女の子はみんな一緒なんじゃないかなと思って。その誰とも似てない“ひとり”になるために最初はもがくんですよね。自分の個性がわからなくてフワフワするんだけど、いろんなメイクを試して、いろんな洋服を着てみて、好き嫌いをはっきりさせていくことで、個性が見つかっていくというか。自分が何が好きで何が嫌いかを見極めると個性が出来上がってくるし、その日々の積み重ねでどんどん個性が強くなっていくと思う。今、自分の内に秘めた個性が出せなくてモヤモヤしている子がいたら、バン!と出せたらいいなと思って。ファッションやメイクは本当に自由なんだよ、好きにやっていいんだよ、若いうちは特にハジケなさい!っていうメッセージも入ってますね。

カエラさんは小6でカットモデルとしてスカウトされて以降、パンクやロリータ、ゴスやデコラなど、多種多様なスタイルの若者で溢れていた原宿や下北で青春時代を過ごし、デビュー後はつねに“個性的”と称されてきました。自分自身の“個性”については、今はどう考えてますか?

自分自身が大人になっているからこそ、この感覚は忘れちゃいけないことだなって思ってますね。自分の個性を見つけて大人になったら、そのまま変わらずにまっすぐ行くけれど、変わっていく面白さもある。この歌詞を書いたときに、じゃあ、もっと面白くするにはどうするんだっていうふうに広げていく作業も必要だなって思ったので。今、原宿にいる子たちに向けつつも、私が今の自分自身を勇気づけるとしたらどんな言葉を投げかけるだろうっていう気持ちも入っています。

この曲のタイトルを「COLOR」にしたのは? 

“色”という言葉自体も好きだし、感情を色で表すのもすごく好きだし、そこに個性っていう最高の意味も付いていて。以前、『Zipper』で連載していたものをまとめた『COLOR』っていう写真集を出してるんだけど、あのときも同じような意味合いで『COLOR』って付けて。連載のテーマも“色”だったんだけど、あのときも“個性”っていう意味で“COLOR”って言ってた。だから、やっぱり「COLOR」だなって思って。

その色は1色だけじゃないんですよね、「私だけが持つCOLOR」とも歌っていますが。

そうです。1色だけにしてもいいと思うんですけど、逆に何色にだってなれるんじゃない?みたいな。今回のミニアルバムと一緒ですよね。私がいるんだけど、いろんな人になれるっていう。でも、自分だけを見ていればブレないですむ。今回、これを作ったときにそれをすごく思って。だから「COLOR」をリード曲にできたのは自分の中で腑に落ちていて、いいなあって感じですね。

「COLOR」という曲自体が持っている色は何色でしょう?

赤っぽい感じかな。何て言うんだろう……目をギュッとつぶると、花火みたいにいろんな色が出てきますよね。あのイメージなんです。想像の中でグーッて考えてるときにパチパチパチパチ、「あ、きれい」みたいな。あれのイメージ(笑)。黒い中に光が見えて、個性が光ってるっていう。

「てるてる坊主になりたい!」

MVもそんな雰囲気ですよね。

そう。9月に『Mステ』で着たカラフルムックみたいなピカピカの衣装なんですけど、最後に暗闇の中で私自身がピカピカピカーっと光る感じにしてくださいっていうお願いをして、撮ってもらって。暗闇の中で個性が光るっていうイメージです。自分はめっちゃカラフルなんだけど、周りは暗いっていう。

どうして周りは暗いんでしょう?

何でですかね。やっぱり個性を見つけるときってもがくからかな。自分は何もなくて、どうしたいかも考えてないときに暗闇の中に立たされたら、どこにも進めないっていうか、自分自身も見えなくなっちゃう感じがしていて。だから、MVは暗闇の中で個性がカラフルに光るというイメージ。自分の中で確立した個性があれば、迷ったときでも、暗闇の中でも強く立っていられるんだっていうメッセージを込めています。

ジャケットはお化けのように白い布をかぶって顔を隠しています。

撮影したのは5月だったんですけど、勝手なイメージで「てるてる坊主になりたい!」って言って。レースのドレスを着たてるてる坊主にしてもらったんですけど、めっちゃ動いていたらドレスがひっくり返っちゃって。その瞬間がジャケットになりました(笑)。写真は2枚しかなかったんだけど、それが可愛いっていうことで、これになって。だから、メイクさんとスタイリストさんには謝りました、「ごめんね」って(笑)。

ひとつひとつ「頑張ったな、自分」って思えるようなことができたら、これからまた楽しくなる

あはははは。偶然から生まれたものだったんですね。さらに、初回限定盤には1,499枚の手書きジャケットを忍ばせる予定だそうですが、これは、2019年6月に迎えるメジャーデビュー15周年に向けたプレ企画のひとつにもなっています。最後に、アニバーサリーイヤーを迎える心境を聞かせてください。

15周年から20周年に向けて、できることを全部やりたいと思っていて。今は全部、カッコつけずに、頑張りたい。だから、1,499枚、感謝の気持ちを込めて書きます。そういうことを含めて、ひとつひとつ「頑張ったな、自分」って思えるようなことができたら、これからまた楽しくなるかなって思ってますね。だからとりあえず、これからの5年間は、かっこ悪くて、暑苦しくて、楽しいことをやろうぜっていうような人間になりたいんです。そこにみんなが面白がってくれたらいいなと思うし、何より今は、ライヴがやりたくてウズウズしてますね。

木村カエラ

1984年10月24日生まれ、東京都出身。2004年6月にシングル「Level 42」でメジャーデビュー。2013年に自身が代表を務めるプライベートレーベル“ELA”を設立。2018年4月には絵本『ねむとココロ』を出版。2019年、デビュー15周年を迎える。

オフィシャルサイト

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