対戦文化を爆発的に普及させた『ストリートファイターII』シリーズの衝撃
1991年、すべての2D対戦格闘ゲームの下地となったと言っても過言ではない『ストリートファイターII』がついに登場する。基本的なゲームシステムは前作のままに、リュウとケン以外にも、中国拳法を得意とする春麗、ヨガ使いのダルシムなど、格闘スタイルが異なる個性豊かな6名のキャラクターを追加し、選択のバリエーションが増えた。それだけではなく、CPS-1基板が表現する細やかなドットグラフィックと、より重量感のあるドシッとした操作感で大ヒットした。

▲当時は8人のキャラクターが選べるというだけでも「すごい!」という時代だった
稼働当初、ゲーム雑誌では対CPU戦におけるスコアアタックや、”四天王(バイソン、バルログ、サガット、ベガ)“を倒すための攻略記事が組まれることが多く、「あっ、こいつら絶対強いんだ……」と思わせてくれるのに十分なものだった。その後、誌面の内容は徐々に対人戦へとシフト。同年の夏には、アーケードゲーム専門誌『ゲーメスト』が大会を主催し、約500人もの参加者が集ったことで、対戦ブームにさらなる火が灯されていく。

▲コンティニュー画面では、血を流してボコボコになった痛々しい姿に……
1992年4月には、キャラクターのバランス調整を施し、同キャラでの対戦を可能にし、四天王をプレイヤーキャラクターに追加した『ストリートファイターII'(ダッシュ)』がリリース。2台の筐体を背合わせにした”対戦筐体“が各地のゲームセンターで数多く見られるようになり、同年6月には『ストリートファイターII』がスーパーファミコンに移植されると、ブームはさらに過熱していく。スーパーファミコン版に関しては、売り上げが290万本という数字を記録していることから、いかに幅広い層が遊んでいたのか、おわかりいただけるだろう。

▲『ストリートファイターII’ TURBO』では、ゲームスピードがさらに早くなり、よりスピーディな試合展開が進められるようになった
パンチとキックをがむしゃらに操作するカジュアルなプレイヤーからすれば、波動拳や昇龍拳を難なく出せる友人や兄弟のことをヒーローのように見たり、自分でも出せるように十字キーでの入力を練習した経験を持つ人もきっと多いはずだ。攻撃ヒット時の重々しい打撃音とキャラクターの必殺技ボイスは、ゲームセンターのみならず、自宅や友だちの家からも響いていた。

▲『スーパーストリートファイターII』ではキャミィ、ディージェイ、T.ホーク、フェイロンという4人のキャラクターを追加
社会現象を巻き起こすほどの対戦格闘ブームは『スーパーストリートファイターII X』の登場で最高潮に達する。同ソフトの企画を担当した船水紀孝氏の「『ストリートファイターII』から“変えてはいけない”と言われていたデータほど、あえて変えた」との発言のとおり、必殺技の追加変更や空中コンボが追加されたほか、”決めた!“と思わせるのに十分な演出とダメージ量を誇るスーパーコンボを実装。現在でも各地のゲームセンターでは定例大会やイベントが行われていることから、『ストリートファイターII』シリーズの集大成であり最高傑作と評されるほどの調整となった。

▲『スーパーストリートファイターII X』はCPS-2基板になったことで、グラフィックとサウンドが強化。ゲームにより華を添える仕上がりになった